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充電への懸念が高まり続ける中、新車購入者のEV検討率が低下【J.D. パワー 2024年米国EV検討意向調査(SM)】




 CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. Power(本社:米国ミシガン州トロイ)は、現地時間5月16日に、J.D. Power 2024 U.S. Electric Vehicle Consideration (EVC) StudySM(2024年米国EV検討意向調査(SM))の結果を発表した。

自動車業界が長引く成長期の苦しみに直面する中、電気自動車(EV)に対する消費者需要は冷え込んでいる。
2021年の本調査開始以降初めて、新車購入者のEV検討率が前年から低下した。EV検討派*? は前年比-3ポイントの58%、うち「検討する(very likely)」の回答は前年比-2ポイントの24%だった。
また、手ごろな価格帯のEVモデルがないこと、充電インフラの不足、そしてEV所有のメリットに対する知識不足が、この傾向を悪化させていることも明らかになった。
*? EV検討派:「検討する(very likely)」と「たぶん検討する(somewhat likely)」の合計

EV購入を「検討する(very likely)」と回答している割合がZ世代*?とY世代*?で低下
手ごろな値段のEVモデルがないことが、Z世代とY世代の消費者に影響を及ぼしている。EV購入を「検討する」と回答している割合はZ世代では2ポイント、Y世代では5ポイント低下した。それでも、EV購入を「検討する」と回答している割合は、Z世代で24%、Y世代で32%と、全世代中最も高い割合となっている。
*? J.D. パワーでは、1977〜1994年に生まれた人をY世代、1995〜2006年に生まれた人をZ世代と定義している。

EVを検討しない理由トップ5は主に充電関連
EV購入を「たぶん検討しない(somewhat unlikely)」または「検討しない(very unlikely)」と回答した人のうち、52%が「充電ステーションの不足」を理由として挙げており、EVを検討しない理由として最も高かった。昨年より3ポイント増加しており、公共の充電インフラに関する懸念が高まっていることが示されている。他の理由として、購入価格、充電1回当たりの走行距離が限られていること、充電時間、自宅や職場で充電できないことなどが多く挙がった。

通勤時間が長い運転者ほどEV購入検討率が低下
昨年調査では、1日の走行距離が長いほどEV購入を検討する傾向が見られた。ところが、燃料価格が下がり、充電への懸念が高まっている現在は逆の傾向が示されている。1日の通勤時間が片道46〜60分の層では、EV購入を「検討する」と回答した割合が前年比-13ポイントの24%となった。

現在保有している車の役割がEV検討に影響を与える
車両の買い増しを検討している層の68%がEV購入検討派だった。一方で、車を1台しか所有しない層のEV購入検
討派は47%と低かった。セカンドカーを持たない購入検討者は、EV所有に対して慎重であると言える。

J.D. パワー ジャパン 代表取締役社長 兼 オートモーティブ部門 部門長 山本浩二のコメント
 EVの市場拡大に向けて米国市場は確実に前進していますが、ここに来て停滞が見られることが本調査でも明らかになっています。
最大の要因は、依然として、公共充電インフラや充電速度といった充電に関する課題です。自宅に基礎充電環境を整備すれば、これらの課題を解消し、利便性と経済性の両面でEVを所有するメリットが享受できますが、現在EVを所有していない人には、このメリットが十分に伝わっていないようです。このように、充電以外にもEV所有のメリットの不理解が大きな課題となっています。本調査でもEVのインセンティブのことを知らない人と良く知っている人の間には、「検討する(very likely)」の回答率に約9倍の差があることが分かっています。
また、要因の一つに、消費者のニーズを満たすモデルラインナップに欠けることが挙がっていますが、これは複数の自動車メーカーがEVの新型EVの発売を延期したことも影響していると考えられます。
今後更なるEV市場の拡大の為には、充電インフラの拡充や充電性能の向上、そして魅力的なEVモデルのラインナップと共に、消費者に対するEV所有のメリットの啓蒙が非常に重要であると考えられます。
J.D. パワーが日本で実施した調査では、日本でもEV市場拡大において米国同様の課題があることが示されています。今後も各国のEV調査を通じて、グローバルのEV市場の動向を把握していきます。

《J.D. パワー 2024年米国電気自動車検討意向調査(SM)概要》
12か月以内に新車購入を検討している消費者を対象に、EV(電気自動車、バッテリー式電気自動車)の購入検討
について聴取した調査。
■実施期間:2024年1月〜4月 
■調査方法:インターネット調査 
■調査回答者数:8,179人

*本報道資料は、現地時間 2024年5月16日にアメリカで発表されたリリースを要約したものです。
原文リリースはこちら
https://www.jdpower.com/business/press-releases/2024-us-electric-vehicle-consideration-evc-study

*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
【ご注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することを禁じます。

J.D. パワーについて:
米国に本社を置くJ.D. パワーは自動車に関するデータと分析の国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。自動車業界及び一部の関連企業に、業界インテリジェンスや消費者インサイト、アドバイザリー、ソリューションを提供しています。
独自の広範なデータセットとソフトウェア機能を高度な分析および人工知能ツールと組み合わせて活用し、クライアントのビジネスパフォーマンスの最適化を支援しています。
J.D. パワーは 1968 年に設立され、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。
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