【伝統工芸品に関する調査】最も購入経験が高いのは、「伊万里・有田焼」15.7%
[22/06/28]
提供元:PRTIMES
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〜国内需要拡大に向けた伝統工芸品市場は、地道な認知度アップが大切〜
CCCマーケティング株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:田代誠)にて、『生活者の皆さまと共に歩み、共に考えるシンクタンク』として生活者の意識把握に努めるCCCマーケティング総合研究所(所長:新橋実、以下「CCCマーケティング総研」)は、2022年3月16日(水)〜3月24日(木)に「伝統工芸品に関する調査」を実施しました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/983/814/resize/d983-814-cea409d3f6ebf6fb7c20-3.jpg ]
日本各地にその土地の風土、歴史を踏まえた工芸品が伝わってきていますが、現在、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」(1974年法律第57号)に基づく経済産業大臣の指定を受けている工芸品は237品目に上ります(2022年3月18日時点)。こうした伝統工芸品には、織物、染色品、陶磁器、漆器、木工品、竹工品、金工品、仏壇、仏具、和紙、文具(筆、墨、硯、そろばん)、石工品、人形、郷土玩具、扇子、団扇、和傘、提灯、和楽器、神祇調度、慶弔用品、工芸用具、工芸材料などが挙げられますが、1950年代の高度経済成長以降、原材料の確保難や後継者不足などにより、産業維持が困難になっているものも少なくありません。
経済産業省が実施している直近の2020年「工業統計調査」(2019年実績)における品目別統計表より伝統工芸品企業が多く含まれる市場について見ていくと、ほとんどの品目で出荷金額が減少し、事業所数も減少傾向にあることが分かります。(図1)これらの数字は2019年実績であり、国内においてはインバウンドの市場が拡大し言わば追い風を受けていたタイミングの統計ですので、コロナ禍でインバウンドが停滞し、激しく失速した現状はさらに厳しい状況にあることが推察されます。
【図1】
[画像2: https://prtimes.jp/i/983/814/resize/d983-814-e896b5d6d03a7ebb44c8-2.png ]
※グラフは品目を抜粋して掲載しております。詳しくは、https://www.cccmk.co.jp/thinktanks/column-51をご覧ください
※グラフは、経済産業省大臣官房調査統計グルー プ 2020年 工業統計表「品目別統計表」をもとに弊社が独自に作成
今後はインバウンド拡大に向けた動きが活発化していくとみられますが、かつてのように年間3,000万人を超えるインバウンド客を集めるまでには少し時間がかかりそうです。そんな中、国内においての需要拡大は伝統工芸品市場の維持に極めて重要なポイントになります。今回は国内の主要な伝統工芸品の認知・購入意向について、全国の20〜60代の男女8,739人の方にアンケートを実施しました。
調査結果概要
●伝統工芸品の認知で70%を超えたのは、41品目中6品目。2〜3割の認知に留まる工芸品が多い。
●最も購入経験の高い伝統工芸品は「伊万里・有田焼」で15.7%。2桁を超えた品目は7品目。
●伝統工芸品の活性化に必要な視点は、情報の発信の仕方か。
70%を超える認知は41品目中6品目にとどまる
国内各地にある伝統工芸品の認知について聞いたところ、今回の調査対象41品目のうち70%を超える認知となっているものは「南部鉄器(70.7%)」、「江戸切子(71.0%)」、「輪島塗(74.9%)」、「信楽焼(71.2%)」、「西陣織(72.9%)」、「伊万里・有田焼(78.4%)」の6品目でした。認知が30%を切る品目は15品目あり、認知獲得に課題を抱えている伝統工芸品が多く存在している状況であると言えます。
【図2】
[画像3: https://prtimes.jp/i/983/814/resize/d983-814-c14e30af3f6e3e61b751-0.png ]
※グラフは品目を抜粋して掲載しております。詳しくは、https://www.cccmk.co.jp/thinktanks/column-51をご覧ください
最も購入経験の割合が高いのは「焼き物」。美しさの実用性が購入を引き上げか。
伝統工芸品は価格がやや高いものが多く地域で購入されることが多いため、さほど多くの購入機会に恵まれないものですが、今回のアンケート調査の結果をみると、41品目のうち最も購入経験の割合が高かったのは「伊万里・有田焼」の15.7%となり、購入経験が20%を超える品目は一つもありませんでした。2桁を超えた品目は「南部鉄器」、「江戸切子」、「箱根寄木細工」、「輪島塗」、「信楽焼」、「萩焼」、「伊万里・有田焼」の7品目で焼き物が多くなっています。日本の伝統工芸品は、美しさはもちろん、その実用性の高さが評価されますが、購入経験の割合の高いものをみると、実用性が購入を引き上げる上ではやはり重要になっていることがうかがえる結果となりました。
【図3】
[画像4: https://prtimes.jp/i/983/814/resize/d983-814-d57b5c21960301272b3c-1.png ]
※グラフは品目を抜粋して掲載しております。詳しくは、https://www.cccmk.co.jp/thinktanks/column-51をご覧ください
今回の調査からみると、日本の伝統工芸品は国内においてもまだ2〜3割の認知にとどまっているものが多く、まずは地域外の方々に知っていただくということが活性化の入り口となりそうです。
「伝統工芸品に関する調査」について、「伝統工芸品41品目の認知」や「伝統工芸品41品目の購入経験」など、品目別の詳しい数字については、CCCマーケティング総研の下記ページをご覧ください。
■CCCマーケティング総研「伝統工芸品に関する調査」
https://www.cccmk.co.jp/thinktanks/column-51
■調査データ概要
調査名:伝統工芸品に関する調査〜都道府県に関する調査より(2022年3月)
調査地域 :全国
調査対象者:男女20〜69歳のT会員
有効回答数:8,739サンプル
調査期間 :2022年3月16日(水)〜3月24日(木)
調査機関 :CCCマーケティング株式会社
調査方法 :インターネット調査(Tアンケート)
※日本の性・年代別人口構成比でウエイトバックしたスコアを利用しています
CCCマーケティング総合研究所の概要
名称:CCCマーケティング総合研究所(CCCマーケティング総研)
URL:https://www.cccmk.co.jp/thinktanks
設立:2020年7月21日
生活者の消費データ、インサイトや心の変化、さらには社会環境や経済情勢などを踏まえ、生活者のみなさまの「ちょっといいな」を実現するために、2020年に発足しました。
我々は『生活者の皆さまと共に歩み、共に考えるシンクタンク』として生活者の意識把握に努め、その声をもとに「データ」×「クリエイティブ」×「コンサルティング」のチカラによって皆さまの未来創造に伴走します。
CCCマーケティング株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:田代誠)にて、『生活者の皆さまと共に歩み、共に考えるシンクタンク』として生活者の意識把握に努めるCCCマーケティング総合研究所(所長:新橋実、以下「CCCマーケティング総研」)は、2022年3月16日(水)〜3月24日(木)に「伝統工芸品に関する調査」を実施しました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/983/814/resize/d983-814-cea409d3f6ebf6fb7c20-3.jpg ]
日本各地にその土地の風土、歴史を踏まえた工芸品が伝わってきていますが、現在、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」(1974年法律第57号)に基づく経済産業大臣の指定を受けている工芸品は237品目に上ります(2022年3月18日時点)。こうした伝統工芸品には、織物、染色品、陶磁器、漆器、木工品、竹工品、金工品、仏壇、仏具、和紙、文具(筆、墨、硯、そろばん)、石工品、人形、郷土玩具、扇子、団扇、和傘、提灯、和楽器、神祇調度、慶弔用品、工芸用具、工芸材料などが挙げられますが、1950年代の高度経済成長以降、原材料の確保難や後継者不足などにより、産業維持が困難になっているものも少なくありません。
経済産業省が実施している直近の2020年「工業統計調査」(2019年実績)における品目別統計表より伝統工芸品企業が多く含まれる市場について見ていくと、ほとんどの品目で出荷金額が減少し、事業所数も減少傾向にあることが分かります。(図1)これらの数字は2019年実績であり、国内においてはインバウンドの市場が拡大し言わば追い風を受けていたタイミングの統計ですので、コロナ禍でインバウンドが停滞し、激しく失速した現状はさらに厳しい状況にあることが推察されます。
【図1】
[画像2: https://prtimes.jp/i/983/814/resize/d983-814-e896b5d6d03a7ebb44c8-2.png ]
※グラフは品目を抜粋して掲載しております。詳しくは、https://www.cccmk.co.jp/thinktanks/column-51をご覧ください
※グラフは、経済産業省大臣官房調査統計グルー プ 2020年 工業統計表「品目別統計表」をもとに弊社が独自に作成
今後はインバウンド拡大に向けた動きが活発化していくとみられますが、かつてのように年間3,000万人を超えるインバウンド客を集めるまでには少し時間がかかりそうです。そんな中、国内においての需要拡大は伝統工芸品市場の維持に極めて重要なポイントになります。今回は国内の主要な伝統工芸品の認知・購入意向について、全国の20〜60代の男女8,739人の方にアンケートを実施しました。
調査結果概要
●伝統工芸品の認知で70%を超えたのは、41品目中6品目。2〜3割の認知に留まる工芸品が多い。
●最も購入経験の高い伝統工芸品は「伊万里・有田焼」で15.7%。2桁を超えた品目は7品目。
●伝統工芸品の活性化に必要な視点は、情報の発信の仕方か。
70%を超える認知は41品目中6品目にとどまる
国内各地にある伝統工芸品の認知について聞いたところ、今回の調査対象41品目のうち70%を超える認知となっているものは「南部鉄器(70.7%)」、「江戸切子(71.0%)」、「輪島塗(74.9%)」、「信楽焼(71.2%)」、「西陣織(72.9%)」、「伊万里・有田焼(78.4%)」の6品目でした。認知が30%を切る品目は15品目あり、認知獲得に課題を抱えている伝統工芸品が多く存在している状況であると言えます。
【図2】
[画像3: https://prtimes.jp/i/983/814/resize/d983-814-c14e30af3f6e3e61b751-0.png ]
※グラフは品目を抜粋して掲載しております。詳しくは、https://www.cccmk.co.jp/thinktanks/column-51をご覧ください
最も購入経験の割合が高いのは「焼き物」。美しさの実用性が購入を引き上げか。
伝統工芸品は価格がやや高いものが多く地域で購入されることが多いため、さほど多くの購入機会に恵まれないものですが、今回のアンケート調査の結果をみると、41品目のうち最も購入経験の割合が高かったのは「伊万里・有田焼」の15.7%となり、購入経験が20%を超える品目は一つもありませんでした。2桁を超えた品目は「南部鉄器」、「江戸切子」、「箱根寄木細工」、「輪島塗」、「信楽焼」、「萩焼」、「伊万里・有田焼」の7品目で焼き物が多くなっています。日本の伝統工芸品は、美しさはもちろん、その実用性の高さが評価されますが、購入経験の割合の高いものをみると、実用性が購入を引き上げる上ではやはり重要になっていることがうかがえる結果となりました。
【図3】
[画像4: https://prtimes.jp/i/983/814/resize/d983-814-d57b5c21960301272b3c-1.png ]
※グラフは品目を抜粋して掲載しております。詳しくは、https://www.cccmk.co.jp/thinktanks/column-51をご覧ください
今回の調査からみると、日本の伝統工芸品は国内においてもまだ2〜3割の認知にとどまっているものが多く、まずは地域外の方々に知っていただくということが活性化の入り口となりそうです。
「伝統工芸品に関する調査」について、「伝統工芸品41品目の認知」や「伝統工芸品41品目の購入経験」など、品目別の詳しい数字については、CCCマーケティング総研の下記ページをご覧ください。
■CCCマーケティング総研「伝統工芸品に関する調査」
https://www.cccmk.co.jp/thinktanks/column-51
■調査データ概要
調査名:伝統工芸品に関する調査〜都道府県に関する調査より(2022年3月)
調査地域 :全国
調査対象者:男女20〜69歳のT会員
有効回答数:8,739サンプル
調査期間 :2022年3月16日(水)〜3月24日(木)
調査機関 :CCCマーケティング株式会社
調査方法 :インターネット調査(Tアンケート)
※日本の性・年代別人口構成比でウエイトバックしたスコアを利用しています
CCCマーケティング総合研究所の概要
名称:CCCマーケティング総合研究所(CCCマーケティング総研)
URL:https://www.cccmk.co.jp/thinktanks
設立:2020年7月21日
生活者の消費データ、インサイトや心の変化、さらには社会環境や経済情勢などを踏まえ、生活者のみなさまの「ちょっといいな」を実現するために、2020年に発足しました。
我々は『生活者の皆さまと共に歩み、共に考えるシンクタンク』として生活者の意識把握に努め、その声をもとに「データ」×「クリエイティブ」×「コンサルティング」のチカラによって皆さまの未来創造に伴走します。