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イラク 360万人-子どもの5人に1人が死や重大な暴力に直面【プレスリリース】

ユニセフ最新報告書発表




[画像: http://prtimes.jp/i/5176/705/resize/d5176-705-642316-0.jpg ]



イラクの子どもの5人に1人に相当する360万人の子どもたちが今、死、けが、性的暴力、拉致、武装勢力による徴用などの重大な危険に直面していると、ユニセフ(国連児童基金)が発表した最新報告書は述べています。

報告書『子どもたちへの重い犠牲(原題:A Heavy Price for Children)は、こうした暴力の危険に晒されている子どもの数がこの18カ月で130万人増えたことを明らかにしています。

報告書によると、人道支援を必要としている子どもは、イラクの子どもの3分の1に相当する470万人で、さらにファルージャやモスル周辺で行われている軍事作戦によって、多くの家族が破壊的な状況に直面しています。

「イラクの子どもたちは、紛争の最前線に立たされ、繰り返し、容赦なく標的にされています」とユニセフ・イラク事務所代表のピーター・ホーキンスは話しました。「私たちは、すべての紛争当事者たちに、暴力を止め、子どもたちを守り尊重するよう呼びかけています。私たちは、子どもたちが戦争の恐怖から立ち直り、より平和で豊かなイラクに貢献していくのに必要な支援を提供しなければなりません」

本報告書では、紛争や不安定な状況が40年近く続いているイラク国内における、人道危機の規模とその複雑さ、さらには、日々悪化の一途を辿っている子どもたちへの影響を伝えています。

驚くことに、この2年半で、合計1,496人の子どもがイラクで拉致されました。これは毎月50人の子どもが拉致され、その多くが戦いに参加させられたり、性的虐待に遭っていることを意味しています。

ホーキンス代表はこう続けました。「子どもたちが家庭や学校から、また路上で誘拐されるというのは、恐ろしいことです。こうした子どもたちは、家族から引き離され、目を覆いたくなるような虐待や搾取に晒されるのです」

報告書はまた、2014年はじめ以降、イラクの子どものほぼ10%に相当する150万人の子どもが、暴力のために家を追われ、ときには何度も避難を余儀なくされていると報告しています。学校の5校に1校は紛争によって使えなくなり、学齢期の子ども350万人が教育を受けられずにいます。

ユニセフは、イラクの子どもを守るために直ちに行動を起こすよう呼びかけています。その具体的な施策として報告書が提案する5つのステップは、以下の通りです。

殺害、重傷を負わせること、拉致、拷問、監禁、性的暴行、子どもの徴用を終わらせ、学校や医療施設、医療従事者への攻撃を停止すること
政府の統治下にない地域も含め、イラク全土のすべての子どもに無制限かつ無条件の人道支援を行うこと。紛争下の地域では、避難を希望する市民には移動の安全を確保し必要なサービスを提供すること
補習クラスの実施を通じて、学校に通えていない子どもたちへの教育の拡充と改善を行うこと。教育へのアクセスを増やし、子どもたちに学習用品を提供したり、教員に教材やトレーニングを提供すること。イラクの復興、そして、より平和で安定した将来を築いていくのは、子どもたちである。
子どもたちの心を癒し、子どもたちが子ども時代を取り戻すことができるよう、心理社会的プログラムやレクリエーションの機会を提供すること
資金の確保。子どもたちの命を守る支援は、資金不足によってすでに縮小されている。ユニセフは2016年のイラクでの支援活動の資金として、1億米ドルを必要としている。



* * *

■ イラクの子どもの現状:主要数値

イラク全土で人道支援を必要としている子ども:470万人(イラクの子どもの3人に1人に相当)
死、けが、性的暴力、武装グループによる徴用などの重大な危険に直面している子ども:360万人(イラクの子どもの5人に1人に相当)
2014年以来、拉致されたと報告されている子どもの数:1,496人(平均すると毎月50人)
学校の5校に1校が紛争により使用できず、350万人の子どもや若者が教育を受けられない。
5歳未満で亡くなる子ども:25人に1人
2015年は、子どもの5人に2人しか浄水処理された安全な水にアクセスできなかった
紛争は、児童婚や児童労働といった既存の問題を悪化させている。現在、イラクでは97万5,100人の少女が15歳未満で結婚しており、これは1990年と比較すると2倍。また、57万5,000人以上の子どもが労働に従事していると推定され、これも1990年当時の2倍である


■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(http://www.unicef.org
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (http://www.unicef.or.jp/
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