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「Global Talent Competitiveness Index(GTCI:人材競争力に関する国際調査)2015-16」発表

上位3か国はスイス、シンガポール、ルクセンブルク | 日本は109か国中19位に




[画像: http://prtimes.jp/i/1264/203/resize/d1264-203-145114-1.jpg ]


※本資料は、2016年1月26日にシンガポールで発表されたプレスリリースの抄訳です。



インシアード(INSEAD)、ヒューマンキャピタル・リーダーシップ研究所(HCLI)、アデコグループが、2014年以来3回目の「Global Talent Competitiveness Index(GTCI:人材競争力に 関する国際調査)」を実施。世界109か国の「人材を獲得・育成・維持する能力」をランク付けした。
「GTCI」では、6つの柱(実現要因、獲得、育成、維持、労働・職業能力、グローバルナレッジスキル)を指標として調査が行われている。
最新版である「GTCI 2015-16」では、人材の流動性と経済的繁栄との間に相関関係があることが明らかになった。
「頭脳還流」が、創造的な人材を育成するためのキーワードのひとつとなっている。
日本の順位は109か国中19位となり、昨年の20位から順位をひとつ上げた。


インシアード(INSEAD)、ヒューマンキャピタル・リーダーシップ研究所(HCLI)、アデコグループは、世界109か国の「人材を獲得、育成、維持する能力」を調査しランク付けした年次報告書の最新版、「Global Talent Competitiveness Index(GTCI:人材競争力に関する国際調査)2015-16」(以下「GTCI 2015-16」)を発表しました。

「GTCI 2015-16」では、「人材の誘致と国際流動性(インターナショナル・モビリティ)」が調査のテーマとなっています。様々なデータを分析した結果、人材の流動性と経済的繁栄との間に相関関係があることが明らかになりました。人材の需要を補い、スキルギャップを埋める上で流動性は不可欠ですが、創造力に長け、起業家精神に富む人材はその多くが他国出身者や留学経験者です。したがって、「GTCI 2015-16」で上位にランクされた国々が、高いスキルを持つ国外の人材にとって魅力的な国となるよう自国をポジショニングしているのも当然と言えます。新しいタイプの移民の流れを前にして、各国の意思決定者には選挙民にとっての目前の課題の解決と、国民の長期的な利益の実現の双方に取り組むための政策と戦略を形作ることが求められています。

トップ10にランクされた国々は、人材の流動における開放性が重要であることを明確に示しています。スイスとルクセンブルグでは人口の25%近くが他国出身者であり、シンガポールではこの割合が43%にも上ります。他国出身者が人口に占める割合は、米国(4位)、カナダ(9位)、ニュージーランド(11位)、オーストリア(15位)、アイルランド(16位)でも高くなっています。

【GTCI 2015-16 ランキング トップ10】
1位:スイス       6位:スウェーデン
2位:シンガポール    7位:英国
3位:ルクセンブルク   8位:ノルウェー
4位:米国        9位:カナダ
5位:デンマーク    10位:フィンランド

昨年のGTCIの発表以来、チェコ共和国(20位)がランク入りしたこと、ニュージーランドがそのパフォーマンスを大きく向上したこと、カナダとアイルランドの順位が若干低くなったことを除き、トップ20に大きな変動は起こっていません。

今回の調査で各国が記録したスコアの比較と分析から、一定のパターンと類似性が明らかになりました。我々はそれを、今年のテーマに基づき以下の8つのキーメッセージとしてまとめました。

【「GTCI(人材競争力に関する国際調査)2015-16」8つのキーメッセージ】
1.流動性が人材開発の主な要因となっている
人材の国際流動性(インターナショナル・モビリティ)と「頭脳還流」が促進されなければ、創造的な人材は十分に育成できない

2.移民に関する議論は、感情論ではなく解決に向かう必要がある
人材の観点から見れば、人々の移動に対処することが有益であるとわかる

3.経営慣行で人材誘致に差が生まれる
金銭的動機や生活水準以外で、人材誘致に関する重要な差別化要因となるのは、経営の専門化と従業員の能力開発である。

4.人々が職や機会を求めて移動し続ける一方で、職は人材の集まる場所に移動している
一部の国々は、安価で創造的な人材に恵まれているため、国外の投資家の注目を集め始めている。例)アジア太平洋地域では、中国、韓国、フィリピン、ベトナム。ヨーロッパでは、マルタ、スロベニア、キプロス、モルドバ。中東・北アフリカでは、トルコ、ヨルダン、チュニジア。中央アメリカではパナマなど。

5.新たな「人材マグネット」が出現している
米国、シンガポール、スイスは長らく人材を引きつける存在であったが、インドネシア、ヨルダン、チリ、韓国、ルワンダ、アゼルバイジャンといった国々が新たに存在感を増しており、こういった魅力的な国々で働きたいと考える人材が増えている。

6.スキルの低い労働者はロボットに取って代わられ、知識労働者はAI(人工知能)に取って代わられる
主にテクノロジーによって流動性が再定義されるなか、知識労働者はその影響を受けており、この変化は、活動分野全体が転換される可能性があることを示唆している。自国の異なる職場で働く必要に迫られる人々もいれば、再び訓練を積み、離れた土地で職を得なければならない人々も生まれると予測される。

7.人材が還流する世界では、グローバル人材をめぐる競争において都市と地域が重要な役割を担っている
創造的な政策を採用してグローバル人材を誘致しようと試みる大都市が増えているため、都市の機敏性とブランディングが、規模よりも重要な差別化要因となるものと考えられる。

8.職業能力の不足が依然として新興国のハンディキャップとなっている
中国、インド、南アフリカ、そして特にブラジルなどの新興国では、依然として職業能力の格差が存在しており、人材に関する能力はあらゆる面で弱体化の兆候を見せている。このことは、アイルランド、ベルギー、スペインといった高所得国にも当てはまる。

「GTCI 2015-16」の結果について、INSEADの学長、イリアン・ミホフは次のように話しています。
「世界の労働市場のダイナミクスが急速に変化するなか、競争力を高め、自らが直面する労働問題を克服するための量的手段と提言を模索するキーインフルエンサーにとって、GTCIはますます重要なものとなっています。中国、ドイツ、ブラジルといった主要経済国でさえ、労働力の不足を免れることはできないでしょう。昨年発表した『GTCI 2015-16』で職業教育の重要性を強調したことについて、世界中から肯定的な反応が寄せられていることを我々は心強く思っています。現在、多くの政策アプローチでは、職業訓練が基礎的な要素として掲げられています。今後も、鍵となる意思決定者やインフルエンサーが人材競争力と繁栄を促進することを後押しする取り組みの一環として、引き続き世界の人々を質の高い対話に引き込むことができればと期待しています」

INSEADのGlobal Indices エグゼクティブ・ディレクターであり、本調査報告の共同編集者であるブルーノ・ランヴァン は次のように話しています。
「本調査の鍵となる提言のひとつは、新たに出現しつつある『頭脳還流』のダイナミクスを各国はもっと上手く管理する必要がある、ということです。スキルの高い人材の一時的な流出は、初めのうちはその人材の出身国にとって損失とみなされますが、こうした人材が出身国に帰国したときには、それが純益となることを理解する必要があります。台湾がシリコンバレーからの帰国者によって世界有数の電子工業を確立した過程は、多くの国々が見習うモデルとなっています」。一方で、Lanvin は次のような警告を発しました。「新しいテクノロジーにより、労働者にはそのスキルレベルによって新たな問題が生じる可能性があります。要求されるスキルレベルの低い職業はオートメーション化によって失われつつあり、中間的なスキルレベルの職業はAI(アルゴリズム)に取って代わられる可能性があります」

INSEADの人材および組織開発部で名誉客員教授を務め、GTCIのアカデミック・ディレクターと共同編集者を務めるポール・エヴァンスは次のように話しています。
「我々の行った世界規模のデータ分析では、他国からも人材を誘致し、それを保持することによって、採算に見合う以上の収穫が得られることや、経営慣行の質がますます重要になっていることが明らかになりました。教育の機会を拡大することは、依然として人材の誘致と保持における重要な要素となっていますが、重要性が高まりつつあるプル要因は企業のプロフェッショナリズムと経営慣行です。このことは、能力主義と専門的経営、従業員の能力開発に関して特に高いスコアを獲得しているランキング上位の北欧諸国において顕著であり、将来の創造的リーダーとなるミレニアル世代にとってはとりわけ重要なポイントとなっています」

アデコグループのグループCEOであるアラン・ドゥアズは、次のように話しています。
「労働の世界はかつてないスピードで変化しており、大きな機会と課題の両方をもたらしています。2億人もの人々が仕事を失い、オートメーション化により約半数の職業が消滅の危機にあります。デジタル化と高齢化が進むなか、『GTCI 2015-16』では、競争力を高め、世界におけるスキルの過剰と不足のバランスをとる上で、人材の流動性が重要であることが確認されています。人材を誘致するためには、政府が教育や知の拠点に投資を行い、官僚主義を脱し、労働市場を単純化する必要があることを、優れた人材に恵まれた国々は示しています。雇用者は、人材流動性を高め、ハイパーコネクティビティをもたらすテクノロジーに投資し、グローバル経済によってもたらされる機会を活用することで仕事を創造していかなければなりません」

ヒューマンキャピタル・リーダーシップ研究所(HCLI)のCEO、ウォン・スーイェンは次のように話しています。
「国境を越えた人材の移動は、複雑に組み合わさった経済的要因、政治的要因、社会的要因に支えられています。ASEAN経済共同体(AEC: ASEAN Economic Community)の形成によって、従来は人材を引きつける存在(人材マグネット)とされていた国々が、自国で育った人材を東南アジアの他の新興国市場に奪われる可能性があるということが示されています。国の人材競争力は永続的なものではありません。フットワークの軽い人材は近隣諸国をはじめ、世界規模で今よりも良い環境やキャリアチャンスを追求するものだということを肝に銘じる必要があります

「GTCI 2015-16」では、調査対象国が前回の93か国から109か国へと拡大されました。これにより、世界人口の83.8%、世界のGDPの96.2%相当が調査対象となりました。

GTCIに関するさらなる情報は、以下のサイトをご参照ください。
http://global-indices.insead.edu/gtci

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Global Talent Competitiveness Index(GTCI)について
GTCIは国および組織に関するパラメーターを取り扱い、実際のアクションを促すような洞察を提供します。2013年に発表されたGTCI第1版に寄せられた意見や分析を基に、今回のGTCIは65の変数(昨年の45から増加)に基づいて作成されました。経済発展の度合いや所得水準を問わず、世界93か国を横断的に調査し人材競争力をランク付けしています。GTCIは、政策立案者やビジネスリーダーのアクション策定に焦点を合わせた、インプット側の4つの柱である「実現要因」、「獲得」、「育成」、「維持」と、国ごとのパフォーマンスをベンチマークしたアウトプット側の2つの柱である「労働・職業能力」、「グローバルナレッジスキル」で構成されています。

INSEAD(インシアード)について
INSEADは、世界トップクラスで最大のビジネススクールの1つとして、人、文化、およびアイデアを結集し、生活と組織に変化をもたらします。国際的な視野と文化的な多様性が、当校の研究と教育のあらゆる局面に反映されています。フランス、シンガポール、およびアブダビにキャンパスを有し、3つの大陸にわたり実務教育と研究を行っています。世界34カ国から集まった150人の著名な教授陣が、毎年、MBA、Executive MBA、博士といった学位の取得を目指す1,300人以上の学生に対して授業を行っています。さらに、毎年11,000人以上のエグゼクティブが、インシアードのエグゼクティブ教育プログラムに参加しています。

ヒューマンキャピタル・リーダーシップ研究所(HCLI)について
HCLIは、企業がアジアにおいて人材およびリーダーシップの開発を加速する支援を行っています。具体的には、汎アジア的な研究の追及、最先端のエグゼクティブ開発プログラムの作成、実業界、政府、学術界およびコンサルティング業界におけるリーダー間のネットワークの構築を促進しています。HCLIは、シンガポール人材開発省 (MOM)、シンガポール経済開発庁(EDB)、およびシンガポールマネージメント大学(SMU)と戦略的アライアンスを結んでいます。
より詳しい情報は、www.hcli.org をご覧ください。

アデコグループについて
スイス・チューリヒに本社を置くAdecco Groupは、フォーチュン誌のフォーチュングローバル500に位置づけられている総合人材サービスのグローバルリーダーです。世界の60の国と地域に32,000人の社員と5,100の拠点を擁し、65万人以上の派遣スタッフと派遣先となる顧客を結ぶ多様なサービスを提供しています。提供するサービスには、人材紹介、人材派遣、転職サービス、人材開発、アウトソーシング、そしてコンサルティングがあります。
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