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【プレスリリース】ガザ地区 人道支援のために長期的な停戦を

戦闘による子どもの死者450人以上、負傷者2,900人以上 一方で7月にガザで生まれた命4,500人以上




※本信はユニセフ本部とユニセフ・パレスチナ事務所が発信した情報を日本ユニセフ協会
広報室が翻訳、独自に編集したものです
※原文は http://www.unicef.org/media/media_74809.html でご覧いただけます


【2014年8月16日 ガザ発】

一時停戦のさなか、ユニセフはガザの子どもたちへの支援を引き続き行っています。
しかし、何十万人もの子どもたちの生活再建のための支援を行うには、持続的な和平が
必要です。

ユニセフ事務局次長のヨーカ・ブラントは「今回の戦闘はこれまでの中で最も激しく、
貧困を深めるものとなり、子どもたちへ大きな影響を及ぼしています。ガザの人口の
半数を占めるのは子どもたちです。ユニセフは、パートナー団体とともにケアと支援を
行っていますが、子どもたちのニーズはとても大きく、そして急を要するものです」
と述べました。

8月11日〜13日、ブラント事務局次長はユニセフ・中東・北アフリカ地域事務所代表の
マリア・カリヴィスと、ユニセフ・パレスチナ事務所代表の功刀純子と共にガザを訪問し、
ユニセフ・ガザ現地事務所のスタッフ16名と面会。また、ガザでは避難生活を送る子ども
たちや負傷した子どもたち、イスラエル南部のスデロット(Sderot)でも子どもたちと
会いました。


ブラント事務局次長は、停戦を受け、ユニセフの支援する技術チームが、空爆や攻撃の
被害を受けた水道管や衛生システムなどの重要なインフラの修理を開始したことを報告。
安全な水と衛生用品が最大11万人に提供され、病院と保健施設に医薬品や備品を届ける
こともできました。避難所6カ所に安全で子どもにやさしい空間が設置され、深刻な
精神的苦痛がみられる約6,000人の子どもたちが心のケアを受けました。

カリヴィス地域事務所代表は「ユニセフはパートナー団体と共に、できるだけ多くの
子どもたちに、必要な支援を届けるべく活動しています。人道支援関係者が活動する
のに必要な場所を確保できれば、子どもたちへの支援活動が可能となるのです」と述べ、
「ガザでは、7月だけで4,500人以上の新生児が生まれています。新たに生まれてきた
命のためにも、そしてすべての子どもたちのためにも、我々は戦闘に関わるあらゆる
勢力に対し、子どもたちをこれ以上傷つけることを止め、守ること、そして、長期的な
和平-子ども時代を守る和平-を求めます」と続けました。


今回の空爆と攻撃で、ガザで死亡した子どもは450人以上。2,900人以上の子どもたちが
負傷し、5万人以上が家を失いました。

ユニセフは、ガザの子どもとその家族の支援のために、総額1,370万米ドルの支援を
国際社会に要請していますが、これまでに届けられた支援額は、4分の1
(342万5,000米ドル)以下にとどまっています。


+ + +

【2014年8月14日 エルサレム発】情勢レポート

ユニセフ・パレスチナ事務所による情勢レポートをご紹介します。
原文は http://bit.ly/1n007Vb でご覧いただけます


■数字で見る情勢

・家を失った子ども 5万375人(Shelter Cluster 2014/8/13)
・殺害された子ども 459人(Protection Cluster 2014/8/13)
・負傷した子ども 3,009人(Palestinian Health Ministry 2014/8/10)
・死者     1,965人(Protection Cluster 2014/8/13)


■概況


・避難生活を送っている人はおよそ35万人、避難所またはガザ地区内の親類友人宅
などへ避難
(8月12日時点:UNRWA(国連パレスチナ救済事業機関)運営の学校87校に20万7,221人が
避難、政府による27の避難所に1万3,634人が避難、親類宅などに11万5,000人が避難)

・自宅が全壊または損壊するなどして(1万6,782世帯)、新たな住居が必要になる人は
10万750人以上

・子どもの死者は459人となり、2008-2009年の戦闘時の350人、2012年の戦闘時の35人
の合計を上回る

・8月13日、ガザ地区北部のベイトラヒヤで、イタリア人ジャーナリスト6人が不発弾で
死亡、6人が負傷

・不発弾などの爆発性の残存物は、子どもや農業従事者、自宅へ戻る避難している方、
技術者、人道支援関係者にとって大きな脅威に

・復旧作業が進んでいるものの、水と電力が圧倒的に不足

・8月13日、人道支援機関合同による調査の第1段階を行い、状況とニーズを調査

・教育省によると、230の学校(UNRWA90校、公立校140校)が被害を受け、うち25校は
完全に破壊されるなどで使用不可能、8月24日から新学期開始だが、修理を必要と
する施設もあり、間に合わない

・食糧価格が高騰している(卵は40%以上)、一方で日用品の価格等は戦闘前に戻り
つつある

・WFP、UNRWAなどによる食糧配給が行われており、食糧が受け取れていなかった70万人
に2週間分を配布予定

・この3日間で、パレスチナ人、イスラエル軍、ヨルダン川西岸と東エルサレムの住民間
の緊張が高まっており、衝突が発生、負傷者ならびに逮捕者が出ている

・過去数週間に暴力事件に参加した疑いとのことで、東エルサレムでは、この2日間で
52人が逮捕

・8月14日、イスラエルのナブルス近くにあるシャロン首相の住居近くでイスラエルの
車両に向けて火炎瓶が投げ込まれ、ヨルダン川西岸と東エルサレムでは緊張が続く


■ユニセフの取り組み


ユニセフは、戦闘の被害を受けている避難所ならびに親類友人宅などに避難している
住民の方に焦点を絞って支援活動を実施。今後は、ヨルダン川西岸と東エルサレムでの
活動も拡大。

<水と衛生>
・主に自宅を失った1万世帯(約6万人)に、水を購入するための配給券や衛生用品、
食糧を配布
・現在、5万世帯へ支援を拡大するための協議を実施
・この1カ月、パートナー団体と共に、ガザ市の1万500人にトラックで水を運搬
・ガザ中部では地域にある90の貯水タンクにこの1カ月間飲料水を運搬、5万人に供給
・ユニセフの支援を受け、行政機関による水道管の修理や衛生システムの修理を実施


<保健>
・定期予防接種継続のためにワクチンを供給
・母子保健サービスの提供を調整
・子ども向けの医薬品や消耗品を提供
・感染しやすい病気の発生をモニタリング


<子どもの保護>
・子どもの死亡の検証を行っているパートナー団体を支援
(殺害、負傷、子どもの権利侵害を含む)

・5つの緊急心のケアチームが、ガザ地区の病院や避難所で子ども2,868人を含む
3,230人にケアを提供

・8月4日以降、携帯会社(Jawwal)の契約者32万人に、子どもを死や負傷から守る方法や、
心のケアの方法、虐待の予防などを記載したテキストメッセージを配信、ヘルプライン
“121”も案内、しかし、電力事情が悪く、十分に配信できず


■参考情報:ガザにおけるユニセフの活動について
ユニセフは、1990年代初頭よりガザでの活動を開始。水と衛生、教育、保健、地雷教育
などを含む基本サービスの支援を行っています。今回の戦闘による人道支援ニーズに対応
するために、ユニセフは、約1,400万米ドル(約14億1,400万円 ※1米ドル=101円で換算)
の資金を必要としています。


* * *

ユニセフ・パレスチナ事務所の功刀 純 子(くぬぎ じゅんこ)特別代表(在エルサレム)
へのインタビュー(使用言語:英語)を受け付けております。ご希望の場合は、同事務所
広報官のCatherine Weibel (後述)までお問い合わせください。

* * *


報道関係の皆様におかれましては、ユニセフ『人道危機緊急募金』の告知にご協力
いただけますよう、お願いいたします。

■□ 人道危機緊急募金 □■

郵便局(ゆうちょ銀行) 振替口座:00190-5-31000
口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会

*通信欄に「人道危機緊急募金」と明記願います。
*窓口での振り込みの場合は、送金手数料が免除されます。
*公益財団法人 日本ユニセフ協会への寄付金には、特定公益増進法人への寄付として、
所得税、相続税、法人税の税制上の優遇措置があります。また一部の自治体では、
個人住民税の寄付金控除の対象となります。


■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016  FAX : 03-5789-2036  Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
Melanie Sharpe, ユニセフ・ニューヨーク本部, Tel.: 917-265-4516, Mobile: 917-485-3344, msharpe@unicef.org
Catherine Weibel, ユニセフ・パレスチナ事務所, cweibel@unicef.org, Tel:+972 54 778 7604
Simon Ingram, ユニセフ・中東北アフリカ地域事務所, Mobile: + 962 (0) 79 5904740, singram@unicef.org

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会
のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ
活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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