日々の睡眠が肌に影響を与えることを確認
[22/08/30]
提供元:PRTIMES
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よく眠れなかった朝に肌の調子が悪いと感じることはありませんか。満足な睡眠がとれていないと感じるときに肌はどのような状態になっているのか、花王は今回、日々の睡眠と肌状態との関連を調べました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/70897/205/resize/d70897-205-25ad6aa986db6a8c3092-2.jpg ]
睡眠の状態とは?
睡眠状態を調べるには、脳波測定のような機器を用いて客観的に測定する方法と、質問紙などによって主観的に評価する方法があります。機器で測ると、深い眠りの状態(ノンレム睡眠)と浅い眠りの状態(レム睡眠)を知ることができますが、今回の研究では「本人が睡眠に満足できているかどうか」という視点に焦点を当てるため、主観的評価を採用しました。
睡眠状態と肌にはどんな関係が?
20-80代女性204名を対象に、ピッツバーグ睡眠質問票(日本語版)※1を用いて1カ月間の睡眠の評価をしてもらい、同時に肌の状態についての意識調査および機器計測等※2を実施しました。
その結果、睡眠不良群(75名)は睡眠良群(129名)よりも「肌が乾燥する」「顔が疲れて見える」という回答の割合が高いことがわかりました(図1)。
[画像2: https://prtimes.jp/i/70897/205/resize/d70897-205-a1e596957d8ee712ce0b-1.jpg ]
さらに今回の検討では、睡眠の要素のなかでも寝つきの良さが肌状態と関係していました。睡眠質問票のスコアより、寝付くのに30分以上かかることが週に1回以上ある人を寝つきの悪い群(49名)それ以外を寝つきの良い群(155名)として肌状態を解析したところ、寝つきが悪い群は、寝つきの良い群に比べて、頬の角層水分量が低いこと、頬の角層細胞面積が大きいことが確認されました(図2)。角層細胞面積は大きいほど肌の生まれ変わりが遅くなることを示しており、加齢によって大きくなることが知られています。寝つきが悪い状態が続くと、肌が乾燥し、肌の生まれ変わりが遅くなる可能性が考えられます。
[画像3: https://prtimes.jp/i/70897/205/resize/d70897-205-9f2d2b9b36e83ee36842-0.jpg ]
質の良い睡眠は美肌への第一歩!
今回の研究では、「寝つきの良しあし」が肌状態に関係があることがわかりましたが、これまでに実施した断眠試験(強制的に眠らせない試験)では、短すぎる睡眠時間が肌状態に影響を与えることも確認しています※3。生活習慣を見直してできるだけ睡眠時間を確保することはもちろん、お風呂でリラックスしたり、寝る前のスマホをちょっとだけ我慢したりなど、すっと眠りにつくための工夫をして質の良い睡眠をとることが、美しい肌への第一歩だと言えます。
なお、本研究の内容は、第 47 回 香粧品学会(2022 年 6 月 10-11 日・東京 )で発表しました。
※1 睡眠の質、寝つきの良さ、睡眠時間、睡眠困難などについて評価する質問紙。総計(睡眠得点)5点以下が睡眠良、6点以上が睡眠不良。(○Doi Y, Minowa M, Uchiyama M, Okawa M, Kim K, Shibui K, Kamei Y. Psychometric assessment of subjective sleep quality using the Japanese version of the Pittsburgh Sleep Quality Index (PSQI-J) in psychiatric disordered and control subjects. Psychiatry Res 2000; 97(2-3):165-172.○土井由利子, 簑輪眞澄, 大川匡子, 内山真: ピッツバーグ睡眠質問票日本語版の作成. 精神科治療学1998; 13 (6); 755-769. )
※2 角層水分量、経皮水分蒸散量、皮膚粘弾性、剥離角層による解析
※3 村上泉子ら:香粧会誌,25(3):136-144, 2001
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睡眠の状態とは?
睡眠状態を調べるには、脳波測定のような機器を用いて客観的に測定する方法と、質問紙などによって主観的に評価する方法があります。機器で測ると、深い眠りの状態(ノンレム睡眠)と浅い眠りの状態(レム睡眠)を知ることができますが、今回の研究では「本人が睡眠に満足できているかどうか」という視点に焦点を当てるため、主観的評価を採用しました。
睡眠状態と肌にはどんな関係が?
20-80代女性204名を対象に、ピッツバーグ睡眠質問票(日本語版)※1を用いて1カ月間の睡眠の評価をしてもらい、同時に肌の状態についての意識調査および機器計測等※2を実施しました。
その結果、睡眠不良群(75名)は睡眠良群(129名)よりも「肌が乾燥する」「顔が疲れて見える」という回答の割合が高いことがわかりました(図1)。
[画像2: https://prtimes.jp/i/70897/205/resize/d70897-205-a1e596957d8ee712ce0b-1.jpg ]
さらに今回の検討では、睡眠の要素のなかでも寝つきの良さが肌状態と関係していました。睡眠質問票のスコアより、寝付くのに30分以上かかることが週に1回以上ある人を寝つきの悪い群(49名)それ以外を寝つきの良い群(155名)として肌状態を解析したところ、寝つきが悪い群は、寝つきの良い群に比べて、頬の角層水分量が低いこと、頬の角層細胞面積が大きいことが確認されました(図2)。角層細胞面積は大きいほど肌の生まれ変わりが遅くなることを示しており、加齢によって大きくなることが知られています。寝つきが悪い状態が続くと、肌が乾燥し、肌の生まれ変わりが遅くなる可能性が考えられます。
[画像3: https://prtimes.jp/i/70897/205/resize/d70897-205-9f2d2b9b36e83ee36842-0.jpg ]
質の良い睡眠は美肌への第一歩!
今回の研究では、「寝つきの良しあし」が肌状態に関係があることがわかりましたが、これまでに実施した断眠試験(強制的に眠らせない試験)では、短すぎる睡眠時間が肌状態に影響を与えることも確認しています※3。生活習慣を見直してできるだけ睡眠時間を確保することはもちろん、お風呂でリラックスしたり、寝る前のスマホをちょっとだけ我慢したりなど、すっと眠りにつくための工夫をして質の良い睡眠をとることが、美しい肌への第一歩だと言えます。
なお、本研究の内容は、第 47 回 香粧品学会(2022 年 6 月 10-11 日・東京 )で発表しました。
※1 睡眠の質、寝つきの良さ、睡眠時間、睡眠困難などについて評価する質問紙。総計(睡眠得点)5点以下が睡眠良、6点以上が睡眠不良。(○Doi Y, Minowa M, Uchiyama M, Okawa M, Kim K, Shibui K, Kamei Y. Psychometric assessment of subjective sleep quality using the Japanese version of the Pittsburgh Sleep Quality Index (PSQI-J) in psychiatric disordered and control subjects. Psychiatry Res 2000; 97(2-3):165-172.○土井由利子, 簑輪眞澄, 大川匡子, 内山真: ピッツバーグ睡眠質問票日本語版の作成. 精神科治療学1998; 13 (6); 755-769. )
※2 角層水分量、経皮水分蒸散量、皮膚粘弾性、剥離角層による解析
※3 村上泉子ら:香粧会誌,25(3):136-144, 2001