【プレスリリース】タイ 国内出稼ぎによる子どもの成長への影響を調査 親と暮らしていない子ども300万人以上
[14/06/25]
提供元:PRTIMES
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両親と暮らしていない子どもの約25%に発育の遅れ
※本信は ユニセフ本部の情報を日本ユニセフ協会 広報室が翻訳、編集したものです
※原文は http://www.unicef.org/media/media_73914.html でご覧いただけます
【2014年6月23日 バンコク発】
タイの子どもたちの約21%にあたる300万人以上の子どもたちが、親が国内に出稼ぎに
行っているため、両親またはどちらかの親と暮らしていないことがわかりました。
ユニセフは、本日、こうした現象は子どもたちの成長と健康に長期にわたって影響を
及ぼしかねないと発表しました。
ユニセフの支援を受けてタイの国家統計局が2012年に実施した最新のMICS調査
(Multiple Indicator Cluster Survey:複数指標クラスター調査)の結果、タイ北東部
だけでも、30%近く(3人にひとり)の子どもたちは、親がタイのほかの地域に出稼ぎを
しているために、両親のいずれかと暮らさずに他の人に面倒をみてもらっていることが
明らかになりました。
国内での出稼ぎが乳幼児期の成長に与える影響について、実施中の研究の第一段階の
結果発表にあたり、ユニセフ・タイ務所の社会政策チーフのアンドリュー・クレイポルは、
次のように述べました。「タイで親と暮らせていない子どもの割合は、ほかの国々と
比べて、明らかに高く、大いに懸念すべき状況です。タイの人々は、乳幼児の両親が
出稼ぎに行った場合、祖父母やほかの人が面倒をみることを当たり前だと考えています。
国内に出稼ぎに出ている人は極めて多く、MICS調査が実施されている同様の国々とは、
規模が異なります」と述べました。
MICS調査の2012年データによると、両親と共に暮らしていない子どもの割合は、
ラオス(5%)、ベトナム(4.4%)、コスタリカ(3.4%)、ナイジェリア(6.5%)と
なっており、21%のタイとは大きな開きがあります。
「出稼ぎによる乳幼児期の健康と成長への影響-
長期的混合式調査:(原題:The Impact of Internal
Migration on Early Childhood Well-being and
Development: a Longitudinal and Mixed-Method
Study)」なる新たな調査では、両親またはいずれか
の親と暮らしていない0〜3歳の子ども1,000人を
対象に調査を実施。親と暮らさないことで、子ども
たちの健康と成長へ生じる長期的な影響を調べ
ました。調査は、ユニセフの支援を受けて、
マヒドル大学人口社会研究所(Mahidol University’s
Institute for Population and Social Research)が
2013年より開始。タイでは、今回の調査で初めて、
親の出稼ぎによる乳幼児期の成長への影響を長期に
わたって調べられました。また、今回、出稼ぎが
両親に代わって面倒をみる人に、精神面、家計面で
与える影響も調査されました。
今回の調査のチームリーダーを務めるマヒドル大学
人公社化研究所のアリー・ジャムパカレ・准教授は、
調査の1年目の結果を引用しながら「両親と暮らして
いない子どもたちのおよそ90%は、祖父母と生活
しています。祖父母の大半は、小学校レベルの
教育しか受けていないことがわかりました。また、
大半は祖父母になりますが、子どもたちの面倒を
みている人の約36%が、精神的な問題を抱えている
恐れがあることがわかりました」と述べました。
初期段階の調査の結果、両親と暮らしていない子どもの約25%に、発育の遅れがみられると
いいます。両親と暮らす子どもで発育の遅れがみられるのは16%です。また、両親と
暮らしていない子どもには、特に言語面での発育の遅れが顕著となっています。
調査では、父親が出稼ぎに出ている場合、父親の約40%は直近6カ月以内に送金をしていない
ことも判明。また、父親のおよそ30%は、一度も子ども自身または子どもの面倒をみている
人に連絡を取っていませんでした。
ユニセフのクレイポル社会政策チーフは「今回の調査で、出稼ぎが子どもの発育において
与えうる負の影響への理解が高まると思います。また、出稼ぎによって、長期にわたって
親子が触れ合うことができません。こうしたことで、子どもたちや両親、面倒を見ている
人たちの社会的、感情的なコストも明らかなるでしょう」と述べました。
本調査は、引き続き調査対象となっている1,000人の子どもたち今後2年にわたって調査し、
最終結果を2016年はじめに発表する予定です。
■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016 FAX : 03-5789-2036 Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
Nattha Keenapan, UNICEF Thailand, Tel: + 02 356 9478 or 086 616 7555,
nkeenapan@unicef.org
Mark Thomas, UNICEF Thailand, Tel: + 02 356 9481 or 081 172 9902,
mthomas@unicef.org
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会の
ひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動
の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
※本信は ユニセフ本部の情報を日本ユニセフ協会 広報室が翻訳、編集したものです
※原文は http://www.unicef.org/media/media_73914.html でご覧いただけます
【2014年6月23日 バンコク発】
タイの子どもたちの約21%にあたる300万人以上の子どもたちが、親が国内に出稼ぎに
行っているため、両親またはどちらかの親と暮らしていないことがわかりました。
ユニセフは、本日、こうした現象は子どもたちの成長と健康に長期にわたって影響を
及ぼしかねないと発表しました。
ユニセフの支援を受けてタイの国家統計局が2012年に実施した最新のMICS調査
(Multiple Indicator Cluster Survey:複数指標クラスター調査)の結果、タイ北東部
だけでも、30%近く(3人にひとり)の子どもたちは、親がタイのほかの地域に出稼ぎを
しているために、両親のいずれかと暮らさずに他の人に面倒をみてもらっていることが
明らかになりました。
国内での出稼ぎが乳幼児期の成長に与える影響について、実施中の研究の第一段階の
結果発表にあたり、ユニセフ・タイ務所の社会政策チーフのアンドリュー・クレイポルは、
次のように述べました。「タイで親と暮らせていない子どもの割合は、ほかの国々と
比べて、明らかに高く、大いに懸念すべき状況です。タイの人々は、乳幼児の両親が
出稼ぎに行った場合、祖父母やほかの人が面倒をみることを当たり前だと考えています。
国内に出稼ぎに出ている人は極めて多く、MICS調査が実施されている同様の国々とは、
規模が異なります」と述べました。
MICS調査の2012年データによると、両親と共に暮らしていない子どもの割合は、
ラオス(5%)、ベトナム(4.4%)、コスタリカ(3.4%)、ナイジェリア(6.5%)と
なっており、21%のタイとは大きな開きがあります。
「出稼ぎによる乳幼児期の健康と成長への影響-
長期的混合式調査:(原題:The Impact of Internal
Migration on Early Childhood Well-being and
Development: a Longitudinal and Mixed-Method
Study)」なる新たな調査では、両親またはいずれか
の親と暮らしていない0〜3歳の子ども1,000人を
対象に調査を実施。親と暮らさないことで、子ども
たちの健康と成長へ生じる長期的な影響を調べ
ました。調査は、ユニセフの支援を受けて、
マヒドル大学人口社会研究所(Mahidol University’s
Institute for Population and Social Research)が
2013年より開始。タイでは、今回の調査で初めて、
親の出稼ぎによる乳幼児期の成長への影響を長期に
わたって調べられました。また、今回、出稼ぎが
両親に代わって面倒をみる人に、精神面、家計面で
与える影響も調査されました。
今回の調査のチームリーダーを務めるマヒドル大学
人公社化研究所のアリー・ジャムパカレ・准教授は、
調査の1年目の結果を引用しながら「両親と暮らして
いない子どもたちのおよそ90%は、祖父母と生活
しています。祖父母の大半は、小学校レベルの
教育しか受けていないことがわかりました。また、
大半は祖父母になりますが、子どもたちの面倒を
みている人の約36%が、精神的な問題を抱えている
恐れがあることがわかりました」と述べました。
初期段階の調査の結果、両親と暮らしていない子どもの約25%に、発育の遅れがみられると
いいます。両親と暮らす子どもで発育の遅れがみられるのは16%です。また、両親と
暮らしていない子どもには、特に言語面での発育の遅れが顕著となっています。
調査では、父親が出稼ぎに出ている場合、父親の約40%は直近6カ月以内に送金をしていない
ことも判明。また、父親のおよそ30%は、一度も子ども自身または子どもの面倒をみている
人に連絡を取っていませんでした。
ユニセフのクレイポル社会政策チーフは「今回の調査で、出稼ぎが子どもの発育において
与えうる負の影響への理解が高まると思います。また、出稼ぎによって、長期にわたって
親子が触れ合うことができません。こうしたことで、子どもたちや両親、面倒を見ている
人たちの社会的、感情的なコストも明らかなるでしょう」と述べました。
本調査は、引き続き調査対象となっている1,000人の子どもたち今後2年にわたって調査し、
最終結果を2016年はじめに発表する予定です。
■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016 FAX : 03-5789-2036 Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
Nattha Keenapan, UNICEF Thailand, Tel: + 02 356 9478 or 086 616 7555,
nkeenapan@unicef.org
Mark Thomas, UNICEF Thailand, Tel: + 02 356 9481 or 081 172 9902,
mthomas@unicef.org
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会の
ひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動
の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)