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【報道参考資料】緊迫のイラク情勢 クルド自治区で大規模予防接種を実施へ 

約30万人がアルビルとドホークに避難




※本信は ユニセフ本部の情報をもとに、日本ユニセフ協会 広報室が翻訳、独自に編集
したものです
※原文はhttp://reliefweb.int/report/iraq/unicef-roll-out-mass-vaccination-campaign
-kurdistan-region-iraq でご覧いただけます


【2014年6月19日 アルビル(イラク)発】

ユニセフとクルド自治政府は、大勢の子どもたちがクルド自治区へ避難していることを
受け、ポリオなどの感染症拡大防止のために、緊急対策をとることで合意しました。

クルド自治政府のレクワト・ラシド・カリム保健大臣とユニセフ・イラク事務所代表の
マルツィオ・バビルは、17日に面会し、避難民を受け入れている地域の住民と避難民
キャンプ、国境検問所での予防接種活動を拡大することで合意しました。

クルド自治政府は、モスルでの暴力発生以降、クルド自治区内のアルビル州とドホーク州に、
約30万人が避難したと推定。その多くは、都市部の町や農村部の村に身を寄せています。

イラクでは今年、14年ぶりにポリオの感染が確認されました。北部で起きた危機は、ポリオ
の再発生を更に悪化させます。定期的な予防接種が十分に行えず、紛争下にある地域や避難
している子どもたちに予防接種が行えないことから、イラクと周辺地域は、ポリオの大規模
発生のリスクが極めて高くなっています。

バビル代表は、シリア難民キャンプ以外でもポリオ予防接種を拡大する必要があると強調。
6月15日から4日間、シリア難民キャンプでは予防接種を開始し、あわせてクルド自治区との
行き来や、通過に出入りする中継地点にもポリオ予防接種チームを配置しました。
ユニセフは、避難民の子どもたちをはしかから守り、免疫力を高めるビタミンAを直ちに
投与できるようにすることを求めています。また、ワクチンの提供のほか、技術的な支援、
予防接種活動実施の広報活動を通じて、保健省を支援します。

6月18日、カリム保健大臣は検問所やキャンプ、国境検問所でのポリオやはしか予防接種の
支援と、6月29日から7月3日まで予定されているポリオ予防接種フォローキャンペーンにも
合意しました。このキャンペーンは、5歳未満の子ども70万人以上を対象にしています。
今回の取り組みは、イラクでは、ラマダン期間中初となる大規模公衆衛生キャンペーンに
なります。


■参考情報:イラクの基本統計(出典:ユニセフ『世界子供白書 統計版 2014』より)
人口 3,277万8,000人、18歳未満の人口1,542万1,000人、5歳未満の人口482万4,000人、
完全に予防接種を受けた割合(はしか 69%、ポリオ3回 70%) ※統計はすべて2012年


■参考情報:イラクにおけるシリア難民

4月11日以降、国境は開いているものの、クルド自治政府は「人道上必要」と判断した場合
のみ、シリア国民を受け入れ。具体的な日付がなく、国境が閉鎖されることもある。

・登録済み難民: 22万3,113 人
・紛争の影響を受けている18歳未満のシリアの子ども: 9万4,823 人
・紛争の影響を受けている5歳未満のシリアの子ども:  3万4,583人
※UNHCR 5月18日発表
・イラク国内にあるシリア難民キャンプとキャンプに避難している人数
※UNCHR 4月30日発表
※ドミズ(Domiz 7万4,201人)、ガウィラン(Gawilan 2,503人)、 ダラシャラカン
(Darashakran 6,989人)、 カウェルゴスク(Kawergosk 5,881人)、クシュタパ
(Qushtapa 3,244人)、バシルマ(Basirma 4,013人)、 アルバット(Arbat 1人※)、
オベイディ(Al-Obeidy 1,672人)
※アルバット難民キャンプでは、難民登録手続きが開始しておらず、現時点では1名のみ
登録あり
・8カ所のキャンプに、計11万3,981人が避難
※レベル2の登録手続き待機中の1万5,672人を含む
・イラク西部のアンバール州での武力衝突発生以降、同州からクルド自治区へ避難する
イラク市民が増加、5月15日時点で7万2,325世帯がアンバール州から避難。


出典:UNICEF Syria Crisis Monthly humanitarian situation report 17 APRIL
-19 MAY 2014


■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016  FAX : 03-5789-2036  Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
Jeffrey Bates, Chief of Communication, UNICEF Iraq, Mobile: +964 7801 964 524
jbates@unicef.org

■参考情報:イラクにおけるユニセフの活動
1983年より活動開始。イラク政府を支援し、イラクの子どもたちの健やかな成長と子ども
たちが持つ力を実現するために、保健、栄養、教育、水と衛生、子どもの保護、社会政策
の分野で活動しています。また、子どもにやさしい政策作りや子どもに不可欠なサービス
を届ける組織の能力育成、イラクの子どもたちのすべての権利の実現を目指しています。
スタッフやパートナー団体のネットワークを通じて、基本的な保健サービスや質の保たれ
た教育の実現、水と衛生システムの開発、虐待・暴力・搾取からの子どもの保護、最も
社会で厳しい環境や立場に置かれている人たちの支援を行ってきました。

ウェブサイト:http://www.unicef.org/infobycountry/iraq.html
または www.unicef.org/mena


■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会の
ひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ
活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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