ToolsOnAir、MTVヨーロッパ・ミュージック・アワードのライブ中継に活躍 -6系統のHDストリームを使い、インジェストと同時にFCPによる追いかけ編集の並列処理を実現-
[11/09/14]
提供元:DreamNews
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プレスリリース
2011年9月14日
株式会社シナジー
欧州報道資料抄訳
原文発表:2011年4月
-6系統のHDストリームを使い、インジェストと同時にFCPによる追いかけ編集の並列処理を実現-
MTVヨーロッパ・ミュージック・アワード(EMA)は、世界中の音楽ファンの心にとって常に特別な場所であり続けてきました。MTVは、1994年開催の第1回からEMAを記憶に鮮烈に残るイベントとするべくあらゆる奇策を巡らしてきました。'94年にベルリンのブランデンブルク門に巨大なテントを張るなど狙ったものであったり、'99年のイギー・ポップの意表を衝くパフォーマンスだったり、'02年にP・ディディがバックステージにミルク風呂を要求したような奇抜なものだっりしましたが、イベントは一貫して行われてきました。
17回目を迎えた2010年11月のEMAは、マドリードのカハマヒカスタジアムから放送されました。スター揃いの出演者を相手にエヴァ・ロンゴリアが手際よく司会をこなし、今回初めて設けられた「グローバル・アイコン賞」をボン・ジョヴィに授与しました。イベントの模様は、MTVマルチメディア・ネットワークによって全世界の6億を超える視聴世帯に向けてライブ中継されました。
同局の過去最大級のライブ放送になり、前回よりもさらに複雑なコーディネートを必要としました。加えてインターナショナルMTVメディアとそのニュースクルーだけでなく、米MTV2と米MTV Newsからもクルーが集結しました。MTVNE 制作ディレクターのアレック・ヘンドリーは、「イベントの規模の拡大に、新たな課題はつきものです」と説明します。
「過去2年間は、資源を共有するために番組本編、ニュース、デジタルメディアを担当する各チームを束ねることに注力してきました。各チームはそれぞれが受け持つ仕事に応じた異なる目標をもっています。そのまま放送されるライブコンテンツ、突発的な事象、ライブパフォーマンス、ウェブコンテンツ、と多岐に分かれますが、皆同じリソースを共有します。今年はさらに多くの人員とチームが投入され、さらに仕事が多様化しました。
取り込まれたソースを共有するためにファイバーチャネルでSANに接続されたFinal Cut編集機が10セット用意されました。インジェスト用には3台のMac ProにToolsOnAirの「just:in」(ジャストイン)がインストールされ、それぞれBlackmagic DesignのI/Oカードを装着し、2系統のビデオ入力から得た映像をSANに直接インジェストします。ステージからの複数のフィードは、レッドカーペットや様々なバックステージの模様があつめられ、編集クルーは余りある豊富なビデオソースを使って編集をこなすことができました。「メインステージからは、複数のバージョンやアングルの画が、テロップの有無も含めて得られ、エディターは場面に応じていつでも必要な画を挿入できました」
「ToolsOnAirの機材はライブオンエア当日を通じてフル稼動状態にありました。入ってくる映像コンテンツは、すべてのチームのすべての編集機で即座に扱うことができ、番組が開始した直後から各部分に使える映像の編集に着手できました」
just:inは入力されてくる映像ソースのなかから最大8系統のHD入力ストリームの取り扱いに対応し、ストリームのインジェストが進行中であっても、FCPによる追いかけ編集が可能です。
数時間後の米国MVTでの再放送にも、ToolsOnAirシステムの素早い即応能力が重宝されました。
「海外からのクルーが入力されてくるコンテンツの編集に取り掛かっている間にも、同時に米国チームが別の編集用にSANに書きこんでいました 」とヘンドリーは加えます。
複数のライブフィードが編集できるだけでなく、「just:in」がフルHD画質を扱える能力はさらなる利点になったとヘンドリーは言います。
「当初から一貫して単一のフォーマットで完結できるように、すべての編集をフルHDで行うことを目指していました」
さらにヘンドリーはリハーサル中にクルーが快哉を叫ぶ体験を得たことに触れます。
「どうやって3系統の定点カメラからのフィードの同期を取るかを悩んでいました。特定の時間の映像に切り替える必要が出たときでも簡単に済ませられるようにするためです。過去に使ったシステムにはコンピュータの内部クロックを使ってディスクに録画するものもありました。しかし、同じイベントを撮影した3台のカメラからのフィードを同期させようとすれば、異なるタイムコードとオフセットに悩まされて大変なことになります。本番の2日前にToolsOnAirの技術陣も検討していたことと知ります。すでに彼らはすべてのMacを同一のタイムコードソースに同期させる方法を導きだしていました。こうして無事同じオーディオタイムコードをアナログ音声入力につないで3台すべての同期を取ることができました。実に独創的な方法でした」
バックステージからの映像とパフォーマンスなど、生放送に含まれなかったその他の映像素材を使った編集も完結しました。
「合わせて6系統のライブフィードを朝の6時から深夜まで、ほとんどノンストップで使いました。ToolsOnAirで複数のチームによる同一のライブ素材を使った同時編集作業で、いくつもの異なるバージョンのコンテンツを極めて早いペースで編集することができました。通常なら大混乱を巻き起こす危険がある作業ですが、実際には非常にスムーズに実行できました。当初ハードウェアベースのシステムも検討しましたが、機材のレンタル費に熟練したオペレーターの費用が重なり非常に高くなります。結果的にToolsOnAirのシステムは我々の制作環境により適していました」
※補足情報
本リリースの事例において合計6系統のインジェストに3台のMac Proが使用されていますが、原文発表後の2011年5月に発表された「just:」シリーズの最新版バージョン1.5では、「just:in multi」(ジャストイン・マルチ)の多チャンネル入出力カード対応、および複数のカード装着対応により、1台のMacProで対応できるようになりました。
■ToolsOnAir社について
オーストリアのウイーンに本拠を構えるTools on Air Broadcast Engineering社は、放送エンジニアによって設立されました。「just:」(ジャスト)シリーズ放送スイートは、Macだけで完全なテレビ放送局システムの構築を可能にしたソフトウェアとして、全世界に数多くの導入実績を持ち高い評価を獲得しています。
■ 株式会社シナジーについて
株式会社シナジー(東京都江戸川区)は、ソリューションベンダ機能を持つ専門商社として、主にデータストレージやソフトウェアを放送・映像制作を中心としたリッチメディアコンテンツ制作およびプロフェッショナルイメージング分野に供給しています。
<本件に関するお問い合わせ先>
株式会社シナジー 営業部
東京都江戸川区西瑞江4-14-8 TSMビル4F
Eメール : 2@sngy.jp
URL : http://www.synergykk.com
電話 03-3654-3883