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人間よりもドラマチック!? 雄のコウノトリ「げんきくん」の数奇な半生とは――。




野生復帰の取り組みが進むなかで、科学的な調査によってコウノトリの行動についてもいろいろなことがわかってきています。福井県で50年ぶりとなる誕生、日本のみならず海をわたっての冒険旅行、そして二度の結婚生活――。鳥類研究の第一人者が「げんきくん」の波乱万丈な半生をとおして、コウノトリの不思議な生態にせまります。
[画像1: https://prtimes.jp/i/1719/1863/resize/d1719-1863-453817-0.jpg ]

【概要】
島根県雲南市に生息する雄のコウノトリ「げんきくん」は、今から4年前、2014年6月14日に、福井県越前市の施設で生まれました。福井県では1964年以来、じつに50年ぶりとなるコウノトリの孵化でした。
[画像2: https://prtimes.jp/i/1719/1863/resize/d1719-1863-137657-3.jpg ]

↑生まれたばかりのげんきくん(右)。
(C)福井県

馴化訓練を受けた後、翌年の10月に放鳥されて大空に飛び出します。北は宮城県、南は長崎県まで移動をくり返し、ついに海をわたって韓国、さらには北朝鮮に到達します。
しかし、どれだけ飛んでも、げんきくんが落ちついて過ごそうと思える場所はありません。そうして1年以上におよぶ大冒険旅行のはてに、雲南市大東町の集落にたどりつきました。
総飛行距離は約1万2000キロメートル。なんと日本列島をぐるっと一周する距離だったのです。
[画像3: https://prtimes.jp/i/1719/1863/resize/d1719-1863-384714-2.jpg ]

↑雲南市大東町にたどりついたげんきくん。
(C)井上誠

ここを「永住の地」と決めて暮らしはじめたげんきくんは、「ななちゃん」という雌のコウノトリとペアになって4羽のヒナも生まれました。しかしその矢先、ななちゃんが誤射されてしまい、子どもたちは保護されることに。
伴侶と死別し、子どもたちとも離ればなれになってしまったげんきくんは、しばらく雲南市を離れていましたが、今年に入って「ポンスニ」という年上の雌と“再婚”。新たに4羽のヒナが誕生しました。そして6月、4羽のヒナは無事に野外に巣立っていきました
1971年に野生のコウノトリが絶滅して以来、4羽が野外で巣立つのは全国で初めてのことでした。
[画像4: https://prtimes.jp/i/1719/1863/resize/d1719-1863-269432-1.jpg ]

↑大空を舞うげんきくん(上)とポンスニ。
(C)井上誠

げんきくんが生まれる前からずっと見守り続けてきた、兵庫県立コウノトリの郷公園の山岸哲園長が綴ったノンフィクション『げんきくん物語 海をわたったコウノトリの大冒険』が9月15日、講談社青い鳥文庫より発売されます。
誕生から大冒険旅行、そして二度の結婚生活――。げんきくんの波乱万丈な半生は、コウノトリの知られざる生態を我々に伝えてくれるとともに、人間とコウノトリが安心して暮らせる環境について考えさせてくれます。

げんきくん物語 海をわたったコウノトリの大冒険
山岸哲/文
定価:本体650円(税別)
ISBN978-4-06-512926-5

著者・山岸哲(やまぎしさとし)
1939年、長野県須坂市生まれ。信州大学教育学部卒業(京都大学理学博士)。大阪市立大学大学院理学研究科教授、京都大学大学院理学研究科教授、山階鳥類研究所所長、新潟大学朱鷺・自然再生学研究センターを経て、2010年から兵庫県立コウノトリの郷公園園長。この間、日本鳥学会長、応用生態工学会長などを務める。1999年、山階芳麿賞受賞。おもな著書に『モズの嫁入り』(大日本図書)、『マダガスカル自然紀行』(中公新書)、『けさの鳥』(朝日新聞社)、『Birds Note』などがある。
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