建設工事における動植物管理手法「いきもの見聞録」を開発(ニュースリリース)
[17/05/31]
提供元:PRTIMES
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〜オンラインGISを使用した生息記録と保全対策〜
大和ハウスグループの株式会社フジタ(本社:東京都渋谷区、社長:奥村洋治)は、建設現場に生息する動植物の情報をスマートフォン等のGPS機能付き携帯情報端末を使用して、現地でGIS(地理情報システム)に記録し、オンラインで関係者に情報共有する動植物管理手法を開発しました。この手法を用いることにより、野生動植物やその生息環境の効果的な保全を図ります。これまでに、自然環境保全地域に隣接した津波被災地での震災復旧工事で適用し、建設工事における野生動植物の保全対策に活用できることを実証しました。
建設工事では、土地の改変などにより、生息する動植物や周辺の生態系に影響を与える場合があります。現地の動植物は工事着手前に調査するものの、季節によって出現する時期が異なり見落とすことがありました。また、現場の職員が動植物の知識を十分に持っていないこと、動植物の出現位置は目印をつけて記録しなければ現地で特定することが難しいなどの課題がありました。一方で、動植物調査を専門業者に依頼すると高額なコストが発生し、動植物や施工場所に適した低コストで有効な保全対策が求められていました。
「いきもの見聞録」は、建設現場で見つかった希少種や外来種などの動植物の情報(生物名、出現位置、生息状況、保全対策の必要性とその内容、画像など)を、現地で携帯情報端末のインターネットとGPSを使用してサーバーに送信・保存し、地形図や衛星画像上にわかりやすく表示するオンラインGISです。さらに現場職員はGIS上で、いきものDB(データベース)(※1)、環境保全ルールブック(※2)などの環境保全に必要な基本情報が閲覧可能で、環境専門スタッフと情報を迅速に共有・相互補完できます。(図表1)
[画像1: https://prtimes.jp/i/2296/792/resize/d2296-792-431616-0.jpg ]
これらにより、工事中も動植物を随時監視・記録でき、携帯情報端末のGIS上で動植物の位置を現地で特定できるようになりました。動植物の名称は、現場職員がいきものDBで確認するか、環境専門スタッフに問い合わせることですぐに把握できるようになりました。また、GIS上で希少種か外来種は一目で見分けられ、保全対策の必要性とその内容も確認できます。さらに、植物などを面的にGIS上に記録することもでき、施工段階でCAD図や航空写真に反映できるようにしたことで、工事場所ごとの適切な保全対策を迅速に実施できます。(図表2)
[画像2: https://prtimes.jp/i/2296/792/resize/d2296-792-761426-1.jpg ]
本手法を、南貞山運河外河川災害復旧工事(発注者:宮城県)の環境保全対策に導入しました。本工事では、鳥類・底生動物・植物を対象に182種類の動植物を確認し、そのうち希少動植物として植物3種類、鳥類9種類、底生動物5種類など、津波被災地での生物の確認位置を高い精度で把握・記録できるようになりました。施工場所と工事内容に応じて植物の移植・モニタリングや動植物保護のための施工上の配慮を行っています。
今後は、動植物の保全が重要な建設工事やビオトープのモニタリングだけでなく、作業員への環境教育などにも活用し、低コストで効率の良い自然環境の保護や生物多様性の保全をめざしていきます。
※1 いきものDB: 現場周辺で生物多様性の保全の観点で注意すべき動植物(希少種、外来種、生態系の保全に重要な種など)の情報を画像付きで一覧表にしたもの。
※2 環境保全ルールブック: 現場で守るべき環境保全のためのルール、希少種や外来種の図鑑と発見したときの対処方法などを記載したもの。
大和ハウスグループの株式会社フジタ(本社:東京都渋谷区、社長:奥村洋治)は、建設現場に生息する動植物の情報をスマートフォン等のGPS機能付き携帯情報端末を使用して、現地でGIS(地理情報システム)に記録し、オンラインで関係者に情報共有する動植物管理手法を開発しました。この手法を用いることにより、野生動植物やその生息環境の効果的な保全を図ります。これまでに、自然環境保全地域に隣接した津波被災地での震災復旧工事で適用し、建設工事における野生動植物の保全対策に活用できることを実証しました。
建設工事では、土地の改変などにより、生息する動植物や周辺の生態系に影響を与える場合があります。現地の動植物は工事着手前に調査するものの、季節によって出現する時期が異なり見落とすことがありました。また、現場の職員が動植物の知識を十分に持っていないこと、動植物の出現位置は目印をつけて記録しなければ現地で特定することが難しいなどの課題がありました。一方で、動植物調査を専門業者に依頼すると高額なコストが発生し、動植物や施工場所に適した低コストで有効な保全対策が求められていました。
「いきもの見聞録」は、建設現場で見つかった希少種や外来種などの動植物の情報(生物名、出現位置、生息状況、保全対策の必要性とその内容、画像など)を、現地で携帯情報端末のインターネットとGPSを使用してサーバーに送信・保存し、地形図や衛星画像上にわかりやすく表示するオンラインGISです。さらに現場職員はGIS上で、いきものDB(データベース)(※1)、環境保全ルールブック(※2)などの環境保全に必要な基本情報が閲覧可能で、環境専門スタッフと情報を迅速に共有・相互補完できます。(図表1)
[画像1: https://prtimes.jp/i/2296/792/resize/d2296-792-431616-0.jpg ]
これらにより、工事中も動植物を随時監視・記録でき、携帯情報端末のGIS上で動植物の位置を現地で特定できるようになりました。動植物の名称は、現場職員がいきものDBで確認するか、環境専門スタッフに問い合わせることですぐに把握できるようになりました。また、GIS上で希少種か外来種は一目で見分けられ、保全対策の必要性とその内容も確認できます。さらに、植物などを面的にGIS上に記録することもでき、施工段階でCAD図や航空写真に反映できるようにしたことで、工事場所ごとの適切な保全対策を迅速に実施できます。(図表2)
[画像2: https://prtimes.jp/i/2296/792/resize/d2296-792-761426-1.jpg ]
本手法を、南貞山運河外河川災害復旧工事(発注者:宮城県)の環境保全対策に導入しました。本工事では、鳥類・底生動物・植物を対象に182種類の動植物を確認し、そのうち希少動植物として植物3種類、鳥類9種類、底生動物5種類など、津波被災地での生物の確認位置を高い精度で把握・記録できるようになりました。施工場所と工事内容に応じて植物の移植・モニタリングや動植物保護のための施工上の配慮を行っています。
今後は、動植物の保全が重要な建設工事やビオトープのモニタリングだけでなく、作業員への環境教育などにも活用し、低コストで効率の良い自然環境の保護や生物多様性の保全をめざしていきます。
※1 いきものDB: 現場周辺で生物多様性の保全の観点で注意すべき動植物(希少種、外来種、生態系の保全に重要な種など)の情報を画像付きで一覧表にしたもの。
※2 環境保全ルールブック: 現場で守るべき環境保全のためのルール、希少種や外来種の図鑑と発見したときの対処方法などを記載したもの。