「提起する人−アーティスト・俳優、武田力さん」アーツコミッション・ヨコハマでは若手アーティストをサポートしています。
[17/02/23]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
2月19日に閉幕したTPAM2017(国際舞台芸術ミーティング in 横浜2017)のエクスチェンジプログラムにて、現在進行中のプロジェクト 『タコはタコでも、〈 〉です。』を紹介した、武田力さん。「提起する人」としてアーティスト活動を続けていく武田さんのインタビューをご紹介します。
次世代を担う若手芸術家を横浜で育成・発信
「クリエイティブ・チルドレン・フェローシップ」とは?
「クリエイティブ・チルドレン」とは、横浜市が文化芸術創造都市のさらなる推進を図るべく、子どもたちの創造性を養うと共に、多様な文化芸術を継承、発展、創造する次世代の人材育成プロジェクトです。
その構想に基づき、今年から横浜から世界に芸術文化を発信するアーティストを育成し、そのキャリアアップを支援するための助成制度を開始しました。
今回は「クリエイティブ・チルドレン・フェローシップ」アーティスト紹介、第2弾として武田力さんのインタビューをご紹介します。
[画像1: https://prtimes.jp/i/14302/210/resize/d14302-210-347176-0.jpg ]
提起する人−アーティスト・俳優、武田力(たけだ りき)
とある幼稚園で働いたのち、チェルフィッチュや飴屋法水の演劇に俳優として関わる。
その後、自身でも民俗芸能に社会の端緒を見、そこに現代を反映して観客とともに思考する作品を制作。
現在、彼はフィリピンでも所得が極めて低い世帯が暮らす地域で調査をし創作をしている。
彼が今回素材として選んだ「タコとタコ焼き」とは?
そして「パフォーマー冥利に尽きる瞬間を求めて」武田さんが今、思うことを聞いてみた。
(※「創造都市横浜」http://yokohama-sozokaiwai.jp/ より抜粋)
“タコ”のメタファーを食する作品が喚起するもの
[画像2: https://prtimes.jp/i/14302/210/resize/d14302-210-834641-3.jpg ]
「タコは、春画のモチーフになったり、日本を含む欧米列強が帝国主義を敷いている時代には侵略の象徴として多くの国で用いられていました。またタコは雑食で何でも食べる。フィリピンの海には戦争の犠牲者が多く沈んでおり、もしかしたらタコは海底で彼らの死体を食べているかもしれない。僕はそんなタコのメタファーをタコ焼きに込めるのです」
フィリピンではタコは常食されていない。なぜフィリピンのタコ焼きにはタコが入っていないのかという話になった。疑問から興味が湧いて調べ始めた。そして初めてタコが持つたくさんの意味に気づいたのだった。
「タコ焼きを食べて、身体の中にいろいろな意味を付与したタコを入れる。それがどのようなイメージを生み出すのか? 時間と共にそのイメージは体内でどのようにふくらんでいくのか? それを一緒に話したり、考えたりしたい。そして作品の重要なテーマである戦争について、食べた人や観客と思いを巡らせることができるプラットフォームを作りたい」
アートとは? アーティストとは?
「いろいろな表現があってしかるべき」と前置きした上で、彼にとってのアートとは「社会をどう映すか、向きを変えて見つめるなおすことができるか、観客とそれをどう共有するか」であると述べた。
「作品には捉えてもらいたい志向性はありますが、それが絶対に正しいとは限らない。押し付けるつもりはありません」
作品は啓蒙とは絶対に違うものだと思っている。ただ、たくさんの人に興味を持ってもらうために、作品のとっかかりとも言うべき間口を広く作る。例えば「タコ焼き」。ある意味キャッチーだ。ゆえに解釈の幅もそれだけ大きくなる。その中でどこまで作家の思考をしみ込ませるか、問題に踏み込んでいくのか、距離を取るのか、デザインするのが難しい。
「何年か経って、ああ、そうだったのか、とわかることもあるような作品が作れたらと思っています」
武田さん曰く、アーティストとは「提起する人」。問いかけた後、観客たちが自身で考えることができるプラットフォームをいかに作るかが大切なことなのだ。場を開く人とでも呼べばいいだろうか。その力量は、場所や観客によって毎回違う状況の中で問われる。
[画像3: https://prtimes.jp/i/14302/210/resize/d14302-210-925344-4.jpg ]
パフォーマー冥利に尽きる瞬間を求めて
[画像4: https://prtimes.jp/i/14302/210/resize/d14302-210-575293-1.jpg ]
武田さんは、これからもこの作品のような参加型のパフォーマンス・アートを続けていくつもりだ。役者の身体と観客が何を生み出せるか? いかにいろいろな人たちといろいろなやりとりができるか? 観客ひとりひとりの感覚を、思考を、いかに引き出せるのか? 閉ざされた空間で、意識的に、そして硬くならずにやっていけたらと考えている。
「年に一度くらい、ものすごい空間が生まれることがあるんですよね」と顔がほころぶ。
これからも、そんなパフォーマー冥利に尽きる瞬間を求めていく。
「提起する人−アーティスト・俳優、武田力さん」インタビューの全文は
→「創造都市横浜」http://yokohama-sozokaiwai.jp/
[画像5: https://prtimes.jp/i/14302/210/resize/d14302-210-550137-5.jpg ]
※アーツコミッション・ヨコハマ(ACY)は、(公財)横浜市芸術文化振興財団が横浜市文化観光局の補助金を受けて運営する事業です。(中区山下町2産業貿易センタービル1F)
アーツコミッション・ヨコハマとは?
横浜市芸術文化振興財団のプロジェクトのひとつです。横浜市の掲げる 「文化芸術創造都市・横浜」の取り組みを基にアーティスト、クリエーターの支援を通じ、その力を街に活かすと共に、クリエイティブな活動と街のプロモーションを行っています。http://acy.yafjp.org/
次世代を担う若手芸術家を横浜で育成・発信
「クリエイティブ・チルドレン・フェローシップ」とは?
「クリエイティブ・チルドレン」とは、横浜市が文化芸術創造都市のさらなる推進を図るべく、子どもたちの創造性を養うと共に、多様な文化芸術を継承、発展、創造する次世代の人材育成プロジェクトです。
その構想に基づき、今年から横浜から世界に芸術文化を発信するアーティストを育成し、そのキャリアアップを支援するための助成制度を開始しました。
今回は「クリエイティブ・チルドレン・フェローシップ」アーティスト紹介、第2弾として武田力さんのインタビューをご紹介します。
[画像1: https://prtimes.jp/i/14302/210/resize/d14302-210-347176-0.jpg ]
提起する人−アーティスト・俳優、武田力(たけだ りき)
とある幼稚園で働いたのち、チェルフィッチュや飴屋法水の演劇に俳優として関わる。
その後、自身でも民俗芸能に社会の端緒を見、そこに現代を反映して観客とともに思考する作品を制作。
現在、彼はフィリピンでも所得が極めて低い世帯が暮らす地域で調査をし創作をしている。
彼が今回素材として選んだ「タコとタコ焼き」とは?
そして「パフォーマー冥利に尽きる瞬間を求めて」武田さんが今、思うことを聞いてみた。
(※「創造都市横浜」http://yokohama-sozokaiwai.jp/ より抜粋)
“タコ”のメタファーを食する作品が喚起するもの
[画像2: https://prtimes.jp/i/14302/210/resize/d14302-210-834641-3.jpg ]
「タコは、春画のモチーフになったり、日本を含む欧米列強が帝国主義を敷いている時代には侵略の象徴として多くの国で用いられていました。またタコは雑食で何でも食べる。フィリピンの海には戦争の犠牲者が多く沈んでおり、もしかしたらタコは海底で彼らの死体を食べているかもしれない。僕はそんなタコのメタファーをタコ焼きに込めるのです」
フィリピンではタコは常食されていない。なぜフィリピンのタコ焼きにはタコが入っていないのかという話になった。疑問から興味が湧いて調べ始めた。そして初めてタコが持つたくさんの意味に気づいたのだった。
「タコ焼きを食べて、身体の中にいろいろな意味を付与したタコを入れる。それがどのようなイメージを生み出すのか? 時間と共にそのイメージは体内でどのようにふくらんでいくのか? それを一緒に話したり、考えたりしたい。そして作品の重要なテーマである戦争について、食べた人や観客と思いを巡らせることができるプラットフォームを作りたい」
アートとは? アーティストとは?
「いろいろな表現があってしかるべき」と前置きした上で、彼にとってのアートとは「社会をどう映すか、向きを変えて見つめるなおすことができるか、観客とそれをどう共有するか」であると述べた。
「作品には捉えてもらいたい志向性はありますが、それが絶対に正しいとは限らない。押し付けるつもりはありません」
作品は啓蒙とは絶対に違うものだと思っている。ただ、たくさんの人に興味を持ってもらうために、作品のとっかかりとも言うべき間口を広く作る。例えば「タコ焼き」。ある意味キャッチーだ。ゆえに解釈の幅もそれだけ大きくなる。その中でどこまで作家の思考をしみ込ませるか、問題に踏み込んでいくのか、距離を取るのか、デザインするのが難しい。
「何年か経って、ああ、そうだったのか、とわかることもあるような作品が作れたらと思っています」
武田さん曰く、アーティストとは「提起する人」。問いかけた後、観客たちが自身で考えることができるプラットフォームをいかに作るかが大切なことなのだ。場を開く人とでも呼べばいいだろうか。その力量は、場所や観客によって毎回違う状況の中で問われる。
[画像3: https://prtimes.jp/i/14302/210/resize/d14302-210-925344-4.jpg ]
パフォーマー冥利に尽きる瞬間を求めて
[画像4: https://prtimes.jp/i/14302/210/resize/d14302-210-575293-1.jpg ]
武田さんは、これからもこの作品のような参加型のパフォーマンス・アートを続けていくつもりだ。役者の身体と観客が何を生み出せるか? いかにいろいろな人たちといろいろなやりとりができるか? 観客ひとりひとりの感覚を、思考を、いかに引き出せるのか? 閉ざされた空間で、意識的に、そして硬くならずにやっていけたらと考えている。
「年に一度くらい、ものすごい空間が生まれることがあるんですよね」と顔がほころぶ。
これからも、そんなパフォーマー冥利に尽きる瞬間を求めていく。
「提起する人−アーティスト・俳優、武田力さん」インタビューの全文は
→「創造都市横浜」http://yokohama-sozokaiwai.jp/
[画像5: https://prtimes.jp/i/14302/210/resize/d14302-210-550137-5.jpg ]
※アーツコミッション・ヨコハマ(ACY)は、(公財)横浜市芸術文化振興財団が横浜市文化観光局の補助金を受けて運営する事業です。(中区山下町2産業貿易センタービル1F)
アーツコミッション・ヨコハマとは?
横浜市芸術文化振興財団のプロジェクトのひとつです。横浜市の掲げる 「文化芸術創造都市・横浜」の取り組みを基にアーティスト、クリエーターの支援を通じ、その力を街に活かすと共に、クリエイティブな活動と街のプロモーションを行っています。http://acy.yafjp.org/