AZD1222の米国第III相臨床試験、主要解析で安全性と有効性を確認
[21/03/26]
提供元:PRTIMES
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症候性COVID-19の発症予防に対するワクチンの有効性は76%。重症・致死性な疾患、および入院予防に対する有効性は100%。65歳以上の被験者における症候性COVID-19発症予防に対する有効性は85%
本資料はアストラゼネカ英国本社が2021年3月25日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンAZD1222の米国における第III相臨床試験の主要解析の良好な結果は、2021年3月22日に発表された事前に規定された中間解析におけるワクチンの有効性と一致していることが確認されました。
これらの結果は、独立データ安全性モニタリング委員会(DSMB)に提出されました。本主要解析は治験実施計画書に事前に規定されており、今後数週間のうちに行われる米国食品医薬品局(FDA)に対する緊急使用許可申請の根拠となります。
本主要解析には32,449例の被験者のうち、合計190例の症候性COVID-19の症例が含まれており、以前に発表された中間解析から症例数は49例増加しています。被験者はワクチン群とプラセボ群に2:1の割合で無作為に割り付けられました。
本試験の主要評価項目である症候性COVID-19発症予防に対するワクチンの有効性は、4週間隔で2回接種した後15日以降において、76%(信頼区間(CI):68%〜82%)でした。加えて、すべての年齢集団において結果は同程度で、65歳以上の成人におけるワクチンの有効性は85%(CI:58%〜95%)でした。また、重要な副次評価項目である重症・致死性な疾患、および入院予防に対する有効性は100%でした。本主要解析において8例のCOVID-19重症化が見られましたが、全てプラセボ群の被験者でした。
ワクチンの忍容性は良好であり、安全性上の懸念は特定されませんでした。
アストラゼネカのバイオ医薬品研究開発担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは次のように述べています。「本主要解析は当社が前回公表した中間解析と一貫しており、アストラゼネカのCOVID-19ワクチンは、65歳以上を含む成人に対し極めて有効であることを確認しました。当社は米国において緊急使用許可の申請を提出し、全米で何百万回分ものワクチン供給が開始できるよう準備を進めてまいります」。
本主要解析には190例の症候性COVID-19の症例が含まれていました。現在、判定される可能性がある、あるいは可能性の高い14の追加症例があるため、総症例数および点推定は若干変動する可能性があります。
アストラゼネカは今後数週間のうちに、本主要解析を論文審査のある学術専門誌に投稿します。
※アストラゼネカのCOVID-19ワクチン(開発番号:AZD1222)は本邦未承認です。
以上
*****
D8110C00001(1)について
この米国第III相試験はD8110C00001と呼ばれ、アストラゼネカにより主導され、化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局(JPEO-CBRNDA)および米国立衛生研究所の付属機関ある米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)の協力のもと米国保健福祉省(HHS)の事前準備・対応担当次官補局(Assistant Secretary for Preparedness and Response:ASPR)の一部である米国生物医学先端研究開発局(Biomedical Advanced Research and Development Authority:BARDA)による資金提供を受けました。NIAIDが助成するCOVID-19予防試験ネットワーク(COVID-19 Prevention Network:CoVPN)が本試験に参加しました。
D8110C00001は、COVID-19予防におけるAZD1222の安全性・有効性および免疫原性をプラセボとの比較で評価する第III相無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験です。健康な、もしくは医学的に安定した慢性疾患を有しSARS-CoV-2ウイルスやCOVID-19への曝露のリスクが高い18歳以上の成人32,449例の被験者を対象に、米国、ペルー、チリの88の治験施設で実施しました。被験者は、5x10[10]※ウイルス粒子のAZD1222、または生理食塩水のプラセボを、4週間隔で2回筋肉内接種する2つの群に2:1の割合で割り付けられました。
事前に規定された統計解析計画では、中間解析で少なくとも75の判定症例が必要であり、主要解析で少なくとも150の判定症例が必要でした。
※10を10乗したもの
AZD1222について
AZD1222は、オックスフォード大学とそのスピンアウト企業Vaccitechによって共同で発明されました。本ワクチンは、複製できないように処理をした弱毒化されたチンパンジー由来の風邪のアデノウイルスに、SARS-CoV-2ウイルススパイクタンパク質の遺伝物質を含んだものです。ワクチン接種後、表面スパイクタンパク質が産生され、免疫系を刺激して、後に体が感染した場合にSARS-CoV-2ウイルスを攻撃します。
2020年5月に、アストラゼネカは米国防総省の化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局との契約に基づき、本ワクチンの開発、生産および納入に対してBARDAから10億ドルを超える支援を受けました( https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2020/astrazeneca-advances-response-to-global-covid-19-challenge-as-it-receives-first-commitments-for-oxfords-potential-new-vaccine.html )。この第III相D8110C00001試験はこの資金提供契約の一環です。
本ワクチンは、6大陸70カ国以上で条件付き販売承認もしくは緊急使用が付与されていますが、世界保健機構(WHO)により最近付与された緊急使用リスティング(EUL)により、COVAXファシリティ経由で最大142カ国におけるアクセスへの経路が加速されます。
BARDA、ASPR、HHSについて
米国保健福祉省(HHS)は米国民の健康と福祉の向上および保護に努め、効果的な保健・福祉サービスを提供し、医薬品、公衆衛生および社会福祉の進歩を促進しています。事前準備・対応担当次官補局(ASPR( https://www.medicalcountermeasures.gov/glossary.aspx#ASPR ))の使命は米国民の命を守り、21世紀の健康安全保障への脅威から彼らを守ることです。ASPR内で、生物医学先端研究開発局(BARDA( https://www.medicalcountermeasures.gov/glossary.aspx#BARDA ))がイノベーション、先進研究開発、買収、および健康安全保障への脅威と闘うために必要なワクチン、医薬品、治療薬、診断ツール、および医薬品以外の製品等の製造などの医療対策に投資します。アストラゼネカのワクチン候補はBARDAが開発および製造を支援している6品目のひとつであるとともに大規模第III相試験の成功裏の完了をBARDAが支援している3番目のSARS-CoVD-2ワクチンです。BARDAのCOVID-19パンデミック対応の詳細については https://www.coronavirus.gov/ をご覧ください。
JPEO-CBRNDについて
国防総省の付属機関として、化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局(JPEO-CBRND)は医療対策や化学・生物・放射線物質および核(CBRN)の脅威に対する防衛装備を提供することで統合戦力軍を保護しています。JPEC-CBRNDの目標はCBRNの環境下において統合戦力軍が制約を受けずに闘い、勝利出来るようにすることです。JPEO-CBRNDはCBRNやCOVID-19等の新たな脅威と闘うため迅速な対応、ワクチン、治療薬および診断薬等の医療上の解決策の先行開発、製造および獲得を円滑に進めます。JPEO-CBRNDのCOVID-19対応の詳細については https://www.jpeocbrnd.osd.mil/coronavirus をご覧ください。
NIAIDとCoVPNについて
COVID-19予防試験ネットワーク(CoVPN)は、世界的なパンデミックに対応するため、米国保健福祉省の付属機関である国立衛生研究所の国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)により組織されました。CoVPNを通じ、NIAIDは、SARS-CoV-2ワクチンに対するワクチンや抗体に対する差し迫った必要性に対応するため、その既存のリサーチネットワークの感染症および地域社会の関与についての専門性を活用しています。CoVPNはCOVID-19予防を目的とするワクチンや抗体の迅速かつ綿密な評価を担保する試験の企画・実施に従事します。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・免疫疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
References
1. Clinicaltrials.gov. A Phase III Randomized, Double-blind, Placebo-controlled Multicenter Study in Adults to Determine the Safety, Efficacy, and Immunogenicity of AZD1222, a Non-replicating ChAdOx1 Vector Vaccine, for the Prevention of COVID-19. [Online] Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04516746?term=NCT04516746&draw=2&rank=1 Last accessed: February 2021.
ニュースリリースは以下よりダウンロードできます。
https://prtimes.jp/a/?f=c-24308-2021032610-72fe00c5cc2ba69eec43654d59a66c34.pdf
本資料はアストラゼネカ英国本社が2021年3月25日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンAZD1222の米国における第III相臨床試験の主要解析の良好な結果は、2021年3月22日に発表された事前に規定された中間解析におけるワクチンの有効性と一致していることが確認されました。
これらの結果は、独立データ安全性モニタリング委員会(DSMB)に提出されました。本主要解析は治験実施計画書に事前に規定されており、今後数週間のうちに行われる米国食品医薬品局(FDA)に対する緊急使用許可申請の根拠となります。
本主要解析には32,449例の被験者のうち、合計190例の症候性COVID-19の症例が含まれており、以前に発表された中間解析から症例数は49例増加しています。被験者はワクチン群とプラセボ群に2:1の割合で無作為に割り付けられました。
本試験の主要評価項目である症候性COVID-19発症予防に対するワクチンの有効性は、4週間隔で2回接種した後15日以降において、76%(信頼区間(CI):68%〜82%)でした。加えて、すべての年齢集団において結果は同程度で、65歳以上の成人におけるワクチンの有効性は85%(CI:58%〜95%)でした。また、重要な副次評価項目である重症・致死性な疾患、および入院予防に対する有効性は100%でした。本主要解析において8例のCOVID-19重症化が見られましたが、全てプラセボ群の被験者でした。
ワクチンの忍容性は良好であり、安全性上の懸念は特定されませんでした。
アストラゼネカのバイオ医薬品研究開発担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは次のように述べています。「本主要解析は当社が前回公表した中間解析と一貫しており、アストラゼネカのCOVID-19ワクチンは、65歳以上を含む成人に対し極めて有効であることを確認しました。当社は米国において緊急使用許可の申請を提出し、全米で何百万回分ものワクチン供給が開始できるよう準備を進めてまいります」。
本主要解析には190例の症候性COVID-19の症例が含まれていました。現在、判定される可能性がある、あるいは可能性の高い14の追加症例があるため、総症例数および点推定は若干変動する可能性があります。
アストラゼネカは今後数週間のうちに、本主要解析を論文審査のある学術専門誌に投稿します。
※アストラゼネカのCOVID-19ワクチン(開発番号:AZD1222)は本邦未承認です。
以上
*****
D8110C00001(1)について
この米国第III相試験はD8110C00001と呼ばれ、アストラゼネカにより主導され、化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局(JPEO-CBRNDA)および米国立衛生研究所の付属機関ある米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)の協力のもと米国保健福祉省(HHS)の事前準備・対応担当次官補局(Assistant Secretary for Preparedness and Response:ASPR)の一部である米国生物医学先端研究開発局(Biomedical Advanced Research and Development Authority:BARDA)による資金提供を受けました。NIAIDが助成するCOVID-19予防試験ネットワーク(COVID-19 Prevention Network:CoVPN)が本試験に参加しました。
D8110C00001は、COVID-19予防におけるAZD1222の安全性・有効性および免疫原性をプラセボとの比較で評価する第III相無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験です。健康な、もしくは医学的に安定した慢性疾患を有しSARS-CoV-2ウイルスやCOVID-19への曝露のリスクが高い18歳以上の成人32,449例の被験者を対象に、米国、ペルー、チリの88の治験施設で実施しました。被験者は、5x10[10]※ウイルス粒子のAZD1222、または生理食塩水のプラセボを、4週間隔で2回筋肉内接種する2つの群に2:1の割合で割り付けられました。
事前に規定された統計解析計画では、中間解析で少なくとも75の判定症例が必要であり、主要解析で少なくとも150の判定症例が必要でした。
※10を10乗したもの
AZD1222について
AZD1222は、オックスフォード大学とそのスピンアウト企業Vaccitechによって共同で発明されました。本ワクチンは、複製できないように処理をした弱毒化されたチンパンジー由来の風邪のアデノウイルスに、SARS-CoV-2ウイルススパイクタンパク質の遺伝物質を含んだものです。ワクチン接種後、表面スパイクタンパク質が産生され、免疫系を刺激して、後に体が感染した場合にSARS-CoV-2ウイルスを攻撃します。
2020年5月に、アストラゼネカは米国防総省の化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局との契約に基づき、本ワクチンの開発、生産および納入に対してBARDAから10億ドルを超える支援を受けました( https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2020/astrazeneca-advances-response-to-global-covid-19-challenge-as-it-receives-first-commitments-for-oxfords-potential-new-vaccine.html )。この第III相D8110C00001試験はこの資金提供契約の一環です。
本ワクチンは、6大陸70カ国以上で条件付き販売承認もしくは緊急使用が付与されていますが、世界保健機構(WHO)により最近付与された緊急使用リスティング(EUL)により、COVAXファシリティ経由で最大142カ国におけるアクセスへの経路が加速されます。
BARDA、ASPR、HHSについて
米国保健福祉省(HHS)は米国民の健康と福祉の向上および保護に努め、効果的な保健・福祉サービスを提供し、医薬品、公衆衛生および社会福祉の進歩を促進しています。事前準備・対応担当次官補局(ASPR( https://www.medicalcountermeasures.gov/glossary.aspx#ASPR ))の使命は米国民の命を守り、21世紀の健康安全保障への脅威から彼らを守ることです。ASPR内で、生物医学先端研究開発局(BARDA( https://www.medicalcountermeasures.gov/glossary.aspx#BARDA ))がイノベーション、先進研究開発、買収、および健康安全保障への脅威と闘うために必要なワクチン、医薬品、治療薬、診断ツール、および医薬品以外の製品等の製造などの医療対策に投資します。アストラゼネカのワクチン候補はBARDAが開発および製造を支援している6品目のひとつであるとともに大規模第III相試験の成功裏の完了をBARDAが支援している3番目のSARS-CoVD-2ワクチンです。BARDAのCOVID-19パンデミック対応の詳細については https://www.coronavirus.gov/ をご覧ください。
JPEO-CBRNDについて
国防総省の付属機関として、化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局(JPEO-CBRND)は医療対策や化学・生物・放射線物質および核(CBRN)の脅威に対する防衛装備を提供することで統合戦力軍を保護しています。JPEC-CBRNDの目標はCBRNの環境下において統合戦力軍が制約を受けずに闘い、勝利出来るようにすることです。JPEO-CBRNDはCBRNやCOVID-19等の新たな脅威と闘うため迅速な対応、ワクチン、治療薬および診断薬等の医療上の解決策の先行開発、製造および獲得を円滑に進めます。JPEO-CBRNDのCOVID-19対応の詳細については https://www.jpeocbrnd.osd.mil/coronavirus をご覧ください。
NIAIDとCoVPNについて
COVID-19予防試験ネットワーク(CoVPN)は、世界的なパンデミックに対応するため、米国保健福祉省の付属機関である国立衛生研究所の国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)により組織されました。CoVPNを通じ、NIAIDは、SARS-CoV-2ワクチンに対するワクチンや抗体に対する差し迫った必要性に対応するため、その既存のリサーチネットワークの感染症および地域社会の関与についての専門性を活用しています。CoVPNはCOVID-19予防を目的とするワクチンや抗体の迅速かつ綿密な評価を担保する試験の企画・実施に従事します。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・免疫疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
References
1. Clinicaltrials.gov. A Phase III Randomized, Double-blind, Placebo-controlled Multicenter Study in Adults to Determine the Safety, Efficacy, and Immunogenicity of AZD1222, a Non-replicating ChAdOx1 Vector Vaccine, for the Prevention of COVID-19. [Online] Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04516746?term=NCT04516746&draw=2&rank=1 Last accessed: February 2021.
ニュースリリースは以下よりダウンロードできます。
https://prtimes.jp/a/?f=c-24308-2021032610-72fe00c5cc2ba69eec43654d59a66c34.pdf