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破壊的イノベーションが民主主義を脅かす!スタンフォード大学からの警鐘『システム・エラー社会 「最適化」至上主義の罠』が発売

米国・スタンフォード大学社会倫理教育センター(哲学)、コンピュータサイエンス、政治学の3教授が、テクノロジーによる最適化を通した人類の繁栄と個人の幸福を両立させる方法を模索する一冊

 いまや政治家や経済学者よりも社会に対して大きな影響力を持つ巨大テクノロジー企業(ビッグ・テック)を動かすIT技術者(テクノロジスト)。さまざまな革新的イノベーションを生み出す彼らに特有のマインドセットが「最適化」、すなわち、システムやプログラムを、特定の目的に対して最も効率的なように設計することです。この「特定の目的」に対して効率化を追求する姿勢は、気候変動、貧困、メンタルヘルス、人種差別など、人類の抱える多様な問題とどのような関係をもつのでしょうか?
 このたび発売の『システム・エラー社会 「最適化」至上主義の罠』(NHK出版、2022年12月26日発売)では、シリコンバレーに多数の人材を送り出す米国・スタンフォード大学のロブ・ライヒ氏(社会倫理教育センター)、メラン・サハミ氏(コンピュータサイエンス学部)、ジェレミー・M・ワインスタイン氏(政治学)の3教授が、技術革新による人類の繁栄と、個人の幸福やプライバシーのような価値を両立させる方法を問いかけます。




[画像1: https://prtimes.jp/i/18219/604/resize/d18219-604-8b245849872041be334b-0.png ]

 著者の3教授は、スタンフォード大学のコンピュータ工学における倫理教育プログラムの刷新を主導しています。同大学の学生の間では、「テクノロジーは貧困を終わらせ、人種差別を解決し、機会均等を実現し、民主主義を強化する能力を備え、さらに独裁政権の打倒にも役立つ」というような、イノベーションやディスラプションを無条件に賛美する考え方が拡大しています。しかし、著者たちは、そうしたユートピア的なテクノロジー信仰に危惧を抱いています。政治家のSNSアカウントがいち民間企業によって凍結させられる状況や、駐車違反の罰金を取り消させるチャットボットの開発は、はたして人類の幸福のために有効なのでしょうか?
 テクノロジスト、哲学者、政策立案者という専門知識・視点で、行き過ぎたテクノロジー偏重指向は公平やプライバシー、個人の幸福の追求などに損失を与えており、本来の目的である世界を良い場所にすることはないと警笛を鳴らします。そして、真に豊かな民主主義社会の実現に向け、テクノロジーがより良い未来に進むための道について、3部8章建ての本書を通じ説きます。

 テクノロジーの進歩は、私たちに必要なものです。新型コロナウイルスのパンデミック下、インターネット技術が無ければ、世界はどうなっていたでしょうか。著者たちは、テクノロジーの恩恵にあずかり、仕事で活用する個人として、そして危機に瀕する民主主義社会の市民として、本書を通じてよく考え新しい道を前進してほしいと語ります。

著者

ロブ・ライヒ(ROB REICH)
哲学者。スタンフォード大学社会倫理教育センターのディレクター、人間中心人工知能センターのアソシエイト・ディレクターを務める。倫理とテクノロジーの関係について考えるトップランナーであり、数々の教育賞を受賞している。

メラン・サハミ(MEHRAN SAHAMI)
エンジニア。グーグル草創期、セルゲイ・ブリンに登用され、eメールのスパムフィルタリング技術開発チームの一員となった。機械学習と人工知能の背景を持ち、2007年にスタンフォード大学コンピュータサイエンス教授。

ジェレミー・M・ワインスタイン(JEREMY M. WEINSTEIN)
政治学者。2009年にオバマ大統領のもとワシントンに入る。テクノロジーが政府と市民の関係を変化させるという予測のもと、アメリカ合衆国政府の主要スタッフとしてオバマのオープン・ガバメント・パートナーシップを立ち上げた。2015年にスタンフォード大学政治学教授に就任。

『システム・エラー社会 「最適化」至上主義の罠』 目次

はじめに
イントロダクション
第一部 「テクノロジスト」の解読
 第一章 不完全なマインドセット「最適化」
 第二章 ハッカーとVCの結託は問題含み
 第三章 破壊的イノベーションVS民主主義
第二部 「テクノロジー」の分析
 第四章 アルゴリズムの意思決定は公正か
 第五章 プライバシーに価値はあるか
 第六章 スマートマシンの世界で人類は繁栄できるか
 第七章 インターネットに言論の自由はあるか
第三部 未来を再コーディングする
 第八章 民主主義は難局を乗り切れるか
謝辞
原注

商品情報


[画像2: https://prtimes.jp/i/18219/604/resize/d18219-604-206cf7e8e5d27dbd169e-1.png ]

『システム・エラー社会 「最適化」至上主義の罠』
出版社:NHK出版
発売日:2022年12月26日
定価:2,970円(本体2,700円)
判型:四六判
ページ数:432ページ
ISBN:978-4-14-081927-2
NHK出版ECサイト:
https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000819272022.html
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4140819278/
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