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地震の“揺れ”はどう起きる?東京大学地震研究所の纐纈一起教授による『地震動の物理学』発行




 インプレスグループで理工学分野の専門書出版事業を手がける株式会社近代科学社は、2018年12月28日に、『地震動の物理学』(著者:纐纈一起)を発行いたしました。

[画像: https://prtimes.jp/i/5875/2521/resize/d5875-2521-552704-0.jpg ]


●書誌情報
【書名】地震動の物理学
【著者】纐纈一起
【仕様】A5判・並製・本文1色・368頁
【本体価格】4,500円(税込4,860円)
【ISBN】 978-4-7649-0544-3 C3044
【商品URL】 https://www.kindaikagaku.co.jp/architecture/kd0544.htm


●内容紹介
日本語で書かれた地震学の教科書があまりないという事実をご存知でしょうか。
特に「地震動」を扱うものに至っては、“皆無”というのが現状です。そのような背景のなか、本書は地震動(そして、地震波)について、専門課程の学部生や大学院生などに、その背後にある物理に基づいて解説することをめざして企画されました。

研究者にとって、“地震動”とは、地震における「字面どおり地面(地表)が震える(揺れる)現象そのもの」(本文より)です。
本書では、主に地震動を解析・計算するための数式や手法を詳しく紹介します。

具体的には、震源から地下構造を伝播して各所で「揺れ」として観測される地震動を扱います。それを震源の効果と伝播の効果に分け、それらの定量的な評価方法(物理)を解説します。本書は、東京大学や京都大学などで著者が行った講義や演習のための資料などが基になっており、まさに地震研究の第一線の知識が詰まった一冊です。

●著者紹介
纐纈 一起 (こうけつ かずき)
1978年東京大学理学部 卒業
1980年東京大学大学院理学系研究科修士課程 修了
1980年東京大学地震研究所 助手
1987年理学博士(東京大学)
1989年オーストラリア国立大学 客員研究員
1993年東京大学地震研究所 助教授
1998年文部省学術調査官
2004年東京大学地震研究所 教授

主要著書・論文
『理科年表(地学部地震)』(国立天文台編,丸善,2001-2018)
『超巨大地震に迫る』(大木・纐纈,NHK出版,2011)
『地震・津波と火山の事典』(共編著,丸善,2008)
Widespread ground motion distribution caused by rupture directivity during the 2015 Gorkha, Nepal earthquake (Koketsu et al., Sci. Rep., 2016)
Propagation of seismic ground motion in the Kanto basin, Japan (Koketsu & Kikuchi, Science, 2000)


●目次
第1章 地震と地震動
1.1 地震動の定義
1.2 地震動と地震波
1.2.1 弾性体のひずみ
1.2.2 応力のつり合い
1.2.3 構成則と運動方程式
1.2.4 波動方程式と地震波
1.2.5 波面と波線
1.2.6 非弾性
1.3 地震動の原理
1.3.1 重ね合わせの原理
1.3.2 相反定理
1.3.3 表現定理
1.4 参考文献

第2章 震源の効果
2.1 震源の表現
2.1.1 震源の発見
2.1.2 震源断層の表現
2.1.3 点力源による地震動
2.1.4 点震源による地震動
2.1.5 ポテンシャル表現
2.2 円筒波展開
2.2.1 垂直な横ずれ断層
2.2.2 傾いた横ずれ断層
2.2.3 垂直な縦ずれ断層
2.2.4 傾いた縦ずれ断層
2.2.5 任意の断層すべりへの拡張
2.3 震源の解析
2.3.1 放射パターンとメカニズム解
2.3.2 モーメントテンソル
2.3.3 CMT インバージョン
2.3.4 有限断層の地震動とスペクトル
2.3.5 震源過程と震源インバージョン
2.3.6 応力降下とすべり速度関数
2.3.7 ディレクティビティ効果
2.4 参考文献

第3章 伝播の効果
3.1 1次元地下構造での伝播
3.1.1 1次元地下構造
3.1.2 SH 波
3.1.3 P 波・SV 波
3.1.4 Haskell 行列
3.1.5 反射・透過行列I
3.1.6 反射・透過行列II
3.1.7 波数積分(近似解法)
3.1.8 波数積分(数値解法)
3.1.9 表面波(Love 波)
3.1.10 表面波(Rayleigh 波)
3.1.11 遠地実体波
3.1.12 地殻変動
3.2 3次元地下構造での伝播
3.2.1 3次元地下構造
3.2.2 波線理論
3.2.3 レイトレーシング
3.2.4 差分法
3.2.5 有限要素法
3.2.6 Aki-Larner法
3.3 伝播の解析
3.3.1 長周期地震動
3.3.2 微動
3.3.3 地震波干渉法
3.4 参考文献

第4章 地震動の観測と処理
4.1 地震計
4.1.1 地震計の原理
4.1.2 強震計の原理
4.1.3 電磁式地震計
4.1.4 サーボ機構
4.2 地震動のスペクトル処理
4.2.1 A/D 変換
4.2.2 Fourier 変換
4.2.3 離散Fourier 変換
4.2.4 FFT
4.3 地震動のフィルタ処理
4.3.1 フィルタとウィンドウ
4.3.2 ローパス漸化フィルタ
4.3.3 ハイパスとバンドパス漸化フィルタ
4.4 最小二乗法
4.4.1 最小二乗法の計算方法
4.4.2 最小二乗法の制約条件
4.5 参考文献

付録A
A.1 マグニチュード
A.1.1 マグニチュードの定義
A.1.2 マグニチュードの現状
A.2 震度
A.2.1 震度の性質
A.2.2 体感震度
A.2.3 計測震度
A.3 参考文献


【株式会社 近代科学社】 https://www.kindaikagaku.co.jp/
株式会社近代科学社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:井芹昌信)は、1959年創立。
数学・数理科学・情報科学・情報工学を基軸とする学術専門書や、理工学系の大学向け教科書等、理工学専門分野を広くカバーする出版事業を展開しています。自然科学の基礎的な知識にとどまらず、その高度な活用が要求される現代のニーズに応えるべく、古典から最新の学際分野まで幅広く扱っています。また、主要学会・協会や著名研究機関と連携し、世界標準となる学問レベルを追求しています。

【インプレスグループ】 https://www.impressholdings.com/
株式会社インプレスホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役:唐島夏生、証券コード:東証1部9479)を持株会社とするメディアグループ。「IT」「音楽」「デザイン」「山岳・自然」「旅・鉄道」「学術・理工学」を主要テーマに専門性の高いメデイア&サービスおよびソリューション事業を展開しています。さらに、コンテンツビジネスのプラットフォーム開発・運営も手がけています。

【お問い合わせ先】
株式会社近代科学社  出版局
TEL:03-3260-6161
電子メール: reader@kindaikagaku.co.jp
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