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オラクル、新しいEU Sovereign Cloudで欧州のデータ・プライバシーと主権に関する要件に対応

EU Sovereign Cloudは、Oracle Cloud Infrastructureのサービスを、オラクルの商用クラウド・リージョンと同じSLAと低価格で提供。

オラクルは、新たに「EU Sovereign Cloud」を開始したことを発表します。この新しいサービスは、欧州連合(EU)全体の民間および公共機関が、データ・プライバシーと主権要件に対してより強力な制御を可能にします。

テキサス州オースティン - 2023年6月21日
(本資料は2023年6月20日にオラクル・コーポレーションより発表されたプレスリリースの抄訳です)

オラクルは、新たに「EU Sovereign Cloud」を開始したことを発表します。この新しいサービスは、欧州連合(EU)全体の民間および公共機関が、データ・プライバシーと主権要件に対してより強力な制御を可能にします。EUの新たな規制環境に対応するクラウドの提供サービスの1つである「Oracle EU Sovereign Cloud」は、「Oracle Cloud Infrastructure (OCI)」のパブリック・クラウド・リージョンが提供するサービスと機能を、同じ価格、サポート、サービス・レベル・アグリーメント(SLA)で提供します。「Oracle EU Sovereign Cloud」は、リージョン全体をEU内に設置し、EU内に設立された個別の法人によって運営、EU拠点の人員よってサポートされます。OCIの分散クラウド戦略の一環である「Oracle EU Sovereign Cloud」は、ハイブリッドおよび専用クラウド戦略を補完し、規制要件への対応を支援する新しい選択肢を提供します。

「Oracle EU Sovereign Cloud」は、規制の厳しい業界でのデジタル・ビジネスの運営に適しています。機密、規制対象、または戦略的に重要な地域のデータやアプリケーション、およびEU 一般データ保護規則(GDPR)などのEUのガイドラインや主権、データ・プライバシーに関する要件が適用されるワークロードを扱うお客様も、クラウドに移行することができます。 「Oracle EU Sovereign Cloud」は、お客様のホスティング・データがEU加盟国内にとどまり、クラウド領域がEU拠点の人員のみによって運用されるため、ヘルスケア、銀行・保険などの金融サービス、通信、公共部門などの重要な業界におけるデジタル・トランスフォーメーションへの取り組みを支援します。詳しくは、www.oracle.com/jp/cloud/eu-sovereign-cloud/ をご覧ください。

オラクルのEMEAテクノロジー担当エグゼクティブ・バイスプレジデントであるリチャード・スミス(Richard Smith)は次のように述べています。「データ保護と地域化の重要性が高まるにつれ、EUにおけるテクノロジー環境は劇的に変化しています。これにより、機密性の高い顧客データを安全にホスティングし、GDPRなどの規制に準拠できるソブリン・クラウド・ソリューションの需要が高まっています。私たちの目標は、お客様がクラウド・ジャーニーのどの段階にいてもサポートできるようにすることです。規制が厳しい業界のお客様や、その国特有の法律に準拠しなければならないお客様も、『Oracle EU Sovereign Cloud』を利用することで、クラウド戦略を促進できるようになりました。」

オラクルのパブリック・クラウドと同じサービスを同じ価格で提供
EUの全27加盟国および全世界のお客様が利用できる「Oracle EU Sovereign Cloud」は、オラクルのパブリック・クラウドで提供される100以上のクラウド・サービスを、主権要件に係る機能に対して特別プレミアム料金は発生せず、パフォーマンス、管理、可用性に関する同じSLAに基づいて提供します。オラクルのお客様は、「Oracle Support Rewards」などの他のお客様向けプログラムも利用できます。また、現在EU Restricted Access(EU限定アクセス)製品として提供されている「Oracle Fusion Cloud Applications Suite」も、「Oracle EU Sovereign Cloud」で提供される予定です。

「Oracle EU Sovereign Cloud」は、規制が厳しい業界の組織や政府機関が、ジェネレーティブAIなどの新しいAI技術を導入するのに役立ちます。現在、多くの組織は、データ・レジデンシーや規制要件など、既存のジェネレーティブAI製品の使用を妨げるさまざまな規制に直面しています。そのため、ジェネレーティブAIのモデル開発に必要なAIインフラストラクチャをパブリック・クラウドで利用することができません。「Oracle EU Sovereign Cloud」は、オラクルのパブリック・クラウドのサービスと機能を提供することで、EUのデータ・レジデンシーおよび主権に関する要件に準拠したクラウド上のAIインフラストラクチャを活用できるようにします。

EUのデータ・プライバシーと主権のための設計と運営
新しいソブリン・クラウド・リージョンは、データ・レジデンシー、セキュリティ、プライバシー、そしてコンプライアンスのための既存のOCI内部機能をさらに改善した包括的なポリシーとガバナンスの下で運営されます。このポリシーには、OCIのデータの保存およびアクセス管理方法、非EU法人のデータ・アクセス管理方法など、データおよび運営主権に関するフレームワークが含まれています。「Oracle EU Sovereign Cloud」のデータセンターは、EU内に設置され(ドイツのフランクフルトとスペインのマドリード)、EU内に設立されたオラクル傘下の個別のEU法人が所有・運営しています。また、運営およびカスタマー・サポートの人員もEU居住者に限定されます。「Oracle EU Sovereign Cloud」は、「Oracle Cloud」の既存のコンプライアンス・プログラムに基づいており、お客様は地域や業界の規制への準拠を実証することができます。また、EUの監視規制や、EU域外へのデータ転送を制限するガイダンス(EU司法裁判所のシュレムスII裁定や欧州データ保護委員会など)とも整合しています。

さらに、85 以上のグローバルおよび地域の 「OCI FastConnect」パートナーからなる OCI の広範なネットワークは、オラクルのクラウド・リージョン と OCI サービスへの専用接続を提供します。Digital Realtyは、マドリードにある「EU Sovereign Cloud」リージョンのホスト・パートナーであり、Equinixはフランクフルトにある同リージョンのホスト・パートナーです。稼働開始時に利用できるパートナーは、Arelion、DE-CIX、Digital Realty、Equinix、InterCloud です。

データ・セキュリティと主権を強化する分離されたアーキテクチャ
「Oracle EU Sovereign Cloud」は、EU内に設置されたオラクルの商用リージョンと、インフラストラクチャを共有しないアーキテクチャにより、データ・レジデンシーとセキュリティを確保できるよう設計されています。また、他のリージョンに設置されたオラクルのクラウド・リージョンともバックボーン・ネットワークで接続されていません。「Oracle EU Sovereign Cloud」への顧客アクセスは、「Oracle Cloud」の商用リージョンへのアクセスとは別に管理されます。

「Oracle EU Sovereign Cloud」は高い可用性を備えて設計されており、EU域内の災害復旧アーキテクチャをサポートするために2つのリージョンで構成されています。さらに、各リージョンは3つのフォールト・ドメインで構成され、ハードウェアの耐障害性をさらに高めています。この戦略的な設計により、同じ物理ハードウェア上にワークロードをグループ化することを避けることができます。その結果、あるフォールト・ドメインでハードウェアの故障やコンピュート・ハードウェアのメンテナンスが発生しても、他のフォールト・ドメインにあるインスタンスに影響を与えることはありません。

「Oracle EU Sovereign Cloud」は、オラクルの商用クラウドとは異なる運用、サポート、ポリシーにより、EUのデータ・プライバシーおよび主権に関するガイドラインと要件への準拠を、効率化および簡素化することができます。また、「Oracle EU Sovereign Cloud」は、複雑なポリシー・ツールによる顧客データの追加設定を必要とせず、顧客データがEU内に収まるようにすることで、リスクを低減しながら、お客様による導入を加速させます。

新たなOCI Key Management Serviceでデータ保護のレイヤーを強化し、お客様のコンプライアンス要件への対応をサポート
お客様がデータのセキュリティをさらに高め、データ主権に関する要件を容易に満たすことができるよう、OCIは「EU Sovereign Cloud」を含むすべての「Oracle Cloud」リージョンで利用できる2つの新しいキー管理サービス「OCI Dedicated Key Management Service」と「OCI External Key Management Service」を導入します。

「OCI External Key Management Service」は、Thales Groupとのパートナーシップにより構築され、お客様がOCIの外で作成・管理し、OCIにインポートすることのない暗号化キーを使用してデータを暗号化することができます。これらの暗号化キーは常に顧客の管理下に置かれるため、キーの物理的な保管をクラウド外で管理する必要がある規制対象のワークロードをOCIに移行することが可能です。「OCI Dedicated Key Management Service」は、OCI内でプロビジョニングされたシングル・テナントのHSM(Hardware Security Modules)の独占する所有権を要求することで、顧客がデータをコントロールできるようにします。

お客様、パートナー、アナリストが歓迎するOracle EU Sovereign Cloud
フィンランド財務省局長の政府CIOであるJarkko Levasma 氏は次のように述べています。「EU 域外のクラウド・リージョンからの隔離を維持しながら、EU 内に所在し、EU 居住者によって運用、更新、サポートされるデータセンターでクラウド・サービスを利用することは、私たちがクラウドを導入する際に重要な事項です。これにより、フィンランドで、政府向けにインフラストラクチャ、プラットフォーム、ソフトウェアをサービスとして導入される可能性が広がります。」

Telefonica Techのクラウド&セキュリティCEOであるMaria Jesús Almazorは次のように述べています。「オラクルはTelefonica Techの戦略的パートナーの1社であり、当社は数多くのクラウド・プロジェクトで協力し、経済のデジタル化を支援しています。オラクルがスペインに注力し、当社の領域にリージョンを立ち上げ、欧州全域にソブリン・クラウド戦略をとることは、規制産業におけるデジタル化にとって主権が鍵となるEU全域の顧客にとって非常に良いニュースです。」

DXC Technologyのアライアンス&クラウド・ビジネス開発ディレクターであるJorge Pastana 氏は次のように述べています。「DXCでは、『EU Sovereign Cloud』の提供開始に際し、オラクルに歓迎の意を表したいと思います。この取り組みにより、これまでデータ処理に関する厳格なコンプライアンス制限の対象となっていたためにクラウドを導入できなかったお客様のクラウド・サービス導入の障壁が取り除かれます。この新しいオファリングにより、オラクルは高品質で安全なソリューションへのアクセスをさらに容易にし、民間組織と公共機関の双方が情報の完全性と機密性を損なうことなくクラウドの利点を最大限に活用できるようにします。これは技術の進歩を促進し、デジタル時代への信頼を強化する注目に値する成果です。」

Kyndryl Spain and Portugalのプレジデントである David Soto氏は次のように述べています。「この発表は、オラクルと Kyndryl のアライアンスにとって非常に重要であり、オラクルのクラウド技術の活用に役立ちます。ソブリン・クラウドの概念を通じて、パブリック・クラウドの導入に対する障壁の一部を取り除き、規制とデータ・ガバナンスを遵守します。Kyndryl では、この発表と強力なパートナーシップにより、お客様を支援し、ミッションクリティカルなシステム管理および変革サービスにおける市場リーダーとしての地位を強化できるものと信じています。」

IDCの欧州クラウド・プラクティス研究担当バイスプレジデントであるRahiel Nasir氏は次のように述べています。 「IDCは、主要業界において、ミッションクリティカルなワークロードのパブリック・クラウドの利用が大幅に増加していることを確認しています。同時に、データ保護法やコンプライアンスを義務付けるその他の規制も進化を続けています。このような状況下で、企業は、事業全体の戦略的なデータ資産をより詳細に可視化し、管理することが求められています。Oracle EU 述べSovereign Cloudのようなソブリン・クラウド・サービスは、企業が重要なデータ資産をより適切に管理し、保護できるように設計されています。さらに、顧客がデータ・レジデンシーのルールや規制要件に準拠しながら、クラウドとデジタル変革のメリットを最大限に享受し続けることができるよう支援することを目指しています。」

Omdiaのチーフ・アナリストであるRoy Illsey 氏は次のように述べています。「Omdia のデータによると、組織がマルチクラウド・インフラストラクチャなどの戦略的なクラウド戦略を採用するケースが増えていることが示されています。このアプローチは、欧州全域の企業が業務をデジタル化し、イノベーションを推進するのに役立ちます。しかし、マルチクラウドの台頭は、企業、特に規制の強化やデータの管轄区域による管理の影響を受ける業界に新たな課題を突きつけています。『Oracle EU Sovereign Cloud』 は、EUの全27加盟国における欧州のデータ・プライバシーと主権に関する要件に対応し、EU のプライバシー要件に該当する機密データ、アプリケーション、およびワークロードを管理する厳しく規制された業界の企業をサポートするように設計されています。」

世界市場で急速にシェアを拡大するOracle Cloud
新しい「EU Sovereign Cloud」は、OCIの分散クラウド戦略の一環です。OCIは、柔軟なパフォーマンス、セキュリティ、コンプライアンス、運用モデルを通じて、必要な場所にクラウド・サービスを提供することで、お客様の要求に対応することができます。オラクルは、23カ国にある44の商用および政府クラウド・リージョンで、広範で一貫したクラウド・サービスを提供し、増え続けるグローバル顧客基盤をサポートしています。OCIは現在、37の商用リージョンと7つの政府リージョンに加え、複数の専用リージョンと国家安全保障リージョンを運営しています。

OCIの分散クラウドについて
OCIの分散クラウドは、複数のクラウドにまたがっても、データのレジデンシー、ローカリティ、権限をより細かく制御できるクラウドのメリットをお客様に提供します。OCIの分散クラウドの特長は次のとおりです。
マルチクラウド:「Oracle Database Service for Microsoft Azure」やMySQL HeatWaveなどのOCIのマルチクラウド・サービスにより、お客様はアプリケーションやデータベースに最適なクラウド・プロバイダーを選択することができます。


ハイブリッド・クラウド:OCIは、「Oracle Exadata Cloud@Customer」を介してオンプレミスでハイブリッド・クラウドサービスを提供し、60カ国以上でインフラストラクチャを管理しています。


パブリック・クラウド:現在、OCIは23カ国で44のOCIリージョンを展開しており、EUの2つのソブリン・クラウド・リージョンを含む、7つのリージョンの追加が予定されています。


専用クラウド:OCIは、お客様が自社のデータセンターで、オラクルのすべてのクラウド・サービスを実行するための専用リージョンを提供しています。また、「Oracle Alloy」は、パートナー企業がクラウド・サービスとそのエクスペリエンスを顧客向けにカスタマイズすることを可能にします。



オラクルについて
オラクルは、広範かつ統合されたアプリケーション群に加え、セキュリティを備えた自律型のインフラストラクチャをOracle Cloudとして提供しています。オラクル(NYSE:ORCL)に関するより詳細な情報については、www.oracle.comをご覧ください。

商標
Oracle、Java、MySQL及びNetSuiteは、Oracle Corporation、その子会社及び関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。NetSuiteは、クラウド・コンピューティングの新時代を切り開いたクラウド・カンパニーです。文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。本文書は情報提供を唯一の目的とするものであり、いかなる契約にも組み込むことはできません。
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