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パナソニックが「病院内自律搬送ロボット HOSPI(R)」の販売を開始〜病院経営の合理化と医療サービスの向上に貢献




パナソニック株式会社は、病院内の薬剤や検体を人手に替わって、全自動で搬送する「病院内自律搬送ロボットHOSPI(ホスピー)」の販売を2013年10月より開始します。

日本の人口構造の高齢化が進む中で、医療現場となる病院では経営の健全化と医療看護サービスの質の維持・向上が強く求められています。パナソニックは、病院の本来業務である医療・看護業務を阻害する間接業務の効率化に着目し、これを革新的に改善できるロボットの開発を進めてきました。具体的には松下記念病院(大阪府守口市)において医療・看護業務の調査・分析を行い、薬剤や検体の院内搬送が看護師や検査技師の本来業務の大きな阻害要因となっていることを明らかにし、2010年初頭より、この搬送作業を代替できるロボット開発に着手しました。そして、同病院での実証実験を行う中で、ロボットの機能や性能の検証だけでなく、病院経営への効果も大きいことが明らかになり、このたび、本ロボットの販売を開始することになりました。

なお、本ロボットの開発・製造についてはパナソニック プロダクションテクノロジー株式会社が、販売についてはパナソニック システムネットワークス株式会社 システムソリューションズジャパンカンパニー関西社が担当します。

【特長】
1.走行誘導用のラインや軌道を要せず、病院内のどこへでも搬送
・誘導ライン・軌道の敷設工事が不要なため、格安な導入費・維持費を実現。
・既築でも新築・増築でも、搬送経路を自由に設計。部門配置変更にも柔軟に対応。
・エレベータと連動して自動乗降するため、多層階の搬送も自由自在。

2.薬剤の臨時搬送・検体の検査部への搬送に特化した最適な設計
・搬送中の薬剤・検体をいたずら・盗難からしっかり守る、自動ロック扉つき収納。
・終始一定の安定姿勢で、搬送物にダメージのない静かな搬送を実現。今までの搬送装置や人手では難しかった、輸液薬剤、抗がん剤、尿検体も現行の荷姿のまま積載することが可能。

【製品仕様】
品名:病院内自律搬送ロボットシステム
品番:AP-3020A
販売開始:2013年10月
自律走行機能:
・地図情報と環境認識に基づく自律走行
・レーザーレンジファインダーによる環境認識
搬送能力:
・最大20kg
・収納スペース A3サイズ薬剤トレー6段相当
搬送物:
・一般薬品 ・要管理薬品 ・検体 ・カルテなどの文書類
最大移動速度:1.0 m/s
通信機能:無線LAN IEEE802.11a/b/g/n
セキュリティ機能:IDカードによるユーザ認証
エレベータ乗降機能:エレベータの自動呼び出し、乗り降り
記録機能:
・操作者、操作内容、走行位置
・搭載カメラによる走行前方映像(オプション)
外形寸法:630(W)×725(D)×1386(H) mm
質量:約170kg
連続運転時間:約7時間 (運用方法、走行環境によって変動します)
充電時間:フル充電まで約8時間
※HOSPIはパナソニック株式会社の登録商標です。


■パナソニック プロダクションテクノロジー株式会社
パナソニック株式会社 モノづくり本部傘下の事業会社で生産設備の設計開発・ソフト開発・製造・保守サービス事業を主力にロボット開発・商品化等の事業も展開
・設立:2002年10月1日
・本社所在地:〒571-8502 大阪府門真市松葉町2番7号
・ホームページ:http://panasonic.co.jp/pptc/


■開発に至った経緯:
これまで病院では、薬剤や検体の搬送については、主にカルテの随時搬送用として導入されたエアシュータや天井近傍を走らせる軌道台車が利用されてきました。しかし、電子カルテの導入とともにカルテの搬送は量・頻度ともに激減し、搬送ミスの許されない薬剤や検体などの搬送手段について、改めて模索されることになりました。
一方、薬剤や検体の搬送は、24時間365日発生し(注:病院の運営状況による)、これを看護師や検査技師が行うと本業を妨げることとなり、人手による代替は妥当ではないとの見方が強くあります。
そのような事情から、人手による搬送に近い特性を持ち、エアシュータなど従来の搬送装置よりも導入費用や維持費用が合理的な「ロボット」に関心が高まりました。
このような背景のもと、当社は長年蓄積してきた自律移動ロボットの技術を適用した搬送ロボットを開発し、先行して強い関心をお寄せいただいていた松下記念病院、埼玉医大国際医療センターにおいて、運用実証を行ってきました。

その結果、
○従来の搬送機械設備(エアシュータや軌道台車)に比べ、導入費用が1/4〜1/2程度、メンテナンス費用が1/5程度に抑えられる(松下記念病院の事例から試算)
○従来の搬送機械設備のように、経路上で搬送物の上下姿勢を変化させることがないため、検体や発泡性の高い抗がん剤の搬送ができる。
○薬の臨時処方で期待される搬送時間(地下1階から6階の場合で5〜6分)内の搬送を安定して実現できる
など、病院の経営や日々の運営に大きなメリットがあることが明らかになりました。

■詳しい特長:
1. 走行経路ガイド不要
「HOSPI」は、(※1)走行経路ガイドが不要なため、走行経路を決めるためのテープや軌道(レール状のもの)によって歩行を妨げることはなく、また床面の美観を損ねることもありません。床面に工事を施す必要がないことから、導入費用が低減でき、導入工事期間が短縮できます。

(※1)従来の自動搬送装置では、走行経路を決めるためのテープや軌道(レール状のもの)を施工する必要がありました。このため、病院業務の改善やレイアウト更新の都合で、経路や目的位置を変更する際には、これらテープや軌道の施工をし直す必要がありました。

2. 自律制御機能
目的地を指定された「HOSPI」は、事前に入力された病院建物の地図情報をもとに、適切な走行経路を自分で計画し、走行を完遂します。途中で患者さんや車椅子などに遭遇しても、高性能な障害物検知センサシステムにより安全に回避して目的地に向かいます。

3. 大切な薬剤・検体を守る収納部
「HOSPI」の収納庫はIDカードによるセキュリティを確保していますので、スタッフのみが収納庫を開錠することができます。さらに、安定した姿勢で搬送することで液体の泡立ちを少なく抑えることができ、一般薬品に加え、血液検体、尿検体などを搬送することができます。

4. エレベータ自動乗降機能
「HOSPI」は、エレベータへの自動乗降機能を有しており、多層階の病院内でも職員の手を煩わせることなく搬送が可能です。エレベータのかごに「HOSPI」と人が同乗することで不安をもたれることを防ぐために、「HOSPI」がエレベータを利用する場合は、「HOSPI」乗込み専用モードとなり、「HOSPI」が降りると即座に通常の人が利用するモードに戻ります。エレベータ利用効率と安全・安心な運用を両立しています。
さらに、「HOSPI」やエレベータ装置からの音声案内やサイネージ(オプション)により、一時的に「HOSPI」がエレベータを利用することを映像と音声でお知らせすることで、来院者の快適性を損なわないよう配慮しています。

5. 院内LAN(有線・無線)による、運行監視システム
「HOSPI」は職員がスタートさせた後は、職員の目を離れて病院内を自在に走行することになります。そのため、走行中の状態や、到着したことをわかりやすくお知らせするために、院内LANを活用した運行監視システムを備えています。また「HOSPI」は、すべての操作や走行経路を記録することはもちろん、走行前方のカメラ画像(オプション)を記録する機能を備えています。そのため、誰がいつ「HOSPI」にどのような搬送をさせたかの記録を残せるだけでなく、走行中に例えば子供が「HOSPI」と遊んでいた事象や、「HOSPI」到着位置に他の機器を置いていたなど、運用にまつわる改善点を明確にすることができ、正確で効率的な院内搬送を維持します。

【お客様お問い合わせ先】
パナソニック システムネットワークス株式会社
システムソリューションズジャパンカンパニー関西社
TEL:06-6350-3785

<関連情報>
・[プレスリリース]「病院内自律搬送ロボット HOSPI(R)」の販売を開始(2013年10月24日)
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/2013/10/jn131024-1/jn131024-1.html
・笑顔を運ぶ、病院内自動化の新たなソリューション〜Panasonic Solutions Report 04〜
http://ex-blog.panasonic.co.jp/ch_panasonic/psr/10809.html
https://www.youtube.com/watch?v=6_t9iSImprs
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