川田喜久治写真展「百幻影-100Illusions」を開催
[18/08/06]
提供元:PRTIMES
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キヤノンマーケティングジャパン株式会社(代表取締役社長:坂田正弘)は、キヤノンギャラリー S(所在地:東京都港区)にて、川田喜久治氏による写真展「百幻影-100Illusions」を2018年8月31日より開催します。
[画像: https://prtimes.jp/i/13943/388/resize/d13943-388-707752-0.jpg ]
■ 概要
○開催日程:2018年8月31日(金)〜 10月11日(木)
○開館時間:10時〜17時30分
○休館日:日曜日・祝日
○開催会場:キヤノンギャラリー S(住所:東京都港区港南2-16-6 キヤノン S タワー1階)
○交通案内:JR 品川駅港南口より徒歩約8分、京浜急行品川駅より徒歩約10分
○入場料:無料
○ホームページ
https://cweb.canon.jp/gallery/schedule/shinagawa.html
■ 展示内容
本展は、写真家 川田喜久治氏による写真展です。
氏の作品群の中から「ロス・カプリチョス」と「ラスト・コスモロジー」を再編し展示します。現実の事象に潜む幻影―イリュージョンを見いだした氏の世界観を表現した写真展です。
身近な日常の光景を捉えることで、現実の都市風景に不穏な影を落とし現代に蔓延する社会不安から終末思想を体現した作品群「ロス・カプリチョス」と、天体気象現象と地上の出来事を混成して捉えた壮大で黙示録的な作品群「ラスト・コスモロジー」よりそれぞれ50点ずつ、計100点を展示します。
また、かねてより川田氏の写真集などのデザインを手掛けてきた、グラフィックデザイナーの田中義久氏が本展のために制作したポスターを、川田氏の作品と合わせて展示します。
作品は、キヤノンの大判プリンター「imagePROGRAF」でプリントし、展示します。
■ 作家メッセージ
ロス・カプリチョス
Los Caprichos
「1966年から70年にかけて、バロックのイメージをアジア、ヨーロッパに取材し、「聖なる世界Sacré Atavism」という写真集を作りました。
オブジェに封じられた精神世界を探りながら、自分の制作にそれがどうかかわって行くのかを考えざるをえませんでした。写真をストレートのままでなく、角度を変えながら、現れてくる世界も探ってみたいと思っていました。夢のなかの光景が、現実を逆襲するようなトーンを思い浮かべたりしたのです。
これはかなり写真のプロセスとは逆行しています。写真は見たものを無心にあるときは厳粛に、さらにスリのようにすばやく写します。文学のように、自我と世界の複雑な心理的な構成もなく、また、高度な抽象や超現実のオブジェに異化する絵画作品などとも違うのです。映画とは逆に動きを作らず、時を切断するのが写真です。」
『ゴヤのエッチング集「ロス・カプリチョス=気まぐれ」や「ロス・デザストレス・デ・ゲーラ=戦争の惨禍」「ロス・プロベルビオス=妄」などを繰り返し眺めているうちに、銅板に刻み込んだ幻影が、いつしか私の頭のなかに住みついたらしく、そのイリュージョンが目の前に現れてくるという時期がながいあいだ続いていた。夜、見た夢の続きを白昼また見ているようであり、イメージはますます錯綜し、混迷の度を加えているようでもあった』
「いま、コンピューターで再生されたイメージには、眠り続けた記憶が表に出ようと、名残の袋を破ろうとしています。さまざまな既視感を膨らませ、あるものは、見知らぬ影にかわり、遺伝的には同一で、どこか危険なクローンのような遺伝子を印しているのです。」
ラスト・コスモロジー
The Last Cosmology
「妖しく光る夜空への誘惑とともに、カタストロフをかかえたものたちが、目を覚ましたように身近に感じられてきました。20世紀も後半の1980年代頃から撮り始めたオブジェは異変や破局をどこかに抱えているようなものばかりです。写されたオブジェは、違ったものに変わる能力を持っていました。それらは、新しい経験をうながすものばかりです。見えにくいものが音を立てながら、素早く動いてくるのです。闇からの流星群のように。」
「二十世紀最後の金環蝕、金星蝕、皆既日蝕など天空の事象につづき、わが地上にも昭和期の終焉がありました。象徴的な太陽は、謎を抱えたまま雲間に消え去ったのです。最後のものを天と地に感ずることで、「ラスト・コスモロジー The Last Cosmology」としました。今日のコスモロジーは、気の遠くなる数式の素粒子論とか、物理学がきってもきれない関係にあるでしょうが、私の「ラスト・コスモロジー」は、地球のさまざまな物質が、彼方の空や雲と交感しながら進行する類推の山、写真の装置が見つけたアナロジーで、光と影が生んだイリュージョンなのです。」
■ 作家プロフィール
川田 喜久治(かわだ きくじ)
1933 年茨城県に生まれる。1955 年立教大学経済学部卒業。『週刊新潮』の創刊(1956 年)より、グラビア等の撮影を担当。1959年よりフリーランス。「VIVO」設立同人(1959 〜 61年)。主な個展に「ゼノン-ラスト・コスモロジー」フォト・ギャラリー・インターナショナル[以下PGI](東京1996年)、「カー・マニアック」PGI(東京1998年)、「Eureka 全都市」PGI(東京2001年)、「川田喜久治展 世界劇場」東京都写真美術館(東京 2003年)、「地図」PGI(東京2004年12月-2005年2月)、「川田喜久治写真展 Eureka 全都市 Multigraph」東京工芸大学写大ギャラリー(東京2005年)、「見えない都市」PGI(東京2006年)、「川田喜久治展 ATLAS 1998-2006 全都市」エプサイト(東京2006年)、「遠い場所の記憶:メモワール 1951-1966」PGI(東京2008年)、「ワールズ・エンド World’s End 2008〜2010」PGI (東京2010年)、「日光-寓話 Nikko-A Parable」PGI( 東京2011年)、「2011-phenomena」PGI(東京2012年)、「The Last Cosmology」Michael Hoppen Gallery(ロンドン2014年)、「The Last Cosmology」L. PARKER STEPHENSON PHOTOGRAPHS(ニューヨーク2014年)、「Last Things」PGI(東京2016年)「ロス・カプリチョス – インスタグラフィ– 2017」PGI(東京 2018年)がある。グループ展多数。作品は東京国立近代美術館、東京都写真美術館、ニューヨーク近代美術館、サンフランシスコ近代美術館、テート・モダン、ボストン美術館などにコレクションされている。
[画像: https://prtimes.jp/i/13943/388/resize/d13943-388-707752-0.jpg ]
■ 概要
○開催日程:2018年8月31日(金)〜 10月11日(木)
○開館時間:10時〜17時30分
○休館日:日曜日・祝日
○開催会場:キヤノンギャラリー S(住所:東京都港区港南2-16-6 キヤノン S タワー1階)
○交通案内:JR 品川駅港南口より徒歩約8分、京浜急行品川駅より徒歩約10分
○入場料:無料
○ホームページ
https://cweb.canon.jp/gallery/schedule/shinagawa.html
■ 展示内容
本展は、写真家 川田喜久治氏による写真展です。
氏の作品群の中から「ロス・カプリチョス」と「ラスト・コスモロジー」を再編し展示します。現実の事象に潜む幻影―イリュージョンを見いだした氏の世界観を表現した写真展です。
身近な日常の光景を捉えることで、現実の都市風景に不穏な影を落とし現代に蔓延する社会不安から終末思想を体現した作品群「ロス・カプリチョス」と、天体気象現象と地上の出来事を混成して捉えた壮大で黙示録的な作品群「ラスト・コスモロジー」よりそれぞれ50点ずつ、計100点を展示します。
また、かねてより川田氏の写真集などのデザインを手掛けてきた、グラフィックデザイナーの田中義久氏が本展のために制作したポスターを、川田氏の作品と合わせて展示します。
作品は、キヤノンの大判プリンター「imagePROGRAF」でプリントし、展示します。
■ 作家メッセージ
ロス・カプリチョス
Los Caprichos
「1966年から70年にかけて、バロックのイメージをアジア、ヨーロッパに取材し、「聖なる世界Sacré Atavism」という写真集を作りました。
オブジェに封じられた精神世界を探りながら、自分の制作にそれがどうかかわって行くのかを考えざるをえませんでした。写真をストレートのままでなく、角度を変えながら、現れてくる世界も探ってみたいと思っていました。夢のなかの光景が、現実を逆襲するようなトーンを思い浮かべたりしたのです。
これはかなり写真のプロセスとは逆行しています。写真は見たものを無心にあるときは厳粛に、さらにスリのようにすばやく写します。文学のように、自我と世界の複雑な心理的な構成もなく、また、高度な抽象や超現実のオブジェに異化する絵画作品などとも違うのです。映画とは逆に動きを作らず、時を切断するのが写真です。」
『ゴヤのエッチング集「ロス・カプリチョス=気まぐれ」や「ロス・デザストレス・デ・ゲーラ=戦争の惨禍」「ロス・プロベルビオス=妄」などを繰り返し眺めているうちに、銅板に刻み込んだ幻影が、いつしか私の頭のなかに住みついたらしく、そのイリュージョンが目の前に現れてくるという時期がながいあいだ続いていた。夜、見た夢の続きを白昼また見ているようであり、イメージはますます錯綜し、混迷の度を加えているようでもあった』
「いま、コンピューターで再生されたイメージには、眠り続けた記憶が表に出ようと、名残の袋を破ろうとしています。さまざまな既視感を膨らませ、あるものは、見知らぬ影にかわり、遺伝的には同一で、どこか危険なクローンのような遺伝子を印しているのです。」
ラスト・コスモロジー
The Last Cosmology
「妖しく光る夜空への誘惑とともに、カタストロフをかかえたものたちが、目を覚ましたように身近に感じられてきました。20世紀も後半の1980年代頃から撮り始めたオブジェは異変や破局をどこかに抱えているようなものばかりです。写されたオブジェは、違ったものに変わる能力を持っていました。それらは、新しい経験をうながすものばかりです。見えにくいものが音を立てながら、素早く動いてくるのです。闇からの流星群のように。」
「二十世紀最後の金環蝕、金星蝕、皆既日蝕など天空の事象につづき、わが地上にも昭和期の終焉がありました。象徴的な太陽は、謎を抱えたまま雲間に消え去ったのです。最後のものを天と地に感ずることで、「ラスト・コスモロジー The Last Cosmology」としました。今日のコスモロジーは、気の遠くなる数式の素粒子論とか、物理学がきってもきれない関係にあるでしょうが、私の「ラスト・コスモロジー」は、地球のさまざまな物質が、彼方の空や雲と交感しながら進行する類推の山、写真の装置が見つけたアナロジーで、光と影が生んだイリュージョンなのです。」
■ 作家プロフィール
川田 喜久治(かわだ きくじ)
1933 年茨城県に生まれる。1955 年立教大学経済学部卒業。『週刊新潮』の創刊(1956 年)より、グラビア等の撮影を担当。1959年よりフリーランス。「VIVO」設立同人(1959 〜 61年)。主な個展に「ゼノン-ラスト・コスモロジー」フォト・ギャラリー・インターナショナル[以下PGI](東京1996年)、「カー・マニアック」PGI(東京1998年)、「Eureka 全都市」PGI(東京2001年)、「川田喜久治展 世界劇場」東京都写真美術館(東京 2003年)、「地図」PGI(東京2004年12月-2005年2月)、「川田喜久治写真展 Eureka 全都市 Multigraph」東京工芸大学写大ギャラリー(東京2005年)、「見えない都市」PGI(東京2006年)、「川田喜久治展 ATLAS 1998-2006 全都市」エプサイト(東京2006年)、「遠い場所の記憶:メモワール 1951-1966」PGI(東京2008年)、「ワールズ・エンド World’s End 2008〜2010」PGI (東京2010年)、「日光-寓話 Nikko-A Parable」PGI( 東京2011年)、「2011-phenomena」PGI(東京2012年)、「The Last Cosmology」Michael Hoppen Gallery(ロンドン2014年)、「The Last Cosmology」L. PARKER STEPHENSON PHOTOGRAPHS(ニューヨーク2014年)、「Last Things」PGI(東京2016年)「ロス・カプリチョス – インスタグラフィ– 2017」PGI(東京 2018年)がある。グループ展多数。作品は東京国立近代美術館、東京都写真美術館、ニューヨーク近代美術館、サンフランシスコ近代美術館、テート・モダン、ボストン美術館などにコレクションされている。