立ち遅れるサハラ以南のアフリカ 汚れた水、不衛生な生活環境が毎日500人の幼い命を奪う 【プレスリリース】
[15/12/15]
提供元:PRTIMES
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アフリカの水・衛生分野への融資会合、12/15-17 セネガルで
[画像1: http://prtimes.jp/i/5176/608/resize/d5176-608-392371-1.jpg ]
※本信は、ユニセフ本部の発信情報をもとに日本ユニセフ協会が作成・配信しています。
※原文は、http://www.unicef.org/media/media_86521.htmlからご覧いただけます。
【2015年12月15日 ダカール(セネガル)発】
ダカールで今日から17日まで開催される水と衛生分野の会合に先立ち、ユニセフ(国連児童基金)は、サハラ以南のアフリカでは、不衛生な水や生活環境に起因する下痢性疾患によって年間18万人(1日におよそ500人)の5歳未満児が命を失っていると述べました。
「毎日子どもたちが命を落とし、多くの子どもが発育阻害に苦しみ、莫大な経済的損失を出す、このような日常があってはなりません」と、ユニセフ西部・中部アフリカ地域事務所代表のマヌエル・フォンテーヌは語ります。「前進の速度を飛躍的に加速させなくてはいけません。安定した資金を確保し、権限をもつ人々の優先事項を変えていく強い政策を施行しようとしています」
現在、世界の安全な飲料水を手に入れられない人々の半数近くが、サハラ以南のアフリカで暮らしています。またこの地域では7億人もの人々が、改善されたトイレを使用することができません。この25年間で人口が2倍近くになったにも関わらず、トイレを使える人の割合は6%、安全な水を使える人の割合は20%しか増えておらず、何百万もの人々が取り残されています。
急激な人口増加は、政府による社会サービス整備の努力を上回る勢いです。迅速な行動がなければ、今後20年で、状況は著しく悪化するだろうとユニセフは訴えています。たとえば、屋外で排泄する人の数は、1990年時点よりも増えているのです。この屋外排泄は、子どもたちの間で増加する発育阻害につながっています。
[画像2: http://prtimes.jp/i/5176/608/resize/d5176-608-673354-2.jpg ]
西部・中部アフリカ地域で初めての「Innovative Financing for Water Sanitation & Hygiene Conference(水と衛生のための革新的融資会合)」は、セネガル政府と水に関するアフリカ閣僚会議(AMCOW)との協力のもと、ユニセフが開催します。
ユニセフは、会合にサハラ以南の24カ国*の政府を招きました。主要な投資銀行や国際機関、企業、専門家などと一堂に会し、西部・中部アフリカ地域全体に安全な水と衛生環境を行き渡らせるために必要な、年間200〜300億米ドルの資金を調達する新しいメカニズムを見つけ出すことを目的としています。
不衛生な水や生活環境による経済的損失は、年間2,600億米ドルに上ると国連は試算しています。水や衛生施設へのアクセスが最も遅れている西部・中部アフリカ地域は、この損失の大きな部分を負っています。
西部・中部アフリカ地域には、国民全員が安全な飲料水を手に入れられる状況の国はありません。ユニセフとWHO(世界保健機関)が発表した共同監査プログラム(JMP)の年次報告書(2015)**によると、最も水へのアクセス率が高い国はサントメ・プリンシペ(97%)、ガボン(93%)、カボヴェルデ(92%)であり、最も低い国は赤道ギニア(48%)、チャド(51%)、コンゴ民主共和国(52%)です。
トイレへのアクセスは、さらに大きな課題です。最もその割合が高い国々でも、4人に1人は適切なトイレを利用することができません。赤道ギニア(75%)、カボヴェルデ(72%)、ガンビア(59%)がトイレへのアクセスが最も割合が高い上位3カ国です。一方、最も低いのは、ニジェール(11%)、トーゴ(12%)、チャド(12%)でした。
しかしながら、水と衛生分野への資金拠出は、不安定かつ不十分です。アフリカ諸国はいずれも、水と衛生分野に充てている予算はGDPの0.5%以下です。同時に、2012年に水と衛生分野に充てられた政府開発援助(ODA)38億米ドルのうち、4分の3は水分野に使われ、残る4分の1が衛生分野でした。
[画像3: http://prtimes.jp/i/5176/608/resize/d5176-608-538532-3.jpg ]
水・衛生分野の資金の多くが、既に改善している国に充てられていたり、都市部に比べて農村部の状況が悪かったとしても、都市部のシステム整備に優先的に充てられがちです。
会合の中では、水と衛生分野への資金モデルとして、村落部の水と衛生へのアクセスを改善するための小規模ローンや当該国内で水と衛生分野に参入する中小企業に資本金を支援する信用基金など、さまざまな資金システムについて議論が交わされます。
「何をする必要があるかを把握すると同時に、より早くよりよい形でそれを実行する方法を見つけ出さなくてはなりません。机上には多くの選択肢がありますが、子どもたちに我々おとなの行動不足の代価を払わせ続けるという選択肢だけはありません」(フォンテーヌ代表)
注記)
*融資会合参加政府:ベナン、ブルキナファソ、カメルーン、カボヴェルデ、中央アフリカ共和国、チャド、コンゴ、コンゴ民主共和国、コートジボワール、赤道ギニア、ガボン、ガンビア、ガーナ、ギニア、ギニアビサウ、リベリア、マリ、モーリタニア、ニジェール、ナイジェリア、サントメ・プリンシペ、セネガル、シエラレオネ、トーゴ、 その他参加機関は http://washfinance.strikingly.com/ でご確認いただけます。
**ユニセフ/WHO(世界保健機関)による「共同監査プログラム(JMP)年次報告書2015」(6/30発表)は、http://www.unicef.or.jp/news/2015/0202.html からご覧いただけます。
* * *
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(http://www.unicef.org/)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (http://www.unicef.or.jp/)
[画像1: http://prtimes.jp/i/5176/608/resize/d5176-608-392371-1.jpg ]
※本信は、ユニセフ本部の発信情報をもとに日本ユニセフ協会が作成・配信しています。
※原文は、http://www.unicef.org/media/media_86521.htmlからご覧いただけます。
【2015年12月15日 ダカール(セネガル)発】
ダカールで今日から17日まで開催される水と衛生分野の会合に先立ち、ユニセフ(国連児童基金)は、サハラ以南のアフリカでは、不衛生な水や生活環境に起因する下痢性疾患によって年間18万人(1日におよそ500人)の5歳未満児が命を失っていると述べました。
「毎日子どもたちが命を落とし、多くの子どもが発育阻害に苦しみ、莫大な経済的損失を出す、このような日常があってはなりません」と、ユニセフ西部・中部アフリカ地域事務所代表のマヌエル・フォンテーヌは語ります。「前進の速度を飛躍的に加速させなくてはいけません。安定した資金を確保し、権限をもつ人々の優先事項を変えていく強い政策を施行しようとしています」
現在、世界の安全な飲料水を手に入れられない人々の半数近くが、サハラ以南のアフリカで暮らしています。またこの地域では7億人もの人々が、改善されたトイレを使用することができません。この25年間で人口が2倍近くになったにも関わらず、トイレを使える人の割合は6%、安全な水を使える人の割合は20%しか増えておらず、何百万もの人々が取り残されています。
急激な人口増加は、政府による社会サービス整備の努力を上回る勢いです。迅速な行動がなければ、今後20年で、状況は著しく悪化するだろうとユニセフは訴えています。たとえば、屋外で排泄する人の数は、1990年時点よりも増えているのです。この屋外排泄は、子どもたちの間で増加する発育阻害につながっています。
[画像2: http://prtimes.jp/i/5176/608/resize/d5176-608-673354-2.jpg ]
西部・中部アフリカ地域で初めての「Innovative Financing for Water Sanitation & Hygiene Conference(水と衛生のための革新的融資会合)」は、セネガル政府と水に関するアフリカ閣僚会議(AMCOW)との協力のもと、ユニセフが開催します。
ユニセフは、会合にサハラ以南の24カ国*の政府を招きました。主要な投資銀行や国際機関、企業、専門家などと一堂に会し、西部・中部アフリカ地域全体に安全な水と衛生環境を行き渡らせるために必要な、年間200〜300億米ドルの資金を調達する新しいメカニズムを見つけ出すことを目的としています。
不衛生な水や生活環境による経済的損失は、年間2,600億米ドルに上ると国連は試算しています。水や衛生施設へのアクセスが最も遅れている西部・中部アフリカ地域は、この損失の大きな部分を負っています。
西部・中部アフリカ地域には、国民全員が安全な飲料水を手に入れられる状況の国はありません。ユニセフとWHO(世界保健機関)が発表した共同監査プログラム(JMP)の年次報告書(2015)**によると、最も水へのアクセス率が高い国はサントメ・プリンシペ(97%)、ガボン(93%)、カボヴェルデ(92%)であり、最も低い国は赤道ギニア(48%)、チャド(51%)、コンゴ民主共和国(52%)です。
トイレへのアクセスは、さらに大きな課題です。最もその割合が高い国々でも、4人に1人は適切なトイレを利用することができません。赤道ギニア(75%)、カボヴェルデ(72%)、ガンビア(59%)がトイレへのアクセスが最も割合が高い上位3カ国です。一方、最も低いのは、ニジェール(11%)、トーゴ(12%)、チャド(12%)でした。
しかしながら、水と衛生分野への資金拠出は、不安定かつ不十分です。アフリカ諸国はいずれも、水と衛生分野に充てている予算はGDPの0.5%以下です。同時に、2012年に水と衛生分野に充てられた政府開発援助(ODA)38億米ドルのうち、4分の3は水分野に使われ、残る4分の1が衛生分野でした。
[画像3: http://prtimes.jp/i/5176/608/resize/d5176-608-538532-3.jpg ]
水・衛生分野の資金の多くが、既に改善している国に充てられていたり、都市部に比べて農村部の状況が悪かったとしても、都市部のシステム整備に優先的に充てられがちです。
会合の中では、水と衛生分野への資金モデルとして、村落部の水と衛生へのアクセスを改善するための小規模ローンや当該国内で水と衛生分野に参入する中小企業に資本金を支援する信用基金など、さまざまな資金システムについて議論が交わされます。
「何をする必要があるかを把握すると同時に、より早くよりよい形でそれを実行する方法を見つけ出さなくてはなりません。机上には多くの選択肢がありますが、子どもたちに我々おとなの行動不足の代価を払わせ続けるという選択肢だけはありません」(フォンテーヌ代表)
注記)
*融資会合参加政府:ベナン、ブルキナファソ、カメルーン、カボヴェルデ、中央アフリカ共和国、チャド、コンゴ、コンゴ民主共和国、コートジボワール、赤道ギニア、ガボン、ガンビア、ガーナ、ギニア、ギニアビサウ、リベリア、マリ、モーリタニア、ニジェール、ナイジェリア、サントメ・プリンシペ、セネガル、シエラレオネ、トーゴ、 その他参加機関は http://washfinance.strikingly.com/ でご確認いただけます。
**ユニセフ/WHO(世界保健機関)による「共同監査プログラム(JMP)年次報告書2015」(6/30発表)は、http://www.unicef.or.jp/news/2015/0202.html からご覧いただけます。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(http://www.unicef.org/)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (http://www.unicef.or.jp/)