学習における「中2問題(プロブレム)」 中2生は勉強嫌いが約6割大規模な追跡調査で判明した「勉強が好きになった子」の特徴とは
[17/04/19]
提供元:PRTIMES
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東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所 共同研究プロジェクト「子どもの生活と学びに関する親子調査2016」結果速報
東京大学社会科学研究所(東京都文京区)と株式会社ベネッセホールディングス(本社:岡山市)の社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」は、2014年に、「子どもの生活と学び」の実態を明らかにする共同研究プロジェクト(親子パネル調査※)を立ち上げました。
このプロジェクトでは、同一の親子(小学1年生から高校3年生、約2万1千組)を対象に、2015年以降、複数の調査を実施しています。今回は、2015年と2016年の2時点における調査から、12学年にわたる学習の実態や変化を明らかにしました。主に、学習意欲(勉強の好き嫌い)に注目し、勉強が好きになった子にはどのような特徴があるのかを検討しています。
本調査の主な結果は、以下の通りです。
[表1: https://prtimes.jp/data/corp/120/table/570_1.jpg ]
※「子どもの生活と学び」研究プロジェクト・親子パネル調査
小学1年生から高校3年生までの親子(約2万1千組の調査モニター)に対して、子どもの生活や学習の状況、保護者の子育ての様子をとらえる定期的な調査を毎年1回以上行い、子どもの成長のプロセスや成長に必要な環境・働きかけを明らかにしています。12学年にわたる親子の実態を捉えることができる調査としては国内で類をみない規模であり、子どもの成長・発達、子育て・教育のあり方を考えるうえで貴重なデータといえます。本プロジェクトでは、子どもの自立を「生活者としての自立」「学習者としての自立」「社会人としての自立」の3つの側面でとらえ、2015年調査は「生活者としての自立」、2016年調査は「学習者として自立」をテーマに実施しています。
●東京大学社会科学研究所・本プロジェクトHP:http://web.iss.u-tokyo.ac.jp/clal/
●ベネッセ教育総合研究所・本プロジェクトHP:http://berd.benesse.jp/special/childedu/
今回の調査では、子どもが自ら学び続けるうえで重要な要素である「勉強が好き」の比率が小6生から中2生にかけて減少し、「嫌い」が大幅に増えることがわかりました。「嫌い」の比率は中3生以降も高く、勉強が嫌いなまま高校を卒業する子どもたちが多くいます。
一方で、1年間の追跡調査の結果からは、勉強が「嫌い」な子どもが増える中学生以降にも、「勉強が好きになった子」が1割程度いることがわかりました。こうした子どもの特徴を分析することで、勉強が好きになるためにはどうしたらよいかを考える手がかりが得られます。この子たちの多くは、「新しいことを知るのがうれしい」(内発的動機づけ)、「自分の希望する高校や大学に進みたい」(同一化的動機づけ)といった高い学習意欲をもち、さまざまな学習方法を工夫しています。また、追跡した1年の間に学習時間を増やしたり、成績が上がったりした比率が相対的に高いのも特徴です。学習動機をもち、一定の学習時間を確保し、効果的な学習方法を身につけていくことが、「勉強好きな子ども」を育てるうえでとても大切なことがわかります。
これ以外にも、本調査の中には、「中2問題」を解決するヒント、「勉強好きな子ども」を育てるヒントがたくさんあります。本プロジェクトでは、子どもの「自立」の重要な要素の一つである「学習」について継続的に調査します。日ごろの経験や学校生活は学習にどう影響しているのか、保護者や周囲の大人はどのような支援をすべきかなどについて分析を深め、今後も結果を発信していきます。
■調査概要
[表2: https://prtimes.jp/data/corp/120/table/570_2.jpg ]
■主な調査結果
1.中2生と高1生は、1年前よりも学習時間を減らす子どもが5〜6割いる。
●図1 平均学習時間(1日あたり、学年別・平均時間、2016 年)
[画像1: https://prtimes.jp/i/120/570/resize/d120-570-786217-0.jpg ]
●図2 学習時間の1年間の変化(1日あたり、学年別、2015年7月→2016年7月の1年間)
[画像2: https://prtimes.jp/i/120/570/resize/d120-570-523278-1.jpg ]
2.勉強が「嫌い」は中2生ではじめて半数を超え、約6割に。
●図3 勉強が「嫌い」の比率(学年別、2016年)
[画像3: https://prtimes.jp/i/120/570/resize/d120-570-306624-2.jpg ]
3.1年の間に「嫌い」だった勉強が「好き」に変わる子どもが約1割いる。
●図4 勉強の好き嫌いの1年間の変化(学年別、2015年7月→2016年7月の1年間)
[画像4: https://prtimes.jp/i/120/570/resize/d120-570-558671-3.jpg ]
4.勉強が「好き」になった子どもは、学習時間が増加し、成績も上昇。
●図5 学習時間と成績の1年間の変化(中学生、2015年7月→2016年7月の1年間、勉強の好き嫌いの変化別)
[画像5: https://prtimes.jp/i/120/570/resize/d120-570-524175-4.jpg ]
5.勉強が「好き」になった子どもは、高い学習意欲をもち、学習方法を工夫している。
●図6 勉強する理由(中学生、2016年、勉強の好き嫌いの変化別)
[画像6: https://prtimes.jp/i/120/570/resize/d120-570-577838-5.jpg ]
●図7 勉強方法(学習方略)(中学生、2016年、勉強の好き嫌いの変化別)
[画像7: https://prtimes.jp/i/120/570/resize/d120-570-839816-6.jpg ]
●今回の調査結果は以下のページで公開しています。
http://berd.benesse.jp/shotouchutou/research/detail1.php?id=5095
●今後も、子どもが自立するうえでの課題とその解決にむけた発信を続けていきます。
※6月以降、定期的にニューズレターなどを配信予定。
以 上
東京大学社会科学研究所(東京都文京区)と株式会社ベネッセホールディングス(本社:岡山市)の社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」は、2014年に、「子どもの生活と学び」の実態を明らかにする共同研究プロジェクト(親子パネル調査※)を立ち上げました。
このプロジェクトでは、同一の親子(小学1年生から高校3年生、約2万1千組)を対象に、2015年以降、複数の調査を実施しています。今回は、2015年と2016年の2時点における調査から、12学年にわたる学習の実態や変化を明らかにしました。主に、学習意欲(勉強の好き嫌い)に注目し、勉強が好きになった子にはどのような特徴があるのかを検討しています。
本調査の主な結果は、以下の通りです。
[表1: https://prtimes.jp/data/corp/120/table/570_1.jpg ]
※「子どもの生活と学び」研究プロジェクト・親子パネル調査
小学1年生から高校3年生までの親子(約2万1千組の調査モニター)に対して、子どもの生活や学習の状況、保護者の子育ての様子をとらえる定期的な調査を毎年1回以上行い、子どもの成長のプロセスや成長に必要な環境・働きかけを明らかにしています。12学年にわたる親子の実態を捉えることができる調査としては国内で類をみない規模であり、子どもの成長・発達、子育て・教育のあり方を考えるうえで貴重なデータといえます。本プロジェクトでは、子どもの自立を「生活者としての自立」「学習者としての自立」「社会人としての自立」の3つの側面でとらえ、2015年調査は「生活者としての自立」、2016年調査は「学習者として自立」をテーマに実施しています。
●東京大学社会科学研究所・本プロジェクトHP:http://web.iss.u-tokyo.ac.jp/clal/
●ベネッセ教育総合研究所・本プロジェクトHP:http://berd.benesse.jp/special/childedu/
今回の調査では、子どもが自ら学び続けるうえで重要な要素である「勉強が好き」の比率が小6生から中2生にかけて減少し、「嫌い」が大幅に増えることがわかりました。「嫌い」の比率は中3生以降も高く、勉強が嫌いなまま高校を卒業する子どもたちが多くいます。
一方で、1年間の追跡調査の結果からは、勉強が「嫌い」な子どもが増える中学生以降にも、「勉強が好きになった子」が1割程度いることがわかりました。こうした子どもの特徴を分析することで、勉強が好きになるためにはどうしたらよいかを考える手がかりが得られます。この子たちの多くは、「新しいことを知るのがうれしい」(内発的動機づけ)、「自分の希望する高校や大学に進みたい」(同一化的動機づけ)といった高い学習意欲をもち、さまざまな学習方法を工夫しています。また、追跡した1年の間に学習時間を増やしたり、成績が上がったりした比率が相対的に高いのも特徴です。学習動機をもち、一定の学習時間を確保し、効果的な学習方法を身につけていくことが、「勉強好きな子ども」を育てるうえでとても大切なことがわかります。
これ以外にも、本調査の中には、「中2問題」を解決するヒント、「勉強好きな子ども」を育てるヒントがたくさんあります。本プロジェクトでは、子どもの「自立」の重要な要素の一つである「学習」について継続的に調査します。日ごろの経験や学校生活は学習にどう影響しているのか、保護者や周囲の大人はどのような支援をすべきかなどについて分析を深め、今後も結果を発信していきます。
■調査概要
[表2: https://prtimes.jp/data/corp/120/table/570_2.jpg ]
■主な調査結果
1.中2生と高1生は、1年前よりも学習時間を減らす子どもが5〜6割いる。
●図1 平均学習時間(1日あたり、学年別・平均時間、2016 年)
[画像1: https://prtimes.jp/i/120/570/resize/d120-570-786217-0.jpg ]
●図2 学習時間の1年間の変化(1日あたり、学年別、2015年7月→2016年7月の1年間)
[画像2: https://prtimes.jp/i/120/570/resize/d120-570-523278-1.jpg ]
2.勉強が「嫌い」は中2生ではじめて半数を超え、約6割に。
●図3 勉強が「嫌い」の比率(学年別、2016年)
[画像3: https://prtimes.jp/i/120/570/resize/d120-570-306624-2.jpg ]
3.1年の間に「嫌い」だった勉強が「好き」に変わる子どもが約1割いる。
●図4 勉強の好き嫌いの1年間の変化(学年別、2015年7月→2016年7月の1年間)
[画像4: https://prtimes.jp/i/120/570/resize/d120-570-558671-3.jpg ]
4.勉強が「好き」になった子どもは、学習時間が増加し、成績も上昇。
●図5 学習時間と成績の1年間の変化(中学生、2015年7月→2016年7月の1年間、勉強の好き嫌いの変化別)
[画像5: https://prtimes.jp/i/120/570/resize/d120-570-524175-4.jpg ]
5.勉強が「好き」になった子どもは、高い学習意欲をもち、学習方法を工夫している。
●図6 勉強する理由(中学生、2016年、勉強の好き嫌いの変化別)
[画像6: https://prtimes.jp/i/120/570/resize/d120-570-577838-5.jpg ]
●図7 勉強方法(学習方略)(中学生、2016年、勉強の好き嫌いの変化別)
[画像7: https://prtimes.jp/i/120/570/resize/d120-570-839816-6.jpg ]
●今回の調査結果は以下のページで公開しています。
http://berd.benesse.jp/shotouchutou/research/detail1.php?id=5095
●今後も、子どもが自立するうえでの課題とその解決にむけた発信を続けていきます。
※6月以降、定期的にニューズレターなどを配信予定。
以 上