約4割の企業が、今期の業績は「増収増益」の見通し。来期の課題は約7割が「収益向上・改善」と回答。コスト増加をカバーするための収益対策が急務に。「2024年度 企業経営に関するアンケート調査」結果を発表
[24/03/01]
提供元:PRTIMES
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日本の経営コンサルティングのパイオニアである株式会社タナベコンサルティング(本社:東京都千代田区・大阪市淀川区、代表取締役社長:若松 孝彦)は、当社主催「経営戦略セミナー2024」に参加された経営者・経営幹部、および全国の企業経営者、役員、経営幹部、経営企画部責任者・担当者などを対象に実施した「2024年度企業経営に関するアンケート調査」の結果を発表いたします。
【調査結果サマリー】
(1)39.0%の企業が今期の業績は「増収増益」の見通しと回答。また、来期の業績は43.9%の企業が「増収増益」の見通しであるという回答となりました。
(2)ビジョン推進・経営目標達成において自社に必要な(優先すべき)戦略は「人的資本戦略」と回答した企業が38.1%と圧倒的な回答率に。次いで「ビジネスモデル再構築」、「戦略的組織再編」、「パーパス経営」となり、人的資本戦略や戦略的組織再編など、「組織能力の強化」が長期的な重要テーマとなっていることがうかがえます。
(3)来期の事業戦略における課題テーマは、「収益向上・改善」が67.1%と圧倒的に多い結果となりました。人件費や材料費など、コストの増加をカバーするための収益対策が急務となっています。
【各データ詳細】
■約4割が今期の業績は「増収増益」の見通しと回答。また、来期は4割以上が「増収増益」の見通しに。
今期の業績について、全体の39.0%が「増収増益」の見通しと回答。来期の業績は、43.9%の企業が「増収増益」の見通しであるという回答となりました。
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■ビジョン推進・経営目標達成において自社に必要な戦略は「人的資本戦略」が約4割と最多!
ビジョン推進・経営目標達成において自社に必要な(優先すべき)戦略について、「人的資本戦略」が38.1%と圧倒的に高い結果となりました。次いで「ビジネスモデル再構築」が25.4%、僅差で「戦略的組織再編」が25.1%、「パーパス経営」が25.0%という結果に。人的資本戦略や戦略的組織再編など、「組織能力の強化」が長期的な重要テーマとなっていることがうかがえます。
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■来期の事業戦略における課題テーマは、「収益向上・改善」が約7割! 収益対策が急務に。
来期の事業戦略における課題テーマは、「収益向上・改善」が67.1%と圧倒的に多い結果となりました。人件費や材料費など、コストの増加をカバーするための収益対策が急務となっていると言えます。次いで、「新規事業開発」が31.4%、「ブランディング・PR強化」が29.1%、「新商品・サービス開発」が26.8%となりました。自社の強みを磨き、イノベーションによって付加価値を向上させる取り組みが上位となっています。
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■来期のコーポレート領域における課題テーマは、約4割が「組織再編」と回答。財務・資本戦略よりも組織機能の強化に注目。
来期のコーポレート戦略(組織・財務)領域での課題テーマについて尋ねると、「組織再編」が36.2%と最も高い結果となりました。次いで「内部統制(コーポレート・ガバナンス)」が30.3%、グループ経営システム強化が23.7%という結果となりました。回答の上位は「組織」に関連する項目が占めており、財務・資本戦略よりも組織機能の強化が注目されていることが分かります。
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■来期の人的資本領域は、6割以上が「人材育成・研修」が課題と回答。短期的な人材対策が急務。
来期の人的資本領域での課題テーマについて尋ねると、「人材育成・研修」が60.1%と最多となり、次いで「人材採用」が57.1%となりました。「教育体系づくり」は34.3%と、上位2項目と大きく差が開く結果となり、長期的な仕組みづくりよりも、現在進行形で人材確保が急務となっていることが分かります。
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■来期のデジタル領域での課題テーマは、「DXビジョンの明確化」が4割以上と最多。
来期のデジタル領域での課題テーマについて尋ねると、「DXビジョンの明確化」が43.9%と最も高い結果に。次いで、「システム基盤の構築」が35.5%、「DX人材の確保(採用・育成など)」が35.1%となり、依然としてDXビジョンの明確化が重要視されているものの、「システム基盤の構築」も回答率が高い結果となっており、人材と合わせてITインフラの整備が重要視されていることが分かります。また、「AI活用」が31.2%と、「ChatGPT」に代表される生成AIの認知度が向上したこともあり、企業としてAIをいかにして取り入れていくのかが課題となってきています。
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■来期ブランディング・PR領域での課題テーマは、「理念・パーパス浸透」が4割以上に!
来期のブランディング・PR領域での課題テーマについて尋ねると、「理念・パーパス浸透」が40.7%と最多となり、次いで「商品・サービスブランド強化」が34.9%、「ブランドビジョンの明確化」が31.0%という結果となりました。アウターブランディングなどの取り組み強化よりも、ブランドそのものの見直しが重点に置かれていることが分かります。
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■専門コンサルタントによる総括・提言
(1)インフレ経済に対応する収益構造へ
今期の業績は緩やかに回復基調となっており、来期の業績見込みに関しては、43.9%が「増収増益」という回答となりました。しかしながら、今年度のアンケートでは「組織再編」や「システム基盤の構築」など、投資要素の低い“守り”の傾向が見て取れることから、企業は“守り”に入っていると言わざるを得ません。
事業戦略においては「収益向上・改善」が最も高い結果となり、インフレ経済下における内需の減少やコスト増を受け、収益の改善を図ろうとする企業が多く見られました。また、「新規事業開発」や「ブランディング・PR強化」、「新商品・サービス開発」なども上位となっており、価格競争からの転換を図り、自社の強みを磨くことで、独創的な価値を追求していくことが来期の事業戦略において重要なテーマとなるでしょう。
(2)戦略推進に求められる「組織能力の強化」
経営戦略においては、主に「組織能力の強化」が来期の重要なテーマとなることが分かりました。コーポレート戦略においては、「組織再編」、「コーポレート・ガバナンス」、「グループ経営システム強化」が上位となり、組織の見直しをする企業が多く見られました。また、デジタル戦略においても、「システム基盤の構築」が上位に来るなど、組織としての戦略実行能力を高めていく傾向が見て取れます。
その中心となるのは、やはり「人的資本戦略」です。来期の「人的資本戦略」における課題については、「人材育成」の回答が最多となりましたが、建設・物流などの残業上限規制開始により人手不足が深刻化する2024年問題などの要因により、「人材採用」の課題が顕在化してきており、短期的な人材対策が重点となっています。(3)「コストリーダーシップ」から「クオリティリーダーシップ」へ
インフレ経済下においては、戦略及び収益構造を抜本的に見直す必要があります。コスト削減によって価格競争に巻き込まれる「コストリーダーシップ」から、戦略的“値決め”のできる「クオリティリーダーシップ」へと転換を図っていくことが、来期の戦略の方向性となると言えるでしょう。
そのためには、そのミッションを追求できる「戦略ストーリー」の構築が必要不可欠です。このような世界情勢・経済環境だからこそ、改めて自社オリジナルの「戦略ストーリー」を描き、ステークホルダーと一緒になって「クオリティリーダーシップ」を実行してまいりましょう。
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株式会社タナベコンサルティング 戦略総合研究所 パートナー HRディレクション 久保 多聞HR 領域におけるコンサルティングや、階層別研修の集客・運営に従事。その後、セミナー・階層別研修を手掛ける部署で、企画・集客・オペレーションの全社統括、HRコンサルティングサービスの商品開発、全社プロモーションの推進リーダーを担う。また、部下15名のマネジメントや商品開発プロジェクト推進など、幅広い業務に従事している。
■関連リンク
・「2024年度企業経営に関するアンケート調査」資料ダウンロードページ
https://www.tanabeconsulting.co.jp/vision/document/detail47.html
・当社メディア『TCG REVIEW』(「2024年度 企業経営に関するアンケート」リポート)
https://review.tanabeconsulting.co.jp/column/pick-up-topics/43205/
■調査概要
[調査対象]タナベコンサルティング主催「経営戦略セミナー2024」に参加された経営者・経営幹部および全国の企業経営者、役員、経営幹部、経営企画部責任者・担当者など
[調査期間] 2023年12月8日〜2023年12月22日
[調査エリア]全国
[有効回答数]計1,968件(タナベコンサルティング主催「経営戦略セミナー2024」に参加された経営者・経営幹部1,070件、全国の企業経営者、役員、経営幹部、経営企画部責任者・担当者など898件)
タナベコンサルティンググループ(TCG)概要
TCGは、1957年(昭和32年)に創業し、創業65年を超える日本の経営コンサルティングのパイオニアです。「企業を愛し、企業とともに歩み、企業繁栄に奉仕する」という経営理念のもと、現在地から未来の社会に向けた貢献価値として、「その決断を、愛でささえる、世界を変える。」というパーパスを定めています。
グループで約660名のプロフェッショナル人材を擁し、「経営者・リーダーのパートナー」として大企業から中堅企業まで17,000社以上の支援実績があります。
経営コンサルティング領域としては、戦略策定支援(上流工程)から、デジタル技術も駆使した現場における実装・オペレーション支援(中流〜下流工程)まで、企業経営を一気通貫で支援できる経営コンサルティング・バリューチェーンを全国地域密着で構築しています。
そして、コンサルティングスタイルとしては、「Client Success-すべてはクライアントの成功のために」という徹底したクライアント中心主義のもと、経営コンサルティング・バリューチェーンにより、個社の経営課題に合わせて複数名のプロフェッショナルコンサルタントを選定してチームを組成する「チームコンサルティング」を推進しています。
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