再エネ発電量予測精度向上および蓄電池の活用によりインバランス量約7割削減を達成
[23/03/29]
提供元:PRTIMES
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〜令和4年度再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業の成果について〜
東芝エネルギーシステムズ株式会社および東芝ネクストクラフトベルケ株式会社は、東芝ESSをコンソーシアムリーダーとして、経済産業省が公募する実証事業「令和4年度 再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業」に採択され、新たな予測手法の開発等を行い、昨年12月から本年1月を中心に実証実験を行いました。本実証では、特に、再生可能エネルギー発電量の予測精度向上や、蓄電池を活用したインバランスリスク注2低減などの成果を得ることができました。
東芝エネルギーシステムズ株式会社
東芝ネクストクラフトベルケ株式会社
東芝エネルギーシステムズ株式会社(以下、東芝ESS)および東芝ネクストクラフトベルケ株式会社(以下、TNK)は、東芝ESSをコンソーシアムリーダーとして、経済産業省が公募する実証事業「令和4年度 再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業(注1)」に採択され、新たな予測手法の開発等を行い、昨年12月から本年1月を中心に実証実験を行いました。本実証では、特に、再生可能エネルギー(以下、再エネ)発電量の予測精度向上や、蓄電池を活用したインバランスリスク(注2)低減などの成果を得ることができました。
本実証は、変動性の高い再エネを活用した安定的・効率的な電力システムの構築と、再エネの普及拡大を目的として、東芝ESSを含む再エネアグリゲーター14社および実証協力者9社でコンソーシアム(注3)を組み、推進してきました。令和3年度に続き、太陽光発電、風力発電、蓄電池などの約200リソースを利用し、インバランス削減評価や再エネ発電量予測、アグリゲーターの収益性評価を行いました。本実証では、ドイツのネクストクラフトベルケ社と東芝ESSが共同開発した再エネバランシングシステム「REBSet(TM)」を用いました(図1)。
インバランス削減評価では、蓄電池や電力市場での時間前市場を活用した複数の手法を開発しました。再エネ発電量の実績を確認しながら蓄電池を活用した制御方法(フィードバック制御手法)が、最もインバランスを削減できました。クラウド上の実証システムから本手法で蓄電池(実機)を制御した結果、蓄電池を使わない場合に発生していたインバランス量と比較して、平均約70%を削減できました(注4)。
再エネ発電量予測評価では、太陽光発電、風力発電向けに8つの予測手法を開発しました。また、発電量予測頻度を増やし、実際の発電に近いタイミングで予測を行いました。その結果、太陽光の予測誤差は最小で約1.5%(東京エリア/1月)(注5)、風力の予測誤差は最小で約11.8%(東北エリア/1月)となりました(注6)。昨年度の同じエリアにおける太陽光および風力の予測誤差はそれぞれ約2.9%、約25.6%であり、太陽光、風力どちらの予測精度も向上しました。
アグリゲーターの収益性評価では、「REBSetTM」の一部である新たな市場取引計画作成技術を用いることで、FIT(注7)制度での収入よりも、FIP(注8)制度での収入のほうが大きくなることを確認しました。また、再エネ発電量予測と電力市場でのスポット市場価格予測を考慮して、発電量が多く市場価格が安い時間帯に再エネを充電し、発電量が少なく市場価格が高い時間帯に放電・売電する蓄電池の充放電計画を作成することが、アグリゲーターの収入を増やせることを確認しました。発電量が多く市場価格が最低価格(0.01円/kWh)になる日が多い月では、アグリゲーターの収入を最大約3倍まで増やせる結果が得られました。
東芝ESSとTNKは、本実証を通じて明らかになった課題を解決するため、再エネ発電量予測や蓄電池を活用した制御技術開発を進め、再エネアグリゲーション事業を通じて、再エネを活用した安定的かつ効率的な電力システムの実現に貢献していきます。
[画像: https://prtimes.jp/i/32322/208/resize/d32322-208-ca212e1cca100008f435-0.png ]
注1:正式名称は、「令和4年度 蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業費補助金(再エネ発電等のアグリゲーション技術実証事業のうち再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業)」
注2: インバランスとは、再エネ発電事業者が計画と実績の同時同量を達成できずに発生する電力の需要量(使われる分)と供給量の差分のこと。再エネ発電量が計画値から外れてインバランスが大きくなると、供給する電力の品質低下や停電などの要因となる可能性がある。また、インバランスによる調整コストとしてインバランス料金を支払う必要がある。
注3:コンソーシアムメンバー
コンソーシアムリーダー
・東芝エネルギーシステムズ株式会社
再エネアグリゲーター14社
・アーバンエナジー株式会社
・ENEOS株式会社
・関西電力株式会社
・株式会社関電工
・九州電力株式会社
・コスモエコパワー株式会社
・ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社
・中国電力株式会社
・東京電力エナジーパートナー株式会社
・日本工営株式会社
・日本電気株式会社
・北海道電力株式会社
・株式会社ユーラスグリーンエナジー
・東芝エネルギーシステムズ株式会社
実証協力者9社
・出光興産株式会社
・株式会社エネルギア・ソリューション・アンド・サービス
・株式会社関電エネルギーソリューション
・東急不動産株式会社
・豊田通商株式会社
・一般財団法人日本気象協会
・First・Solar・Japan合同会社
・三井住友海上火災保険株式会社
・東芝ネクストクラフトベルケ株式会社
注4:一日あたりのインバランス量の削減率の平均値
注5:東京エリアにおけるコンソーシアム全体としての評価結果。予測誤差は、30分ごとの発電量予測と発電量実績の差を、発電機の定格容量で正規化することで計算。
注6:東北エリアにおけるコンソーシアム全体としての評価結果
注7: FIT (Feed-in-Tariff):固定価格買取制度
注8: FIP(Feed-in Premium):発電事業者が市場価格で売電する場合に一定のプレミアムを上乗せする方式
※東芝エネルギーシステムズの詳細はこちらをご覧ください。
https://www.global.toshiba/jp/company/energy.html
※東芝エネルギーシステムズの再生可能エネルギー事業についてはこちらをご覧ください。
https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/renewable-energy.html
東芝エネルギーシステムズ株式会社および東芝ネクストクラフトベルケ株式会社は、東芝ESSをコンソーシアムリーダーとして、経済産業省が公募する実証事業「令和4年度 再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業」に採択され、新たな予測手法の開発等を行い、昨年12月から本年1月を中心に実証実験を行いました。本実証では、特に、再生可能エネルギー発電量の予測精度向上や、蓄電池を活用したインバランスリスク注2低減などの成果を得ることができました。
東芝エネルギーシステムズ株式会社
東芝ネクストクラフトベルケ株式会社
東芝エネルギーシステムズ株式会社(以下、東芝ESS)および東芝ネクストクラフトベルケ株式会社(以下、TNK)は、東芝ESSをコンソーシアムリーダーとして、経済産業省が公募する実証事業「令和4年度 再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業(注1)」に採択され、新たな予測手法の開発等を行い、昨年12月から本年1月を中心に実証実験を行いました。本実証では、特に、再生可能エネルギー(以下、再エネ)発電量の予測精度向上や、蓄電池を活用したインバランスリスク(注2)低減などの成果を得ることができました。
本実証は、変動性の高い再エネを活用した安定的・効率的な電力システムの構築と、再エネの普及拡大を目的として、東芝ESSを含む再エネアグリゲーター14社および実証協力者9社でコンソーシアム(注3)を組み、推進してきました。令和3年度に続き、太陽光発電、風力発電、蓄電池などの約200リソースを利用し、インバランス削減評価や再エネ発電量予測、アグリゲーターの収益性評価を行いました。本実証では、ドイツのネクストクラフトベルケ社と東芝ESSが共同開発した再エネバランシングシステム「REBSet(TM)」を用いました(図1)。
インバランス削減評価では、蓄電池や電力市場での時間前市場を活用した複数の手法を開発しました。再エネ発電量の実績を確認しながら蓄電池を活用した制御方法(フィードバック制御手法)が、最もインバランスを削減できました。クラウド上の実証システムから本手法で蓄電池(実機)を制御した結果、蓄電池を使わない場合に発生していたインバランス量と比較して、平均約70%を削減できました(注4)。
再エネ発電量予測評価では、太陽光発電、風力発電向けに8つの予測手法を開発しました。また、発電量予測頻度を増やし、実際の発電に近いタイミングで予測を行いました。その結果、太陽光の予測誤差は最小で約1.5%(東京エリア/1月)(注5)、風力の予測誤差は最小で約11.8%(東北エリア/1月)となりました(注6)。昨年度の同じエリアにおける太陽光および風力の予測誤差はそれぞれ約2.9%、約25.6%であり、太陽光、風力どちらの予測精度も向上しました。
アグリゲーターの収益性評価では、「REBSetTM」の一部である新たな市場取引計画作成技術を用いることで、FIT(注7)制度での収入よりも、FIP(注8)制度での収入のほうが大きくなることを確認しました。また、再エネ発電量予測と電力市場でのスポット市場価格予測を考慮して、発電量が多く市場価格が安い時間帯に再エネを充電し、発電量が少なく市場価格が高い時間帯に放電・売電する蓄電池の充放電計画を作成することが、アグリゲーターの収入を増やせることを確認しました。発電量が多く市場価格が最低価格(0.01円/kWh)になる日が多い月では、アグリゲーターの収入を最大約3倍まで増やせる結果が得られました。
東芝ESSとTNKは、本実証を通じて明らかになった課題を解決するため、再エネ発電量予測や蓄電池を活用した制御技術開発を進め、再エネアグリゲーション事業を通じて、再エネを活用した安定的かつ効率的な電力システムの実現に貢献していきます。
[画像: https://prtimes.jp/i/32322/208/resize/d32322-208-ca212e1cca100008f435-0.png ]
注1:正式名称は、「令和4年度 蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業費補助金(再エネ発電等のアグリゲーション技術実証事業のうち再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業)」
注2: インバランスとは、再エネ発電事業者が計画と実績の同時同量を達成できずに発生する電力の需要量(使われる分)と供給量の差分のこと。再エネ発電量が計画値から外れてインバランスが大きくなると、供給する電力の品質低下や停電などの要因となる可能性がある。また、インバランスによる調整コストとしてインバランス料金を支払う必要がある。
注3:コンソーシアムメンバー
コンソーシアムリーダー
・東芝エネルギーシステムズ株式会社
再エネアグリゲーター14社
・アーバンエナジー株式会社
・ENEOS株式会社
・関西電力株式会社
・株式会社関電工
・九州電力株式会社
・コスモエコパワー株式会社
・ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社
・中国電力株式会社
・東京電力エナジーパートナー株式会社
・日本工営株式会社
・日本電気株式会社
・北海道電力株式会社
・株式会社ユーラスグリーンエナジー
・東芝エネルギーシステムズ株式会社
実証協力者9社
・出光興産株式会社
・株式会社エネルギア・ソリューション・アンド・サービス
・株式会社関電エネルギーソリューション
・東急不動産株式会社
・豊田通商株式会社
・一般財団法人日本気象協会
・First・Solar・Japan合同会社
・三井住友海上火災保険株式会社
・東芝ネクストクラフトベルケ株式会社
注4:一日あたりのインバランス量の削減率の平均値
注5:東京エリアにおけるコンソーシアム全体としての評価結果。予測誤差は、30分ごとの発電量予測と発電量実績の差を、発電機の定格容量で正規化することで計算。
注6:東北エリアにおけるコンソーシアム全体としての評価結果
注7: FIT (Feed-in-Tariff):固定価格買取制度
注8: FIP(Feed-in Premium):発電事業者が市場価格で売電する場合に一定のプレミアムを上乗せする方式
※東芝エネルギーシステムズの詳細はこちらをご覧ください。
https://www.global.toshiba/jp/company/energy.html
※東芝エネルギーシステムズの再生可能エネルギー事業についてはこちらをご覧ください。
https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/renewable-energy.html