テラドローン子会社「ユニフライ」、米連邦航空局(FAA)からの助成金でドローン運航管理システムのサイバーセキュリティ対策に関する枠組みの構築とサイバー攻撃に関する実証実験を実施
[23/12/28]
提供元:PRTIMES
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Terra Drone株式会社(本社:東京都渋谷区、代表:徳重 徹、以下 テラドローン)は、2023年7月に子会社化したベルギーに本社を置く運航管理システムプロバイダーのリーディングカンパニーUnifly NV(以下 ユニフライ)が、米連邦航空局(Federal Aviation Administration、以下 FAA)と、ドローンの運航管理システム(UTM)のためのサイバーセキュリティフレームワーク※1を構築し、それを評価・検証するための実証実験を実施したことを発表しました。
※1 サイバーセキュリティフレームワークとは、包括的にサイバーセキュリティ態勢を構築するための代表的な枠組みのこと
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/20194/283/20194-283-07df8b8d3ef3368831e9da9b06da1c14-2001x1126.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
プロジェクト背景
ドローンや空飛ぶクルマの普及には、車に対する高速道路、信号機、交通規則、飛行機に対する管制官や管制塔、管制システムと同じようなインフラが必要です。その役割を果たすのがUTMで、ドローンや空飛ぶクルマの動きを管理し、有人機との衝突などの事故を防止し、運航を安全に最適化するための総合的な交通インフラを提供します。
ドローンや空飛ぶクルマの利活用が進む中、これまで以上に空の安全の確保が重要視されており、運航や飛行計画、運航者の登録管理、飛行記録など、総合的な運航管理を支援するためのプラットフォームであるUTMは不可欠です。
しかし、UTMはまだ新しいプラットフォームであり、今後、その脆弱性を悪用するサイバー攻撃の標的となる可能性があります。ドローンや空飛ぶクルマの運航に関する安全や、利用者のプライバシー、事業の運営などが脅かされる可能性があり、UTMに対するサイバーセキュリティは重要な課題として認識されています。しかしこれまで、UTMに特化したサイバーセキュリティフレームワークは検討されておらず、どのようなセキュリティ機能を備えるべきかを想定することが困難な状況でした。
FAAは、アメリカの政府機関で、航空輸送の安全・維持確保を管轄しており、アメリカ国内におけるドローン運用のための環境整備も担っています。そうしたドローン飛行において重要な政府機関からユニフライは今回、数多くの航空管制サービスプロバイダー(ANSP)へのUTM導入実績などが評価され、助成金を受けることとなり、セキュリティをはじめとする先進技術分野のコンサルティングを手がけるRhea Groupと、ドローン関連技術の試験・検証を行うNUAIR NY Test Siteとのパートナーシップのもと、UTMのためのサイバーセキュリティフレームワークを構築し、具体的なサイバーセキュリティ対策の開発に向けた、実証実験を実施しました。
プロジェクト概要
ユニフライは、2022年9月から1年間、FAAの助成金によるプロジェクトとして、UTMに特化したサイバーセキュリティの構築に向けた実証実験を実施しました。まず、UTMに特化したサイバーセキュリティの必要性に関して、業界に影響力のある以下の関係企業や団体に聞き取り調査を行いました。
・米連邦航空局 航空交通機関(FAA ATO)
・米国空宇宙局(NASA)
・米CNA:アメリカ・バージニア州に拠点を置く非営利の調査分析機関
・Nav Canada:カナダの航空管制サービス・プロバイダー
・DroneUp:アメリカのドローン宅配サービス・プロバイダー
・アメリカの空飛ぶクルマ製造企業
結果、「UTMに特化したサイバーセキュリティのフレームワークが必要」や「UTMのような新しいプラットフォームを導入する際は、サイバーセキュリティの方向性を確立することが不可欠」と言ったような声が寄せられるなど、すべての関係者が、UTMに特化した新しいサイバーセキュリティフレームワークが必要だとの認識を示しました。
そうした関係各所からの声をもとに、今回のプロジェクトでは、下記3つの状況下でUTMを使って計60回以上のドローン飛行を実施し、それぞれの運用環境のもとで実装されたセキュリティ制御を検証しました。
1)攻撃を受けていない理想的な環境
2)サイバー攻撃を受けている環境
3)サイバー攻撃対策を実施した環境
プロジェクト成果
開発したUTMに特化したサイバーセキュリティを適用することで、サイバー攻撃を受ける件数自体が減少しました。また、脆弱性の数も減少するなど、UTMを取り巻くサイバーセキュリティの環境改善につながりました。
展望
今回の実証実験の成果を受け、今後、UTMに対して高度なサイバーセキュリティ対策を実施することで、ドローンや空飛ぶクルマが飛ぶ空域のさらなる安全性を確保することにつながることが分かりました。UTMに対するサイバーセキュリティ対策が、UTM業界全体はもちろん、サービスを利用する人々にも安全性や効率性をもたらすと考えています。
ユニフライは今後も、FAAをはじめ、さまざまな業界関係者と協力し、ドローンや空飛ぶクルマが普及する未来における「空の安全」を確保するため、空のインフラの構築に取り組み続けます。
Terra Drone株式会社について
「Unlock “X” Dimensions(異なる次元を融合し、豊かな未来を創造する)」というミッションを掲げ、2016年に創業した空飛ぶクルマやドローンの開発及びソリューションを提供するサービスプロバイダーです。東京に本社を置き、国内外の11か国において、特許取得済みである自社開発製の測量用・点検用ドローンを石油ガス・化学・建設業界などへ提供しています。ドローンを用いた非破壊検査作業に関して、世界各国での豊富な実績と高い研究開発力を有しています。また、世運航管理システム(UTM)を展開し、世界8か国で導入された実績があります。
詳しくは http://www.terra-drone.net
Unifly NV について
ベルギーに本社を置くUTM(Unmanned Aircraft System Traffic Management)テクノロジープロバイダーであり、主にドローンや空飛ぶクルマの運航管理システムを開発しています。欧米8カ国で国全体へのUTM導入実績があり、同分野における世界的なリーディングカンパニーです。テラドローンは2016年に戦略的パートナーシップ契約を締結、資本提携も行い、2023年には51%の株式を取得して子会社化。ドイツ政府傘下のANSP(航空管制サービスプロバイダー)であるDFSも同社の知見や技術力を高く評価し、2018年に出資して第二筆頭株主となっています。詳しくは www.unifly.aero
Rhea Groupについて
Rhea Groupは、宇宙やセキュリティをはじめとする先進技術分野に精通した、エンジニアリングおよびコンサルティングの世界的なリーディングカンパニーです。宇宙探査やサイバーセキュリティ、国防などのさまざまな産業向けに、革新的なソリューションや研究、プロジェクト管理サービスを提供することに特化しています。Rhea Groupは、最先端技術の推進と、これらの重要な分野での進歩を促進するために産業、政府、学術機関と協力して重要な役割を果たしています。
NUAIRについて
アメリカ・ニューヨーク州に拠点を置くNUAIRは、ドローン関連技術の試験・検証を行う著名な施設です。NUAIRは研究、開発、実地試験のハブとして機能し、ドローンの性能や安全性を評価するために必要な制御された安全な環境を提供しています。この施設は、特に米国のドローン産業の成長を促進するうえで重要な役割を果たしています。
本件に関する問い合わせ
Terra Drone株式会社
メール: pr@terra-drone.co.jp
HP : http://www.terra-drone.net
お問合せ:https://pro.form-mailer.jp/fms/fdf76ac4276513