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世界最大の避難民危機下のスーダン:ユニセフ専門官、ハルツーム州訪問の報告-停電続く病院、飢饉の恐れも【プレスリリース】




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【2024年3月15日 ジュネーブ発】

ユニセフ(国連児童基金)スーダン事務所の現場オペレーション・緊急支援担当チーフであるジル・ローラーは、3月15日にジュネーブで行われた国連の定例記者会見において、戦闘激化後初めてとなる国連派遣団によるハルツーム州への訪問について、以下のとおり報告しました。

* * *

先週、私はユニセフのスタッフ12人からなるチームを率いて、ハルツーム州のオムドゥルマンを訪れました。国連の派遣団が、ほぼ絶え間なく戦火にさらされているハルツームを再訪するのは2023年4月に紛争が勃発して以来、これが初めてでした。

[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/2316/resize/d5176-2316-da43b6d2b1f717367481-0.jpg ]

目的は、戦闘が始まってから11カ月が経過した現地の子どもたちの状況をできる限り把握すること、そして、少なくとも私たちが立ち入ることができたオムドゥルマンの一部において、命を守る物資やサービスを届けるために現地のパートナーと共に行っている支援を直接見て確かめることでした。

ハルツームで、機能していて、かつ非常に混んでいる外傷病棟を持つ数少ない病院の一つであるアル・ナウ病院では、最近切断手術を受け、人生が一変してしまった2人の若者に会いました。病院長から聞いたところによると、この1カ月だけで約300人が病院で手足の切断手術を受けたそうです。

医師たちは、切断手術は増え続けていると言います。私たちは2人、時には3人の患者がベッドを共有しているのを見ました。スタッフは明らかに疲弊しています。彼らの多くは病院内で生活しているようなもので、大半は何カ月も定期的な給料が支払われておらず、物資や機器、スペースの不足にも悔しさを募らせています。

また他の病院では、停電のため真っ暗な中、栄養不良の子どもたちとその世話をしている人々を訪ねました。バックアップ用の発電機が1週間ほど前に故障したため、彼らは暗闇の中で仕事を続けており、低温で保管・運搬すべき重要なワクチンを氷嚢で冷やしていました。夏が近づくにつれ、氷嚢はとても持ちません。

[画像3: https://prtimes.jp/i/5176/2316/resize/d5176-2316-51bc18d85bf99c555fbb-0.jpg ]

私たちの滞在中、紛争が始まって数カ月のうちに性的暴行を受けた女性や女の子たちが、赤ちゃんを出産していました。中には、病院スタッフに預けられたまま置き去りにされた赤ちゃんもいます。病院スタッフは、分娩棟のそばに保育所を設置していました。

また、ハルツームにある13の浄水場の中で唯一機能している、ユニセフ支援のアル・マナラ浄水場を視察しました。オムドゥルマンの約30万人に安全な水を供給しているこの浄水場も、戦闘によって被害を受け、現在75%の能力で稼動していますが、人々のために水を処理するのに必要な塩素が追加で運び込まれない限り、あと2週間で稼働停止に追い込まれます。

遠くで砲撃の音がするものの、私たちがいたところは比較的平穏でした。しかし、市場や路上、そして病院内にでさえ武装した人が大勢いました。武器を持った若者をたくさん見かけました。年齢は不明ですが、確かに若く、戦争が始まって以来閉鎖されている学校に通っていないのは明らかでした。

飢えが広がっています。それが、人々が口にした、最も不安に思っていることでした。

市場には食料が出回っていますが、ほとんどの家庭は買うことができません。一因は通信の継続的な途絶であり、そのため、本当に必要な電子マネーを携帯電話で受け取ることができないのです。

[画像4: https://prtimes.jp/i/5176/2316/resize/d5176-2316-3255923e5eae79f1e450-0.jpg ]

ある病院で、生後3カ月の子どもが重い病気にかかっている若い母親に会いました。その母親はミルクを買う余裕がなかったため、ヤギのミルクで代用していたのですが、そのために子どもが下痢性疾患になってしまったのです。彼女だけではありません。作物の収穫が減る時期はまだ始まってもいないにもかかわらず、急性栄養不良の子どもの数は増加の一途をたどっているのです。スーダンでは今年、救命治療が必要な73万人を含む、370万人近くの子どもが急性栄養不良になると予測されています。

ハルツームだけでも、子どもたちに必要な支援は膨大です。しかしこれは、私が先月チャド経由で越境し訪れたスーダン西部のダルフールでも同様です。スーダン全土で子どもたちが必要としていることの規模と程度には、ただただ驚愕するばかりです。スーダンは現在、世界最大の避難民危機を抱えています。そして最も弱い立場にある子どもたちは、最も支援が届きにくい場所にいます。

私たちが求めていることは、以下の通り、明確です。
スーダン国内の戦線を跨いだ、また近隣諸国との国境を越えた、迅速かつ持続的で、妨げのない人道的アクセスを紛争当事者が可能にすることが必要です。チャドはダルフールのコミュニティにとって極めて重要なライフラインを提供しており、その国境を通じたアクセスは、南スーダンを通じたアクセスと共に、引き続き極めて重要です。

紛争当事者には、子どもたちを保護する道義的かつ法的な責任があります。特に、子どもの殺傷、紛争における子どもの徴兵や徴用、あらゆる形態の性的暴力を防止し、絶つための具体的な措置を講じなければなりません。

国際社会からは、3月末までに大規模なリソースの投入を求めます。そうすれば、人道支援パートナーが、迫りつつある人道上の大惨事を食い止めるために必要な物資と能力を、手遅れになることなく、現地に供給することができます。



先週、ラッセル・ユニセフ事務局長が述べたように、残虐な戦争がスーダンを飢饉へと向かわせています。今、十分な政治的意思と関心、そしてリソースをもって対応しなければ、壊滅的な数の犠牲者が出る可能性があります。

最も重要なのは、スーダン全土の2,400万人の子どもには平和が必要であり、平和に暮らすことに彼らは値するということです。子どもたちには停戦が必要です。永続する政治的解決が必要です。子どもが子どもであるためのチャンスが必要なのです。

* * *

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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