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「Power-to-Gas」の実用化に向け、FH2Rを用いたシステム制御の高度化推進

〜水素を用いたエネルギー貯蔵・利用の実用化に向けNEDO技術開発事業を延長〜

東芝エネルギーシステムズ株式会社、東北電力株式会社、岩谷産業株式会社、は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「水素社会構築技術開発事業/水素エネルギーシステム技術開発/再エネ利用水素システムの事業モデル構築と大規模実証に係る技術開発」について、NEDOと実証期間を2025年度末まで延長する業務委託変更契約を締結しました。
3社は、本事業の拡充・強化を目的に、システム制御の更なる高度化に向け取り組んでまいります。




東芝エネルギーシステムズ株式会社
東北電力株式会社
岩谷産業株式会社

 東芝エネルギーシステムズ株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:四柳 端、以下、「東芝エネルギーシステムズ」)、東北電力株式会社(本社:宮城県仙台市、取締役社長 社長執行役員:樋?口 康二郎、以下、「東北電力」)、岩谷産業株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役 社長執行役員:間島 ?、以下、「岩谷産業」)、は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「水素社会構築技術開発事業/水素エネルギーシステム技術開発/再エネ利用水素システムの事業モデル構築と大規模実証に係る技術開発(注1)」(以下、「本事業」)について、NEDOと実証期間を2025年度末まで延長する業務委託変更契約を締結しました。
 3社は、本事業の拡充・強化を目的に、システム制御の更なる高度化に向け取り組んでまいります。


実証事業の概要
1.背景
 太陽光や風力などの再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力系統の需給バランスを調整する出力制御の機会が増加します。電力系統において、出力制御せずに、再生可能エネルギーからの電力を有効活用する方法の1つとして、大規模で長期間の水素貯蔵を可能とする、水素を用いたエネルギー貯蔵・利用(Power-to-Gas)が挙げられます。Power-to-Gas実現には、電力系統需給バランス調整機能(ディマンドレスポンス)だけでなく、燃料電池や燃料電池自動車向けの水素製造・供給を、水素需給予測に基づいて最適に行うシステムの確立が必要となります。
 2020年3月に福島県浪江町に開所した「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」では、世界有数規模の10MW級水素製造装置を活用し、電力系統における需給バランスの調整に水素製造・供給を通じて貢献しています。FH2Rには蓄電池・燃料電池を備えず、ディマンドレスポンスと、水素需給予測に基づくシステム運用により、再生可能エネルギーからの電力を最大限利用して、クリーンで低コストの水素製造・供給技術の確立を目指してきました。
 2022年度までの事業成果としては、各種制御システム(水素エネルギー運用システム、電力系統側制御システム、水素需要予測システム)を開発し、Power-to-Gasによる水素製造・供給と、ディマンドレスポンスを両立させるための基盤技術を確立しました。具体的には、実際にFH2Rの設備を用いて、水素需要を満たしつつ、水素製造量等を必要なタイミングで調整し、一般送配電事業者が電力系統安定化のために必要となる電力系統の調整力を調達する需給調整市場向け商品(二次調整力2.と三次調整力1.2.)(注2)相当の応動ができることを確認しました。


2.今後の活動について
 2022年度までの実証を通じ、Power-to-Gasの事業化に向けた課題が見えてきました。
Power-to-Gas事業を成立させるためには、水素需給バランスが変化する中で、水素製造設備に変更を加えることなく、低コストの水素製造費用を維持し続ける必要性が明らかになりました。さらに、電力系統安定化のため、電力系統への電力需給バランス調整機能を向上していくことが必要不可欠であることが明らかになりました。
 そのため、外部の水素需要家に対して、水素需給のタイミングと水素量をコントロールする仕組みや技術、および低コストの水素製造を実現するために水素製造設備の運用を最適化する技術を開発してまいります。さらに、電力系統安定化に寄与するため、FH2R以外の複数の設備と組み合わせた場合においても、電力系統へ調整力を供給できる、調整機能の高度化に向けた技術の開発を目指してまいります。


3.各社の役割・取り組み姿勢
 本事業における各社の役割、本PJへの取り組む姿は以下の通りです。


 東芝エネルギーシステムズは、本事業を通じ、再生可能エネルギー由来の水素製造から利活用まで、エネルギーを効率的に使用することのできる水素ソリューションを展開し、CO2フリーの水素社会の実現に貢献してまいります。


 東北電力は、電力の安定供給を前提とする水素エネルギーシステムの活用方法を検証し、再生可能エネルギーの導入拡大を目指すとともに、引き続き、地元電力会社として、本事業を通じて福島県の復興に貢献できるよう取り組んでまいります。


 岩谷産業は、本事業における開発・実証が、水素エネルギー社会の早期構築に寄与するものと考えており、これまでに培った水素の輸送・貯蔵・供給関連の技術、知見をもとに、水素エネルギーの利活用拡大に向けて積極的に取り組んでまいります。

各社の役割分担
[表: https://prtimes.jp/data/corp/32322/table/212_1_f413d69da88d85ac94f8ef0b54231fa9.jpg ]




本事業の全体像
[画像: https://prtimes.jp/i/32322/212/resize/d32322-212-e54366033153c7b29ba7-0.jpg ]

  
 3社は、本事業を通じ、再生可能エネルギー由来の水素の利用拡大に向けた技術開発を推進し、水素エネルギー運用システムの最適運用を行ってまいります。再生可能エネルギーの利用拡大にともない期待される2030年以降の持続可能なPower-to-Gas事業モデルの商用化へ向けた取り組みを推進してまいります。


(注1):
事業名称:水素社会構築技術開発事業/水素エネルギーシステム技術開発/再エネ利用水素システムの事業モデル構築と大規模実証に係る技術開発
期間:2016〜2025年度
(2016〜2017年度までは基礎検討(FSフェーズ)を実施し、2017〜2022年度までシステム技術開発(実証フェーズ)を実施。今回、2025年度までシステム技術開発(実証フェーズ)を延長。)


(注2):
二次調整力2.:十数分以上の周期で変動する周波数の負荷調整に対応する調整力。
三次調整力1.:ゲートクローズ以降に生じる需要予測誤差および再生可能エネルギーの出力予測誤差や、電源が予期せぬトラブル等で停止する電源脱落により生じた需要と供給の差について対応する調整力。
三次調整力2.:FIT特例制度1.およびFIT特例制度3.を利用している再生可能エネルギーの予測誤差に対応する調整力。


(注3):
ACシステム:アグリゲータシステム。複数のリソースアグリゲータを取り纏め、リソース全体の制御指令の管理を行う。

※東芝エネルギーシステムズの詳細はこちらをご覧ください。
https://www.global.toshiba/jp/company/energy.html

※東芝エネルギーシステムズの水素エネルギー事業についてはこちらをご覧ください。
https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/hydrogen.html
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