2016年 年次報告記者会見
[16/06/08]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
ボッシュ、日本国内での2015年売上高は2,700億円
日本の自動車メーカーに対する全世界での売上は前年比17%増加
自動運転や二輪車市場、IoTソリューションなどの成長分野に注力
日本の自動車メーカー*に対する全世界での売上は、2021年まで年平均2桁の成長率を目指す
eCall(緊急通報)サービスを2016年末に日本で提供開始
新規事業分野開拓のために大学や政府機関との協力を強化
商用車と農建機市場を担うビジネスユニットを新設
[画像: http://prtimes.jp/i/5028/195/resize/d5028-195-211551-4.jpg ]
東京 — グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディングカンパニーであるボッシュの2015年度の日本における第三者連結売上高は、約 2,700億円(約20億ユーロ)でした。中国の景気減速などの影響により日本国内での売上高は前年比で3.8%減少しましたが、日本の自動車メーカー* に対する全世界での売上高は前年比17%増と、力強い成長を遂げました。日本における2016年の第三者連結売上高は、自動車のセーフティシステムやガソ リン直噴システム、医療用検査・包装技術などへの需要増加が見込まれることから、経済動向の影響にもよりますが、わずかに改善するものと予想しています。
ボッシュは日本市場で成長を加速させるため、日本が強みを持つ自動運転、二輪車、そしてIoTソリューションなどの分野を中心に、日本で積極的に投資をし ていく予定です。ボッシュ株式会社代表取締役社長のウド・ヴォルツは、「こうした投資により、日本の顧客との取引をさらに拡大できると考えています。ボッ シュは日本の顧客をグローバルベースでサポートできるよう、世界各国の拠点間の連携をさらに強化していきます」と述べました。成長分野への積極的な取り組 みを加速させることで、日本の自動車メーカー*に対する全世界での売上を2021年までの今後6年間で、2桁の年平均成長率を目指します。
日本のボッシュ・グループの従業員数は2015年12月末時点で6,600人強でした。2016年は従業員数がさらに増加する見込みです。
日本で自動運転の公道試験を開始
「ボッシュは昨年、日本でも自動運転の公道試験を開始しました。日本はドイツ、米国に続く自動運転開発の重要な三番目の拠点となり、これは日本の重視性を 物語っています」とヴォルツは述べています。日本での公道試験により、左側通行や複雑な交差点などから得られた日本ならではの貴重な洞察を、2011年か ら自動運転の開発に取り組んでいるドイツと米国のチームにフィードバックすることで、ボッシュの自動運転に関する技術をさらに発展させたいと考えていま す。ボッシュは当面、2021年までに高速道路や高速走行が可能な道路で自動運転を行える「ハイウェイパイロット」の実現を目指して開発を進めていきま す。さらに、昨年完全子会社化したRobert Bosch Automotive Steeringがボッシュの「オートモーティブ ステアリング」事業部門となり、自動運転の重要な要素であるステアリングシステムがボッシュの製品ポートフォリオに加わることになりました。日本において も、ステアリングと自動運転を開発する部門との連携を強化し、今後シナジーの創出を見込んでいます。
独立事業化した二輪車向け事業は好調に推移
ボッシュは2015年に二輪車関連事業を統合させ、独立したビジネスユニット「モーターサイクル&パワースポーツ」を新設しました。世界の二輪車 市場では日本メーカーが大きな市場シェアを占めているため、その本部を横浜に設置しました。「二輪車向け製品・サービスの売上高が約20%増加するなど、 すでに独立事業化の好影響が表れています」とヴォルツは述べています。二輪車生産の中心となる中国、インド、東南アジア諸国では、排気量250cc以下の 小型二輪車が手軽な乗り物として愛用されており、こうした小型車には効率性と安全性の向上へのニーズが高まっています。事実、二輪車用安全装置のマーケッ トリーダーであるボッシュが提供するモーターサイクル用ABSの装備が、世界各国で奨励されつつあります。すでに欧州、日本、インドでABSの装備が義務 化される予定で、ブラジル、台湾では将来的にABSの装備を義務付ける法案が成立しているほか、オーストラリアや米国でも政治的な検討課題として掲げられ ています。こうした二輪車関連のニーズの高まりが今後さらに二輪車向け事業を加速させると予想され、同ビジネスユニットの売上が今後数年でさらに成長する と見込んでいます。
IoTソリューションが新たな成長の原動力に
日本においてボッシュの成長を牽引するのは、自動運転と二輪車向け事業だけではありません。ボッシュは、モビリティ ソリューションズ、産業機器テクノロジー、消費財、エネルギー・建築関連テクノロジーのすべてのビジネスセクターでIoTソリューションに取り組んでいま す。ボッシュは、IoTの3つのレベル(センサー、ソフトウェア、サービス)でアクティブに活動している数少ない企業のひとつであり、その点でボッシュは 他の伝統的なモノづくり企業と一線を画しています。ハードウェアにおける幅広いビジネス基盤の上にIoTサービスの構築を進めており、コネクテッドサービ スを強化することにより、ハードウェア事業の基盤をさらに拡充させています。これによりボッシュが誇る多様な技術のみならず、幅広い分野にわたる専門知識 がIoTの分野でさらに活用できるようになる見込みです。
IoTは日本でも重要な戦略となっており、ボッシュは、日本国内でのソリューションの提供に注力しています。その一環として今年、ボッシュの2つの新しい ビジネスユニットが日本で活動を開始しました。それが、ボッシュ グローバル サービス ソリューションズ(Bosch Global Service Solutions) とボッシュ ソフトウェア イノベーションズ(Bosch Software Innovations)です。
ボッシュ グローバル サービス ソリューションズは、ボッシュ・グループ内と顧客へグローバルベースでサービスを提供するビジネスユニットで、2016年に初めて日本市場でサービスの提 供を開始します。そのサービスは、乗用車向け緊急通報サービス(eCall)で、2016年末からサービスの提供を開始する予定です。これは、自動車が事 故の衝撃を検知すると自動的に救急サービスに通報するもので、事故に遇った車両のドライバーが手動で支援を要請することもできます。ボッシュ グローバル サービス ソリューションズは、このサービスをすでに世界41ヶ国で提供しています。ボッシュはこのシステムに必要な製品だけでなく、実際に緊急通報するための通信 サービスも提供しています。
ボッシュのIoTソリューション事業の発展を担うもうひとつの重要な存在が、グループのソフトウェア システムハウスとしてソフトウェアとIoTソリューションの設計、開発、運用を受け持つボッシュ ソフトウェア イノベーションズです。調査会社のフロスト サリバンによると、アジア太平洋地域のコネクテッド・インダストリー向けソリューション市場は2020年までに154億8,000万米ドルに成長し、その 76%を日本と中国の両市場が占めると予想されています。2013年に日本で活動を始めたボッシュ ソフトウェア イノベーションズは、日本の産業用IoTソリューション需要に応えるために2016年に東京支社をオープンしました。「日本はスマートシティの分野で世界 のリーダーとなり、現在発送電事業や製造業へのIoT技術の導入を推し進めています。国民の科学教育水準が高く、政府の強力な支援がある日本は、IoTソ リューション市場として非常に有望です」とボッシュ グローバル サービス ソリューションズのアジア太平洋地域担当プレジデントのThomas Jakobは述べ、さらに「私たちの強力な技術プラットフォームと、事業領域に関する幅広い専門知識、とりわけインダストリー4.0ソリューションのリー ダー的役割から得た経験知識があれば、IoTへの投資がもたらすリターンについて日本の顧客にも短期間で理解いただけると考えています」と語りました。こ のように、ボッシュは日本でIoTソリューションの展開を加速させ、ビジネスチャンスをさらに拡大させます。
新規事業分野開拓のために大学や政府機関との協力を強化
ボッシュは新たな事業領域を創出するため、日本の大学や政府機関など第三者機関とIoTソリューションのノウハウを活かした連携を強化しています。その一 例として、千葉大学および筑波大学と連携したスマート農業プロジェクトがあります。同プロジェクトは、経済産業省が推進するグローバル農商工連携推進プロ ジェクトの助成金を受け、実証実験が行われました。その他にも、IVI(Industrial Value Chain Initiative)やIoT推進コンソーシアム(IoT Acceleration Consortium)などの団体とも提携を進めています。2015年、ボッシュはIVIにおいて、データ連携による品質保証のワーキンググループの会員 として、最適化されたプロセスを実現するためのリーディングオペレーターとしての経験を共有しました。また、IoT推進コンソーシアムでは、IoTを活用 した先進的なモデル事業の創出、規制改革等の環境整備を目的としたワーキンググループ「IoT推進ラボ」の支援委員会のメンバーとして、特に製造とモビリ ティのネットワーク化の分野においてボッシュの知見を今後共有していく予定です。
商用車、農建機市場を担うビジネスユニットを新設
ボッシュは、商用車、農業機械、建設機械市場でリーディングサプライヤーとなることを目指し、専門のビジネスユニット「CVO事業室」を新設しました。こ れらの市場では、乗用車市場同様、電動化、自動化、ネットワーク化のトレンドが押し寄せています。専門のユニット設立により、これらのトレンドに対する商 用車セグメントの顧客ニーズを満たすソリューションを提案してまいります。トラックなど商用車の分野では、自動化の推進による安全性の向上、そして各種 サービスによるインフラ課題とフリートマネジメントの改善に注力します。農業機械の分野では省力化の実現、また建設機械の分野では、自動化およびモニタリ ングシステムによる安全性の向上や過酷な環境下での遠隔操作による稼動の実現を目指します。
電動工具部門の売上が順調に増加
モビリティ ソリューションズ以外では、消費財セクター傘下の電動工具部門の成長が顕著でした。同部門の2015年の売上高は、電動工具市場全体がマイナス成長だった 中、前年を上回る過去最高の販売実績を記録しました。主に2015年にDIYエントリーユーザーの獲得拡大を図るために立ち上げた「Smart Life Selection」という新たなブランドを展開したことと、レーザー距離計を中心としたメジャリングツールの販売好調がこの売上増加につながりました。Smart Life Selection は、DIYになじみがない層へ、生活ツールとしてより身近な使用シーンを提案するために新たに立ち上げた新たなブランドで、特に世界的なヒット商品である コードレスドライバー「IXO(アイ・エックス・オー)」と一般家庭用のレーザー距離計「PLR15型」が新たなユーザーの獲得に寄与しました。
世界のボッシュ・グループの2016年の展望
ボッシュは2016年も成長路線を堅持できる見込みです。グローバルベースでの2016年の売上は、為替調整後で3〜5%増えると予測しています。ドイツ で行われた年次報告記者会見で、ボッシュの取締役会会長を務めるフォルクマル・デナーは、「ボッシュは革新的な製品だけでなく、サービスにも重点を置いた 成長戦略を推進していきます」と述べました。新事業部の「グローバル サービス ソリューションズ」や最近立ち上げた「Bosch IoT Cloud」のほか、2016年初めから販売を開始したスマートホームシステムもこの戦略に大きく寄与しています。
* 日本の自動車メーカーには、二輪車メーカー、農建機メーカーを含む
関連資料:
戦略的優位性としての事業多角化 – テクノロジーカンパニーであり、サービスプロバイダーでもあるボッシュ
ボッシュにおけるコネクティビティ – IoTのイネイブラーであるボッシュ
未来のクルマの実現に向けて – インターネットの一部としてアクティブに機能するクルマ
関連動画:
ボッシュが構想するドライバーとクルマのインターフェースのビジョン
コネクテッド パーキング
日本の自動車メーカーに対する全世界での売上は前年比17%増加
自動運転や二輪車市場、IoTソリューションなどの成長分野に注力
日本の自動車メーカー*に対する全世界での売上は、2021年まで年平均2桁の成長率を目指す
eCall(緊急通報)サービスを2016年末に日本で提供開始
新規事業分野開拓のために大学や政府機関との協力を強化
商用車と農建機市場を担うビジネスユニットを新設
[画像: http://prtimes.jp/i/5028/195/resize/d5028-195-211551-4.jpg ]
東京 — グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディングカンパニーであるボッシュの2015年度の日本における第三者連結売上高は、約 2,700億円(約20億ユーロ)でした。中国の景気減速などの影響により日本国内での売上高は前年比で3.8%減少しましたが、日本の自動車メーカー* に対する全世界での売上高は前年比17%増と、力強い成長を遂げました。日本における2016年の第三者連結売上高は、自動車のセーフティシステムやガソ リン直噴システム、医療用検査・包装技術などへの需要増加が見込まれることから、経済動向の影響にもよりますが、わずかに改善するものと予想しています。
ボッシュは日本市場で成長を加速させるため、日本が強みを持つ自動運転、二輪車、そしてIoTソリューションなどの分野を中心に、日本で積極的に投資をし ていく予定です。ボッシュ株式会社代表取締役社長のウド・ヴォルツは、「こうした投資により、日本の顧客との取引をさらに拡大できると考えています。ボッ シュは日本の顧客をグローバルベースでサポートできるよう、世界各国の拠点間の連携をさらに強化していきます」と述べました。成長分野への積極的な取り組 みを加速させることで、日本の自動車メーカー*に対する全世界での売上を2021年までの今後6年間で、2桁の年平均成長率を目指します。
日本のボッシュ・グループの従業員数は2015年12月末時点で6,600人強でした。2016年は従業員数がさらに増加する見込みです。
日本で自動運転の公道試験を開始
「ボッシュは昨年、日本でも自動運転の公道試験を開始しました。日本はドイツ、米国に続く自動運転開発の重要な三番目の拠点となり、これは日本の重視性を 物語っています」とヴォルツは述べています。日本での公道試験により、左側通行や複雑な交差点などから得られた日本ならではの貴重な洞察を、2011年か ら自動運転の開発に取り組んでいるドイツと米国のチームにフィードバックすることで、ボッシュの自動運転に関する技術をさらに発展させたいと考えていま す。ボッシュは当面、2021年までに高速道路や高速走行が可能な道路で自動運転を行える「ハイウェイパイロット」の実現を目指して開発を進めていきま す。さらに、昨年完全子会社化したRobert Bosch Automotive Steeringがボッシュの「オートモーティブ ステアリング」事業部門となり、自動運転の重要な要素であるステアリングシステムがボッシュの製品ポートフォリオに加わることになりました。日本において も、ステアリングと自動運転を開発する部門との連携を強化し、今後シナジーの創出を見込んでいます。
独立事業化した二輪車向け事業は好調に推移
ボッシュは2015年に二輪車関連事業を統合させ、独立したビジネスユニット「モーターサイクル&パワースポーツ」を新設しました。世界の二輪車 市場では日本メーカーが大きな市場シェアを占めているため、その本部を横浜に設置しました。「二輪車向け製品・サービスの売上高が約20%増加するなど、 すでに独立事業化の好影響が表れています」とヴォルツは述べています。二輪車生産の中心となる中国、インド、東南アジア諸国では、排気量250cc以下の 小型二輪車が手軽な乗り物として愛用されており、こうした小型車には効率性と安全性の向上へのニーズが高まっています。事実、二輪車用安全装置のマーケッ トリーダーであるボッシュが提供するモーターサイクル用ABSの装備が、世界各国で奨励されつつあります。すでに欧州、日本、インドでABSの装備が義務 化される予定で、ブラジル、台湾では将来的にABSの装備を義務付ける法案が成立しているほか、オーストラリアや米国でも政治的な検討課題として掲げられ ています。こうした二輪車関連のニーズの高まりが今後さらに二輪車向け事業を加速させると予想され、同ビジネスユニットの売上が今後数年でさらに成長する と見込んでいます。
IoTソリューションが新たな成長の原動力に
日本においてボッシュの成長を牽引するのは、自動運転と二輪車向け事業だけではありません。ボッシュは、モビリティ ソリューションズ、産業機器テクノロジー、消費財、エネルギー・建築関連テクノロジーのすべてのビジネスセクターでIoTソリューションに取り組んでいま す。ボッシュは、IoTの3つのレベル(センサー、ソフトウェア、サービス)でアクティブに活動している数少ない企業のひとつであり、その点でボッシュは 他の伝統的なモノづくり企業と一線を画しています。ハードウェアにおける幅広いビジネス基盤の上にIoTサービスの構築を進めており、コネクテッドサービ スを強化することにより、ハードウェア事業の基盤をさらに拡充させています。これによりボッシュが誇る多様な技術のみならず、幅広い分野にわたる専門知識 がIoTの分野でさらに活用できるようになる見込みです。
IoTは日本でも重要な戦略となっており、ボッシュは、日本国内でのソリューションの提供に注力しています。その一環として今年、ボッシュの2つの新しい ビジネスユニットが日本で活動を開始しました。それが、ボッシュ グローバル サービス ソリューションズ(Bosch Global Service Solutions) とボッシュ ソフトウェア イノベーションズ(Bosch Software Innovations)です。
ボッシュ グローバル サービス ソリューションズは、ボッシュ・グループ内と顧客へグローバルベースでサービスを提供するビジネスユニットで、2016年に初めて日本市場でサービスの提 供を開始します。そのサービスは、乗用車向け緊急通報サービス(eCall)で、2016年末からサービスの提供を開始する予定です。これは、自動車が事 故の衝撃を検知すると自動的に救急サービスに通報するもので、事故に遇った車両のドライバーが手動で支援を要請することもできます。ボッシュ グローバル サービス ソリューションズは、このサービスをすでに世界41ヶ国で提供しています。ボッシュはこのシステムに必要な製品だけでなく、実際に緊急通報するための通信 サービスも提供しています。
ボッシュのIoTソリューション事業の発展を担うもうひとつの重要な存在が、グループのソフトウェア システムハウスとしてソフトウェアとIoTソリューションの設計、開発、運用を受け持つボッシュ ソフトウェア イノベーションズです。調査会社のフロスト サリバンによると、アジア太平洋地域のコネクテッド・インダストリー向けソリューション市場は2020年までに154億8,000万米ドルに成長し、その 76%を日本と中国の両市場が占めると予想されています。2013年に日本で活動を始めたボッシュ ソフトウェア イノベーションズは、日本の産業用IoTソリューション需要に応えるために2016年に東京支社をオープンしました。「日本はスマートシティの分野で世界 のリーダーとなり、現在発送電事業や製造業へのIoT技術の導入を推し進めています。国民の科学教育水準が高く、政府の強力な支援がある日本は、IoTソ リューション市場として非常に有望です」とボッシュ グローバル サービス ソリューションズのアジア太平洋地域担当プレジデントのThomas Jakobは述べ、さらに「私たちの強力な技術プラットフォームと、事業領域に関する幅広い専門知識、とりわけインダストリー4.0ソリューションのリー ダー的役割から得た経験知識があれば、IoTへの投資がもたらすリターンについて日本の顧客にも短期間で理解いただけると考えています」と語りました。こ のように、ボッシュは日本でIoTソリューションの展開を加速させ、ビジネスチャンスをさらに拡大させます。
新規事業分野開拓のために大学や政府機関との協力を強化
ボッシュは新たな事業領域を創出するため、日本の大学や政府機関など第三者機関とIoTソリューションのノウハウを活かした連携を強化しています。その一 例として、千葉大学および筑波大学と連携したスマート農業プロジェクトがあります。同プロジェクトは、経済産業省が推進するグローバル農商工連携推進プロ ジェクトの助成金を受け、実証実験が行われました。その他にも、IVI(Industrial Value Chain Initiative)やIoT推進コンソーシアム(IoT Acceleration Consortium)などの団体とも提携を進めています。2015年、ボッシュはIVIにおいて、データ連携による品質保証のワーキンググループの会員 として、最適化されたプロセスを実現するためのリーディングオペレーターとしての経験を共有しました。また、IoT推進コンソーシアムでは、IoTを活用 した先進的なモデル事業の創出、規制改革等の環境整備を目的としたワーキンググループ「IoT推進ラボ」の支援委員会のメンバーとして、特に製造とモビリ ティのネットワーク化の分野においてボッシュの知見を今後共有していく予定です。
商用車、農建機市場を担うビジネスユニットを新設
ボッシュは、商用車、農業機械、建設機械市場でリーディングサプライヤーとなることを目指し、専門のビジネスユニット「CVO事業室」を新設しました。こ れらの市場では、乗用車市場同様、電動化、自動化、ネットワーク化のトレンドが押し寄せています。専門のユニット設立により、これらのトレンドに対する商 用車セグメントの顧客ニーズを満たすソリューションを提案してまいります。トラックなど商用車の分野では、自動化の推進による安全性の向上、そして各種 サービスによるインフラ課題とフリートマネジメントの改善に注力します。農業機械の分野では省力化の実現、また建設機械の分野では、自動化およびモニタリ ングシステムによる安全性の向上や過酷な環境下での遠隔操作による稼動の実現を目指します。
電動工具部門の売上が順調に増加
モビリティ ソリューションズ以外では、消費財セクター傘下の電動工具部門の成長が顕著でした。同部門の2015年の売上高は、電動工具市場全体がマイナス成長だった 中、前年を上回る過去最高の販売実績を記録しました。主に2015年にDIYエントリーユーザーの獲得拡大を図るために立ち上げた「Smart Life Selection」という新たなブランドを展開したことと、レーザー距離計を中心としたメジャリングツールの販売好調がこの売上増加につながりました。Smart Life Selection は、DIYになじみがない層へ、生活ツールとしてより身近な使用シーンを提案するために新たに立ち上げた新たなブランドで、特に世界的なヒット商品である コードレスドライバー「IXO(アイ・エックス・オー)」と一般家庭用のレーザー距離計「PLR15型」が新たなユーザーの獲得に寄与しました。
世界のボッシュ・グループの2016年の展望
ボッシュは2016年も成長路線を堅持できる見込みです。グローバルベースでの2016年の売上は、為替調整後で3〜5%増えると予測しています。ドイツ で行われた年次報告記者会見で、ボッシュの取締役会会長を務めるフォルクマル・デナーは、「ボッシュは革新的な製品だけでなく、サービスにも重点を置いた 成長戦略を推進していきます」と述べました。新事業部の「グローバル サービス ソリューションズ」や最近立ち上げた「Bosch IoT Cloud」のほか、2016年初めから販売を開始したスマートホームシステムもこの戦略に大きく寄与しています。
* 日本の自動車メーカーには、二輪車メーカー、農建機メーカーを含む
関連資料:
戦略的優位性としての事業多角化 – テクノロジーカンパニーであり、サービスプロバイダーでもあるボッシュ
ボッシュにおけるコネクティビティ – IoTのイネイブラーであるボッシュ
未来のクルマの実現に向けて – インターネットの一部としてアクティブに機能するクルマ
関連動画:
ボッシュが構想するドライバーとクルマのインターフェースのビジョン
コネクテッド パーキング