局所進行子宮頸がんに対するイミフィンジと化学放射線療法の同時併用療法を検証した第III相CALLA試験の最新情報
[22/03/31]
提供元:PRTIMES
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本資料はアストラゼネカ英国本社が2022年3月24日に発信したプレスリリース( https://www.astrazeneca.com/content/astraz/media-centre/press-releases/2022/update-on-calla-phase-iii-trial-for-imfinzi.html )を日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、第III相CALLA試験の結果を発表しました。本試験では、局所進行子宮頸がんの患者さんの治療において、アストラゼネカのイミフィンジ(デュルバルマブ)と化学放射線療法(CRT)の同時併用療法を評価しましたが、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の延長について、単独療法としてのCRTとの比較で統計学的に有意な差は認められませんでした。
アメリカ産科婦人科学会フェローおよびアメリカ外科学会フェローであり、アリゾナ大学医学部教授で、第III相CALLA試験の治験責任医師であるBradley Monk氏は次のように述べています。「今回の結果は統計学的に有意ではなかったものの、新たな治療選択肢のさらなる評価の必要性を裏付けています。また、局所進行子宮頸がん患者さんの治療を改善する今後の方策に向けた情報源となります」。
アストラゼネカのエグゼクティブバイスプレジデント兼オンコロジーR&Dの責任者であるSusan Galbraithは次のように述べています。「CALLA試験では、既存の治療を行っても多くの患者さんで病状が進行してしまう深刻で複雑な疾患である局所進行子宮頸がんを対象に、新しい免疫療法による治療アプローチを検証しました。試験結果は私たちの期待通りではありませんでしたが、試験からの知見により、多くのがん種においてイミフィンジのベネフィットを評価している広範な臨床開発プログラム全体における免疫療法に対する私たちの理解と応用が進むでしょう」。
CALLA試験において両群の安全性および忍容性プロファイルは一貫しており、予期せぬ新たな安全性に関する知見は得られませんでした。CALLA試験のデータは、今後の医学学会で発表される予定です。
※局所進行子宮頸がんに対するイミフィンジの適応は、本邦では未承認です。
以上
*****
局所進行子宮頸がんについて
子宮頸がんは世界で8番目に患者数が多く、毎年約600,000人が診断されています。また、9番目に致死率の高いがんです(1)。子宮頸がん患者さんの約40〜50%は、局所進行期に診断されます(2)。現行の標準治療である白金製剤ベースの化学放射線療法を受けても、局所進行子宮頸がん患者さんの約40%に再発の可能性があり、5年生存率は約65〜70%にとどまります(2,3)。子宮頸がん患者さんに対する標準治療は、この20年間変わっていません(4)。
CALLA試験について
CALLA試験は、無作為化二重盲検国際多施設共同第III相試験です。本試験では、局所進行子宮頸がん患者さん770人が、標準治療であるCRTと、最大24サイクルまたは病勢進行まで4週間ごとに1500mgの固定用量のイミフィンジまたはプラセボのいずれかとの併用療法を受けました。
試験は、米国、欧州、中南米、アフリカ、アジアなど15カ国120施設で実施されました。主要評価項目は無増悪生存期間、重要な副次評価項目は全生存期間、安全性および忍容性でした。試験の詳細情報については、Clinicaltrials.gov( https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03830866 )をご確認ください。
イミフィンジについて
イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。
イミフィンジは、第III相PACIFIC試験に基づき、化学放射線療法後に進行が認められていない患者さんを対象として、切除不能な局所進行(ステージIII)の非小細胞肺がん(NSCLC)における根治目的の治療薬として承認された免疫療法です。
また、イミフィンジは、第III相CASPIAN試験に基づき、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)の治療薬として、米国、欧州、日本、中国およびその他の世界中の多くの国々で承認されています。
イミフィンジはこの1年間、新たに複数のがん種において第III相試験で良好な臨床的ベネフィットを示しました。これには進行胆道がんを対象としたTOPAZ-1試験、切除不能な進行肝がんを対象としたHIMALAYA試験、および転移性NSCLCを対象としたPOSEIDON試験が含まれます。
(これらのがん種に対するイミフィンジの適応は本邦未承認です)
広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、小細胞肺がん(SCLC)、NSCLC、膀胱がん、数種類の消化器がん、卵巣がん、子宮内膜がん、その他の固形がんの治療として、単独療法ならびに併用療法においても検討されています。
アストラゼネカのがん免疫療法(IO)への取り組み
がん免疫療法(IO)は、ヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫反応の回避を克服するよう設計された免疫治療によって支えられています。当社は、がん種を問わず、より多くのがん患者さんの長期的な生存に貢献するべく、IOに基づく治療アプローチに投資をしています。
また、イミフィンジの単剤療法およびトレメリムマブやその他新規抗体薬との併用療法に対しては、様々ながん種、病期、治療ラインにおいて、また必要に応じて患者さんにとって最善となる治療の方向性を定義する決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを用いる場面において、包括的な臨床試験プログラムが進行中です。
さらに、当社のIOポートフォリオをアストラゼネカオンコロジー全パイプラインあるいは研究パートナーの放射線療法、化学療法、標的低分子化合物と併用することにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。
アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。
アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については http://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca( https://twitter.com/AstraZeneca )(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
References
1. World Health Organization. Globocan 2020. World fact sheet. Available at: https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/populations/900-world-fact-sheets.pdf . Accessed March 2022.
2. Gennigens C, et al. Optimal treatment in locally advanced cervical cancer. Expert Rev Anticancer Ther. 2021;21(6):657-671.
3. Espenel S, et al. From IB2 to IIIB locally advanced cervical cancers: report of a ten-year experience. Radiat Oncol. 2018;13(16):1-11.
4. Marth C, et al. Cervical cancer: ESMO Clinical Practice Guidelines for diagnosis, treatment and follow-up. Annals of Oncology 2017; 28 (4):IV72-IV83.
プレスリリースは以下よりダウンロードできます。
https://prtimes.jp/a/?f=c-24308-2022033009-785b94d5299ec85e9de35351089058d4.pdf
アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、第III相CALLA試験の結果を発表しました。本試験では、局所進行子宮頸がんの患者さんの治療において、アストラゼネカのイミフィンジ(デュルバルマブ)と化学放射線療法(CRT)の同時併用療法を評価しましたが、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の延長について、単独療法としてのCRTとの比較で統計学的に有意な差は認められませんでした。
アメリカ産科婦人科学会フェローおよびアメリカ外科学会フェローであり、アリゾナ大学医学部教授で、第III相CALLA試験の治験責任医師であるBradley Monk氏は次のように述べています。「今回の結果は統計学的に有意ではなかったものの、新たな治療選択肢のさらなる評価の必要性を裏付けています。また、局所進行子宮頸がん患者さんの治療を改善する今後の方策に向けた情報源となります」。
アストラゼネカのエグゼクティブバイスプレジデント兼オンコロジーR&Dの責任者であるSusan Galbraithは次のように述べています。「CALLA試験では、既存の治療を行っても多くの患者さんで病状が進行してしまう深刻で複雑な疾患である局所進行子宮頸がんを対象に、新しい免疫療法による治療アプローチを検証しました。試験結果は私たちの期待通りではありませんでしたが、試験からの知見により、多くのがん種においてイミフィンジのベネフィットを評価している広範な臨床開発プログラム全体における免疫療法に対する私たちの理解と応用が進むでしょう」。
CALLA試験において両群の安全性および忍容性プロファイルは一貫しており、予期せぬ新たな安全性に関する知見は得られませんでした。CALLA試験のデータは、今後の医学学会で発表される予定です。
※局所進行子宮頸がんに対するイミフィンジの適応は、本邦では未承認です。
以上
*****
局所進行子宮頸がんについて
子宮頸がんは世界で8番目に患者数が多く、毎年約600,000人が診断されています。また、9番目に致死率の高いがんです(1)。子宮頸がん患者さんの約40〜50%は、局所進行期に診断されます(2)。現行の標準治療である白金製剤ベースの化学放射線療法を受けても、局所進行子宮頸がん患者さんの約40%に再発の可能性があり、5年生存率は約65〜70%にとどまります(2,3)。子宮頸がん患者さんに対する標準治療は、この20年間変わっていません(4)。
CALLA試験について
CALLA試験は、無作為化二重盲検国際多施設共同第III相試験です。本試験では、局所進行子宮頸がん患者さん770人が、標準治療であるCRTと、最大24サイクルまたは病勢進行まで4週間ごとに1500mgの固定用量のイミフィンジまたはプラセボのいずれかとの併用療法を受けました。
試験は、米国、欧州、中南米、アフリカ、アジアなど15カ国120施設で実施されました。主要評価項目は無増悪生存期間、重要な副次評価項目は全生存期間、安全性および忍容性でした。試験の詳細情報については、Clinicaltrials.gov( https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03830866 )をご確認ください。
イミフィンジについて
イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。
イミフィンジは、第III相PACIFIC試験に基づき、化学放射線療法後に進行が認められていない患者さんを対象として、切除不能な局所進行(ステージIII)の非小細胞肺がん(NSCLC)における根治目的の治療薬として承認された免疫療法です。
また、イミフィンジは、第III相CASPIAN試験に基づき、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)の治療薬として、米国、欧州、日本、中国およびその他の世界中の多くの国々で承認されています。
イミフィンジはこの1年間、新たに複数のがん種において第III相試験で良好な臨床的ベネフィットを示しました。これには進行胆道がんを対象としたTOPAZ-1試験、切除不能な進行肝がんを対象としたHIMALAYA試験、および転移性NSCLCを対象としたPOSEIDON試験が含まれます。
(これらのがん種に対するイミフィンジの適応は本邦未承認です)
広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、小細胞肺がん(SCLC)、NSCLC、膀胱がん、数種類の消化器がん、卵巣がん、子宮内膜がん、その他の固形がんの治療として、単独療法ならびに併用療法においても検討されています。
アストラゼネカのがん免疫療法(IO)への取り組み
がん免疫療法(IO)は、ヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫反応の回避を克服するよう設計された免疫治療によって支えられています。当社は、がん種を問わず、より多くのがん患者さんの長期的な生存に貢献するべく、IOに基づく治療アプローチに投資をしています。
また、イミフィンジの単剤療法およびトレメリムマブやその他新規抗体薬との併用療法に対しては、様々ながん種、病期、治療ラインにおいて、また必要に応じて患者さんにとって最善となる治療の方向性を定義する決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを用いる場面において、包括的な臨床試験プログラムが進行中です。
さらに、当社のIOポートフォリオをアストラゼネカオンコロジー全パイプラインあるいは研究パートナーの放射線療法、化学療法、標的低分子化合物と併用することにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。
アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。
アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については http://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca( https://twitter.com/AstraZeneca )(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
References
1. World Health Organization. Globocan 2020. World fact sheet. Available at: https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/populations/900-world-fact-sheets.pdf . Accessed March 2022.
2. Gennigens C, et al. Optimal treatment in locally advanced cervical cancer. Expert Rev Anticancer Ther. 2021;21(6):657-671.
3. Espenel S, et al. From IB2 to IIIB locally advanced cervical cancers: report of a ten-year experience. Radiat Oncol. 2018;13(16):1-11.
4. Marth C, et al. Cervical cancer: ESMO Clinical Practice Guidelines for diagnosis, treatment and follow-up. Annals of Oncology 2017; 28 (4):IV72-IV83.
プレスリリースは以下よりダウンロードできます。
https://prtimes.jp/a/?f=c-24308-2022033009-785b94d5299ec85e9de35351089058d4.pdf