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第34回横溝正史ミステリ大賞 藤崎翔さん『神様のもう一つの顔』が受賞!

角川書店 ブランドカンパニー

4月17日(木)に第34回横溝正史ミステリ大賞(主催=株式会社KADOKAWA 角川書店)の選考会が行われ、選考委員の審査により、藤崎翔(ふじさき・しょう)さん『神様のもう一つの顔』が大賞を受賞した。藤崎さんには金田一耕助像と、副賞として賞金400万円が贈られる。




 横溝正史ミステリ大賞は、50余年に渡り探偵小説を精力的に執筆し続けた横溝正史氏にちなみ、昭和55年、未来のミステリ作家を広く募集、発掘するために設けられた。400字詰め原稿用紙350枚〜800枚の作品を対象とし、今回は182作品の応募があった。この第34回より選考委員が変わり、有栖川有栖、恩田陸、黒川博行、道尾秀介(五十音順、敬称略)が務めた。選評は「小説 野性時代7月号」(6月12日発売)に掲載予定。


 受賞者の藤崎翔さんは茨城県出身、28歳。高校卒業後は6年間お笑い芸人として活動していたが、現在はアルバイト。受賞作は2014年9月末に、角川書店より単行本として刊行される予定。

■横溝正史ミステリ大賞公式サイト  http://www.kadokawa.co.jp/contest/yokomizo/

<あらすじ>
『神様のもう一つの顔』   藤崎翔
 その日、坪井誠造(享年六十八)の通夜がしめやかに執り行われていた。彼は生前、中学校教師として校長まで勤め上げ、定年後は自宅の敷地でアパート経営をする一方、不登校や貧困家庭の子供のために活動するNPOにも参加しており、その人柄は多くの人に慕われていた。弔問客が大勢詰めかける中、坪井誠造との思い出を、娘の坪井晴美・友美姉妹、元教え子の斎木直光、元同僚教師の根岸義法、隣人の香村広子、元教え子で現在はアパートの住人でもある鮎川茉希、同じくアパートの住人の寺島悠は思い返していた。その中には、故人の素晴らしい人柄を思い出しながら、「まるで神様のようだった」と感じている者すらいた。
 ところが、通夜ぶるまいの席で彼らが集まって話をしてみると、坪井誠造のもう一つの顔が見えてくる。斎木の中学時代の同級生の自殺、根岸の息子が瀕死となったバイク事故、香村の夫の転落死、鮎川のストーカー被害など、彼らの周りで起きた事件や事故にことごとく関与しているようなのだ。坪井誠造は生前、様々な凶悪事件を起こしていたのだろうか。次々につながるエピソードに疑惑は深まっていくが、寺島が何気なく発した一言をきっかけにひとつの出来事が新しい顔を見せると、連鎖的に他の事件にも違った真実が浮かび上がり始め……。
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