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〜オープンイノベーション型ライフサイエンス研究のロールモデルづくり〜東京大学 藤田誠卓越教授ら新研究拠点「FS CREATION」を「三井リンクラボ柏の葉1」に開設

分子構造解析における新産業創出に関するシンポジウム開催(2022年5月27日)




 国立大学法人東京大学(総長:藤井輝夫 以下「東京大学」)と三井不動産株式会社(代表取締役社長:菰田正信 以下「三井不動産」)は、柏の葉エリアに2021年11月に竣工した「三井リンクラボ柏の葉1」※1にライフサイエンスの基盤研究を行うオープンイノベーション拠点「FS CREATION」を2022年4月に開設することをお知らせします。また、本拠点の開設を記念し、分子構造解析からの新産業創出をテーマとしたシンポジウムを東京大学国際オープンイノベーション機構(機構長:大久保達也)と三井不動産との共同主催により2022年5月27日に開催いたします。(詳細および申込方法は下記記載)


[表: https://prtimes.jp/data/corp/51782/table/220_1_ba018cbe1bdf6e60b91d8f12d581fcf6.jpg ]



・ 「FS CREATION」は、柏の葉エリアにオープンした「三井リンクラボ柏の葉1」最上階に入居するライフサイエンス研究の基盤となる「統合分子構造解析」を主軸とする、本分野における世界唯一のオープンイノベーション(以下「OI」)拠点。
・ ウルフ賞受賞など世界をリードする東京大学藤田誠卓越教授※2・佐藤宗太特任教授を中心とするアカデミアグループと、国内3大分析装置メーカーを中心とする民間企業の入居が決定。
・ 日常的な会話や情報交換を繰り返しながら、フロア全体で様々な技術や装置を統合的に活用することで大学・企業間を超えた理想のOI推進を目指した建築設計。オープンディスカッションや憩いの場となる広い共用空間(LAB LIVING)と、アカデミアと民間企業のガラス張りのラボゾーンで構成。

[画像1: https://prtimes.jp/i/51782/220/resize/d51782-220-339bfbc1116a0a87a159-0.jpg ]

[画像2: https://prtimes.jp/i/51782/220/resize/d51782-220-123dcb95e2dd8b876f65-1.jpg ]

 FS CREATIONには大型の精密分析機器が設置され、日本電子の核磁気共鳴装置(NMR)、リガクのX線回折装置(XRD)、島津製作所の質量分析計(MS)が立ち並んでいます。

 柏の葉スマートシティでは、「健康長寿」「環境共生」「新産業創造」の3つのテーマの下、公・民・学連携での街づくりを推進していますが、今般、柏の葉エリアを「新産業創造」拠点として強化すべく、ライフサイエンスの理想のOI研究環境を目指した拠点「FS CREATION」※3を開設しました。

 「FS CREATION」には、アカデミアから藤田卓越教授の研究室、佐藤宗太特任教授の東大社会連携講座「統合分子構造解析講座」※4、分子科学研究所・特別研究部門(藤田グループ)※5、さらに産業界から、日本を代表する3大分析装置メーカーである、株式会社島津製作所、日本電子株式会社、株式会社リガクが参画します。

 この産学連携によるOIにより、「FS CREATION」は、結晶スポンジ法を中核技術としてワンストップで分子構造解析を行うことができる、世界唯一の「統合分子構造解析拠点」となります。

■FS CREATION設置の経緯
 東京大学は、産学協創を通じてイノベーションの加速を推進し、社会課題の解決と経済成長への貢献に取り組んでいます。イノベーション加速のためには、学知と企業の潜在能力との適切な融合が必要であり、研究開発段階から産業化を見据えたエコシステム構築が重要です。

 三井不動産が推進してきた柏の葉スマートシティでは、公・民・学連携で「新産業創造」を掲げ、この課題に取り組んでいましたが、今般、藤田誠卓越教授がこの柏の葉スマートシティの構想に共感し、拠点が開設されるに至りました。

 これまで大学では研究施設の不足によりOI研究を進めづらいという課題を抱えていましたが、本施設はそのような課題を払拭した今後OIのロールモデルとなると期待されます。

 「FS CREATION」において実現した画期的なOI活動のひとつが、国内3大分析装置メーカーの入居です。分子構造解析を行うとき、核磁気共鳴装置(NMR)、X線回折装置(XRD)、質量分析計(MS)という分析装置が欠かせないのですが、これらの異なるメーカーの装置から得られたデータを研究者の側で統合して解析していました。今回、ひとつの拠点に国内3大分析装置メーカーが集結したことにより、メーカーの側で統合的に構造解析における解決策を提案し、さらに困難な課題にはアカデミアも加わってワンストップで立ち向かう世界初の拠点が開設されました。今後、メーカー間の協業によって、分子構造解析に関する新しい産業創出への展開が期待されます。

■FS CREATIONの空間設計について
 「FS CREATION」は大学敷地外の民間施設(三井リンクラボ柏の葉1)に設置され、空間設計上も産学のコラボレーションが活性化するように工夫しています。本拠点の最大の特徴であるフロア設計は、 理想のOI研究拠点をフロアの建築設計にまで落とし込み、建築家※6と科学者が知恵を出し合うことで実現しました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/51782/220/resize/d51782-220-2e0e8bbe04dba9057520-3.png ]

・ 中央の広い共用空間(LAB LIVING)は、憩いの場、オープン討議の場、セミナー会場に大まかに区画され、産学の研究者が出会う場となります。
・ ガラス張りのアカデミアラボと民間企業ラボをオープンな空間に配置。日常的な会話や情報交換を繰り返しながら大学・企業間を超えたOIを推進します。
・ また、国内3大分析装置メーカーが、壁を取り払った合同ラボを開設。企業間の連携をも促進します。

■東京大学-三井不動産 産学協創シンポジウム(2022年5月27日)
 「FS CREATION」の開設を記念し、東京大学と三井不動産による産学協創シンポジウム※7を開催いたします。今後は、アカデミアからは若手独立PIグループ、産業界からは製薬メーカー、化学メーカーなど、さまざまな研究者や企業をフロアに巻き込みながら、研究開発から社会実装までつなげるライフサイエンスのエコシステムを構築し、柏の葉エリアをライフサイエンス研究の拠点として推進していきます。
 
 なお、三井不動産は柏の葉エリア以外でも東京大学と「三井不動産東大ラボ」※8を2020年7月に開始するなど幅広く連携を強めています。

(※1) 三井リンクラボ柏の葉1について
「三井リンクラボ柏の葉1」は、「三井のラボ&オフィス」事業の中で、初の「シーズ近接型」の施設となります。「オープンイノベーションの創出」「充実した研究環境」に加え、「アカデミア、研究施設、先端医療施設等の近接地における賃貸ラボ施設」の3つのコンセプトを有します。アカデミアや医療施設と近接することで、ラボ入居企業・組織の産学医連携をスムーズにし、世界に先駆けた研究開発を推進します。特に「三井リンクラボ柏の葉1」は、柏の葉エリアに居を置く東京大学、千葉大学、国立がん研究センター東病院などとの連携を図りながら、次世代医療技術・ヘルスケアサービス開発の中核拠点として機能しています。

(※2) 藤田誠卓越教授 プロフィール
藤田誠卓越教授は、分子の自己組織化により様々な研究に業績を残し、近年には分子構造解析の100年問題を解決したと言われる「結晶スポンジ法」を開発しました。2018年にはノーベル賞の前哨戦とも言われるウルフ賞の化学部門賞を受賞し、東京大学では3人目の「東京大学 卓越教授」となっています。

(※3) 「FS CREATION」
フロアの名称。FSはFlagship Scienceの略語であり、フロアを創始する藤田卓越教授と佐藤特任教授のイニシャルとの重ね合わせになります。
FS CREATION: https://fs-creation.jp

[画像4: https://prtimes.jp/i/51782/220/resize/d51782-220-753e15d4e7c6f9bfbea5-2.png ]


(※4) 東大社会連携講座(統合分子構造解析講座)
低分子からタンパク質までを対象に、分子構造解析の統合的な技術開発を目的に東京大学工学系研究科に2010年11月に設置された社会連携講座。現在、装置・分析・製薬・食品・香料・農薬・材料等、化学関連の民間企業19社の出資により、活動をしています。

(※5) 分子科学研究所・特別研究部門
自然科学研究機構(NINS)分子科学研究所(IMS) に藤田卓越教授が兼任で研究グループを運営しています。新しい天然物創薬につながる、よりバイオに特化した研究を推進しており、その一部の活動を「FS CREATION」で行うことで、東大藤田研究室との連携を深めていきます。

(※6) フロアの建築設計とコンセプト設計
建築設計とコンセプト設計は、建築築事務所 望月公紀氏と藤田卓越教授、佐藤宗太特任教授との共同作業により行われました。建築築事務所:https://archichi.jp

(※7) 東京大学-三井不動産 産学協創シンポジウム
OI拠点の開設記念として、シンポジウムを開催します。シンポジウムでは、「統合分子構造解析ラボ」の構想の他、分子構造解析の価値と社会実装について複数の講演をご用意しています。

<概要>
タイトル:分子構造解析が拓く 新学術と新産業
日時 :2022年5月27日(金) 13:00〜17:45
形式 :オンライン
主催 :東京大学国際オープンイノベーション機構、三井不動産
共催 :株式会社島津製作所、日本電子株式会社、株式会社JEOL RESONANCE、株式会社リガク
申込 :「社会連携講座(佐藤研究室)HP( https://satolab.t.u-tokyo.ac.jp)より申し込み受付

<プログラム>
ご挨拶
 13:00 主催・共催よりご挨拶
第一部 日本発・世界初の統合分子構造解析拠点
 13:35 基調講演
     藤田 誠氏 東京大学 大学院工学系研究科応用化学専攻 卓越教授
 14:10 基調講演
     栗原 権右衛門氏 日本電子株式会社 代表取締役会長兼CEO
第二部 基礎科学が生み出す価値とその社会実装
 14:55 基調講演
     菅 裕明氏 東京大学 大学院理学系研究科化学専攻 教授
 15:40 特別講演
     野地 博行氏 東京大学 大学院工学系研究科応用化学専攻 教授
 16:15 特別講演
     馬場 健史氏 九州大学 生体防御医学研究所トランスオミクス医学研究センター 教授
 16:50  講 演
     佐藤 宗太氏 東京大学 大学院工学系研究科応用化学専攻 特任教授
 17:10 講 演
     山下 和則氏 三井不動産株式会社 執行役員 柏の葉街づくり推進部長
 17:25 リンクラボ バーチャル見学(動画)
閉会挨拶
 17:35 染谷 隆夫 東京大学 大学院工学系研究科長

(※8) 三井不動産東大ラボ
参考リリース: https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2020/0727/


■ 三井不動産グループのSDGsへの貢献について
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/esg_csr/
三井不動産グループは、「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、人と地球がともに豊かになる社会を目指し、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)を意識した事業推進、すなわちESG経営を推進しております。当社グループのESG経営をさらに加速させていくことで、日本政府が提唱する「Society5.0」の実現や、「SDGs」の達成に大きく貢献できるものと考えています。また、2021年11月には「脱炭素社会の実現」、「ダイバーシティ&インクルージョン推進」に関し、下記の通りグループ指針を策定しました。今後も、当社グループは街づくりを通じた社会課題の解決に向けて取り組んでまいります。
 【参考】・「脱炭素社会実現に向けグループ行動計画を策定」
      https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1124/
     ・「ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言および取り組み方針を策定」
      https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1129_02/

*なお、本リリースの取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)における4つの目標に貢献しています。

目標 3  すべての人に健康と福祉を
目標 9  産業と技術革新の基盤をつくろう
目標 11 住み続けられるまちづくりを
目標 17 パートナーシップで目標を達成しよう
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