中国の検索エンジン利用動向調査(2011年5月) 〜Google撤退後、百度(Baidu)の利用者数が20%増加〜
[11/05/16]
提供元:DreamNews
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■調査結果
世界最大規模の検索エンジンとして、多くの国で広く普及しているGoogleですが、中国では政府が要求するWebの検閲などに関して中国政府とGoogle間で対立が起こりました。2010年3月にはGoogleに対するサイバー攻撃を発端に、Googleは中国本土からの撤退を発表し、google.cn(Google China)へのアクセスを自動的にgoogle.com.hk(Google Hong Kong)へリダイレクトする措置をとりました。現在はgoogle.cnはサービスを提供せず、google.com.hkへのリンクが設置されているのみとなっており、自動リダイレクト措置を停止しています。Googleが提供する検索サービスのユーザー数を、自動リダイレクト措置を開始した2010年3月と2011年3月で比較すると、ユーザー数が16.6%減少しました。しかし、その内訳を見ると実際にGoogleが中国撤退を発表した2010年3月にgoogle.cnのユーザー数がほぼゼロまで落ち込んだ一方で、中国本土からgoogle.com.hkへアクセスするユーザー数が大きく伸びています。(図表1)
自動リダイレクト措置直後、google.com.hkの利用者が大幅に増えたことから、google.cn利用ユーザーの多くが継続してGoogleを利用していることが伺えます。また、2011年4月のgoogle.com.hkからの遷移先の約半数がGoogle画像検索やGmailなどGoogleが提供する他のサービスに移動しており、Googleが中国本土から撤退後も利用ユーザーから強い支持を受けていることが伺えます。しかし一方、Googleビデオ検索やニュース検索ではgoogle.com.hkへの自動リダイレクトが開始された影響でユーザーが減少しています。特にGoogleビデオ検索に関しては自動リダイレクトが開始された2010年3月の翌月から大きくユーザー数が低下しており、2010年3月から4月にかけてユーザー数が約半数まで落ち込んでいます。これは、断続的で不安定な中国本土からgoogle.com.hkへの接続状況によって、YouTubeなどのオンライン動画サービスの視聴が難しくなったことが要因として考えられます。(図表2)
Googleが中国において苦戦を強いられている状況が続く中、中国資本の検索エンジンは着実にシェアを伸ばしています。Google撤退以前より中国最大の検索エンジンである百度(Baidu)は、ユーザー数をさらに増やしており、2010年3月から2011年3月にかけてユーザー数が約20%増加しています。同様に中国大手ポータルサイト捜狐(Sohu)が運営する検索エンジン捜狗(Sogou)もGoogleの後を狙い、順調にユーザー数を伸ばしており、2010年3月から2011年3月にかけてユーザー数を約2.5倍に増加させています。(図表3)なお、捜狗を運営する捜狐は、2010年8月に中国最大のECサイトを運営するアリババ・グループと検索事業での提携を発表しており、この2社が今後更なるシェア拡大に向けて攻勢をかけてくる事が予想されます。
このように中国資本の検索エンジンが虎視眈々とGoogleのシェアを狙っている中、Googleが中国で置かれている状況はさらに悪化しています。2011年3月には、中国大手ポータルサイトの一つとして挙げられる新浪(Sina)がGoogleとの提携を解消し、Googleの検索技術利用の停止を発表しました。また、中国では新たにオンライン地図サービスの運営に政府の許可が必要となり、Googleは中国政府に対して運営許可の申請を未だ行っておらず、申請の期日である2011年7月以降は中国でGoogleマップが利用できなくなる可能性もあります。コムスコア社のメディアメトリックスでは、時系列で対象サイトのデータを測定しており、各事象が複数月にわたってどのような影響をサイトに対してもたらしているかを可視化することが可能となっております。今後ともGoogleにとって厳しい状況が続くと推察される中国の検索エンジン業界に関して、その動向を追っていくことが肝要となります。
■調査主旨及び要綱
【調査主旨】
中国の検索エンジン利用動向を調査
【調査要綱】
・ データソース:コムスコア社が提供するネット視聴率データ、メディアメトリックス(中国データ)
・ 調査方法:コムスコア社が保有する調査対象パネルのインターネット使用データを基とした統計予測
・ 調査期間:2011年3月度集計
<航空業界関連ウェブサイト定義>
本調査において検索サービスをインターネット上の情報を総合的に提供している検索サービス及び特定情報(ニュース・動画)に限定した検索サービスと定義します。
【会社概要】
■会社名 アウンコンサルティング株式会社
■代表者 代表取締役 信太 明
■設 立 1998年6月8日
■資本金 339,576千円
■所在地 東京都文京区後楽1−1−7 グラスシティ後楽
■TEL 03−5803−2727
■FAX 03−5803−2750
■URL http://www.auncon.co.jp/
■E-Mail sp@auncon.co.jp
■事業内容 アジア圏を中心としたグローバルマーケティング支援(多言語のウェブ制作・メディア運営・販促支援・翻訳)
【調査に関するお問い合わせ】
■会社名 アウンコンサルティング株式会社
■TEL 03−5803−2777
■FAX 03−5803−2750
■E-Mail research@auncon.co.jp
世界最大規模の検索エンジンとして、多くの国で広く普及しているGoogleですが、中国では政府が要求するWebの検閲などに関して中国政府とGoogle間で対立が起こりました。2010年3月にはGoogleに対するサイバー攻撃を発端に、Googleは中国本土からの撤退を発表し、google.cn(Google China)へのアクセスを自動的にgoogle.com.hk(Google Hong Kong)へリダイレクトする措置をとりました。現在はgoogle.cnはサービスを提供せず、google.com.hkへのリンクが設置されているのみとなっており、自動リダイレクト措置を停止しています。Googleが提供する検索サービスのユーザー数を、自動リダイレクト措置を開始した2010年3月と2011年3月で比較すると、ユーザー数が16.6%減少しました。しかし、その内訳を見ると実際にGoogleが中国撤退を発表した2010年3月にgoogle.cnのユーザー数がほぼゼロまで落ち込んだ一方で、中国本土からgoogle.com.hkへアクセスするユーザー数が大きく伸びています。(図表1)
自動リダイレクト措置直後、google.com.hkの利用者が大幅に増えたことから、google.cn利用ユーザーの多くが継続してGoogleを利用していることが伺えます。また、2011年4月のgoogle.com.hkからの遷移先の約半数がGoogle画像検索やGmailなどGoogleが提供する他のサービスに移動しており、Googleが中国本土から撤退後も利用ユーザーから強い支持を受けていることが伺えます。しかし一方、Googleビデオ検索やニュース検索ではgoogle.com.hkへの自動リダイレクトが開始された影響でユーザーが減少しています。特にGoogleビデオ検索に関しては自動リダイレクトが開始された2010年3月の翌月から大きくユーザー数が低下しており、2010年3月から4月にかけてユーザー数が約半数まで落ち込んでいます。これは、断続的で不安定な中国本土からgoogle.com.hkへの接続状況によって、YouTubeなどのオンライン動画サービスの視聴が難しくなったことが要因として考えられます。(図表2)
Googleが中国において苦戦を強いられている状況が続く中、中国資本の検索エンジンは着実にシェアを伸ばしています。Google撤退以前より中国最大の検索エンジンである百度(Baidu)は、ユーザー数をさらに増やしており、2010年3月から2011年3月にかけてユーザー数が約20%増加しています。同様に中国大手ポータルサイト捜狐(Sohu)が運営する検索エンジン捜狗(Sogou)もGoogleの後を狙い、順調にユーザー数を伸ばしており、2010年3月から2011年3月にかけてユーザー数を約2.5倍に増加させています。(図表3)なお、捜狗を運営する捜狐は、2010年8月に中国最大のECサイトを運営するアリババ・グループと検索事業での提携を発表しており、この2社が今後更なるシェア拡大に向けて攻勢をかけてくる事が予想されます。
このように中国資本の検索エンジンが虎視眈々とGoogleのシェアを狙っている中、Googleが中国で置かれている状況はさらに悪化しています。2011年3月には、中国大手ポータルサイトの一つとして挙げられる新浪(Sina)がGoogleとの提携を解消し、Googleの検索技術利用の停止を発表しました。また、中国では新たにオンライン地図サービスの運営に政府の許可が必要となり、Googleは中国政府に対して運営許可の申請を未だ行っておらず、申請の期日である2011年7月以降は中国でGoogleマップが利用できなくなる可能性もあります。コムスコア社のメディアメトリックスでは、時系列で対象サイトのデータを測定しており、各事象が複数月にわたってどのような影響をサイトに対してもたらしているかを可視化することが可能となっております。今後ともGoogleにとって厳しい状況が続くと推察される中国の検索エンジン業界に関して、その動向を追っていくことが肝要となります。
■調査主旨及び要綱
【調査主旨】
中国の検索エンジン利用動向を調査
【調査要綱】
・ データソース:コムスコア社が提供するネット視聴率データ、メディアメトリックス(中国データ)
・ 調査方法:コムスコア社が保有する調査対象パネルのインターネット使用データを基とした統計予測
・ 調査期間:2011年3月度集計
<航空業界関連ウェブサイト定義>
本調査において検索サービスをインターネット上の情報を総合的に提供している検索サービス及び特定情報(ニュース・動画)に限定した検索サービスと定義します。
【会社概要】
■会社名 アウンコンサルティング株式会社
■代表者 代表取締役 信太 明
■設 立 1998年6月8日
■資本金 339,576千円
■所在地 東京都文京区後楽1−1−7 グラスシティ後楽
■TEL 03−5803−2727
■FAX 03−5803−2750
■URL http://www.auncon.co.jp/
■E-Mail sp@auncon.co.jp
■事業内容 アジア圏を中心としたグローバルマーケティング支援(多言語のウェブ制作・メディア運営・販促支援・翻訳)
【調査に関するお問い合わせ】
■会社名 アウンコンサルティング株式会社
■TEL 03−5803−2777
■FAX 03−5803−2750
■E-Mail research@auncon.co.jp