資生堂、皮膚科学研究とAI技術の融合で独自のDNA検査法を開発 〜お客さま一人ひとりに寄り添う、高精度な肌の特徴評価〜
[22/02/25]
提供元:PRTIMES
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資生堂は、長年の皮膚科学研究知見と蓄積してきた日本人女性1,472名のビッグデータ※1 に機械学習法※2 などのAI技術を組み合わせ、DNA※3 の特徴(SNP※4 )と肌状態との関連性を明らかにしました。また、得られた結果から独自のアルゴリズムを構築し、一人ひとり異なる先天的な肌の特徴を高精度に評価できる、新たなDNA検査法の開発に成功しました。本検査法は、肌を構成する要素に直接的な影響がある因子だけでなく、血管やホルモン、ビタミン代謝など体内から間接的に肌への影響が示唆される因子を含む79種類の幅広いSNPからの情報と、膨大な肌の実測データを組み合わせて構築したアルゴリズムを用いることで、高精度かつホリスティックにお客さまの肌を理解することを可能にしました。
本研究は、資生堂独自のR&D理念『DYNAMIC HARMONY』のIndividual/Universal というアプローチで研究を進めています。肌とDNAに関する膨大なデータと向き合い、個人で異なるDNAの特徴と肌状態の関係性について研究を深めていくことで、お客さま一人ひとりに寄り添う新たなビューティーケアの実現を目指します。
※1 日本人女性 1,472名×最大210項目のデータ。
※2 コンピューターに大量のデータの内容を学習させ、そこに含まれる一般的な規則性やパターンを見出す手法。AI(人工知能)の一種。
※3 DNAはデオキシリボ核酸の略で、アデニン(A)・グアニン(G)・シトシン(C)・チミン(T)の4つの塩基で構成されます。これらが繋がりDNA配列となります。これは生命の設計図であり、親から子に伝えられます。
※4 Single Nucleotide Polymorphism(遺伝子一塩基多型):DNAを構成する塩基の構成単位が個人間で一つ異なることを表します。
[画像1: https://prtimes.jp/i/5794/2137/resize/d5794-2137-81ea9e44bcc00bb2ee43-0.jpg ]
《研究背景》
肌の状態は、紫外線対策などを含むスキンケアや、食事、運動、睡眠、喫煙などの生活習慣の影響に加えて、先天的な遺伝的特徴の影響も受けることがわかっています。遺伝的特徴には、DNAのSNPの違いが影響しており、個人毎にさまざまなSNPを持つことが知られています。現在の肌状態に加えて、こうしたSNP情報をもとにした生まれもった肌の特徴を理解することができれば、高いパーソナライズ性のある、これまでにないビューティーケアの提案に繋がると考えました。お客さまのなりたい肌の実現に向け、長年にわたる皮膚科学研究とAIなどの新たな技術を組み合わせ、SNPと肌状態の関連性について研究を進めました。
《独自の評価アルゴリズムの開発》
日本人女性1,472名のビッグデータを用いて、SNPと肌状態の関連性を調べました。当社の先行研究により、コラーゲン代謝関連因子など肌状態に直接的な影響を与える肌内部の因子に加え、血管の状態や、ビタミンなどの栄養成分代謝、ホルモン代謝など間接的に肌への関与が示唆されている体内因子から、79種類のSNPを厳選し、解析対象として設定しました(図2)。また、シワ、シミ、バリア機能などの豊富な項目の肌測定データに、紫外線履歴、喫煙歴、年齢などの情報も追加し、機械学習に用いました。そして、肌状態の各項目について年代別に比較を行い、平均から上下25%外れた人がもつ特徴的なSNPを解析し、独自の評価アルゴリズムを構築しました(図3)。
[画像2: https://prtimes.jp/i/5794/2137/resize/d5794-2137-f2c5cec5d55e38f71c3e-1.jpg ]
《高精度に肌の特徴を評価する新たなDNA検査法》
独自のアルゴリズムを用いて、シワのできやすさ/できにくさなど、人が生まれつきもつ肌の様々な特徴の各項目に対応する5〜10種類のSNPの組み合わせを見出しました。一般的な肌のDNA検査では、肌状態の各項目に対して1〜2種類のSNPを解析しますが、より多くのSNPを解析することで正確性が高まります。さらに、多様なSNPと膨大な肌の実測データの組み合わせから構築したアルゴリズムを活用することで、一人ひとり異なる肌の特徴を、非常に高い精度で評価する新たなDNA検査法を開発することができました。
また、肌状態の各項目に対応するSNPの組み合わせは、肌内部の因子だけではなく、体内因子も含めた多様な種類で構成されることがわかりました。これはつまり、健やかで美しい肌へ導くためには肌への直接的なアプローチに加えて、食事や運動、睡眠など、ホリスティックなアプローチも有効であることを示唆しています。得られた知見を応用し、お客さま一人ひとり異なる肌の特徴評価から「なりたい自分」を目指すための、より良いビューティーケア提案に繋げていきます。
当社は、これまでにも様々な測定技術や評価技術を開発し、たくさんのお客さまの肌と向き合ってきました。今後も技術を発展させ、お客さまをさらに深く理解し、「PERSONAL BEAUTY WELLNESS COMPANY」の実現を目指します。
R&D理念「DYNAMIC HARMONY」とは
・資生堂、独自のR&D理念「DYNAMIC HARMONY」を制定(2021年)
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000003252&rt_pr=trk63
・「DYNAMIC HARMONY」特設ページ
https://corp.shiseido.com/jp/rd/dynamicharmony/?rt_pr=trk63
▼ ニュースリリース
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000003335&rt_pr=trk63
▼ 資生堂 企業情報
https://corp.shiseido.com/?rt_pr=trk63