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千葉大生とZOZOが「ファッションとサステナビリティ」をテーマに協同プロジェクトを実施

ダイバーシティ、人権、環境、文化をテーマに、学生が主体的に企画立案し実行することを目標に活動

千葉大学環境ISO学生委員会は、2022年度より「ファッションとサステナビリティ」をテーマに、株式会社ZOZOと協同プロジェクトを実施しています。2023年度の実施状況を踏まえ、4月16日には新入生を迎えて2024年度のプロジェクトがスタートしました。




プロジェクトについて


<背景>
国立大学法人千葉大学とファッションEC「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZO(以下、ZOZO)は、学術・文化の振興と地域経済の活性化を図り、地域社会へ貢献することを目的に、2019年2月に包括的連携協定を締結しました。その中で、「教育・研究に関する人的・知的資源の交流」や「インターンシップの実施及びキャリア教育支援による人材育成」などを連携事項として掲げています。

[画像1: https://prtimes.jp/i/15177/814/resize/d15177-814-3086906410525e3c5e52-2.jpg ]

千葉大学環境ISO学生委員会(以下、学生委員会)とZOZOの協同プロジェクトは、2022年2月に学生委員会が主催した「Chiba Winter Fes 2022」にZOZOがブース出展したことをきっかけに発足しました。

<内容>
協同プロジェクトのテーマを「ファッションとサステナビリティ」に設定し、約40名の学生が主体となって、ZOZOと取り組むサステナビリティ施策を考え、運営しました。ZOZOは学生のアイデアへの助言や、関連企業の紹介を行ったほか、活動資金の寄付なども行いました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/15177/814/resize/d15177-814-5207840c95b86dce1d57-1.jpg ]

2022年度は、お互いの活動紹介、ZOZO本社見学、取り組みに関するグループディスカッションを経て、「ダイバーシティ」「環境」「人権」「文化」をキーワードに学生たちの自由な発想のもと、企画を立案しました。環境班ではペットボトルのリサイクル工場の見学や西千葉におけるゴミ拾いなどを行いました。全体としては、初年度ということもあり、2023年度に本格的に活動開始できるようディスカッションを重ねました。


2023年度の実施内容


2023年度は、まず、5月19日にプロジェクトメンバーの学生らがZOZO本社を見学した後、2023年度のプロジェクト内容についてディスカッションしました。そこで、2023年度も前年同様「ダイバーシティ」「環境」「人権」「文化」のグループに分かれた上で、企画を絞って活動することになりました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/15177/814/resize/d15177-814-8bce0fd9a4002d8ab93c-9.jpg ]

ダイバーシティ班


現在、昨年のLGBT理解増進法の施行に伴い、社会の中でLGBTQ+に関する議論が拡大しています。それと共に、多様性やダイバーシティを掲げた大学の取り組みも広がっています。2023年度はLGBTQ+に関する知識や考え方・理解を深めることを目的に、出前授業の参加やセミナーを開催しました。

【学生企画】
●LGBTQ+セミナー開催 
2024年2月9日、千葉大学の学生・教職員とZOZO社員を対象に、「カミングアウトされたらどうする?」と題したオンラインセミナーを開催しました。大学生のジェンダー・セクシュアリティに関する相談支援や居場所づくり、LGBTQ+の啓発や研究活動を行っている、NPO法人共生社会をつくる性的マイノリティ支援全国ネットワーク副代表理事の渡邉 歩氏を講師に迎え、友達からカミングアウトされた時の対応をテーマに基礎知識や当事者の状況についてご説明いただきました。当日は約40名の方にご参加いただき、質疑応答も活発に行われ、充実した2時間となりました。

【その他の活動】
●ZOZOが実施するダイバーシティ出張出前授業に参加実施
[画像4: https://prtimes.jp/i/15177/814/resize/d15177-814-0329531e193e0bbe8906-2.png ]

2023年6月2日、千葉大学教育学部附属小学校の4〜6年生(帰国子女クラス)の生徒を対象としたダイバーシティに関する授業に、学生委員がセクシュアルマイノリティ当事者として教壇に立ち、「LGBTQ+」をテーマとした授業を行いました。

環境班1. 〜ペットボトルキャップを用いたワークショップ〜


プラスチックごみ問題を考えるきっかけと、環境に配慮したファッションの存在を意識するきっかけづくりを目的に活動を行いました。

【学生企画】
●ペットボトルキャップを用いたアクセサリーづくりワークショップ
2023年11月3日〜5日に千葉大学で行われた「千葉大学祭」と2024年2月18日「Chiba Winter Fes 2024」にて、不要になったペットボトルのキャップでアクセサリーを作製するワークショップを実施しました。事前に粉砕したペットボトルキャップを型枠の中に入れ、その上からアイロンをかけて溶かして固めて、ストラップを作製しました。
[画像5: https://prtimes.jp/i/15177/814/resize/d15177-814-f75c0b0903852f69a199-11.jpg ]

[画像6: https://prtimes.jp/i/15177/814/resize/d15177-814-343846096c0eb8f00d8b-3.jpg ]

2つのイベントで、子どもから大人まで約130人に参加していただきました。待ち時間にはプラスチック問題やゴミ分別などに関連したクイズを行い、「ペットボトルのゴミが減るようにもっと気を付けよう」といった声を聞くことができ、ワークショップを通じて運営側も新たな気付きを得たり、参加者にも環境問題を自分事として捉えてもらえたと、実感することができました。

【その他の活動】
●ビーチクリーン活動に参加
2024年3月14日、ZOZOが実施しているビーチクリーン活動に、学生3名が参加しました。今後も継続的に参加していくとともに、多くの学生が自然環境の実態を体験できる場にしていきたいと思っています。
[画像7: https://prtimes.jp/i/15177/814/resize/d15177-814-8b84b16f200d039f5ffa-5.jpg ]


環境班2. 〜土に還る服〜


ファッションにおける環境問題や環境に配慮した服の存在を意識するきっかけになることを目的に「土に還る服」に着目した活動を行いました。
活動の経緯として、2023年10月27日〜31日、学生委員会の学生65名を対象に実施したアンケートにおいて、?服を購入する際によく考慮するのは「価格」や「デザイン」であって、「環境に良いかどうか」や「人権に配慮し ているかどうか」を考える優先順位は低いことがわかりました。また、約85%の人が処分された服がその後どうなるかを知らないという結果も得られました。
ファッション業界における環境問題についてあまり知られていないことや、?服を購入する際の判断基準に環境への影響が含まれていないことなどは一般社会でも起きていると考えられるため、環境に配慮した服について学生が学び、周知させるための活動を行いました。

【学生企画】
●「土に還る服」関連企業の取材
ZOZOの紹介で、土に還る服を提供する企業への取材を行いました。
・Syncs.Design株式会社
[画像8: https://prtimes.jp/i/15177/814/resize/d15177-814-f64449b2b7a981421a6e-6.jpg ]

2023年9月3日、服を買う行動が自然へと循環する社会の実現を目指し「土に還る服」を販売するアパレルブランド「Syncs.Earth(シンクスアース)」を取材しました。Syncs.Earthは製品を100%自然に還すことができる循環型ブランドです。実際に、服を土に還す際の現場である畑に伺い、服が分解される過程を見学しました。畑には農薬を使わず、ボタンや糸に至るまで自然由来の素材を活用していると伺いました。今は服を買う際に環境への影響を配慮して商品を選ぶ方はまだまだ少ない状況ですが、土に還る服も「環境に良いから選ぶ」だけでなく、「着たいから」「きれいだから」という理由で購入されるような服作りをSyncs.Earthでは目指しているそうです。
取材を通して、服を買う行動が自然へと循環する社会の実現を目指し、ファッションにおける環境問題や環境に配慮した服の存在を広く伝えていきたいと思いました。

・株式会社東紀繊維
2024年2月9日、できるだけ環境負荷の少ない方法で繊維から生地や衣服を作っている、株式会社東紀繊維(以下、東紀繊維)の編立工場を取材しました。まず、一般的には生地や衣服が作られる過程においては、化学繊維や大量の水を使ったり、冷暖房の使用によって二酸化炭素を排出したり、生地のカットによるロスや余剰による廃棄などの問題があることを学びました。これらの問題に対し、東紀繊維では一般的な編み機の約30分の1の電力で動く吊り編み機を使用したり、太陽光発電を行ったりしているそうです。取材では、吊り編み機で生地を作っている様子や服が土に還るまでの様子などを見学しました。吊り編み機は、生地に余計な力をかけずに編むことができるため、織った生地はとても軽い仕上がりになっていました。また、東紀繊維で生産している製品は、地球に優しい、土に還る素材のみを使用しているそうです。取材を通して、普段自分たちが着ている服の生産過程や環境への負荷を知り、その上で服を選択していくことが、地球環境の保全にもつながっていくのだと感じました。

●「土に還る服」の実験
[画像9: https://prtimes.jp/i/15177/814/resize/d15177-814-bc8caca047d63ea95aab-7.jpg ]

見学した知見を活かして、千葉大学西千葉キャンパス内で実際に、服の端切れを分解させてみる実験を行いました。残念ながら完全に分解させることはできませんでしたが、自分たちで実践してみたことで、土に還るプロセスを体感することができました。

●「土に還る服」の広報活動
2023年11月3日〜5日に行われた千葉大学祭で実施した、ペットボトルキャップを使ったアクセサリーづくりワークショップのブースに、ファッションと環境問題や土に還る服の紹介などをまとめたポスターを展示しました。
また、取材の内容を報告する記事を作成し、今後ZOZOのホームページに掲載する予定です。

人権班


服やコスメの生産段階で人権侵害の問題があり、人権に配慮されていない商品を購入することで人権問題を助長してしまうことから、人権問題を自分事としてとらえ、購入する品を選ぶとき、「人権に配慮して生産されている」ということが判断基準となることを目的に、まずは、千葉大生とZOZO社員を対象に活動を行いました。

【学生企画】
●学生自身が学ぶ勉強会
2023年6月29日、衣服、コスメに関する「人権問題の概要」・「人権問題に関する企業の取組」・「フェアトレード」をテーマに、班員それぞれが調べ、班内で共有してディスカッションしました。
「人権問題」は遠い国の話ではない、職場での多様性の受け止められ方や自分らしく働けるか等も人権問題で考えるべきことである、衣服がなぜ安く買えるのかを考える人が少ない、人権問題にはお金が深くかかわっている、など、多方面から人権問題について知ることができました。

●人権問題に取り組む企業の取材
人権問題に取り組む企業で、ZOZOTOWN出店ブランドである「THE BODY SHOP」・「Nudie Jeans」にご協力いただき、2023年9月・10月に取材を行いました。
・THE BODY SHOP
THE BODY SHOPでは、世界の貧困地域の経済的自立のために、一時的な取引や支援ではなく、継続した取引を行う「コミュニティフェアトレード」という取り組みを実施していました。また、トレーサビリティの観点から、生産過程において人権侵害が起きていないかを把握するために、独自の方針をもとに監査の基準を立てているそうです。商品の品質を向上させて多くの人々に商品を手に取ってもらうことで、人権問題について関心を持ってもらおうと取り組んでおり、こうした企業の取り組みについて知ること、広めることの大切さを感じました。
・Nudie Jeans
Nudie Jeansは、すべてのコットン製品においてオーガニックコットン100%化しており、フェアトレードコットンの使用や農家の資金面でのサポートも行っていました。普段何気なく購入しているジーンズですが、服が人や環境に及ぼす影響について考える大変貴重な機会となりました。取材を通して、フェアトレードの商品を選ぶことが農家のビジネス拡大に貢献し、フェアトレードを推進させるということを学んだので、今後は消費者としてなるべくフェアトレードの商品を選んでいきたいと思いました。

●「フェアトレードの学校」に参加
2023年9月23日に行われた、フェアトレード専門ブランドPeople Tree 主催のワークショップ「フェアトレードの学校」に学生2名が参加し、オーガニックとはどういうものか、オーガニック・テキスタイル世界基準であるGOTS認証についてなどの知識を得ることができました。また、日本ではオーガニックといえば安全で健康に良いという、自分への影響からの視点で考えていますが、それだけではなく、オーガニックには生物多様性や労働者の健康にも好影響を与えるものであることも学びました。

●映画上映会を開催
[画像10: https://prtimes.jp/i/15177/814/resize/d15177-814-3248204fcd7072ec6aa9-8.jpg ]

ファッションの人権問題について多くの人に知ってもらうため、2023年12月11日、ZOZO STUDIOにおいて「Film Festival for Human Rights」を開催し、当日は千葉大学の学生・教職員、ZOZOの社員、千葉市役所職員ら約30名ほどが参加しました。
人権班が学んだことを発表し、様々な企業の取り組みなどを紹介した後に、映画『The True Cost 〜ファストファッション真の代償〜』を上映しました。映画は、2013年にインドネシアで起こったラナ・プラザ崩落をメインテーマとしており、ファストファッションの色鮮やかな見た目とは裏腹な、作り手側の健康問題、雇用主による人権侵害がリアルに映し出されていました。
鑑賞後には参加者の皆さんと感じたことのディスカッションを行いました。「服のデザインや価格と違って自分に直接影響がない分、見過ごしてしまっていることが多いと感じた」「自分にできることは何だろうと深く考えさせられた」「自分の行動が他の誰かに影響していることを忘れないようにしたい」といった感想があがりました。

●広報活動
THE BODY SHOPとNudie Jeansの取材内容と、映画上映会の様子をまとめたWeb記事を作成し、ZOZOのホームページで発信しました。https://corp.zozo.com/sustainability/initiative/20240325-post_14/

文化班


西千葉の街をもっと明るくしたい、防犯にも寄与したいという思いから、アートで街に彩りを与えようと企画を立案しました。費用面や安全面で実現が難しいなど様々な壁にぶつかりながら、現在も企画を進行しています。


2023年度を踏まえ、2024年度の新体制でスタート


[画像11: https://prtimes.jp/i/15177/814/resize/d15177-814-bd4a09de9e022fe21b82-10.jpg ]

2024年3月13日に、学生委員会からZOZOに向けて、各企画で実施した内容についてまとめて報告する実施報告会を行いました。2023年度の実施内容と2024年度に向けた展望について、ディスカッションすることができました。
2年間やってきた成果と課題を踏まえた上で、4月16日に新たにプロジェクトに加わった15名以上の新入生を迎え、2024年度はさらに進化した形でプロジェクトを実施する予定です。

プロジェクト担当者の声


●学生チームの統括メンバー
法政経学部 2年 阪本活美
立ち上げから2年、活動を通してファッションに関連する課題について、私自身が新たに知ること・学ぶことがとても多かったです。自分たちが学んだことを他の人にどう伝えれば関心を持ってもらえるか、課題に対して自分たちが出来ることは何かを考え活動を行ってきました。2023年度は、人権問題について考える映画祭やプラスチックごみの問題をテーマとしたワークショップの開催など、様々な取り組みを行うことができました。このプロジェクトでの活動が、ファッション分野の課題について興味を持ったり、日常生活の中で環境問題について考えたりするきっかけとなったら嬉しいです。

園芸学部 2年 小竹涼介
プロジェクトが始まって2年が経ち、どの班も昨年度より格段によい成果をあげることが出来て嬉しいです。私の所属するダイバーシティ班では、LGBTQ +などの性的マイノリティーの方が過ごしやすいキャンパスを作るためには、どうすれば良いか考えて活動をしてきました。2023年は新しい人や考えにたくさん出会い、とても実りある1年になりました。2024年度は、新入生もたくさん入ったことから、引き続き充実した活動をしていきたいです。

●ZOZOの担当者
ZOZO CI本部 フレンドシップマネージメント部 鹿子聡美様
千葉大学との協同プロジェクトを実施する中で弊社が大切にしていることは、学生の主体性や探究心を最大限引き出すこと、そしてZOZOとだからこそチャレンジできる機会を提供することです。2年間の活動で得た、学生だからこそ思い浮かぶアイデア力や最後までやり遂げる推進力などを、今後の学校生活や社会に出た際に活かしていただければ嬉しいです。今後も試行錯誤を続けながら、参加した全員が「ZOZOとの協同プロジェクトを通して成長できた!楽しかった!」と思ってもらえるようサポートしてまいります。


本件に関するお問い合わせ


国立大学法人千葉大学 環境ISO事務局 
TEL:043-290-3572
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