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【プレスリリース】ウクライナ 東部で子ども7名が負傷、暴力の停止を/ 東部・クリミア情勢レポート付

ドネツクで一部学校や子ども病院が閉鎖、定性調査で子どもの心への影響が明らかに




※本信は ユニセフ本部からの情報を日本ユニセフ協会 広報室が翻訳・編集したものです
※原文は http://www.unicef.org/media/media_73680.html でご覧いただけます


【2014年6月2日 ニューヨーク/ジュネーブ/キエフ発】

ユニセフは、ウクライナで子どもたちが暴力行為に巻き込まれている事態に際し、
以下の声明を発表します。

「5月9日以降、ウクライナ東部で子ども7人が銃撃や銃弾の破片で負傷」

「一例では、15歳の子どもはバリケード付近で車の中にいたところ、銃撃され、腹部と
腸を負傷して重体」

「負傷した子どもで年少の子どもは4歳、祖母と歩いていたときに、銃弾の破片で負傷」

「ユニセフは、最近の暴力の激化が、子どもにさらなる影響を与えている事態を深く
憂慮しています。ドネツク子ども病院は閉鎖され、一部の町の中心では、子どもたち
は学校に通えません」

「ドネツクでユニセフが行った緊急調査によると、調査対象となった子どものほぼ半数は、
暴力や危険な目にさらされていることがわかりました」

「ユニセフは直ちに暴力を停止し、すべてのグループに対し、子どもを守ることを求めます。
ユニセフは、引き続き情勢を注視していきますが、寄せられた報告の中には確認困難な
ものもあります。負傷した子どもたちにお見舞い申し上げると同時に、子どもたちの
いち早い回復を願っています」


■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016  FAX : 03-5789-2036  Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
John Budd, UNICEF Geneva, Tel: +41 22 909 5429, jbudd@unicef.org
Najwa Mekki, UNICEF New York, Tel: +1 212 326 7448, nmekki@unicef.org


                <ユニセフ情勢レポート>
            ドネツクで一部学校や子ども病院が閉鎖
            定性調査で子どもの心への影響が明らかに

_____________________________________________________________________________________

※本信は、ユニセフ・ウクライナ事務所からの情報を日本ユニセフ協会 広報室が
翻訳したものです
※原文をご入用の際は、広報室(後述)までお問い合わせください
(Ukraine Humanitarian Situation Report #10 by UNICEF 31 May 2014)


【2014年5月31日 キエフ発】


■現地の様子
・5月25日の大統領選挙は、ドネツク州とルハンスク州での暴力が激化する中、実施された
・ドネツクとルハンスクの国際空港は閉鎖に
・5月最終週、武力衝突による子どもへの影響が明らかに、子ども7名が負傷(上記)
・ドネツク州では、子ども148名がスロヴィアンスク(Sloviansk)からクリミアのサマー
キャンプへ出発との報道
・若者と子どもへの安全確保が大きな懸案に
・キエフの情勢は一見安定しているものの、キエフに入るすべてのルートの検問所は強化
・オデッサの情勢は安定しているが、クリミアに加え、東部からの避難者も続いており、
対応が課題に
・UNHCRによると、ウクライナ東部から新たに1,500名が避難し、避難民登録が行われた
・UNHCRによると、ウクライナ国内の避難者は1万201人(15%が東部、85%がクリミア半島)


■人道支援ニーズ

<教育>
・ウクライナ東部では、子どもの教育へのアクセスに影響
・ドネツクでは空港や駅のそばの学校が、5月最終週は武力衝突により休校に
・スラビャンスクの教育当局によると、学校と幼稚園は通常通り開いているものの、
出席率は幼稚園で22%、学校で30%と極めて低い
・5月30日が夏休み前の最終登校日
・ウクライナ教育省は、ドネツク州やルハンスク州の学校を卒業した生徒たちが大学入学
試験を受けられるよう、試験日の延期を決定


<保健>
・ドネツクでは保健サービスに影響
・5月27日にドネツク子ども病院が期間未定のまま閉鎖に
・同病院に入院していた子どもたちは避難または自宅に戻ったり、転院したが十分な対応
ができるか不明
・ドネツク市中央病院も期間未定のまま閉鎖に、同病院の産科も閉鎖、ほかのクリニック
へ照会
・1月以降、ドネツクではワクチンの利用率が低下しており、多くの子どもたちが予防接種
を受けていない
・スラビャンスク市とクラマトルスク市では、社会保障費の支払いが停止
・両市とも社会保障を扱う事務所が、州の電子システムから切断されている
・HIV陽性の抗レトロウイルス薬による治療を受けている3,500人のうち、クリミアにいる
子ども73人は、薬を入手できており、今年末までの薬も既に備蓄されている


<心のケア>
・ユニセフは、ドネツク州で今回の危機による子どもの心への緊急定性調査を終了
調査した子どもの半数もが、暴力にさらされていたり、または恐怖を感じていたことが
判明
・心への負担、子どもの積極的・消極的対応メカニズム、子どもを支援するコミュニティの
人たちの対応能力などを調査、ドネツク、マリウポル(Mariupol)、ホリブカ(Horlivka)、
ヘナキエボ(Yenakievo)で実施
・心の調査と保護者と子どもによるフォーカスグループディスカッションを実施
・調査から明らかになったこと>最終報告は6月提出予定
・一番不安を感じているのは3〜6歳の子どもたち
・軍や政治的イベントに最も巻き込まれているのは13〜18歳の子どもたち
・7〜12歳の調査対象の約40%、13〜18歳の調査対象の50%以上が、町で暴力的な
出来事 や恐ろしい出来事を目撃
・調査した子どもの47%が学校や幼稚園を休んでいる
・リビフで現地のNGOと協力し、心のケアの支援を拡大、ビニンツァなどでも、心のケア
支援を2カ月延長


<クリミア避難者支援>
・ユニセフは、リビフ州でクリミアからの避難世帯・子ども向けに衛生キット112セット
を配布
・ユニセフのチームは5月23日にオデッサへ向かい、新たに到着した避難者のニーズと政府の
対応を調査
・パートナーNGOは、避難者の子ども向けのサマーキャンプを企画、補習も実施予定


<ユニセフの役割と資金要請>
・国連機関内でのユニセフの主な役割は、この危機による子どもへの影響のモニタリング
・ユニセフは、ドネツク常駐のスタッフを置くことを決定(すでにリビフ、ハルキフ、
ヘルソンにはスタッフ常駐)
・ユニセフは、子どもの保護、心のケア、教育、保健、水と衛生の分野での活動に
160万米ドル(約1億6,000万円 ※1米ドル=100円で換算)の支援を要請

■数字で見る概況
・ドネツク州の18歳未満の子どもの数   66万2,245人
・ハルキフ州の18歳未満の子どもの数   41万6,442人
・ルフハンスク州の18歳未満の子どもの数   33万4,455人
・東部3州の18歳未満の子どもの数   141万3,142人
・クリミアの18歳未満の子どもの数   34万4,263人


* * *

■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016  FAX : 03-5789-2036  Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
Yukie Mokuo, Representative, ymokuo@unicef.org
Ruediger Luchmann, Deputy Representative, rluchmann@unicef.org
Veronika Vashchenko, Communication Officer, vvashchenko@unicef.org
UNICEF Ukraine 5 Klovsky Uzviz, 01021 Kyiv, Ukraine
Tel: (+ 380-44) 5210125, 254 2439 www.unicef.org.ua
Facebook: www.facebook.com/unicef.ukraine , Twitter: @unicef_ua

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会の
ひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動
の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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