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自由学校設立に向けてNPO法人が発足「母が作る小学校」

子どもの自主性などを重視した自由学校を地域に創ろうと、母親たちがNPO法人「マザーメディカルプロジェクト(MMP)」を結成した。自分の子どもが「いじめ」や「不登校」などで人間関係に悩んだ経験から「自分のことが大好きだと言える自己肯定感を育む学校をつくりたい」と立ち上がった。年内に学校法人の設立にこぎつけ、2013(平成25)年に小学校の開校を目指している。
 手本とする自由学校は、国内に小、中、高校を計7校展開する学校法人「きのくに子どもの村学園」の小学校。テストや宿題がなく、教科書は使わない。体験学習を中心に、自分で考えて行動する力を身に付ける教育を実践する。教育目標は「自由な子ども(感情、知性、人間関係のいずれの面でも自由な子どもに育ってほしいと願っています。)」である。一般的なフリースクールとは違い、正式に文部科学省の認可を受けた学校で、通常の学校と同等の卒業資格が得られる。
 今年4月、同学園の堀真一郎学園長を講師に招き、初の教育講演会を開催。秋には2回目を予定しており、MMPは学校創立に向けて自由学校を知ってもらうなどの支援活動に取り組む。
 藤田早裕季理事長(47)は、長女が中学2年生の時に生徒からいじめに遭い、教員からも言葉の暴力を受けた。「私も娘も自分を責める日々が続いた。こんな自分はダメだという自己否定感で心がボロボロになった。この教訓から、大人も子供も互いを尊重し、人間関係を大事にする学校を創ろうとの思いが強くなった」。共感する仲間の輪が周囲に広がっていった。
  そんな時に出会ったのが同学園。藤田さんらは、自己肯定感に満ちあふれ、生き生きと育っているきのくにの子どもの姿に感銘を受け「地元にも、きのくにのような学校を創ろう」と決意した。
 この学校の大原則のひとつに「自己決定の原則」がある。学習計画や行事の立案も子どもたちが考える。子どもたちは生き生きと活動し、自己決定していく。何か問題が起きた時にはすぐミーティングを行い、納得するまで話し合いをする。自己決定したことだから人のせいにすることはない。これは一般の社会でも必要とされている事ではないだろうか。
自分の事を好きだと感じてほしい。自分らしく自己を表現し自己決定してほしい。その為には親も子も夢を持たなくてはいけない。自分は使命があって生まれてきたという意味に気付き、力強く生きていってほしいと藤田さんは言います。
 学校法人の認可を受けるため、最大の難関は資金集め。最低でも3千万円が必要という。企業や個人に寄付を募る一方、MMPの理事が中心になり通販サイト「エンジェルママhttp://angel-mama.net/」を4月に発足させた。人体に優しく、地球環境に負荷をかけない無添加の県産品を中心に、食品や雑貨品約30品目を販売。売上金を学校資金に充てる支援企業に育てている。
 「『少子化で不況なのに私立学校なんて無理』と言う人は多いが、必要だからやるのです」と藤田さん。長男(10)が昨年、本人の希望できのくに子どもの村小学校へ入学。息子の成長を通じて学校づくりの夢はますます膨らんでいる。
 建設地は廃校利用も視野に入れて検討している。「子どもが自己肯定感に満ちて夢を持っていれば、いじめは無くなる。自由学校を創ることは私たちの夢なのです」と話し、夢の実現へ協力を呼び掛けている。
 問い合わせはMMP、電話058(323)1928。
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