ドローンの人道的利用: マラウイの飛行ルート運用開始【プレスリリース】
[17/06/30]
提供元:PRTIMES
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ユニセフ、ドローン空撮によるニーズ調査実施
[画像1: https://prtimes.jp/i/5176/957/resize/d5176-957-254937-0.jpg ]
【2017年6月29日 リロングェ(マラウイ)/ニューヨーク発】
マラウイ政府とユニセフは本日、ドローンの通称で知られる無人航空機(UAV)の人道支援利用の可能性をテストするために開設された飛行ルートについて、その運用を開始しました。この飛行ルートは、アフリカ初のUAVsテスト飛行ルートであり、人道支援・開発支援の利用に特化したルートとしては世界でも初となるものの一つです。
飛行ルートは、マラウイ中部に位置するカスング飛行場を中心にした半径40km(直径80km)におよぶ管理された空域であり、民間セクター、大学、その他のパートナーが、コミュニティに寄与するサービス提供のために、UAVをどのように活用できるかを研究できる場所として設計されています。
「マラウイは、長年にわたってイノベーション(技術革新)分野のリーダー的役割を果たしてきました。革新的な取り組みに対するマラウイの寛容さが、アフリカ初のドローンテスト飛行ルート開設につながったのです」と同国のジャッピー・ムハンゴ運輸・公共事業大臣は述べました。「我々は、すでに洪水被害への対応の一部にドローンを活用しており、今後もたとえば医療物資の輸送など、遠隔地の集落で暮らす人々の生活に変化をもたらせる可能性もあると考えています」
人道目的のUAVテスト飛行ルートは、主に以下の3つの分野における検証を促進します:
画像・映像:開発支援や人道危機対応のための航空画像・映像の撮影・分析。洪水や地震発生時の状況モニタリングを含む。
通信:特に緊急事態発生時に、通信が困難な地域において、UAVによるWi-Fi/携帯電話の電波増幅の可能性の検証。
輸送:小型で軽量の物資、例えば緊急用の医療物資、ワクチン、HIV感染検査用の血液などの輸送。
このUAV飛行ルートは、2018年6月までの少なくとも1年間運用される見込みです。昨年12月に、本ルート開設を発表して以来、世界の12の企業・大学・NGOからルート使用の申請がありました。その中には、HemoCue やUCANDRONE (ギリシャ)と共同で参加するGLOBHE (スウェーデン)、Precision (マラウイ)など、ドローンを製造する企業や通信会社も含まれています。これらの企業は、運用開始に立ち会って通信、画像・映像、輸送などの各分野の実演を行いました。
「人道的利用のためのUAVテスト飛行ルートは、世界の最も厳しい状況にある子どもたちに支援を届ける上で、その効率性と機能を飛躍的に改善することができます」とユニセフ本部イノベーション部門プリンシパル・アドバイザーのクリストファー・ファビアンは言います。「こうした試みの成功は、民間セクター、政府、現地の企業や技術者による、新たな方法での協働にかかっています。彼らは、最も必要としている人々のために、テクノロジーによる適切な解決策を提供することができるのです」
[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/957/resize/d5176-957-500382-1.jpg ]
UAV技術は、まだ開発の初期段階にあります。ユニセフは世界の多くの政府や民間セクターのパートナーと協力して、いかにUAVを低所得国で活用できるかの研究を進めています。すべてのプロジェクトは、厳密に定められたイノベーション原則に則り、オープンソースを活用したユーザー中心のデザインを重視しています。
本テスト飛行ルートの開設に先立ち、2016年3月には、乳児のHIV感染の早期検査を実施するために、ドローンで乾燥させた血液サンプルを輸送するという、フィージビリティ・スタディ(実行可能性調査)が行われました。この調査の結果、UAVは、HIV検査に用いられる既存の輸送システムに加えられる、実行可能な手段であることが示されました。
ユニセフは、マラウイ政府による洪水被害対応を支援するにあたり、ドローンの人道的利用をすでに実施しています。今年2月から4月にかけて、被災した人々のニーズ調査のため、ドローンによる空撮を、サリマ、リロンゲ、カロンガにおいて行いました。ドローンを活用した目的は、被災したコミュニティや家族たちの状況を、より迅速で、より効率的に、費用対効果の高い方法で調査することでした。ユニセフはまた、緊急の捜索や救出活動を支援する目的についても、ドローン利用の可能性を調査しています。
「マラウイでは、条件が良いときでさえ、村落部への陸路でのアクセスは限られています。鉄砲水が発生すると土の道路は川になることもあり、被災したコミュニティへのアクセスは、完全に絶たれてしまいます」とユニセフ・マラウイ事務所代表のヨハネス・ウェデニグは述べます。「UAVを使えば、簡単に被災地の上空を飛行し、現場で何が起きているかを明確に確認することができます。このほうが、衛星写真よりも安く、解像度が高いのです」
* * *
■テスト飛行ルートについて
飛行ルートの詳細は、マラウイ政府の新たな規制枠組みに準じて、政府の民間航空局と協議の上決定されました。その仕様には下記が含まれます:
最長距離は80キロメートルとする(効果的にドローンの輸送を試験できる距離)
高度制限は地上400メートルとする
飛行ルートの運用は1〜2年間とする
テスト飛行ルートで実施されるすべてのUAVプロジェクトは、ユニセフの「イノベーション原則」に準ずること、すなわち、オープンソース・オープンデータ・共有性・規模拡大をふまえた設計であることが必須です。
テスト飛行ルートの使用に関心のある企業や個人は、 http://bit.ly/2hh9MOT からオンラインで登録できます。
* * *
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
[画像1: https://prtimes.jp/i/5176/957/resize/d5176-957-254937-0.jpg ]
【2017年6月29日 リロングェ(マラウイ)/ニューヨーク発】
マラウイ政府とユニセフは本日、ドローンの通称で知られる無人航空機(UAV)の人道支援利用の可能性をテストするために開設された飛行ルートについて、その運用を開始しました。この飛行ルートは、アフリカ初のUAVsテスト飛行ルートであり、人道支援・開発支援の利用に特化したルートとしては世界でも初となるものの一つです。
飛行ルートは、マラウイ中部に位置するカスング飛行場を中心にした半径40km(直径80km)におよぶ管理された空域であり、民間セクター、大学、その他のパートナーが、コミュニティに寄与するサービス提供のために、UAVをどのように活用できるかを研究できる場所として設計されています。
「マラウイは、長年にわたってイノベーション(技術革新)分野のリーダー的役割を果たしてきました。革新的な取り組みに対するマラウイの寛容さが、アフリカ初のドローンテスト飛行ルート開設につながったのです」と同国のジャッピー・ムハンゴ運輸・公共事業大臣は述べました。「我々は、すでに洪水被害への対応の一部にドローンを活用しており、今後もたとえば医療物資の輸送など、遠隔地の集落で暮らす人々の生活に変化をもたらせる可能性もあると考えています」
人道目的のUAVテスト飛行ルートは、主に以下の3つの分野における検証を促進します:
画像・映像:開発支援や人道危機対応のための航空画像・映像の撮影・分析。洪水や地震発生時の状況モニタリングを含む。
通信:特に緊急事態発生時に、通信が困難な地域において、UAVによるWi-Fi/携帯電話の電波増幅の可能性の検証。
輸送:小型で軽量の物資、例えば緊急用の医療物資、ワクチン、HIV感染検査用の血液などの輸送。
このUAV飛行ルートは、2018年6月までの少なくとも1年間運用される見込みです。昨年12月に、本ルート開設を発表して以来、世界の12の企業・大学・NGOからルート使用の申請がありました。その中には、HemoCue やUCANDRONE (ギリシャ)と共同で参加するGLOBHE (スウェーデン)、Precision (マラウイ)など、ドローンを製造する企業や通信会社も含まれています。これらの企業は、運用開始に立ち会って通信、画像・映像、輸送などの各分野の実演を行いました。
「人道的利用のためのUAVテスト飛行ルートは、世界の最も厳しい状況にある子どもたちに支援を届ける上で、その効率性と機能を飛躍的に改善することができます」とユニセフ本部イノベーション部門プリンシパル・アドバイザーのクリストファー・ファビアンは言います。「こうした試みの成功は、民間セクター、政府、現地の企業や技術者による、新たな方法での協働にかかっています。彼らは、最も必要としている人々のために、テクノロジーによる適切な解決策を提供することができるのです」
[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/957/resize/d5176-957-500382-1.jpg ]
UAV技術は、まだ開発の初期段階にあります。ユニセフは世界の多くの政府や民間セクターのパートナーと協力して、いかにUAVを低所得国で活用できるかの研究を進めています。すべてのプロジェクトは、厳密に定められたイノベーション原則に則り、オープンソースを活用したユーザー中心のデザインを重視しています。
本テスト飛行ルートの開設に先立ち、2016年3月には、乳児のHIV感染の早期検査を実施するために、ドローンで乾燥させた血液サンプルを輸送するという、フィージビリティ・スタディ(実行可能性調査)が行われました。この調査の結果、UAVは、HIV検査に用いられる既存の輸送システムに加えられる、実行可能な手段であることが示されました。
ユニセフは、マラウイ政府による洪水被害対応を支援するにあたり、ドローンの人道的利用をすでに実施しています。今年2月から4月にかけて、被災した人々のニーズ調査のため、ドローンによる空撮を、サリマ、リロンゲ、カロンガにおいて行いました。ドローンを活用した目的は、被災したコミュニティや家族たちの状況を、より迅速で、より効率的に、費用対効果の高い方法で調査することでした。ユニセフはまた、緊急の捜索や救出活動を支援する目的についても、ドローン利用の可能性を調査しています。
「マラウイでは、条件が良いときでさえ、村落部への陸路でのアクセスは限られています。鉄砲水が発生すると土の道路は川になることもあり、被災したコミュニティへのアクセスは、完全に絶たれてしまいます」とユニセフ・マラウイ事務所代表のヨハネス・ウェデニグは述べます。「UAVを使えば、簡単に被災地の上空を飛行し、現場で何が起きているかを明確に確認することができます。このほうが、衛星写真よりも安く、解像度が高いのです」
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■テスト飛行ルートについて
飛行ルートの詳細は、マラウイ政府の新たな規制枠組みに準じて、政府の民間航空局と協議の上決定されました。その仕様には下記が含まれます:
最長距離は80キロメートルとする(効果的にドローンの輸送を試験できる距離)
高度制限は地上400メートルとする
飛行ルートの運用は1〜2年間とする
テスト飛行ルートで実施されるすべてのUAVプロジェクトは、ユニセフの「イノベーション原則」に準ずること、すなわち、オープンソース・オープンデータ・共有性・規模拡大をふまえた設計であることが必須です。
テスト飛行ルートの使用に関心のある企業や個人は、 http://bit.ly/2hh9MOT からオンラインで登録できます。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)