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ー中学1年〜高校2年生9,468人の中高生対象「ICT利用実態調査」ー 高校生の4割が「メールやLINEを書きながら」勉強

コミュニケーションに、趣味に、情報入手に、勉強に。ICTメディアが中高生の生活に浸透。




 株式会社ベネッセホールディングス(本社:岡山市)の社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」では、2014年2月~3月に、全国28の中学校・高校に協力いただき、中学1年生〜高校2年生9,468人を対象にしたICTメディアの利用実態・意識に関する調査を実施しました。現在、多くの中学生・高校生がICTメディアを利用しています。そうした状況は、子どもたちの生活や文化にどのような影響を与えているのでしょうか。本調査は、できる限り子どもたちの目線で、ICT利用の現状と彼らの本音を明らかにしようとしているのが特徴です。

 主な調査結果は、以下の通りです。

スマホなしでもインターネットにつながる中学生
1. 中学生87%、高校生97%がインターネットを利用。中学生のアクセスデバイスは多様に。
・中学生の87.3%、高校生の96.9%が、ふだんインターネットやメールを使っていると回答(「使っている」と「ときどき使っている」の合計)。中学生でも9割近くがインターネットを利用している。
・インターネット利用者にアクセスツールをたずねたところ、「スマートフォン」は高校生で86.1%と高いものの、中学生は42.1%にとどまる。中学生は「パソコン」(54.6%)、「携帯音楽プレーヤー」(28.5%)、「タブレット端末」(18.7%)、「ゲーム機」(23.8%)など、いろいろな方法でアクセスしている(複数回答)。

インターネットがコミュニケーションに不可欠に
2. ネット上でコミュニケーションをしている中学生の63%、高校生の60%が、「メールがきたらすぐに返事」。
・中学生の64.8%、高校生の92.1%が、コミュニケーションを目的にインターネットを利用している(メール、チャット(LINEなど)、Twitter、SNSのいずれかを週1回以上行っている比率)。1日のコミュニケーション目的での利用時間(平均)は1時間を超え、仲間とのやりとりに欠かせないツールになっている。
・インターネット利用者のうち、「メールがきたらすぐに返事を出す」のは中学生で63.3%、高校生で59.8%。コミュニケーションを大切にしている様子がうかがえるが、「メールのやりとりが嫌になることがある」(中学生28.2%、高校生51.6%)、「メールやチャットを終えるタイミングが難しい」(中学生31.6%、高校生40.4%)といったわずらわしさを感じる中高生も多い。

オンライン上で広がる「趣味」のつながり
3. 中高生の5人に1人はオンライン上で趣味の発信やコミュニティへの参加をしている。
・インターネット利用者のうち、オンライン上で知り合った人がいる比率は、中学生で24.7%、高校生で24.3%。およそ4分の1が、本来ならば知り合いにはなりにくかった人とのつながりを持っている。
・また、中学生の21.8%、高校生の22.4%が、オンライン上で趣味のつながり(情報発信やコミュニティ参加)があると回答。インターネットが共通の趣味を持つ人とつながるツールになっている。

情報の入手にもインターネットが欠かせない
4. 中学生の50%、高校生の68%がインターネット経由で社会のできごとに関する情報を入手。
・社会のできごとに関する情報(ニュース)の入手にインターネットを使う比率*は、中学生で50.2%、高校生で68.3%と半数を超える。とくに「Twitter」の利用率が高く、高校生では39.6%で、「家族との会話」(35.1%)や「友だちからの口コミ」(21.9%)を上回る。*「新聞社のニュースサイト」「ポータルサイトの運営するニュースサイト」「LINE」「Twitter」「SNSサイト」「インターネットの掲示板」「インターネットのまとめサイト」のいずれかを選択。
・ただし、「インターネット上の情報について、正しさを確認する方法がわからない」と不安を感じている子どもも多く、中学生の38.9%、高校生の49.2%が「あてはまる」(とても+まあ)と回答。

勉強のときも「デバイス片手に」が普通に
5. 高校生の4割が、勉強中にもメールやチャット。友だちへの質問に使う割合も、5割近くいる。
・「メールやチャット(LINEなど)を書きながら(返事を出す場合も含む)」勉強することがある比率は、中学生で24.3%、高校生で37.5%。一定の割合の中高生が、勉強のときにもコミュニケーションで使用している。
・勉強への利用も進む。「辞書を使う」(中学生45.6%、高校生48.3%)、「メールやチャットで友だちに質問」(中学生26.4%、高校生48.3%)、「レポートの情報収集」(中学生30.2%、高校生45.0%)などが多い。

調査結果からみえてきたこと

 本調査では、中学生の9割、高校生はほとんどが普段インターネットを利用しており、そのアクセスツールも多様になってきていることが明らかになりました。特に高校生と比べスマートフォンの保有率の低い中学生は、スマートフォンやパソコン以外に「携帯音楽プレーヤー」や「タブレット端末」、「ゲーム機」からもインターネットにアクセスをしています。特定のツールに限定されず、様々な形でインターネット利用できる環境が中高生の間でも広がってきているようです。
 こうしたICTメディアによるいつでもどこでもネットにアクセス可能な環境への変化は、中高生の時間の使い方だけでなく、ネット経由の手軽な情報収集や、趣味に関する活動の活発化や、ネットワークの広がり、学習での積極的な活用など日常の様々な行動に影響を与えていることがわかりました。しかしメディア利用すべてがポジティブで楽しいものというわけでもないようです。「メールのやりとりが嫌になることがある」といった煩わしさや「インターネット上の情報について正しさを確認する方法がわからない」といった不安を抱えながら利用している子どもも相当数存在することも明らかになりました。
 将来、デジタル社会を生き抜いていかなければならない子どもたちは、ICTメディアを、そのメリットも享受しながら自律的に使いこなす力を身につけていくことが求められます。そのために、周りの大人は、ICT環境の変化にあわせた情報リテラシー教育や生活習慣の大切さを啓発するなど、社会全体としてサポートをしていく必要があるでしょう。

【調査概要】
■名称 中高生のICT利用実態調査
■調査テーマ 中学生・高校生のICTメディアの利用実態と意識
■調査方法 学校通しの質問紙による自記式調査
■調査時期 2014年2月〜3月
■調査対象 中学1年生〜高校2年生 9,468名(有効回答数)
中学生:3,203名(13校) 高校生:6,265名(15校)
※中学生については、大都市(東京23区内)、中都市(地方中規模都市)、郡部(町村部)の3地域区分を設定してサンプルを抽出。
※高校生については、上記に準じる地域区分に加え、学校の偏差値層を考慮してサンプルを抽出。対象校は全日制普通科(理数科含む。)
※調査対象校はすべて公立。
■調査項目 ICTメディアの利用/インターネットの利用内容/利用時間/情報発信行動/コミュニケーションツールの利用/オンラインで知り合った友だち/ルールや自制意識/オンラインでのコミュニケーションに対する意識/ICTメディアの学習利用/ながら学習/趣味のつながり/社会のできごとに関する情報源/情報リテラシー など
■調査・分析 協力者 
木村 忠正 先生(東京大学 教授)・中西 新太郎 先生(元横浜市立大学 教授)・藤川 大祐 先生(千葉大学 教授)

本リリース内容の詳細につきましては、ベネッセ教育総合研究所のホームページから「中高生のICT利用実態調査」報告書をダウンロードできます。こちらもあわせてご覧ください。http://berd.benesse.jp/shotouchutou/


【添付資料】 「中高生のICT利用実態調査」 詳細データ
各図表は、分析対象が異なります。図のタイトルに[中高生全体]とある場合は、中学生3,203人、高校生6,265人、[インターネット利用者]とある場合は、中学生2,796人、高校生6,070人となります。

図1 インターネットやメールの利用状況[中高生全体]


図2 アクセスデバイス(学年別・中高別)[インターネット利用者]
Q.インターネットやメールをする時、何を使っていますか。(複数回答)


図3 コミュニケーション利用時間(1 日あたり)[インターネット利用者]
■メールやチャット(LINE など)、SNS(mixi、Facebok など)、Twitter をする時間(1 日あたり)


注)平均時間は、「しない」を0、「15 分くらい」を0.25、「30 分くらい」を0.5・・・「5 時間くらい」を5、「5 時間より多い」を6 として算出している(無回答を除く)。

図4 メールなどのオンライン上のコミュニケーションに対する意識[インターネット利用者]
Q.次のようなことはあなたにどれくらいあてはまりますか。
※「メール」にはチャット(LINE など)やSNS の個人宛のメッセージも含みます。


図5 オンライン上で知り合った人のいる割合とそのうち会った経験の有無[インターネット利用者]
Q1.あなたはふだん、次のような人とメールやチャット(LINE など)やSNS(mixi、Facebook など)、
Twitter でつながっていますか。:「インターネットで知り合った人・友だち」
Q2.あなたは、インターネットを通じて知り合った人と、直接会ったことがありますか。


注)[]内の値は、インターネット利用者全体を分母とした時の割合を表す。


図6 趣味の情報発信やコミュニティへの参加の有無[中高生全体]
Q.あなたの趣味のうち、インターネット上で、あなたが情報や作品などを発信したり、趣味のグループや
コミュニティに参加しているものはありますか。


図7 社会のできごとに関する情報入手経路[中高生全体]
Q.あなたはふだん、ニュースなど社会のできごとに関する情報を何から入手していますか。(複数回答)


注)「ネット経由」とは、「新聞社のニュースサイト」「ポータルサイトの運営するニュースサイト」「LINE]「Twitter」「SNS サイト(mixi、Facebook など)」「インターネットの掲示板」「インターネットのまとめサイト」のいずれかに該当する割合。


図8 情報リテラシー[インターネット利用者] 注)図上
Q.インターネットの情報を利用するにあたり、あなたには次のようなことがどれくらいあてはまりますか。


図9 学習時のながら行動[中高生全体] 注)図下
Q.あなたは家で、次のようなことをしながら勉強をすることがありますか。(複数回答)


注)「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%。

図10 ICT メディアの学習利用[中高生全体]


注)「よくある」+「ときどきある」の%。
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