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プラザキサ(R): 新たな患者集団を対象とした2件の新規グローバル臨床試験を実施予定

- RE-SPECT ESUS(TM) 試験では、塞栓源が特定できない塞栓性脳卒中(embolic stroke of undetermined source, ESUS)を発症したことがある患者を対象に、脳卒中の再発抑制に対するプラザキサ(R)の有効性および安全性を評価
- RE-DUAL PCI (TM) 試験では、ステント留置を伴う経皮的冠動脈形成術(PCI)を受けたことがある非弁膜性心房細動患者を対象に、プラザキサ(R)の有効性および安全性を評価
- これら2件の新規臨床試験は、ベーリンガーインゲルハイムが広範囲に展開するRE-VOLUTION(R)臨床試験プログラムの一部


当プレスリリースについて
この資料は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)が11月19日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳したものです。なお、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。この資料の内容および解釈についてはオリジナルが優先することをご了承ください。

2013年11月19日 ドイツ/インゲルハイム
ベーリンガーインゲルハイムは、臨床的に極めて重要な2つの病態を対象に、プラザキサ(R) (ダビガトランエテキシラート)の脳卒中発症抑制に対する有効性および安全性を評価する目的で、2件の大規模国際共同臨床試験を開始します。
RE-SPECT ESUS(TM)試験では、塞栓源が特定できない塞栓性脳卒中(embolic stroke of undetermined source, ESUS)を初めて発症した患者を対象に、プラザキサ(R)の有効性および安全性を評価します。なお、塞栓性脳卒中は、体内のどこかで形成された血栓が血流に乗って脳まで運ばれることによって発症します1。
RE-DUAL PCI(TM) 試験では、ステント留置を伴う経皮的冠動脈形成術(PCI、「血管形成術」とも呼ばれる)を受けた非弁膜性心房細動(NVAF)患者を対象に、プラザキサの有効性および安全性を評価します。

RE-SPECT ESUS(TM) 試験とRE-DUAL PCI(TM) 試験は2015年初頭までに患者登録開始を予定しており、両試験は、プラザキサ(R)の有効性と安全性を評価する大規模な臨床試験プログラムRE-VOLUTION(R)の一部に含まれる予定です。今回の2件の新規試験が完了すれば、このプログラムは44を超える国々から55,000人以上の患者が参加した14件の臨床試験で構成されることになります2。

ベーリンガーインゲルハイム医薬開発担当上級副社長Prof. クラウス・デュギは「プラザキサ(R)は2010年に米国で心房細動患者における脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制を適応として承認され、50年以上も前にワルファリンが販売されて以来、初めて承認された経口抗凝固剤です。これらの 新たな試験の実施計画は、プラザキサ(R)に対する我々の自信と、アンメット・ニーズを抱える患者さんに本剤が福音をもたらす可能性があるという我々の確固たる信念を反映したものです。脳卒中およびその他の生命を脅かす事象のリスクを低減させるプラザキサ(R)の潜在的な力への理解が、これらの試験の結果によって一層高まることを期待しています」と述べています。

ESUSの発症後に脳卒中が再発した患者では、罹病率と死亡率がより高いことが認められています3,4。ただし、ESUS患者の脳卒中の二次予防の治療指針となりうる情報やデータは限られており、非常に大きな医学的なアンメット・ニーズが存在します5。

RE-SPECT ESUS(TM)試験 (Randomized Evaluation in Secondary stroke Prevention Comparing the Thrombin inhibitor dabigatran etexilate versus ASA in Embolic Stroke of Undetermined Source、原因不明の塞栓性脳卒中におけるトロンビン阻害剤ダビガトランエテキシラートとアセチルサリチル酸の脳卒中二次予防効果を比較するランダム化試験) は、ハンス-クリストフ・ディーナー(Hans-Christoph Diener)教授(ドイツ・エッセン大学神経学教室教授・神経科部長)の主導で実施されます。本試験では、発症後3ヵ月以内のESUS患者を6,000人登録することを目指しています。

試験計画は以下のとおりです。
・ プラザキサ(R)による脳卒中の再発抑制効果をアセチルサリチル酸(100mg 1日1回、現在の標準療法)と比較する。大部分の患者にはプラザキサ(R)150mgを1日2回投与するが、年齢75歳以上または中等度の腎機能障害(CrCl 30〜50mL/min)を有する患者にはプラザキサ(R)110mgを1日2回投与する。
・ 治療期間は6ヵ月〜3年間を予定。主要なアウトカムイベントは治療終了後30日まで観察する。


ステント留置を伴うPCIを受けた心房細動患者では、脳卒中の発症リスクや他の主要心血管イベントの発現リスクが高いことが、これまでの研究により示されており、これらリスクは抗凝固療法により低減することができます6。現在、ステント留置を伴うPCIを受けた患者のうち、約10人に1人が、心房細動または他の理由による脳卒中のリスク低減のために、抗凝固療法を必要としています7。

RE-DUAL PCI(TM) 試験 (Randomized Evaluation of Dual Therapy with Dabigatran vs. Triple Therapy Strategy with Warfarin in Patients with NVAF that have undergone PCI with Stenting、ステント留置を伴うPCIを施行されたNVAF患者におけるダビガトランを含む2剤併用療法とワルファリンを含む3剤併用療法のランダム化比較試験) は、ハーバード臨床研究所(HCRI)との共同研究として実施予定であり、クリストファー・キャノン(Christopher Cannon)教授(米国ボストン・ブリガム・アンド・ウィメンズ病院心臓専門医、ハーバード大学医学部教授)によって実施されます。

試験計画は以下のとおりです。
・ Event-driven試験として行い、プラザキサ(R) (150mgまたは110mgを1日2回投与)+1種類の抗血小板薬(P2Y12阻害剤)の併用療法と現在の標準療法(ワルファリン+2種類の抗血小板薬)を比較し、PCI施行後の臨床的に問題のある出血および塞栓性イベント(死亡、心筋梗塞、脳卒中の合計発生率と定義)を主要評価項目として評価する。

参考情報
プラザキサ(R)(ダビガトランエテキシラート)について
プラザキサ(R)は、新世代の経口抗凝固剤の中で初めて広範に承認を受けた薬剤であり、急性および慢性の血栓塞栓症の予防と治療における高いアンメット・メディカル・ニーズに対応することができる直接トロンビン阻害剤(DTI)です。直接トロンビン阻害剤は、血栓形成プロセスにおいて中心的な役割を果たす酵素であるトロンビンの活性を特異的に阻害することにより、強力な抗血栓作用を発揮します。具体的には、様々な凝固因子を介して多様な作用を示すビタミンK拮抗薬とは異なり、プラザキサ(R)は有効かつ予測可能で再現性のある抗凝固作用を示します。薬物相互作用の可能性は低く、食物との相互作用もありません。定期的な血液凝固モニタリングや用量調節の必要性もありません。

ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムグループは、世界でトップ20の製薬企業のひとつです。ドイツのインゲルハイムを本拠とし、世界で140の関連会社と46,000人以上の社員が、事業を展開しています。1885年の設立以来、株式公開をしない企業形態の特色を生かしながら、臨床的価値の高いヒト用医薬品および動物薬の研究開発、製造、販売に注力してきました。
ベーリンガーインゲルハイムにとって、社会的責任を果たすことは、企業文化の最も重要な柱のひとつです。事業を展開する世界の国々において、社会問題に取り組み、社員とその家族を思いやり、全社員に平等な機会を提供することが、 ベーリンガーインゲルハイムの基盤です。そして、尊重と誠実を重んじ、環境保護と持続可能な社会の実現に向けて貢献することが、ベーリンガーインゲルハイムの本質であり使命です。

2012年度は147億ユーロ(約1兆5,086億円)の売上を示しました。革新的な医薬品を世に送り出すべく、医療用医薬品事業の売上の22.5%相当額を研究開発に投資しました。

日本ベーリンガーインゲルハイムは、呼吸器、循環器、中枢神経などの疾患領域で革新的な医療用医薬品を提供しています。

詳細は下記をご参照ください。
http://www.boehringer-ingelheim.com/ 
(ベーリンガーインゲルハイム)
http://www.boehringer-ingelheim.co.jp/    
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)


References:
. National Stroke Association “Types of Stroke” Available at http://www.stroke.org/site/PageServer?pagename=TYPE Last accessed October 2013
2. Boehringer Ingelheim. Data on file.
3.Hankey GJ et al. Long-Term Disability After First-Ever Stroke and Related Prognostic Factors in the Perth Community Stroke Study, 1989-1990 Stroke 2002;33:1034-40
4. Mohr JP, et al. A comparison of warfarin and aspirin for the prevention of recurrent ischemic stroke. N Engl J Me ;2001;345:1444-51
5. Bang OY, et al. Frequency and mechanisms of stroke recurrence after cryptogenic stroke. Ann Neurol. 2003;54:227-34
6. Ruiz-Nodar J et al. Anticoagulant and Antiplatelet Therapy Use in 426 Patients With Atrial Fibrillation Undergoing Percutaneous Coronary Intervention and Stent Implantation. J Am Coll Cardiol. 2008;51(8):818-825
7. Sarafoff N, et al. Triple Therapy With Aspirin, Prasugrel, and Vitamin K
Antagonists in Patients With Drug-Eluting Stent Implantation and an Indication for Oral Anticoagulation. J Am Coll Cardiol. 2013;61(20):2060-6
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