上場企業を含む大企業の設備投資意欲高まる! 新型コロナによる新需要や人手不足でIT投資進む
[22/01/31]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
設備投資意欲の動向調査
設備投資は、生産性の向上や市場の拡大への対応を図るうえで欠かせないものです。なかでも昨今のデジタル化や脱炭素化の流れを受け、デジタル投資や環境配慮型設備投資などがとりわけ求められています。2022年度与党税制改正大綱では、5Gの設備投資に対する税額控除制度の期限延長が決まったほか、環境省は脱炭素に向けた投資促進のための出資制度の創設を検討しているなど、政府は引き続き設備投資に関する政策を積極的に推進しています。
そこで帝国データバンクは、「TDB景気動向調査」をもとに、企業の設備投資意欲の動向について分析を行いました。
設備投資意欲は新型コロナの感染が拡大する前の水準を上回るも依然として後退している
日本企業の設備投資に対する意欲は、長年力強さを欠いているなか、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大を背景に一時急低下していました。帝国データバンク「TDB景気動向調査」[1]で算出している設備投資意欲DI[2] (50を上回ると設備投資意欲が前月よりも高まり、下回ると後退していることを表す)は、1回目の緊急事態宣言が発出された2020年4月に32.1に急落し、リーマン・ショック後の2009年4月(33.3)以来の低水準となりました。その後は緩やかに回復し、2021年12月には48.5まで上昇しており、新型コロナ前の2019年4月(48.6)以来2年8カ月ぶりの水準に回復しています。しかし、DIは判断の分かれ目となる50を下回っており、依然として設備投資意欲が後退としている企業が多い状況です
[画像1: https://prtimes.jp/i/43465/414/resize/d43465-414-72029ee549a3cda6ada4-0.png ]
[1] 2021年12月調査の有効回答企業数は1万769社
[2] DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ点数を与え、これらを各選択区分の回答数に乗じて算出している
大企業における設備投資意欲は高まっている一方、中小企業は依然回復途中
設備投資意欲DIを規模別にみると、「大企業」は2021年11月時点で2019年6月以来2年6カ月ぶりに50を上回りました。2021年12月にはDIが50.9、そのうち上場企業は52.6と設備投資意欲が高まっています。一方で、「中小企業」のDIは47.9で、2019年4月以来の水準まで上昇したものの、「大企業」より3.0ポイント低く、依然判断の分かれ目である50を下回りました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/43465/414/resize/d43465-414-0aca1278a104e6f20868-1.png ]
新たな需要の創出のほか、人手不足や高齢化問題が設備投資意欲を高める
新型コロナの感染拡大で生まれた新たな需要の高まりを受け、設備投資に前向きな業種がみられます。なかでも、医療用機械器具需要の好調が続いている「精密機械、医療機械・器具製造」やオンライン授業の需要増加がみられる学習塾などを含む「教育サービス」においては、ニーズに対応するために設備投資意欲が高まっています。
[画像3: https://prtimes.jp/i/43465/414/resize/d43465-414-1c2ee7f5e4ad21e5af75-2.png ]
また、感染拡大により多大な影響を受けている「飲食店」でも人手不足を背景に効率化・自動化設備に投資を検討している企業がみられるほか、非接触型サービスのニーズに対応すべく、セルフレジやスマホ注文システム、運搬ロボットなどを導入する動きも出てきています。
企業に取材をしたところ、以下の声が聞かれました。
新型コロナの感染対策としてオンライン授業の需要の高まりなどを受け、ICT投資を行ってきた。結果、業績が拡大し、新しい事業所を新設し業務効率化のための設備を含め設備投資をする予定(学習塾、東京都)
人手が非常に不足しているため、作業効率を上げるべく新しく設備を導入した。また、2022年度に事業再構築を行い、設備などハード面のみならず、従業員の教育などソフト面にも投資する予定(日本料理店、鹿児島県)
人件費が高まっているため、作業がより簡単にでき、効率を上げるためにIT投資を行った。また、回転すし管理システムを導入し、食品ロスの削減を推進している(すし店、鳥取県)
委託先の事業者の高齢化や後継者不足問題による廃業を受け、自社で製品を製造できるように設備の導入を検討している。また、デジタルカメラや医療用カメラ、半導体製造装置などが好調であるおかげか自社製品に対する需要が増加しており、対応するために設備の買い替えを考えている(光学機械用レンズ・プリズム製造、秋田県)
新型コロナの影響があるなか、新たな需要の創出のみならず、昨今の社会課題である人手不足や高齢化、後継者不足などを背景に設備投資意欲が高まっている業種がみられます。しかし、総じてみると設備投資意欲は依然として力強さを欠いており、特に財務力が比較的弱い中小企業においては投資をすることが困難な企業も多いでしょう。中小企業の設備投資を支援するために、政府や各自治体は補助金制度などさまざまな支援策を講じています。企業にはそのような制度を活用し、作業の効率化を見据えたデジタル投資を行うほか、環境への対応など今後のニーズに対応するような設備投資を行うことが求められています。
設備投資は、生産性の向上や市場の拡大への対応を図るうえで欠かせないものです。なかでも昨今のデジタル化や脱炭素化の流れを受け、デジタル投資や環境配慮型設備投資などがとりわけ求められています。2022年度与党税制改正大綱では、5Gの設備投資に対する税額控除制度の期限延長が決まったほか、環境省は脱炭素に向けた投資促進のための出資制度の創設を検討しているなど、政府は引き続き設備投資に関する政策を積極的に推進しています。
そこで帝国データバンクは、「TDB景気動向調査」をもとに、企業の設備投資意欲の動向について分析を行いました。
設備投資意欲は新型コロナの感染が拡大する前の水準を上回るも依然として後退している
日本企業の設備投資に対する意欲は、長年力強さを欠いているなか、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大を背景に一時急低下していました。帝国データバンク「TDB景気動向調査」[1]で算出している設備投資意欲DI[2] (50を上回ると設備投資意欲が前月よりも高まり、下回ると後退していることを表す)は、1回目の緊急事態宣言が発出された2020年4月に32.1に急落し、リーマン・ショック後の2009年4月(33.3)以来の低水準となりました。その後は緩やかに回復し、2021年12月には48.5まで上昇しており、新型コロナ前の2019年4月(48.6)以来2年8カ月ぶりの水準に回復しています。しかし、DIは判断の分かれ目となる50を下回っており、依然として設備投資意欲が後退としている企業が多い状況です
[画像1: https://prtimes.jp/i/43465/414/resize/d43465-414-72029ee549a3cda6ada4-0.png ]
[1] 2021年12月調査の有効回答企業数は1万769社
[2] DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ点数を与え、これらを各選択区分の回答数に乗じて算出している
大企業における設備投資意欲は高まっている一方、中小企業は依然回復途中
設備投資意欲DIを規模別にみると、「大企業」は2021年11月時点で2019年6月以来2年6カ月ぶりに50を上回りました。2021年12月にはDIが50.9、そのうち上場企業は52.6と設備投資意欲が高まっています。一方で、「中小企業」のDIは47.9で、2019年4月以来の水準まで上昇したものの、「大企業」より3.0ポイント低く、依然判断の分かれ目である50を下回りました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/43465/414/resize/d43465-414-0aca1278a104e6f20868-1.png ]
新たな需要の創出のほか、人手不足や高齢化問題が設備投資意欲を高める
新型コロナの感染拡大で生まれた新たな需要の高まりを受け、設備投資に前向きな業種がみられます。なかでも、医療用機械器具需要の好調が続いている「精密機械、医療機械・器具製造」やオンライン授業の需要増加がみられる学習塾などを含む「教育サービス」においては、ニーズに対応するために設備投資意欲が高まっています。
[画像3: https://prtimes.jp/i/43465/414/resize/d43465-414-1c2ee7f5e4ad21e5af75-2.png ]
また、感染拡大により多大な影響を受けている「飲食店」でも人手不足を背景に効率化・自動化設備に投資を検討している企業がみられるほか、非接触型サービスのニーズに対応すべく、セルフレジやスマホ注文システム、運搬ロボットなどを導入する動きも出てきています。
企業に取材をしたところ、以下の声が聞かれました。
新型コロナの感染対策としてオンライン授業の需要の高まりなどを受け、ICT投資を行ってきた。結果、業績が拡大し、新しい事業所を新設し業務効率化のための設備を含め設備投資をする予定(学習塾、東京都)
人手が非常に不足しているため、作業効率を上げるべく新しく設備を導入した。また、2022年度に事業再構築を行い、設備などハード面のみならず、従業員の教育などソフト面にも投資する予定(日本料理店、鹿児島県)
人件費が高まっているため、作業がより簡単にでき、効率を上げるためにIT投資を行った。また、回転すし管理システムを導入し、食品ロスの削減を推進している(すし店、鳥取県)
委託先の事業者の高齢化や後継者不足問題による廃業を受け、自社で製品を製造できるように設備の導入を検討している。また、デジタルカメラや医療用カメラ、半導体製造装置などが好調であるおかげか自社製品に対する需要が増加しており、対応するために設備の買い替えを考えている(光学機械用レンズ・プリズム製造、秋田県)
新型コロナの影響があるなか、新たな需要の創出のみならず、昨今の社会課題である人手不足や高齢化、後継者不足などを背景に設備投資意欲が高まっている業種がみられます。しかし、総じてみると設備投資意欲は依然として力強さを欠いており、特に財務力が比較的弱い中小企業においては投資をすることが困難な企業も多いでしょう。中小企業の設備投資を支援するために、政府や各自治体は補助金制度などさまざまな支援策を講じています。企業にはそのような制度を活用し、作業の効率化を見据えたデジタル投資を行うほか、環境への対応など今後のニーズに対応するような設備投資を行うことが求められています。