牛における不妊メカニズムの一端を解明〜子宮内microRNAが胚の細胞増殖・分化を阻害する可能性〜〔名古屋大学、岡山大学〕
[24/10/30]
提供元:PRTIMES
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名古屋大学と岡山大学の共同研究成果プレスリリースです。
2024(令和6)年 10月 30日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/
[画像1: https://prtimes.jp/i/72793/2636/resize/d72793-2636-1680b04fc37ab95afcdc-0.jpg ]
<本研究のポイント>
牛における不妊の主な原因は着床前における胚の死滅だが、その機序は未解明である。
妊娠しづらい牛と正常に妊娠する牛とでは、子宮内の細胞外小胞に含まれるmicroRNAの発現パターンが異なっていた。
妊娠しづらい牛の子宮内で高発現だったmicroRNAを胚に導入したところ、MAPKシグナル経路やインターフェロンタウの遺伝子発現が抑制された。
本研究は、牛における受胎率低下の要因解明や受胎率向上技術の開発に貢献することが期待される。
◆研究概要
名古屋大学大学院生命農学研究科の市川 怜 博士後期課程学生、松山 秀一 准教授らの研究グループは、岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域の木村 康二 教授との共同研究で、牛の子宮内で細胞外小胞に含まれるmicroRNAが胚の発育を阻害し、受胎率低下を引き起こしている可能性を見出しました。
牛の胚は、受精後に卵管から子宮へ移行し、その後約3週間は子宮に着床することなく子宮内腔を浮遊しながら紐状に伸長することが知られています。そして、着床するまでの間、胚の発育は子宮腺から分泌される因子に依存しています。さらに、子宮内に存在する細胞外小胞にはmicroRNAが含まれており、遺伝子発現を調節することで着床前の胚と母体とのコミュニケーションを媒介していると考えられています。
本研究では、不妊傾向にある牛の子宮内細胞外小胞で高発現している8種類のmicroRNAを同定しました。この8種類のmicroRNAをリポフェクション法により胚に導入すると、胚の細胞増殖、分化、代謝に関与するMAPKシグナル経路と胚から分泌されて妊娠維持に重要な役割を果たすインターフェロンタウの遺伝子発現が抑制されました。
本研究成果は、牛における受胎率低下の要因解明や受胎率向上技術の開発に貢献するものと期待されます。
本研究成果は、2024年10月19日付 学術雑誌「FASEB Journal」に掲載されました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/72793/2636/resize/d72793-2636-95d371cad0ea09378740-1.jpg ]
◆論文情報
雑誌名:The FASEB Journal
論文タイトル:Effects of intrauterine extracellular vesicle microRNAs on embryonic gene expression in low-fertility cows
著者:Rei Ichikawa1, Koji Kimura2, Sho Nakamura1, Satoshi Ohkura1, Shuichi Matsuyama1*
(所属:1名古屋大学大学院生命農学研究科、2岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域)
DOI: 10.1096/fj.202401728R
◆詳しい研究内容について
牛における不妊メカニズムの一端を解明〜子宮内microRNAが胚の細胞増殖・分化を阻害する可能性〜
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r6/press20241028-1.pdf
[画像3: https://prtimes.jp/i/72793/2636/resize/d72793-2636-a34d38a373472770046b-2.png ]
◆本件お問い合わせ先
<研究者連絡先>
名古屋大学大学院生命農学研究科 准教授 松山 秀一(まつやま しゅういち)
TEL:0561-37-0202
FAX:0561-38-4473
https://www.agr.nagoya-u.ac.jp/~laps/
岡山大学 学術研究院 環境生命自然科学学域 木村 康二(きむら こうじ)
TEL:086-251-8349
<報道連絡先>
名古屋大学 総務部 広報課
TEL:052-558-9735
FAX:052-788-6272
岡山大学 総務・企画部 広報課
TEL:086-251-7012
FAX:086-251-7294
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:086-251-8463
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
<岡山大学の研究機器共用(コアファシリティ)などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 機器共用推進本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:086-251-8745、086-251-8746
FAX:086-251-8748
E-mail:cfp◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://fspp.kikibun.okayama-u.ac.jp/
<岡山大学のスタートアップ・ベンチャーなどに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 スタートアップ・ベンチャー創出本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
E-mail:start-up1◎adm.okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://venture.okayama-u.ac.jp/
岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
岡山大学統合報告書2023:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001926.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学SDGs〜地域社会の持続可能性を考える(YouTube):https://youtu.be/Qdqjy4mw4ik
岡山大学Image Movie (YouTube):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2024年8月期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002391.000072793.html
[画像4: https://prtimes.jp/i/72793/2636/resize/d72793-2636-89db240b59b7c378e1fe-3.jpg ]
[画像5: https://prtimes.jp/i/72793/2636/resize/d72793-2636-655b893c9f99726a9c06-4.jpg ]
国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください
岡山大学 文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択〜地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く〜
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001935.000072793.html
2024(令和6)年 10月 30日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/
[画像1: https://prtimes.jp/i/72793/2636/resize/d72793-2636-1680b04fc37ab95afcdc-0.jpg ]
<本研究のポイント>
牛における不妊の主な原因は着床前における胚の死滅だが、その機序は未解明である。
妊娠しづらい牛と正常に妊娠する牛とでは、子宮内の細胞外小胞に含まれるmicroRNAの発現パターンが異なっていた。
妊娠しづらい牛の子宮内で高発現だったmicroRNAを胚に導入したところ、MAPKシグナル経路やインターフェロンタウの遺伝子発現が抑制された。
本研究は、牛における受胎率低下の要因解明や受胎率向上技術の開発に貢献することが期待される。
◆研究概要
名古屋大学大学院生命農学研究科の市川 怜 博士後期課程学生、松山 秀一 准教授らの研究グループは、岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域の木村 康二 教授との共同研究で、牛の子宮内で細胞外小胞に含まれるmicroRNAが胚の発育を阻害し、受胎率低下を引き起こしている可能性を見出しました。
牛の胚は、受精後に卵管から子宮へ移行し、その後約3週間は子宮に着床することなく子宮内腔を浮遊しながら紐状に伸長することが知られています。そして、着床するまでの間、胚の発育は子宮腺から分泌される因子に依存しています。さらに、子宮内に存在する細胞外小胞にはmicroRNAが含まれており、遺伝子発現を調節することで着床前の胚と母体とのコミュニケーションを媒介していると考えられています。
本研究では、不妊傾向にある牛の子宮内細胞外小胞で高発現している8種類のmicroRNAを同定しました。この8種類のmicroRNAをリポフェクション法により胚に導入すると、胚の細胞増殖、分化、代謝に関与するMAPKシグナル経路と胚から分泌されて妊娠維持に重要な役割を果たすインターフェロンタウの遺伝子発現が抑制されました。
本研究成果は、牛における受胎率低下の要因解明や受胎率向上技術の開発に貢献するものと期待されます。
本研究成果は、2024年10月19日付 学術雑誌「FASEB Journal」に掲載されました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/72793/2636/resize/d72793-2636-95d371cad0ea09378740-1.jpg ]
◆論文情報
雑誌名:The FASEB Journal
論文タイトル:Effects of intrauterine extracellular vesicle microRNAs on embryonic gene expression in low-fertility cows
著者:Rei Ichikawa1, Koji Kimura2, Sho Nakamura1, Satoshi Ohkura1, Shuichi Matsuyama1*
(所属:1名古屋大学大学院生命農学研究科、2岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域)
DOI: 10.1096/fj.202401728R
◆詳しい研究内容について
牛における不妊メカニズムの一端を解明〜子宮内microRNAが胚の細胞増殖・分化を阻害する可能性〜
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r6/press20241028-1.pdf
[画像3: https://prtimes.jp/i/72793/2636/resize/d72793-2636-a34d38a373472770046b-2.png ]
◆本件お問い合わせ先
<研究者連絡先>
名古屋大学大学院生命農学研究科 准教授 松山 秀一(まつやま しゅういち)
TEL:0561-37-0202
FAX:0561-38-4473
https://www.agr.nagoya-u.ac.jp/~laps/
岡山大学 学術研究院 環境生命自然科学学域 木村 康二(きむら こうじ)
TEL:086-251-8349
<報道連絡先>
名古屋大学 総務部 広報課
TEL:052-558-9735
FAX:052-788-6272
岡山大学 総務・企画部 広報課
TEL:086-251-7012
FAX:086-251-7294
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岡山大学研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:086-251-8463
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
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<岡山大学の研究機器共用(コアファシリティ)などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究・イノベーション共創機構 機器共用推進本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:086-251-8745、086-251-8746
FAX:086-251-8748
E-mail:cfp◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://fspp.kikibun.okayama-u.ac.jp/
<岡山大学のスタートアップ・ベンチャーなどに関するお問い合わせ先>
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岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
岡山大学統合報告書2023:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001926.000072793.html
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岡山大学SDGs〜地域社会の持続可能性を考える(YouTube):https://youtu.be/Qdqjy4mw4ik
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[画像4: https://prtimes.jp/i/72793/2636/resize/d72793-2636-89db240b59b7c378e1fe-3.jpg ]
[画像5: https://prtimes.jp/i/72793/2636/resize/d72793-2636-655b893c9f99726a9c06-4.jpg ]
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