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ネパール:援助の届かない孤立地域を最優先に――MSF、複数チームで対応

地震による甚大な被害に見舞われたネパールの首都カトマンズ、市内では倒壊を免れたビルや家屋も少なくないが、人びとの多くは余震を恐れて屋外のテントや避難所で不安な夜を過ごしている。現地では数日内に荒天になるとの予報が出ており、人びとの生活環境の悪化が懸念されている。

国境なき医師団(MSF)は現在、38人のスタッフがカトマンズおよびゴルカ市を拠点に活動。被害状況の把握は難しいが、援助が届いていないとみられる孤立地域で、早急に活動を開始することが最優先となっている。現地および国外の複数のMSFチームによる活動を報告する。




[画像: http://prtimes.jp/i/4782/265/resize/d4782-265-627995-0.jpg ]



4月27日――被害状況と医療ニーズ、地上と空から調査進む

MSFのチームがカトマンズ市内の国立ビル病院と教育病院の現状を調査。両病院ともに負傷者を受け入れているが、物資が不足。患者はビル病院敷地内のテントで夜を明かしている。一方、別のチームがカトマンズの東部、北部、西部をヘリコプターで上空から被害調査。視認できた約65の村落のうち、約45村落に損壊が見られた。それらの地域は孤立状態にあり、ヘリコプターでしか立ち入ることができない。ゴルカ市から45kmに位置するワルパク村の被害は広範囲に及んでおり、同チームによる援助活動の実施が検討されている。さらに他のチームがカトマンズの東に位置するバクタプル市の状況を調査。同市も被害を受け、病院が機能を失ったため、患者は全てカトマンズへ送られている。人びとが過ごす仮設避難所は屋根もトイレもなく、衛生条件は深刻で給水も乏しいと報告。

インドのビハール州から陸路で複数のチームがゴルカに到着。カトマンズの北西200kmに位置するゴルカの町そのものは被害を受けていない。その他、外科チーム1班と救急外科キットが夜遅く、カトマンズに到着。翌28日に速やかに調査活動を開始する準備に入った。

4月28日――日本からの外科チームも現地入り

1チームがカトマンズ市内の複数の病院で、挫滅(ざめつ)症候群への対応能力などを調査。必要に応じて、物資・人員面の支援を行った。また別のチームがカトマンズとバクタプルで給排水・衛生条件を中心に仮設キャンプの状況を調査。午後1時過ぎにはMSF日本から派遣されたチーム5人がカトマンズに到着。外科病院立ち上げのための準備に取りかかった。

救援物資(仮設住居キット1000組、衛生用品キット500組、調理キット500組)が、インドのビハール州から陸路でゴルカに向けて出発。ゴルカ周辺の村落の被災者に配布される予定。フランスのボルドーでは、カトマンズに向けて野外病院の資材の発送準備が進んだ。
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