南スーダン 280万人を襲う食糧危機に警鐘【共同プレスリリース】
[16/02/09]
提供元:PRTIMES
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収穫期後も飢餓が進行、まもなく長く厳しい“lean season”到来
[画像1: http://prtimes.jp/i/5176/625/resize/d5176-625-825051-1.jpg ]
※本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。
※本信の原文は、http://www.unicef.org/media/media_90148.html からご覧いただけます。
【2016年2月8日 ジュバ(南スーダン)発】
南スーダンはいま、同国の人口の25パーセント近くに相当する280万人が緊急の食糧支援を必要とし、少なくとも4万人が生命の危機に晒されているという未曽有の食糧危機に直面していると国連の3機関は警鐘を鳴らしています。
ユニセフ(国連児童基金)、FAO(国連食糧農業機関)、WFP(世界食糧計画)は、例年であれば最も食糧供給が安定するはずの収穫期後の時期にも飢餓が増加していることから、これらの数字は特に憂慮すべきだと強調しました。
食糧不足に陥っている人々の数は、まもなくやってくる“lean season”と呼ばれる収穫高が減る時期にピークに達すると見込まれています。通常は4月から7月までが最も厳しい時期であり、食糧供給が最も少なくなります。総合的食料安全保障レベル分類 (Integrated Food Security Phase Classification, 略称IPC)の最新報告によると、今年の“lean season”は早く始まり、飢餓状態は例年より長く続くとみられています。
3機関は、これから始まろうとしている乾期が、最も深刻な飢餓に直面している人々をさらに厳しい状況に追い込む可能性があると述べました。紛争の影響を受けているユニティ州で家を追われた人々は、生き延びるために魚やスイレンなどを食べてしのいできましたが、洪水が収まるにつれ、そのわずかに残された食糧資源さえも失いつつあります。また、ミルクなどを生産し昨年の“lean season”を生き延びる術となった大切な家畜を強盗に奪われてしまった人々も多くいます。人道支援が乾期の間に確実に届かなければ、人々は今後数カ月のうちに危機的状況に直面します。
[画像2: http://prtimes.jp/i/5176/625/resize/d5176-625-275822-2.jpg ]
このため、国連機関は、昨年調印された和平合意の速やかな実行と、最も被害を受けている地域に不可欠な支援物資を届けるため、紛争地帯への無制限のアクセスを求めています。
「食糧不足に陥っているのは、紛争で直接的な被害を受けた地域に限られません。紛争に関連して物価の高騰や市場の混乱が起こったことにより、北バハル・エル・ガザール州とワラップ州の約20万人の人々も、食糧の確保が難しくなっています」とFAO南スーダン事務所の代表代理サージ・ティソ氏は述べました。「食糧事情を改善するには、和平協定の早急な実行が欠かせないのです」
「私たちは乾期の間に最大限の備えをし、雨期が始まって道路が通れなくなってからも支援を続けられるようにしなければなりません」と、WFP南スーダン事務所代表のジョイス・ルマ氏は話します。「エクアトリア地方の治安の悪化は、主要な道路網を通じた人道支援の輸送を困難にし、最も支援を必要とする人々に対応するという私たちの取り組みを阻んでいるのです」
今日のIPCの最新報告はまた、緊急レベルの栄養不良の広まりが重大な問題の一つであると強調しています。南スーダンの栄養不良は多くの場合、不十分な食糧摂取が原因で、そのほかにも病気や食習慣、限られた保健・栄養サービスといったさまざまな要因で引き起こされています。
「生き抜くために家族はできる限りの手を尽くしてきましたが、いまや打ち手がなくなりつつあります」と、ユニセフ南スーダン事務所代表ジョナサン・ヴェイチは言います。「支援の必要性が最も高い地域の多くには、治安上の理由で立ち入ることができません。いま何より重要なのは、無制限のアクセスです。人々のもとに辿り着くことができれば、支援が可能なのです」
[画像3: http://prtimes.jp/i/5176/625/resize/d5176-625-734752-3.jpg ]
ユニセフとFAO、WFPは、国内外の多数のパートナー団体と協力しながら、困難な状況下でも命や生活を守るための支援を継続しています。
ユニセフは2016年に16万5,000人以上の子どもたちに重度の急性栄養不良の治療ケアするという目標を掲げました。昨年、重度の急性栄養不良から守られた子どもたちは14万4,000人を上回り、2014年から53パーセント増加しました。
FAOは、昨年240万人を支援したのに対し、2016年は280万人を対象に食糧の生産や家畜の保護に関する支援を計画しています。
WFPは昨年87のNGOと協力し、空中投下や河川を使った輸送、現金給付、現地食糧の購入、栄養補助食品など、利用可能なあらゆる手段を使って、南スーダン各地で約300万人に対して食糧・栄養支援を提供しました。
* * *
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(http://www.unicef.org/)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (http://www.unicef.or.jp/)
[画像1: http://prtimes.jp/i/5176/625/resize/d5176-625-825051-1.jpg ]
※本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。
※本信の原文は、http://www.unicef.org/media/media_90148.html からご覧いただけます。
【2016年2月8日 ジュバ(南スーダン)発】
南スーダンはいま、同国の人口の25パーセント近くに相当する280万人が緊急の食糧支援を必要とし、少なくとも4万人が生命の危機に晒されているという未曽有の食糧危機に直面していると国連の3機関は警鐘を鳴らしています。
ユニセフ(国連児童基金)、FAO(国連食糧農業機関)、WFP(世界食糧計画)は、例年であれば最も食糧供給が安定するはずの収穫期後の時期にも飢餓が増加していることから、これらの数字は特に憂慮すべきだと強調しました。
食糧不足に陥っている人々の数は、まもなくやってくる“lean season”と呼ばれる収穫高が減る時期にピークに達すると見込まれています。通常は4月から7月までが最も厳しい時期であり、食糧供給が最も少なくなります。総合的食料安全保障レベル分類 (Integrated Food Security Phase Classification, 略称IPC)の最新報告によると、今年の“lean season”は早く始まり、飢餓状態は例年より長く続くとみられています。
3機関は、これから始まろうとしている乾期が、最も深刻な飢餓に直面している人々をさらに厳しい状況に追い込む可能性があると述べました。紛争の影響を受けているユニティ州で家を追われた人々は、生き延びるために魚やスイレンなどを食べてしのいできましたが、洪水が収まるにつれ、そのわずかに残された食糧資源さえも失いつつあります。また、ミルクなどを生産し昨年の“lean season”を生き延びる術となった大切な家畜を強盗に奪われてしまった人々も多くいます。人道支援が乾期の間に確実に届かなければ、人々は今後数カ月のうちに危機的状況に直面します。
[画像2: http://prtimes.jp/i/5176/625/resize/d5176-625-275822-2.jpg ]
このため、国連機関は、昨年調印された和平合意の速やかな実行と、最も被害を受けている地域に不可欠な支援物資を届けるため、紛争地帯への無制限のアクセスを求めています。
「食糧不足に陥っているのは、紛争で直接的な被害を受けた地域に限られません。紛争に関連して物価の高騰や市場の混乱が起こったことにより、北バハル・エル・ガザール州とワラップ州の約20万人の人々も、食糧の確保が難しくなっています」とFAO南スーダン事務所の代表代理サージ・ティソ氏は述べました。「食糧事情を改善するには、和平協定の早急な実行が欠かせないのです」
「私たちは乾期の間に最大限の備えをし、雨期が始まって道路が通れなくなってからも支援を続けられるようにしなければなりません」と、WFP南スーダン事務所代表のジョイス・ルマ氏は話します。「エクアトリア地方の治安の悪化は、主要な道路網を通じた人道支援の輸送を困難にし、最も支援を必要とする人々に対応するという私たちの取り組みを阻んでいるのです」
今日のIPCの最新報告はまた、緊急レベルの栄養不良の広まりが重大な問題の一つであると強調しています。南スーダンの栄養不良は多くの場合、不十分な食糧摂取が原因で、そのほかにも病気や食習慣、限られた保健・栄養サービスといったさまざまな要因で引き起こされています。
「生き抜くために家族はできる限りの手を尽くしてきましたが、いまや打ち手がなくなりつつあります」と、ユニセフ南スーダン事務所代表ジョナサン・ヴェイチは言います。「支援の必要性が最も高い地域の多くには、治安上の理由で立ち入ることができません。いま何より重要なのは、無制限のアクセスです。人々のもとに辿り着くことができれば、支援が可能なのです」
[画像3: http://prtimes.jp/i/5176/625/resize/d5176-625-734752-3.jpg ]
ユニセフとFAO、WFPは、国内外の多数のパートナー団体と協力しながら、困難な状況下でも命や生活を守るための支援を継続しています。
ユニセフは2016年に16万5,000人以上の子どもたちに重度の急性栄養不良の治療ケアするという目標を掲げました。昨年、重度の急性栄養不良から守られた子どもたちは14万4,000人を上回り、2014年から53パーセント増加しました。
FAOは、昨年240万人を支援したのに対し、2016年は280万人を対象に食糧の生産や家畜の保護に関する支援を計画しています。
WFPは昨年87のNGOと協力し、空中投下や河川を使った輸送、現金給付、現地食糧の購入、栄養補助食品など、利用可能なあらゆる手段を使って、南スーダン各地で約300万人に対して食糧・栄養支援を提供しました。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(http://www.unicef.org/)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (http://www.unicef.or.jp/)