業界最小形状(※)と業界トップレベル(※)の高い耐振動性を実現した「面実装タイプ 車載パワーチョークコイル」を製品化
[12/09/04]
提供元:PRTIMES
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パナソニック株式会社 デバイス社は、自動車の燃料噴射装置の駆動回路などの昇圧電源回路[1]に最適な業界最小形状(※)と業界トップレベル(※)の高耐振動性を実現した業界初(※)「面実装タイプ 車載パワーチョークコイル[2]」を製品化しました。
(※)2012年9月3日現在 燃料噴射装置などの駆動回路に搭載される車載パワーチョークコイルとして(当社調べ)
自動車の燃費改善のため燃料噴射に伴う高圧化や複数回噴射の流れが加速しており、燃料噴射装置の駆動回路などの昇圧電源回路に搭載されるチョークコイルには、小形化と高い耐振動性、さらに高効率・大電流が強く求められています。このような中、当社では、業界最小形状(※)と業界トップレベル(※)の高耐振動性を実現した業界初(※)となる「面実装タイプ 車載パワーチョークコイル」を製品化、量産を開始します。
■面実装タイプ 車載パワーチョークコイル(品番:ETQPDH240DTV)の特長
1. 業界初(※)の面実装タイプで、業界最小形状(※)を実現
形状(L×W×T):14.7×13.2×13.1mm (面実装タイプ)
自動車の燃料噴射装置の駆動回路などの昇圧電源回路に搭載されるチョークコイルは、現在、トロイダルコイルタイプと呼ばれる大形でディスクリート実装する製品が主流ですが、市場からは小形の製品が強く要望されています。今回当社では、独自のE型形状に成型したダストコア[3]と平角銅線エッジワイズコイル[4]を組み合わせた構造を開発、業界初となる面実装タイプで、業界最小形状を実現した車載パワーチョークコイルを製品化しました。ガソリン直噴インジェクタ駆動回路、ディーゼルコモンレールインジェクタ駆動回路、モータ駆動回路などの昇圧電源回路用に最適で、小形化ニーズにお応えしてまいります。
2. 業界トップレベル(※)の高い耐振動性を実現
耐振動性:5Hz〜2kHz/30G
車載用パワーチョークコイルには、面実装、小形化と同時に、高い耐振動性が要求されます。今回当社では、平角銅線エッジワイズコイルの引き出し部分を、樹脂モールド[5]本体へ密着させる新構造の樹脂モールド2端子構造で、業界トップレベルの高耐振動性を実現しました。同時にプリント基板への実装性を高めることが可能となり、高信頼性に貢献できます。
3. 業界トップレベル(※)の低損失[6]で、高効率・大電流を実現
インダクタンス値:36μH
直流抵抗[7]:25.8mΩ
高周波抵抗[8]:50mΩ(at 20kHz)
パワーチョークコイルの高効率・大電流化には、必要なインダクタンス値を確保しつつ、直流抵抗と高周波抵抗を抑え、損失を低減させることが重要です。本製品は、独自の金属磁性材組成を有した低損失のダストコアを採用。さらに従来の丸線銅線ではなく平角銅線を採用することで発生する浮遊容量[9]を減らし、直流抵抗と高周波抵抗の低減を達成しました。これにより、業界トップレベルの低損失で、高効率・大電流化を実現、ガソリン直噴インジェクタ駆動回路、ディーゼルコモンレールインジェクタ駆動回路、モータ駆動回路などの昇圧電源回路用に最適です。
■生産・販売計画
・量産開始:2012年9月
・サンプル価格:1500円/個
・月産数量:20万個/月
■用途
自動車の燃料噴射装置の駆動回路、ディーゼルコモンレールインジェクタ駆動回路、モータ駆動回路などの昇圧電源回路
■基本仕様
・品番:ETQPDH240DTV
・サイズ(mm):14.7×13.2×13.1mm
・インダクタンス値(μH):36.0μH ±30%
・直流抵抗(mΩ):25.8 mΩ ±15%
・高周波抵抗(mΩ):50mΩ(at 20kHz)
・信頼性/耐熱保証(℃):150℃/2000h
【用語説明】
[1]昇圧電源回路
ある電圧を異なる電圧へ変換する回路。自動車の燃料噴射装置において燃料噴射のための噴射器を駆動する役割をもつ。
[2]パワーチョークコイル
DC/DCコンバータなどに使用される電子部品で、エネルギー蓄積の役割を持つインダクタ部品。本製品は、小形、高耐振動性の特長を持ち、自動車の燃料噴射装置の駆動回路などの昇圧電源回路に使用される。
[3]ダストコア
金属磁性材(鉄族)をベースとした粉末を、樹脂を用いて高圧縮成型した後、焼成した磁性材料。
[4]平角銅線エッジワイズコイル
断面積が角型の銅線をソレノイド状に巻線したもの。
[5]樹脂モールド
被成型体を熱可塑性樹脂により射出成型したもの。
[6]損失
チョークコイルにおいて有効に利用されずに失われる電力のこと。
[7]直流抵抗
巻線(銅線)の抵抗成分。これが低いほど電力の損失(ロス)が小さくなる。直流抵抗が低いほど損失(ロス)が減り、電源効率を改善できる。
[8]高周波抵抗
巻線(銅線)やコアの高周波抵抗成分。これが低いほど電力の損失(ロス)が小さくなる。高周波抵抗が低いほど高周波での損失(ロス)が減り、電源効率を改善できる。
[9]浮遊容量
巻線(銅線)間に生じるコンデンサ成分で、これが増えると高周波抵抗が増加し、損失(ロス)が発生する原因となる。
▼本件に関するお問合せ先
パナソニック株式会社 デバイス社 経営企画グループ 広報・調査チーム
TEL:06-6904-4732
ホームページURL:http://panasonic.net/id/jp/