「物流の2024年問題」約7割の企業でマイナス影響見込む 運賃の値上げやスケジュール見直しなどで対応
[24/01/26]
提供元:PRTIMES
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2024年問題に対する企業の意識調査
設業、トラック・バス・タクシードライバー、医師などの「働き方改革」を進めるため、これまで適用が猶予されていた時間外労働の上限規制が、いよいよ2024年4月より適用される。長時間労働が是正されることにより健康被害や労働災害、交通事故の削減など労働環境の改善が進展することが期待できる一方で、人手不足による工期の長期化や業務の停滞などの諸問題、いわゆる「2024年問題」も懸念されている。
とりわけ、運送業界においては、物流を担う運送事業者だけの問題ではなく、産業を問わず幅広い業界や消費者の日常生活にも変化が生じると指摘されている。
そこで、帝国データバンクは、2024年問題に対する企業の見解について調査した。本調査は、TDB景気動向調査2023年12月調査とともに行った。
<調査結果(要旨)>
「2024年問題」全般に対して「マイナスの影響がある」とする企業は59.9%となった。特に、物流の2024年問題では、68.6%の企業が「マイナスの影響がある」と回答した
「2024年問題」に対して具体的な影響を尋ねたところ、「物流コストの増加」が66.4%と最も高かった(複数回答)
物流の2024年問題への対応策、「運送費の値上げ(受け入れ)」が43.3%でトップ(複数回答)
物流の2024年問題へ「特に対応しない」理由、「これまで通りで問題が生じず、対応する必要がない」が34.6%で最も高く(複数回答)
「2024年問題」に対する支援策は、「金銭的支援」(34.0%)と「人材育成・確保支援」(32.3%)が3割台で上位に(複数回答)
※ 調査期間は2023年12月18日〜2024年1月5日、調査対象は全国2万7,143社で、有効回答企業数は1万1,407社(回答率42.0%)
※ 本調査における詳細データは景気動向オンライン(https://www.tdb-di.com)に掲載している
※調査機関:株式会社帝国データバンク
「2024年問題」全般への影響、約6割の企業でマイナスを見込む
[画像1: https://prtimes.jp/i/43465/810/resize/d43465-810-de00d5ac8432d2d594b8-0.jpg ]
建設業や運送業、医師などでこれまで猶予されていた、時間外労働の上限規制が適用されることによって生じる人手不足や、輸送能力の低下などが懸念される「2024年問題」全般について尋ねたところ、「マイナスの影響がある」企業は59.9%となった。他方、「影響はない」は22.3%、「プラスの影響がある」は1.6%だった。
さらに、物流の2024年問題に限ってみると、「マイナスの影響がある」企業は68.6%となった。特に、『卸売』(79.6%)や『農・林・水産』(78.9%)など6業界で7割超の企業がマイナスの影響を見込んでいる。企業からは「物流コストが増加すれば、製品単価の上昇につながり、景気は後退する」(繊維・繊維製品・服飾品卸売、大阪府)や「現状も部材不足の納期遅延が多い。物流問題が生産計画に波及し、さらに悪化するかもしれない」(電気機械製造、群馬県)といった声があがっている。
他方、企業の1.5%では「プラスの影響がある」としており、「長い目で見れば自由な時間が増えるため、若い人も入りやすくなり、運送業界にとっても良いはず」(鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売、東京都)といった前向きな声が寄せられていた。
「2024年問題」全般に対する具体的な影響、企業の66.4%が「物流コストの増加」を見込む
[画像2: https://prtimes.jp/i/43465/810/resize/d43465-810-c8fba04075ff1d7dad93-0.jpg ]
「2024年問題」全般に対して具体的な影響を尋ねたところ、「物流コストの増加」が66.4%と最も高かった(複数回答、以下同)。次いで、「人件費の増加」(41.0%)、「人手不足の悪化」(40.0%)が4割台、「配送スケジュールの見直し」(32.4%)が3割台で続いた。
業界別にみると、「物流コストの増加」は『製造』(80.4%)で8割を超え、『卸売』(79.2%)と『農・林・水産』(75.2%)が7割超で高かった。
また、「配送スケジュールの見直し」は『製造』(45.7%)や『卸売』(45.6%)、『小売』(36.4%)といった主に荷主側となる業界で高かった。
物流の2024年問題への対応策、「運送費の値上げ(受け入れ)」が43.3%でトップ
[画像3: https://prtimes.jp/i/43465/810/resize/d43465-810-b8f21536c925c8b0ebff-0.jpg ]
「2024年問題」のうち、特に物流の2024年問題に対して、対応(予定含む)を行っているか尋ねたところ、「対応あり」とする企業は62.7%だった。他方、「特に対応しない」企業は26.4%と4社に1社となった。
[画像4: https://prtimes.jp/i/43465/810/resize/d43465-810-4f2fbde888341052c639-0.jpg ]
さらに、「対応あり」とした企業に対して、具体的な対応策を尋ねたところ、「運送費の値上げ(受け入れ)」が43.3%でトップとなった(複数回答、以下同)。
次いで、「スケジュールの見直し」(36.3%)や「運送事業者の確保」(24.9%)、「発着荷主と運送事業者双方での連携強化」(24.2%)、DXなど「業務のシステム化や効率化の推進」(20.0%)が上位に並んだ。
業界別にみると、「運送費の値上げ(受け入れ)」は『運輸・倉庫』(51.5%)、『卸売』(50.2%)、『農・林・水産』(50.0%)で5割以上となった。企業からも「物流コストアップは交渉により抑制したいが、一定程度は受け入れる」(広告関連、東京都)といった声があがっていた。
そのほか、DXなど「業務のシステム化や効率化の推進」は、『金融』(44.4%)や『不動産』(28.3%)、『サービス』(27.5%)で高く、「ドライバーの確保・育成」では、『運輸・倉庫』が53.6%と突出して高かった。
また、「荷待ち・荷役時間の把握・削減」は、『運輸・倉庫』が32.4%と最も高く、『製造』(12.2%)や『農・林・水産』(9.1%)が続くが、総じて荷主側企業からの対策意識が低い様子がうかがえた。企業からも「時間指定の縛りや、荷役作業に対する荷主側の意識改革がなされない限り、根本的な解決にならない」(紙類・文具・書籍卸売、東京都)といった厳しい声が聞かれた。
物流の2024年問題、2024年4月が直前に迫るなか、対応を決めかねている様子も
[画像5: https://prtimes.jp/i/43465/810/resize/d43465-810-68accdf13eb58e8ead03-0.jpg ]
物流の2024年問題へ「特に対応しない」企業に対してその理由を尋ねたところ、「これまで通りで問題が生じず、対応する必要がない」が34.6%でトップとなり、「2024年4月以降、問題が生じた際に対応を検討する」(33.6%)が続いた(複数回答、以下同)。
以下、「自社だけでは対応策が検討できない」(27.5%)や「どのように対応すればよいか分からない」(15.8%)が続き、2024年4月が直前に迫っているなかであっても、具体的な対策が見つからず、対応を決めかねている様子も表れている。
「2024年問題」に対する支援策、企業は「金銭的支援」や「人材育成・確保支援」などを求める
[画像6: https://prtimes.jp/i/43465/810/resize/d43465-810-fa0cb724fa3a4d7b8a2f-0.jpg ]
「2024年問題」全般に対して求める支援策や政策などについて尋ねたところ、補助金や助成金など「金銭的支援」(34.0%)と「人材育成・確保支援」(32.3%)が3割台で上位となった(複数回答、以下同)。以下、「高速道路料金などの見直し」(29.3%)や「時間外労働の上限規制の猶予期間の延長」(26.6%)、「ルールなどの周知徹底」(21.5%)が2割台で続いた。
他方、自動運転やロボット技術など「新技術開発支援」は低位にとどまるが、「高速道路での自動運転の新技術開発など、単に補助金を出すことなどではなく、先を見据えた対策を支援する体制を国に設けてほしい」(メンテナンス・警備・検査、静岡県)といった前向きな意見も寄せられた。
本調査の結果、「2024年問題」全般に対して、マイナスの影響を見込む企業は約6割となった。具体的な影響として、「物流コストの増加」や「人件費の増加」、「人手不足の悪化」などがあげられ、多くの企業が負担増を危惧している。
また、幅広い業界に影響を及ぼすと予想される物流の問題に絞ると7割近くの企業でマイナスと捉えている。荷主事業者、運送事業者に関わらず幅広い業界でマイナス影響を見込んでいた。他方、一部企業では残業時間の短縮など働き方改革の進展でプラスとして捉えている。
さらに、物流の2024年問題に対しては、運送費の値上げや受け入れ、スケジュールの見直しなど具体的な対策の実施を予定している。一方で、問題が生じた際に対応を検討する企業も多く、2024年4月が直前に迫るなか、具体的な対策が見つからず、対応を決めかねている企業も一定数存在していた。
迫りくる2024年問題に対して、既存のサービスを維持するため、企業には様々な対応策を行っており、現状の課題解決に資する対策だけでなく、DXなどの力強い推進や新技術の開発・利活用など将来を見据えた効率化や業務改善は必要となってくる。
政府には十分な金銭的な支援だけでなく、個社だけの対応や一部の業界だけが負担を被ることにならないような制度や体制づくり、企業の取り組みを継続的に後押しする政策が求められている。
企業からの主な声
自社ではすでに対応済で、そこにビジネスチャンスがあると捉えている(建材・家具、窯業・土石製品製造)
2024年問題で、労働環境の改善に社会的な関心が高まることは良い(専門サービス)
従業員(ドライバー)側の意識改革(効率化の推進・取り組み)も必要と考えている(運輸・倉庫)
運送会社の人材及び機材確保以外に発注元(荷主)が運賃の値上げに応じれば良い、安い運賃が全ての元凶である。運賃を上げ運転手及び運送会社の待遇改善に充てるべきである。原材料費の値上げ対応はするが、運賃等に関しては削減する事しか考えていない(建材・家具、窯業・土石製品卸売)
物流の2024年問題について、都市部よりも地方の方がより深刻な影響を受けるように思う。長距離貨物の値段が上がる、届くまでの日数がかかるなどの影響が大きくなれば、地方は今より不便になる(電気機械製造)
建設業は、発注者の意向に合わせ工期が決まることが多い。特に下請けがそのしわ寄せを被る構造的な問題がある。また、工場の場合はラインが停止する年末年始・夏の盆時期の仕事も多々あり、「働き方改革」への対応は悩ましい(建設)
2024年問題に関する政府の支援策規模が小さすぎて意味がない(運輸・倉庫)
設業、トラック・バス・タクシードライバー、医師などの「働き方改革」を進めるため、これまで適用が猶予されていた時間外労働の上限規制が、いよいよ2024年4月より適用される。長時間労働が是正されることにより健康被害や労働災害、交通事故の削減など労働環境の改善が進展することが期待できる一方で、人手不足による工期の長期化や業務の停滞などの諸問題、いわゆる「2024年問題」も懸念されている。
とりわけ、運送業界においては、物流を担う運送事業者だけの問題ではなく、産業を問わず幅広い業界や消費者の日常生活にも変化が生じると指摘されている。
そこで、帝国データバンクは、2024年問題に対する企業の見解について調査した。本調査は、TDB景気動向調査2023年12月調査とともに行った。
<調査結果(要旨)>
「2024年問題」全般に対して「マイナスの影響がある」とする企業は59.9%となった。特に、物流の2024年問題では、68.6%の企業が「マイナスの影響がある」と回答した
「2024年問題」に対して具体的な影響を尋ねたところ、「物流コストの増加」が66.4%と最も高かった(複数回答)
物流の2024年問題への対応策、「運送費の値上げ(受け入れ)」が43.3%でトップ(複数回答)
物流の2024年問題へ「特に対応しない」理由、「これまで通りで問題が生じず、対応する必要がない」が34.6%で最も高く(複数回答)
「2024年問題」に対する支援策は、「金銭的支援」(34.0%)と「人材育成・確保支援」(32.3%)が3割台で上位に(複数回答)
※ 調査期間は2023年12月18日〜2024年1月5日、調査対象は全国2万7,143社で、有効回答企業数は1万1,407社(回答率42.0%)
※ 本調査における詳細データは景気動向オンライン(https://www.tdb-di.com)に掲載している
※調査機関:株式会社帝国データバンク
「2024年問題」全般への影響、約6割の企業でマイナスを見込む
[画像1: https://prtimes.jp/i/43465/810/resize/d43465-810-de00d5ac8432d2d594b8-0.jpg ]
建設業や運送業、医師などでこれまで猶予されていた、時間外労働の上限規制が適用されることによって生じる人手不足や、輸送能力の低下などが懸念される「2024年問題」全般について尋ねたところ、「マイナスの影響がある」企業は59.9%となった。他方、「影響はない」は22.3%、「プラスの影響がある」は1.6%だった。
さらに、物流の2024年問題に限ってみると、「マイナスの影響がある」企業は68.6%となった。特に、『卸売』(79.6%)や『農・林・水産』(78.9%)など6業界で7割超の企業がマイナスの影響を見込んでいる。企業からは「物流コストが増加すれば、製品単価の上昇につながり、景気は後退する」(繊維・繊維製品・服飾品卸売、大阪府)や「現状も部材不足の納期遅延が多い。物流問題が生産計画に波及し、さらに悪化するかもしれない」(電気機械製造、群馬県)といった声があがっている。
他方、企業の1.5%では「プラスの影響がある」としており、「長い目で見れば自由な時間が増えるため、若い人も入りやすくなり、運送業界にとっても良いはず」(鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売、東京都)といった前向きな声が寄せられていた。
「2024年問題」全般に対する具体的な影響、企業の66.4%が「物流コストの増加」を見込む
[画像2: https://prtimes.jp/i/43465/810/resize/d43465-810-c8fba04075ff1d7dad93-0.jpg ]
「2024年問題」全般に対して具体的な影響を尋ねたところ、「物流コストの増加」が66.4%と最も高かった(複数回答、以下同)。次いで、「人件費の増加」(41.0%)、「人手不足の悪化」(40.0%)が4割台、「配送スケジュールの見直し」(32.4%)が3割台で続いた。
業界別にみると、「物流コストの増加」は『製造』(80.4%)で8割を超え、『卸売』(79.2%)と『農・林・水産』(75.2%)が7割超で高かった。
また、「配送スケジュールの見直し」は『製造』(45.7%)や『卸売』(45.6%)、『小売』(36.4%)といった主に荷主側となる業界で高かった。
物流の2024年問題への対応策、「運送費の値上げ(受け入れ)」が43.3%でトップ
[画像3: https://prtimes.jp/i/43465/810/resize/d43465-810-b8f21536c925c8b0ebff-0.jpg ]
「2024年問題」のうち、特に物流の2024年問題に対して、対応(予定含む)を行っているか尋ねたところ、「対応あり」とする企業は62.7%だった。他方、「特に対応しない」企業は26.4%と4社に1社となった。
[画像4: https://prtimes.jp/i/43465/810/resize/d43465-810-4f2fbde888341052c639-0.jpg ]
さらに、「対応あり」とした企業に対して、具体的な対応策を尋ねたところ、「運送費の値上げ(受け入れ)」が43.3%でトップとなった(複数回答、以下同)。
次いで、「スケジュールの見直し」(36.3%)や「運送事業者の確保」(24.9%)、「発着荷主と運送事業者双方での連携強化」(24.2%)、DXなど「業務のシステム化や効率化の推進」(20.0%)が上位に並んだ。
業界別にみると、「運送費の値上げ(受け入れ)」は『運輸・倉庫』(51.5%)、『卸売』(50.2%)、『農・林・水産』(50.0%)で5割以上となった。企業からも「物流コストアップは交渉により抑制したいが、一定程度は受け入れる」(広告関連、東京都)といった声があがっていた。
そのほか、DXなど「業務のシステム化や効率化の推進」は、『金融』(44.4%)や『不動産』(28.3%)、『サービス』(27.5%)で高く、「ドライバーの確保・育成」では、『運輸・倉庫』が53.6%と突出して高かった。
また、「荷待ち・荷役時間の把握・削減」は、『運輸・倉庫』が32.4%と最も高く、『製造』(12.2%)や『農・林・水産』(9.1%)が続くが、総じて荷主側企業からの対策意識が低い様子がうかがえた。企業からも「時間指定の縛りや、荷役作業に対する荷主側の意識改革がなされない限り、根本的な解決にならない」(紙類・文具・書籍卸売、東京都)といった厳しい声が聞かれた。
物流の2024年問題、2024年4月が直前に迫るなか、対応を決めかねている様子も
[画像5: https://prtimes.jp/i/43465/810/resize/d43465-810-68accdf13eb58e8ead03-0.jpg ]
物流の2024年問題へ「特に対応しない」企業に対してその理由を尋ねたところ、「これまで通りで問題が生じず、対応する必要がない」が34.6%でトップとなり、「2024年4月以降、問題が生じた際に対応を検討する」(33.6%)が続いた(複数回答、以下同)。
以下、「自社だけでは対応策が検討できない」(27.5%)や「どのように対応すればよいか分からない」(15.8%)が続き、2024年4月が直前に迫っているなかであっても、具体的な対策が見つからず、対応を決めかねている様子も表れている。
「2024年問題」に対する支援策、企業は「金銭的支援」や「人材育成・確保支援」などを求める
[画像6: https://prtimes.jp/i/43465/810/resize/d43465-810-fa0cb724fa3a4d7b8a2f-0.jpg ]
「2024年問題」全般に対して求める支援策や政策などについて尋ねたところ、補助金や助成金など「金銭的支援」(34.0%)と「人材育成・確保支援」(32.3%)が3割台で上位となった(複数回答、以下同)。以下、「高速道路料金などの見直し」(29.3%)や「時間外労働の上限規制の猶予期間の延長」(26.6%)、「ルールなどの周知徹底」(21.5%)が2割台で続いた。
他方、自動運転やロボット技術など「新技術開発支援」は低位にとどまるが、「高速道路での自動運転の新技術開発など、単に補助金を出すことなどではなく、先を見据えた対策を支援する体制を国に設けてほしい」(メンテナンス・警備・検査、静岡県)といった前向きな意見も寄せられた。
本調査の結果、「2024年問題」全般に対して、マイナスの影響を見込む企業は約6割となった。具体的な影響として、「物流コストの増加」や「人件費の増加」、「人手不足の悪化」などがあげられ、多くの企業が負担増を危惧している。
また、幅広い業界に影響を及ぼすと予想される物流の問題に絞ると7割近くの企業でマイナスと捉えている。荷主事業者、運送事業者に関わらず幅広い業界でマイナス影響を見込んでいた。他方、一部企業では残業時間の短縮など働き方改革の進展でプラスとして捉えている。
さらに、物流の2024年問題に対しては、運送費の値上げや受け入れ、スケジュールの見直しなど具体的な対策の実施を予定している。一方で、問題が生じた際に対応を検討する企業も多く、2024年4月が直前に迫るなか、具体的な対策が見つからず、対応を決めかねている企業も一定数存在していた。
迫りくる2024年問題に対して、既存のサービスを維持するため、企業には様々な対応策を行っており、現状の課題解決に資する対策だけでなく、DXなどの力強い推進や新技術の開発・利活用など将来を見据えた効率化や業務改善は必要となってくる。
政府には十分な金銭的な支援だけでなく、個社だけの対応や一部の業界だけが負担を被ることにならないような制度や体制づくり、企業の取り組みを継続的に後押しする政策が求められている。
企業からの主な声
自社ではすでに対応済で、そこにビジネスチャンスがあると捉えている(建材・家具、窯業・土石製品製造)
2024年問題で、労働環境の改善に社会的な関心が高まることは良い(専門サービス)
従業員(ドライバー)側の意識改革(効率化の推進・取り組み)も必要と考えている(運輸・倉庫)
運送会社の人材及び機材確保以外に発注元(荷主)が運賃の値上げに応じれば良い、安い運賃が全ての元凶である。運賃を上げ運転手及び運送会社の待遇改善に充てるべきである。原材料費の値上げ対応はするが、運賃等に関しては削減する事しか考えていない(建材・家具、窯業・土石製品卸売)
物流の2024年問題について、都市部よりも地方の方がより深刻な影響を受けるように思う。長距離貨物の値段が上がる、届くまでの日数がかかるなどの影響が大きくなれば、地方は今より不便になる(電気機械製造)
建設業は、発注者の意向に合わせ工期が決まることが多い。特に下請けがそのしわ寄せを被る構造的な問題がある。また、工場の場合はラインが停止する年末年始・夏の盆時期の仕事も多々あり、「働き方改革」への対応は悩ましい(建設)
2024年問題に関する政府の支援策規模が小さすぎて意味がない(運輸・倉庫)