貧困層の子どもへの投資が、非貧困層への投資の2倍近い命を救う【プレスリリース】
[17/06/28]
提供元:PRTIMES
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ユニセフ報告書発表
[画像1: https://prtimes.jp/i/5176/953/resize/d5176-953-368259-0.jpg ]
【2017年6月28日 ニューヨーク 発】
最も困窮している子どもやコミュニティに対する保健と生存の分野への投資は、投資した金額より多くの価値を生み出します。彼らに100万米ドルを投資すると、それほど困窮していない層に投資した場合に比べて、2倍近くの命を守ることができる、とユニセフ(国連児童基金)が発表した最新報告書は述べています。
『格差の是正:最貧層の子どもへの投資が発揮する力(Narrowing the Gaps: The power of investing in the poorest children )』は、「最貧層の子どもたちに命を守る、効果の高い保健支援をおこなうことは、得られる成果がかかる費用を上回る」とした2010年のユニセフの斬新な予測が正しかったことを裏付ける新たな証拠を提示しています。
[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/953/resize/d5176-953-890135-2.jpg ]
「この証拠は疑いの余地がありません。最貧層の子どもに投資することは、原則論として正しいだけではなく、1ドル投入するごとにさらに多くの命が救えるという現実の正しさもあるのです」とユニセフ事務局長のアンソニー・レークは述べました。「この事実は、子どもたちを予防可能な死から守ろうとする各国政府にとって、1ドルも無駄にできないこの時期において、重大なニュースです。すべての子どもの健康のために公平に投資することは、彼らの将来を守り、世代を超えた貧困の連鎖を断ち切ることを助けます。健康な子どもは、学校でより多くのことを学び、おとなになってより多くの収入を得る機会を持てるのです」
子どもの死亡率の削減における前進が加速しなければ、2030年までに約7,000万人の子どもが5歳の誕生日を迎える前に亡くなります。
5歳未満児の死亡の約8割が集中する51カ国の新しいデータを用いたこの調査は、貧困層において命を守る支援を拡大することで、貧困層以外の層に支援した場合よりも、その国の子どもの死亡率は3倍近く速く減少したことを示しています。
重要なのは、この調査が新しいデータと分析モデルを使用して、貧困層の子どもたちに支援を届けることは、命を守ると言う意味で費用対効果が1.8倍高いことを示していることです。
この調査では、効果の高い妊産婦・新生児・子どもの保健支援へのアクセスを評価するために、次の6つの重要な保健支援を指標として選びました:殺虫処理をした蚊帳の使用、母乳育児の早期開始、出産前ケア、すべてのワクチンの接種、技能を持った助産師による出産時の立ち会い、及び下痢や発熱、肺炎を患った子どもへのケア。
調査が明らかにした特記すべき事項は以下の通りです
効果の高い保健・栄養分野の支援へのアクセスは、近年、貧困層において最も急速に改善され、公平性の著しい改善に繋がっている。
調査対象期間中、対象範囲を変更することにより、5歳未満児死亡率の明白な減少が、貧困層では非貧困層より3倍近く速く見られた。
出生率は非貧困層より貧困層で高いことから、貧困コミュニティで5歳未満児死亡率を削減することで、救われた命は100万人あたりで4.2倍に上ったことになる。
各国で実施した調査の最終年には、51カ国全体で命が救われた110万人のうち、85%近くが貧困層に属している。
貧困層への支援拡大のために必要な1人当たりの投資額は、非貧困層を対象とした場合より高いものの、100万米ドル投資した場合、救われる命の数は、非貧困層に同額を投資した場合の2倍近くになる。
[画像3: https://prtimes.jp/i/5176/953/resize/d5176-953-771207-1.jpg ]
この調査は、5歳未満児死亡率の高い国において、最も困窮している層を重点的に支援することで子どもの死亡率が改善された国の例として、アフガニスタン、バングラデシュおよびマラウイを挙げています。1990年から2015年の間に、アフガニスタンの5歳未満児死亡率は半数に減少し、バングラデシュとマラウイでは74%減少しました。
この調査結果は、各国政府が、2030年までに新生児および5歳未満児の予防可能な死亡を根絶するという目標(ターゲット3.2)を掲げた、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた努力を続けている重要な時期に明らかになりました。子どもたちの健康と命を守ることに投資することは、貧困の撲滅(ターゲット1)など他のグローバルな開発目標の達成を支えるものでもあります。
報告書 『格差の是正』は、各国に対して、不公平さを是正するために現実的なステップを踏むことを求めています。そこには、以下のものが含まれます:取り残された子どもたちを特定するためにデータを細分類する。子どもたちの最大の死因に対する予防と治療への確かな支援にさらなる投資を行う。保健システムを強化し、質の高いケアをより広く提供する。これまで支援が届けられなかった人々に対して、届けるための新しい方法を取り入れる。世帯調査や国家情報システムを使用し、公平性の格差をモニターしていく。
* * *
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp)
[画像1: https://prtimes.jp/i/5176/953/resize/d5176-953-368259-0.jpg ]
【2017年6月28日 ニューヨーク 発】
最も困窮している子どもやコミュニティに対する保健と生存の分野への投資は、投資した金額より多くの価値を生み出します。彼らに100万米ドルを投資すると、それほど困窮していない層に投資した場合に比べて、2倍近くの命を守ることができる、とユニセフ(国連児童基金)が発表した最新報告書は述べています。
『格差の是正:最貧層の子どもへの投資が発揮する力(Narrowing the Gaps: The power of investing in the poorest children )』は、「最貧層の子どもたちに命を守る、効果の高い保健支援をおこなうことは、得られる成果がかかる費用を上回る」とした2010年のユニセフの斬新な予測が正しかったことを裏付ける新たな証拠を提示しています。
[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/953/resize/d5176-953-890135-2.jpg ]
「この証拠は疑いの余地がありません。最貧層の子どもに投資することは、原則論として正しいだけではなく、1ドル投入するごとにさらに多くの命が救えるという現実の正しさもあるのです」とユニセフ事務局長のアンソニー・レークは述べました。「この事実は、子どもたちを予防可能な死から守ろうとする各国政府にとって、1ドルも無駄にできないこの時期において、重大なニュースです。すべての子どもの健康のために公平に投資することは、彼らの将来を守り、世代を超えた貧困の連鎖を断ち切ることを助けます。健康な子どもは、学校でより多くのことを学び、おとなになってより多くの収入を得る機会を持てるのです」
子どもの死亡率の削減における前進が加速しなければ、2030年までに約7,000万人の子どもが5歳の誕生日を迎える前に亡くなります。
5歳未満児の死亡の約8割が集中する51カ国の新しいデータを用いたこの調査は、貧困層において命を守る支援を拡大することで、貧困層以外の層に支援した場合よりも、その国の子どもの死亡率は3倍近く速く減少したことを示しています。
重要なのは、この調査が新しいデータと分析モデルを使用して、貧困層の子どもたちに支援を届けることは、命を守ると言う意味で費用対効果が1.8倍高いことを示していることです。
この調査では、効果の高い妊産婦・新生児・子どもの保健支援へのアクセスを評価するために、次の6つの重要な保健支援を指標として選びました:殺虫処理をした蚊帳の使用、母乳育児の早期開始、出産前ケア、すべてのワクチンの接種、技能を持った助産師による出産時の立ち会い、及び下痢や発熱、肺炎を患った子どもへのケア。
調査が明らかにした特記すべき事項は以下の通りです
効果の高い保健・栄養分野の支援へのアクセスは、近年、貧困層において最も急速に改善され、公平性の著しい改善に繋がっている。
調査対象期間中、対象範囲を変更することにより、5歳未満児死亡率の明白な減少が、貧困層では非貧困層より3倍近く速く見られた。
出生率は非貧困層より貧困層で高いことから、貧困コミュニティで5歳未満児死亡率を削減することで、救われた命は100万人あたりで4.2倍に上ったことになる。
各国で実施した調査の最終年には、51カ国全体で命が救われた110万人のうち、85%近くが貧困層に属している。
貧困層への支援拡大のために必要な1人当たりの投資額は、非貧困層を対象とした場合より高いものの、100万米ドル投資した場合、救われる命の数は、非貧困層に同額を投資した場合の2倍近くになる。
[画像3: https://prtimes.jp/i/5176/953/resize/d5176-953-771207-1.jpg ]
この調査は、5歳未満児死亡率の高い国において、最も困窮している層を重点的に支援することで子どもの死亡率が改善された国の例として、アフガニスタン、バングラデシュおよびマラウイを挙げています。1990年から2015年の間に、アフガニスタンの5歳未満児死亡率は半数に減少し、バングラデシュとマラウイでは74%減少しました。
この調査結果は、各国政府が、2030年までに新生児および5歳未満児の予防可能な死亡を根絶するという目標(ターゲット3.2)を掲げた、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた努力を続けている重要な時期に明らかになりました。子どもたちの健康と命を守ることに投資することは、貧困の撲滅(ターゲット1)など他のグローバルな開発目標の達成を支えるものでもあります。
報告書 『格差の是正』は、各国に対して、不公平さを是正するために現実的なステップを踏むことを求めています。そこには、以下のものが含まれます:取り残された子どもたちを特定するためにデータを細分類する。子どもたちの最大の死因に対する予防と治療への確かな支援にさらなる投資を行う。保健システムを強化し、質の高いケアをより広く提供する。これまで支援が届けられなかった人々に対して、届けるための新しい方法を取り入れる。世帯調査や国家情報システムを使用し、公平性の格差をモニターしていく。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp)