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【抄訳】日立ヴァンタラとオーストラリアのゴールデン・グローブ農園が、データ駆動型の分析による、持続可能な用水管理を実現

リアルタイムモニタリングと分析技術により、効率的な灌漑と施肥を可能にし、養分流出の削減と、より高品質な作物生産を実現

本件は、米国東海岸において、3月28日(火)午前9:00(日本時間3月28日午後10:00)に発表しました。

 株式会社日立製作所(以下、日立)の米国子会社であるHitachi Vantara LLC(以下、日立ヴァンタラ)と、オーストラリア・クイーンズランド州の柑橘産業に柑橘類の苗木を独占的に供給するGolden Grove Nursery(以下、ゴールデン・グローブ農園)は、人工知能(AI)や、高度な分析、センサー技術を応用し、環境に配慮した持続可能な食糧生産に向けたデータ駆動型の灌慨用水管理を実現しました。

 ゴールデン・グローブ農園は、日立ヴァンタラとGreenlife Industry Australia、Applied Horticulture Research、ICT Internationalが園芸用に開発した重量計、土壌水分センサー、分析技術を組み合わせた画期的なソリューションを導入しました。本ソリューションは、培地用ポットの中の水分量と作物の水使用量を測定・評価し、灌漑(かんがい)や施肥(せひ)の決定などの実践に役立つ情報を提供します。また、局所気候を監視するための独立型ウェザーステーションや、水質と浸出液を監視するためのpH(水素イオン濃度指数)、温度、土壌水分、重量、電気伝導度を計測するセンサーも導入しています。

 ゴールデン・グローブ農園のDirectorであるWayne Parr(ウェイン・パール)氏は、「最高の生産苗床には最高の水があります。このプロジェクトでは、データの力を使って灌漑施設の管理プロセスを改善したことで、結果として、水の使用による諸経費の削減と、環境改善につなげ、規制要件への準拠の維持を確実なものにしています。」と述べています。

 ゴールデン・グローブ農園が30年以上にわたって週2回行ってきた手作業検査に対し、新技術の導入により、15分ごとに自動的に水をサンプリングして検査することが可能になります。また、ダムに浸すボトルやそれをつつく指の代わりに、センサーが使われるようになりました。リアルタイムのデータがクラウド上にアップロードされ、1つの画面で表示される「Hitachi Supply Chain Control Tower*1」により、センサーデータと、天気予報、生物物理学的モデルを統合し、苗床の生産性と環境管理を総合的に測定できる改良がなされました。さらに、日立の「Lumada Manufacturing Insights*2」により、園芸所の職員は灌漑の必要性などの予測分析結果に容易にアクセスすることが可能となります。

ゴールデン・グローブ農園では、何世代にもわたる経験と直感、ノウハウに加え、リアルタイムの洞察が補完されたことにより、データドリブンな優位性を獲得し、導入後数カ月で、灌漑作業を30%改善しました。

 日立ヴァンタラのBusiness Transformation and Sustainabilityを担当する Senior Vice PresidentのMaggie Laird(マギー・レアード)は、「農業や園芸のように社会に直接影響を与える産業において、持続可能性と経営効率の両方の目標を同時に支援できることは光栄なことです。我々は、ゴールデン・グローブ農園のような業界をリードする革新的な企業が、土地や周辺の水路を保護しながら競争力を維持するためのモダナイゼーションや、食糧生産の持続可能性の促進といった喫緊の課題を解決するために必要となる、データドリブンな重要な意思決定を支えるソリューションやアナリティクスを開発することに専念しています。」と述べています。

*1 「Hitachi Supply Chain Control Tower」サイト:
https://www.hitachivantara.com/en-us/web/solution-profile/supply-chain-control-tower-solutions-to-conquer-disruption-solution-profile.html
本ソリューションは、日本国内では提供していません。
*2 「Lumada Manufacturing Insights」サイト:
https://www.hitachivantara.com/en-anz/solutions/data-driven-industrial-operations/lumada-manufacturing-insights.html
本ソリューションは、日本国内では提供していません。

■本イノベーションと技術導入の背景
 柑橘類の生産が盛んなクイーンズランド州は、オーストラリアの柑橘産業の20%を占めており、オーストラリア最大の生鮮果物の輸出産業として、年間5億4千万オーストラリアドル相当の柑橘類を世界中に輸出しています。ゴールデン・グローブ農園は年間20万から25万本の柑橘類の苗木を生産し、クイーンズランド州の柑橘類生産者や商業果樹園の70%に供給しています。
 「灌漑システムを毎日監視し、水やりのタイミングを正確に把握することで、根へのダメージを避け、養分の配合を適正化することが可能になりました。2022年の冬には、すでに水のやりすぎを発見し、調整することができました。この夏にかけて灌漑をより確実にコントロールできるようになるでしょう。」とパール氏は述べています。

■持続可能な食糧生産に向けたスマート農業
 このデジタル・スマート・ファーム・プロジェクトは、持続可能な果樹生産プログラムの一環として、オーストラリア政府のナショナルランドケアプログラムとHort Innovationから資金提供を受けているほか、Applied Horticultural Research、Greenlife Industry Australia、AusVeg、Freshcare、Growcom、Australian Banana Growers Council、日立オーストラリア、日立ヴァンタラによる共同出資のもと、実施されています。

■日立ヴァンタラのサステナビリティへの取り組みについて
https://www.hitachivantara.com/en-us/solutions/sustainability.html

■日立ヴァンタラについて
日立製作所の100%子会社である日立ヴァンタラは、お客さまのデジタルに関する課題を解決し、お客さまを「今」から「次」へと導きます。お客さまとともに協創して、優れたビジネスの知見とデジタル技術をお客さまのビジネスとそのデータに適用することで、経済と社会の発展に貢献します。Fortune 100企業の80%以上が日立ヴァンタラを信頼し、新たな収益源の開拓、競争優位性の確保、コストの削減、顧客体験の向上、社会的・環境的価値の提供を支援しています。
 詳しくは、日立ヴァンタラのウェブサイト(https://www.hitachivantara.com/ )をご覧ください。

■日立製作所について
 日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。金融・官公庁・自治体・通信向けITサービスやお客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルでつなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステム」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2021年度(2022年3月期)の連結売上収益は10兆2,646億円、2022年3月末時点で連結子会社は853社、全世界で約37万人の従業員を擁しています。
 詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/ )をご覧ください。

■Hort Innovationについて
 Hort Innovationは、オーストラリアの園芸業界のための生産者所有の非営利研究開発法人として、園芸生産者と園芸サプライチェーン全体に関わる人々のための価値を創造することを主な役割としています。毎年、研究開発、マーケティング、貿易プログラムに1億2千万オーストラリアドル 以上を投資し、オーストラリアの生産者の生産性、ファームゲートの収益性、国際競争力を向上させています。
https://www.horticulture.com.au/

以上
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