Cortex-Mコア搭載マイコンの中で世界最高クラスの性能を実現
[11/10/07]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
業界で最も広く使用されているCortexコア搭載のマイコン・ファミリにおける
250品種以上の製品との互換性が、機器の拡張とアップグレードを簡略化
--------------------------------------------------------------------
エレクトロニクス分野の多種多様なアプリケーションに半導体を提供する世界的
半導体メーカーで、マイクロコントローラ(以下マイコン)の世界的メーカー
であるSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、新しい32bit
マイコンSTM32 F4シリーズを発表しました。STM32(R)ファミリを拡張する
新シリーズは、最新のARM(R) Cortex(TM)-M4コアを搭載しており、STM32マイコ
ンの卓越した機能ポートフォリオに信号処理を追加すると共に、演算スピードを
高速化します。現在量産中のこの新シリーズは、Cortex-Mコア搭載マイコンの
中で世界最高クラスの性能(1)を実現しており、STの優位性をさらに高めます。
STM32は、ARM Cortex-Mコアを搭載した32bitマイコンでは最も成功しており、
出荷されたマイコンの半数近くがSTM32ファミリの製品です(2)。STM32 F4は、
計測、医療サービス、POS(Point of Sales)、セキュリティ・自動化の構築、
ホーム・オーディオといったSTM32ファミリの既存アプリケーションの幅を
さらに広げます。STM32 F4のシングル・サイクルDSP命令により、高性能モータ
制御、医療機器、セキュリティ等、要求が厳しいアプリケーション向けに高い演算
能力とDSP命令を必要とするデジタル信号コントローラ(DSC)市場への参入が可能
になります。STM32 F4は、大容量SRAM、高い性能および堅牢なペリフェラルを特徴
とするSTM32 F2との完全なピン・ソフトウェア互換性を提供すると共に、STM32 F2
からの容易なアップグレードが可能です。そのため、STM32 F2を採用しているユーザ
は、SRAMの増量、性能の向上および機能の追加を必要とした場合、STM32 F4へ
アップグレードすることで、機器を拡張することができます。さらに、現在
マイコンとDSPを使用しているユーザは、これらの機能を1個の高性能デジタル
信号コントローラに統合することができます。
エグゼクティブ・バイスプレジデント 兼 マイクロコントローラ・メモリ・
セキュアMCU製品グループジェネラル・マネージャであるClaude Dardanneは、
次の様にコメントしています。「STM32 F4シリーズは、市場で入手可能な
Cortex-Mコア搭載マイコンの中で最高性能を有するだけでなく、その他の多くの
魅力的な特徴を持っています。250品種以上の製品との互換性や業界最高の開発
エコシステム、そして卓越した消費電力ならびに機能を持つSTM32 F4は、
Cortex-Mコア搭載マイコンであるSTM32ファミリの頂点に立つ新製品です。現在、
STM32ファミリには、Cortex-M3コアを搭載したSTM32 F1シリーズ、STM32 F2シリ
ーズ、およびSTM32 L1シリーズに加え、Cortex-M4コアをベースとする新しい
STM32 F4シリーズという4種類の製品シリーズがあります。」
ARM社のマーケティング担当エグゼクティブ・バイスプレジデントである
Lance Howarth氏は、次の様にコメントしています。「STがARM Cortex-M4コアを
マイコン・ポートフォリオに採用したことは、同コアの低消費電力性、
設計の先進性、およびDSP機能の高い性能を実証するものです。STは、ARM
Cortex-Mコア搭載マイコンの最も幅広い製品ポートフォリオの1つを有すること
になりました。Cortex-Mシリーズは最も成長が早いマイコン・アーキテクチャの
代表で、STM32 F4により、マイコンを使用するアプリケーションにおいて、
ARMアーキテクチャの普及が加速することは間違いありません。」
STM32 F4は、高性能のSTM32 F2との完全なピン・ソフトウェア互換性を
有するだけでなく、高い周波数(168MHz vs 120MHz)で動作し、シングル・
サイクルDSP命令のサポートと浮動小数点ユニット、さらに大容量化したSRAM
(192 KB vs 128KB)、内蔵Flashメモリ(512 KB〜1 MB)、および画像処理、
接続、暗号化のための先進的ペリフェラルを提供します。STのCMOSプロセス技術
(90 nm)と、内蔵された適応型リアルタイム・メモリ・アクセラレータ
(ARTアクセラレータ)は、168 MHzまでゼロ・ウェイト・ステートのプログラム
実行とクラスで最も低いダイナミック・パワーによって最先端の性能を実現して
います。(3)
技術情報
STM32 F4のメリット
・7レイヤのマルチAHBバス・マトリックスとマルチDMAコントローラの超高速
データ転送による並列実行と並列データ転送
・統合された単精度浮動小数点ユニットによる制御アルゴリズム実行の強化、
アプリケーション機能の追加、コード効率の向上、製品開発期間の短縮、
スケーリングと飽和の除去、メタ言語ツールの使用可
・内蔵Flashメモリ(最大1 MB)、SRAM(192 KB)、リセット回路、内部RC、PLL、
1秒未満の精度で1 μA未満のリアルタイム・クロックとの高度な統合
・低電圧または二次電池での実行時に、高い処理能力と低消費電力性を要する
アプリケーションにおける消費電力の低減ならびに高い柔軟性。スタンバイ・
モードまたはバッテリ・バックアップ・モードでデータ保存するバックアップ
SRAM(4 KB)、Vbatモードで代表的なRTC消費電流(1 μA未満)、電力スケー
リング機能を備えた内蔵電圧レギュレータが含まれ、性能の優先もしくは
消費電力の優先を選択可
・統合開発環境、メタ言語ツール、DSPライブラリ、低価格スタータ・キット、
ソフトウェア・ライブラリ、およびスタックを幅広く提供する優れたツールと
ソフトウェア・エコシステム
・革新的なペリフェラル
-接続性:カメラ・インタフェース、暗号 / ハッシュ・ハードウェア・
プロセッサ、IEEE 1588 v2をサポートするイーサネットMAC10 / 100、USB
OTG(2個:1個はHSサポート用)
-オーディオ:専用オーディオPLL、全二重I2S(2個)
-通信インタフェース(最大15個):USART(最大10.5 Mbit/秒で動作、6個)、
SPI(最大42 Mbit/秒で動作、3個)、I2C( 3個)、CAN ( 2個)、SDIO
-アナログ:12bit DAコンバータ(2個)、12bit ADコンバータ(3個):2.4
MSPSまたは7.2 MSPS(インタリーブ・モード)
-16 / 32bitタイマ(最大17個):最大168 MHzで動作
・現在量産中
STM32 F4:4種類のバージョン
STM32F405x:タイマ、ADコンバータ(3個)、DAコンバータ、シリアル・インタフ
ェース、外部メモリ・インタフェース、RTC、CRC計算ユニット、およびアナログ
真性乱数発生器などの先進的ペリフェラルに加え、USB OTG(On-The-Go)
フルスピード/ハイスピード・インタフェースを搭載しています。Flashメモリ
(1 MB)を内蔵し、4種類のパッケージ(WLCSP64、LQFP64、LQFP100、LQFP144)
で提供されます。
STM32F407:STM32F405のペリフェラルに、複数の先進的なペリフェラルが追加
されています。第2のUSB OTGインタフェース(フルスピードのみ)、MIIおよび
RMIIに対応する統合イーサネットMAC 10 / 100、IEEE1588 Precise Time Protocol v2ハードウェアのサポート、およびCMOSカメラ・センサを接続でき、
並列カメラ・インタフェース(8bit〜14bit、最大67.2 MB/秒に対応)を搭載して
います。Flashメモリ(512 KB〜1 MB)を内蔵し、4種類のパッケージ(LQFP100、
LQFP144、LQFP/BGA176)で提供されます。
STM32F415およびSTM32F417:STM32F405およびSTM32F407に暗号/ハッシュ・プロセ
ッサを追加したものです。この暗号/ハッシュ・プロセッサには、AES 128、192、
256、Triple DES、HASH(MD5、SHA-1)向けハードウェア・アクセラレータが含
まれています。暗号/ハッシュ・プロセッサは、AES-256の暗号化を149.33MB/秒
で行います。
全てのバージョンが量産中で、STM32F407VET6(内蔵Flashメモリ:512 KB、
RAM:192 KB、LQFP100パッケージ)の単価は、1000個以上購入時に約5.20ドルで
す。
* STM32はSTマイクロエレクトロニクスの登録商標です。ARMとCortexはARMの
商標です。その他の商標は、それぞれの所有者に帰属します。
(1)363 Coremarkスコアおよび210 DMIPS
(2)ARM Cortex-Mユニット出荷報告書によれば、2007年第1四半期〜2011年の累積
市場シェアは45%です。
(3)ペリフェラルを無効にして内蔵Flashメモリから実行したCoremarkベンチマー
クは、168 MHzで38.6 mAです。
STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに革新的な半導体
ソリューションを提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、高度な技術
力と設計ノウハウ、そして幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、
戦略的パートナーシップ、大規模な製造力を駆使することにより、マルチメディ
ア・コンバージェンスとパワー・アプリケーションにおいて他社の追随を許さな
いリーダーとなることを目指しています。2010年の売上は103.5億ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人: http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語): http://www.st.com
◆ お客様お問い合わせ先
〒108-6017 東京都港区港南2-15-1
品川インターシティA棟
STマイクロエレクトロニクス(株)
MMSグループ
TEL: 03-5783-8240 FAX: 03-5783-8216