第21回国際エイズ会議(7月18日〜22日)ー 成果の陰で、若者の感染は増加の懸念【プレスリリース】
[16/07/19]
提供元:PRTIMES
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新たに感染する若者の65%は女の子
[画像: http://prtimes.jp/i/5176/712/resize/d5176-712-963066-1.jpg ]
※本信は、ユニセフ本部の発信情報を元に、日本ユニセフ協会が翻訳、編集しています。
※本信の原文は、http://www.unicef.org/media/media_91908.html でご覧いただけます。
【2016年7月18日 ダーバン(南アフリカ共和国)発】
今週、南アフリカ共和国のダーバンで開催されている第21回国際エイズ会議を前に、ユニセフ(国連児童基金)は、HIV/エイズ流行との闘いにおいて世界的に大きな前進が見られる一方で、子どもたちや若者たちを感染、発症に伴う体調不良、そして死から守るために取り組むべきことがまだ多く残されている、と警鐘を鳴らしました。
2000年以降、HIV/エイズ流行国において母子感染予防に注力してきた結果、世界全体でHIV母子感染率はおよそ70%減少しました。これには、HIV/エイズへの感染や死が最も大きな負担となっている地域であるサハラ以南のアフリカも含みます。過去15年以上にわたって、母子感染予防プログラムは、世界で160万人の子どもを新たな感染から守り、抗レトロウイルス治療の提供によっておとなも含め880万人の命が救われました。
しかし、ユニセフは、非常に多くの若者たちが、現在もエイズによって命を落としていると指摘しました。
「予防、治療、ケアによって命が守られ、この病気に対する偏見や無知との闘いに勝利し、多くの素晴らしい成果が得られてもなお、エイズは世界の10歳から19歳の若者の死亡原因の第2位であり、アフリカにおいては第1位なのです」とユニセフ事務局長 アンソニー・レークは述べました。
15〜19歳の若者の間のエイズに関連する死亡数は、2000年から2倍以上に増えました。2015年、世界では、この年代の若者の間で毎時平均29人が新たにHIVに感染しました。若者の感染率は横ばいであるものの、今後の若者人口の増加予測を考慮すると、感染者数は増加することを意味するという点を、ユニセフは懸念しています。
その中でも特に女の子はリスクが高く、世界で新たに感染する若者の65%を女の子が占めています。HIV感染者の7割が暮らすサハラ以南のアフリカでは、2015年に新たに感染した若者の4人に3人が女の子でした。
多くの若者は、検査結果への不安から、自分が感染しているか否かを確認しないままでいます。昨年1年間で検査を受けた若者は、女の子でわずか13%、男の子は9%しかいませんでした。ユニセフの携帯電話を利用したシステム「U-Report(ユー・レポート)」で実施された新たな調査では、回答した16カ国5万2,000人の若者のうち、68%が検査を受けたくないと回答し、その理由は、HIV陽性の結果が出ることへの恐怖と社会的な偏見への懸念でした。
その一方で、出生時や母乳を通して子どもたちに感染してしまう母子感染の例は、2000年から70%減という劇的な減少が見られました。しかしユニセフは、HIVの母子感染を根絶する努力をさらに強化しなければならないと訴えています。
レーク事務局長は、南アフリカのクワズール・ナタール州にあるPrince Mshiyeni記念病院を訪問した後のスピーチで、現在も置き去りにされている子どもたちに支援を届けるための技術革新とあらたな政策が急務であると強調しました。2015年、0〜14歳の子どもの新たなHIV感染ケースの半数は、わずか6カ国(ナイジェリア、インド、ケニア、モザンビーク、タンザニア、南アフリカ)で起きています。
「私たちがこの30年間で成し遂げた素晴らしい成果は、私たちの闘いが終わったことを意味しているわけではありません。エイズとの闘いは、予防と治療に倍の努力をし、多くの人々を救った成果を未だ享受することができない子どもたちに支援の手を差し伸べ、そして多くの若者を検査から遠ざけている偏見や恐怖を払しょくするまで、終わることはありません。」(レーク事務局長)
* * *
■ 補足
第21回国際エイズ会議において、ユニセフは、携帯電話のアプリケーションの活用などイノベーションに関する分科会の議長を務めたほか、2000年以降の南アフリカ共和国における母子感染予防の成果、小児医療における改善、保健サービスの統合、検査におけるイノベーション、若者への支援に関する政策などについての分科会やイベントを開催します。
U-Reportは携帯電話のテキストメッセージ(SMS)を基盤としたシステムで、若者が地域でどのような問題に直面し、あるいは、さまざまな課題についてどのように考えているか発言する機会を与えることで、若者と政府やユニセフとをつないでいます。U-Reportを通じて意見を交換したりアンケートに回答し たりするU-Reporter(ユー・レポーター)には、現在、世界で210万人が登録し、ダイレクト・メッセージを通じて回答や報告を行っています。リアルタイムで集められたそれらのデータは、ウェブサイト上でマッピングされるとともに、調査結果や意見は、若者たちのコミュニティにも共有される仕組みです。
* * *
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
[画像: http://prtimes.jp/i/5176/712/resize/d5176-712-963066-1.jpg ]
※本信は、ユニセフ本部の発信情報を元に、日本ユニセフ協会が翻訳、編集しています。
※本信の原文は、http://www.unicef.org/media/media_91908.html でご覧いただけます。
【2016年7月18日 ダーバン(南アフリカ共和国)発】
今週、南アフリカ共和国のダーバンで開催されている第21回国際エイズ会議を前に、ユニセフ(国連児童基金)は、HIV/エイズ流行との闘いにおいて世界的に大きな前進が見られる一方で、子どもたちや若者たちを感染、発症に伴う体調不良、そして死から守るために取り組むべきことがまだ多く残されている、と警鐘を鳴らしました。
2000年以降、HIV/エイズ流行国において母子感染予防に注力してきた結果、世界全体でHIV母子感染率はおよそ70%減少しました。これには、HIV/エイズへの感染や死が最も大きな負担となっている地域であるサハラ以南のアフリカも含みます。過去15年以上にわたって、母子感染予防プログラムは、世界で160万人の子どもを新たな感染から守り、抗レトロウイルス治療の提供によっておとなも含め880万人の命が救われました。
しかし、ユニセフは、非常に多くの若者たちが、現在もエイズによって命を落としていると指摘しました。
「予防、治療、ケアによって命が守られ、この病気に対する偏見や無知との闘いに勝利し、多くの素晴らしい成果が得られてもなお、エイズは世界の10歳から19歳の若者の死亡原因の第2位であり、アフリカにおいては第1位なのです」とユニセフ事務局長 アンソニー・レークは述べました。
15〜19歳の若者の間のエイズに関連する死亡数は、2000年から2倍以上に増えました。2015年、世界では、この年代の若者の間で毎時平均29人が新たにHIVに感染しました。若者の感染率は横ばいであるものの、今後の若者人口の増加予測を考慮すると、感染者数は増加することを意味するという点を、ユニセフは懸念しています。
その中でも特に女の子はリスクが高く、世界で新たに感染する若者の65%を女の子が占めています。HIV感染者の7割が暮らすサハラ以南のアフリカでは、2015年に新たに感染した若者の4人に3人が女の子でした。
多くの若者は、検査結果への不安から、自分が感染しているか否かを確認しないままでいます。昨年1年間で検査を受けた若者は、女の子でわずか13%、男の子は9%しかいませんでした。ユニセフの携帯電話を利用したシステム「U-Report(ユー・レポート)」で実施された新たな調査では、回答した16カ国5万2,000人の若者のうち、68%が検査を受けたくないと回答し、その理由は、HIV陽性の結果が出ることへの恐怖と社会的な偏見への懸念でした。
その一方で、出生時や母乳を通して子どもたちに感染してしまう母子感染の例は、2000年から70%減という劇的な減少が見られました。しかしユニセフは、HIVの母子感染を根絶する努力をさらに強化しなければならないと訴えています。
レーク事務局長は、南アフリカのクワズール・ナタール州にあるPrince Mshiyeni記念病院を訪問した後のスピーチで、現在も置き去りにされている子どもたちに支援を届けるための技術革新とあらたな政策が急務であると強調しました。2015年、0〜14歳の子どもの新たなHIV感染ケースの半数は、わずか6カ国(ナイジェリア、インド、ケニア、モザンビーク、タンザニア、南アフリカ)で起きています。
「私たちがこの30年間で成し遂げた素晴らしい成果は、私たちの闘いが終わったことを意味しているわけではありません。エイズとの闘いは、予防と治療に倍の努力をし、多くの人々を救った成果を未だ享受することができない子どもたちに支援の手を差し伸べ、そして多くの若者を検査から遠ざけている偏見や恐怖を払しょくするまで、終わることはありません。」(レーク事務局長)
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■ 補足
第21回国際エイズ会議において、ユニセフは、携帯電話のアプリケーションの活用などイノベーションに関する分科会の議長を務めたほか、2000年以降の南アフリカ共和国における母子感染予防の成果、小児医療における改善、保健サービスの統合、検査におけるイノベーション、若者への支援に関する政策などについての分科会やイベントを開催します。
U-Reportは携帯電話のテキストメッセージ(SMS)を基盤としたシステムで、若者が地域でどのような問題に直面し、あるいは、さまざまな課題についてどのように考えているか発言する機会を与えることで、若者と政府やユニセフとをつないでいます。U-Reportを通じて意見を交換したりアンケートに回答し たりするU-Reporter(ユー・レポーター)には、現在、世界で210万人が登録し、ダイレクト・メッセージを通じて回答や報告を行っています。リアルタイムで集められたそれらのデータは、ウェブサイト上でマッピングされるとともに、調査結果や意見は、若者たちのコミュニティにも共有される仕組みです。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)