大きく伸びた子が手に入れた“将来に生かせる力”とは?(高校受験に関するアンケート調査結果)
[11/11/15]
提供元:DreamNews
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今回の報告内容の要約は次のとおりです。
● 難関校への合格や学力の大幅な伸びを実現した子供には、“将来への思考”、“学習する時間帯の決定”、そして “友達との関係” で、全体との違いが見られた。
● 特に、難関校に合格した子供には “志望校の早期決定” と “志望校への強いこだわり” が見られ、学力を大幅に伸ばした子供には “課題の明確さ” と “短周期の学習計画” に特徴が表れた。
● 多くの保護者は子供の受験による成長を、“自ら目標を設定して達成する経験による自立心や自主性の向上” という点で感じている。
● 学力を大幅に伸ばした子供に見られる特徴である「課題の明確さ」と「短周期の学習計画づくり」は成長の鍵であり、社会で活躍する人材像の要件にも通じているため、学校や塾などの教育サービスにおいて強く意識されるべき点である。
■ 調査の背景 ■
当社は、企業に対して変革活動推進や次世代リーダー育成をパートナーとして支援することを主力事業としています。これまで経営課題に取り組むリーダーやメンバーと接してきた中で、「学校教育において優秀とされた人が、必ずしも社会で活躍できていないのではないか?」という問題意識が芽生えました。
これから日本はますます高齢化が進み、就業人口が減少していきます。高い生産性が求められ、働き方を大きく変えていく必要も出てきます。学校教育が理想として描く人材像と社会で活躍する人材像にギャップが生じていることは問題であり、次世代を担う人材の育成という観点からも、社会全体にとって大きな損失です。当社は、将来社会で活躍する人材の成長について研究を始めることにしました。その端緒として、最も多くの人が選抜試験を初めて経験する高校受験に着目しました。
■ 調査の目的 ■
受験を通した様々な観点での成長や、志望校決定から合格までの受験の過程を分析することで、将来社会で活躍できる人材への成長を促すためのヒントを見出す。
■ 調査概要 ■
(1) 調査名称 : 「高校受験に関するアンケート調査」
(2) 調査対象 : 東京23区内の高校受験で一般入試を経験した家庭
(3) 期間 : 2011年10月〜11月
(4) 調査方法 : 郵送アンケート
(5) 有効回答数 : 202名
(6) 回答者 : 保護者 (一部の質問は子供に確認しながら回答)
■ 主な調査項目 ■
・入学した高校、現在の学年
・高校受験を通した子供の成長度合いとその理由
・最初の志望校の決定時期、志望校を決めたきっかけ、志望校名、当時の学力との差
・志望校や受験校の決定の際の将来への思考度合い、志望校や受験校へのこだわりの強さ
・志望校合格に向けた課題や学習方法の明確さ
・学習計画の周期と実行度、学習時間の決定
・中学3年生時の模擬試験の受験回数、役立ち度合いとその理由
・最も良い/悪い影響を与えた関係者とその理由
・利用していた教育サービス
・塾の名称・教室名、他人への推奨度とその理由 (学習塾利用者のみ)
・これから受験を経験する保護者へのアドバイス
■ 分析のアプローチ ■
「難関校に合格した子供」と「学力を大きく伸ばした子供」を次のように定義し、全体と比較した。
・ 難関校に合格した子供 :
偏差値70以上の高校に入学した子供。
※合同会社ジーナスの運営するWEBサイト「高校受験ナビ(http://www.zyuken.net/)」の情報をもとに学校を特定した。
・ 学力を大きく伸ばした子供 :
(最初の志望校と当時の学力との偏差値の差)+(入学した高校と最初の志望校との偏差値の差)を「学力の伸び」と定義し、「学力の伸び」が偏差値10以上となった子供。
■ 調査・分析結果 ■
1.目標設定と達成へのこだわり
・ 「難関校に合格した子供」と「学力を大きく伸ばした子供」は、志望校や受験校を決定する際に高校卒業後の将来について強く考えている (図表1)。
・ 「難関校に合格した子供」は、最初の志望校の決定時期が早く、志望校や受験校へのこだわりを非常に強く持っている (図表2、3)。
2.課題の設定と計画的学習
・ 「学力を大きく伸ばした子供」は、8割以上の子が志望校合格に向けての課題が明確で、5割以上の子が週間または1日の学習計画を立てている (図表4、5)。
・ 「難関校に合格した子供」で、計画を立てていない割合が高いのは、志望校を早期に決定して受験対策に長い期間が取れていることから計画の必要性が低くなっていることも一因ではないかと考えられる (図表5)。
・ 「難関校に合格した子供」と「学力を大きく伸ばした子供」では、学習する時間帯を明確に決めていた人の割合が全体に比べ高い (図表6)。
3.影響を与えた関係者
・「難関校に合格した子供」と「学力を大きく伸ばした子供」では、友達が最も良い影響を与えたという人の割合が全体よりも高くなっている (図表7)。
・「学力を大きく伸ばした子供」で最も良い影響者に家族が挙がっていないのは、子供が自ら順調に学力を伸ばしていたため、家族があまり関与しなかった可能性もある (図表7)。「学力を大きく伸ばした子供」では、悪い影響を与えた関係者がいないと回答した人が5割を超えていて最も高い割合を示した (図表8)。
4. 受験を通した子供の成長
・ 「学力を大きく伸ばした子供」では、子供の成長を感じている保護者の割合が全体よりも高く、「難関校に合格した子供」では割合が全体よりも低くなっている (図表9)。子供の成長を感じた理由としては、自ら目標を設定して達成する経験となったことや、自立心や自主性が強まったことなどが挙げられている (図表9)。
5. 社会で活躍する人材へと成長していくために
企業に対してリーダー育成を支援する立場から見て、自ら目標を設定して達成する経験と、その経験を通じて得た自立心、精神的な強さ、視野の広がりは社会に出てからも大いに役立つものであると感じた。
その一方で、最も違和感があったのは、計画を立てていない子供があまりにも多いことであった。毎日決まった時間に机に向かうといったことは、計画ではなく習慣レベルのものである。計画とは、目指すゴールに期限があり、限られた時間を割り当てるものである。課題を明確にすることも必要となる。
社会に出ると様々な制約の中で目標を達成していくことが求められる。時間が限られる中で、仕事と家庭を両立しながら、自らの人生の目標を達成していくことになる。「やりたいこと」「やるべきこと」を整理し、取捨選択して、着実に進める人材が社会で活躍できる。少子高齢化が進む中で、“課題設定”と“プランニング(計画立案)”の重要性は、より顕著になっていくだろう。
そのような観点からも、今回の集計結果で「学力を大きく伸ばした子供」において特徴として表れた “課題の明確さ” と “短周期の計画づくり” は、重要なポイントである。「難関校に合格した子供」は、志望校を早く決めて十分な期間が取れたために計画への意識や重要性が低くなったのかもしれないが、大学受験では是非意識をしてもらいたい。
また、学校や塾などの教育サービスも、“課題設定” と “プランニング(計画立案)” を強く意識して、生徒の指導に当たるべきではないだろうか?
◆株式会社ACWパートナーズのご紹介
ACWとは、Advanced Company Way の略。企業の永続的な成長をパートナーとして支援する経営コンサルティング会社。
社員が自律的に動き、組織として成功体験を積みながら、自社独自のウェイを強めていくための各種サービスを提供する。
製造業からサービス業まで幅広い業界における企業の変革活動への支援ノウハウを持つ。
また、店舗など拠点をチェーン展開する企業への各種サービスも充実している。
【会社概要】
1. 代表者:大國 仁
2. 設 立:2010年3月2日
3. 資本金:500万円
<この件に関するお問い合わせ先>
株式会社ACWパートナーズの大國 仁(おおくにじん)までお願いいたします。
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエアビルイーストタワー4階
TEL : 03-5219-1443 FAX : 03-5219-1201 E-Mail : info@acwp.jp
弊社のニュースリリース(PDFファイル)は、http://acwp.jpからダウンロードできます。
● 難関校への合格や学力の大幅な伸びを実現した子供には、“将来への思考”、“学習する時間帯の決定”、そして “友達との関係” で、全体との違いが見られた。
● 特に、難関校に合格した子供には “志望校の早期決定” と “志望校への強いこだわり” が見られ、学力を大幅に伸ばした子供には “課題の明確さ” と “短周期の学習計画” に特徴が表れた。
● 多くの保護者は子供の受験による成長を、“自ら目標を設定して達成する経験による自立心や自主性の向上” という点で感じている。
● 学力を大幅に伸ばした子供に見られる特徴である「課題の明確さ」と「短周期の学習計画づくり」は成長の鍵であり、社会で活躍する人材像の要件にも通じているため、学校や塾などの教育サービスにおいて強く意識されるべき点である。
■ 調査の背景 ■
当社は、企業に対して変革活動推進や次世代リーダー育成をパートナーとして支援することを主力事業としています。これまで経営課題に取り組むリーダーやメンバーと接してきた中で、「学校教育において優秀とされた人が、必ずしも社会で活躍できていないのではないか?」という問題意識が芽生えました。
これから日本はますます高齢化が進み、就業人口が減少していきます。高い生産性が求められ、働き方を大きく変えていく必要も出てきます。学校教育が理想として描く人材像と社会で活躍する人材像にギャップが生じていることは問題であり、次世代を担う人材の育成という観点からも、社会全体にとって大きな損失です。当社は、将来社会で活躍する人材の成長について研究を始めることにしました。その端緒として、最も多くの人が選抜試験を初めて経験する高校受験に着目しました。
■ 調査の目的 ■
受験を通した様々な観点での成長や、志望校決定から合格までの受験の過程を分析することで、将来社会で活躍できる人材への成長を促すためのヒントを見出す。
■ 調査概要 ■
(1) 調査名称 : 「高校受験に関するアンケート調査」
(2) 調査対象 : 東京23区内の高校受験で一般入試を経験した家庭
(3) 期間 : 2011年10月〜11月
(4) 調査方法 : 郵送アンケート
(5) 有効回答数 : 202名
(6) 回答者 : 保護者 (一部の質問は子供に確認しながら回答)
■ 主な調査項目 ■
・入学した高校、現在の学年
・高校受験を通した子供の成長度合いとその理由
・最初の志望校の決定時期、志望校を決めたきっかけ、志望校名、当時の学力との差
・志望校や受験校の決定の際の将来への思考度合い、志望校や受験校へのこだわりの強さ
・志望校合格に向けた課題や学習方法の明確さ
・学習計画の周期と実行度、学習時間の決定
・中学3年生時の模擬試験の受験回数、役立ち度合いとその理由
・最も良い/悪い影響を与えた関係者とその理由
・利用していた教育サービス
・塾の名称・教室名、他人への推奨度とその理由 (学習塾利用者のみ)
・これから受験を経験する保護者へのアドバイス
■ 分析のアプローチ ■
「難関校に合格した子供」と「学力を大きく伸ばした子供」を次のように定義し、全体と比較した。
・ 難関校に合格した子供 :
偏差値70以上の高校に入学した子供。
※合同会社ジーナスの運営するWEBサイト「高校受験ナビ(http://www.zyuken.net/)」の情報をもとに学校を特定した。
・ 学力を大きく伸ばした子供 :
(最初の志望校と当時の学力との偏差値の差)+(入学した高校と最初の志望校との偏差値の差)を「学力の伸び」と定義し、「学力の伸び」が偏差値10以上となった子供。
■ 調査・分析結果 ■
1.目標設定と達成へのこだわり
・ 「難関校に合格した子供」と「学力を大きく伸ばした子供」は、志望校や受験校を決定する際に高校卒業後の将来について強く考えている (図表1)。
・ 「難関校に合格した子供」は、最初の志望校の決定時期が早く、志望校や受験校へのこだわりを非常に強く持っている (図表2、3)。
2.課題の設定と計画的学習
・ 「学力を大きく伸ばした子供」は、8割以上の子が志望校合格に向けての課題が明確で、5割以上の子が週間または1日の学習計画を立てている (図表4、5)。
・ 「難関校に合格した子供」で、計画を立てていない割合が高いのは、志望校を早期に決定して受験対策に長い期間が取れていることから計画の必要性が低くなっていることも一因ではないかと考えられる (図表5)。
・ 「難関校に合格した子供」と「学力を大きく伸ばした子供」では、学習する時間帯を明確に決めていた人の割合が全体に比べ高い (図表6)。
3.影響を与えた関係者
・「難関校に合格した子供」と「学力を大きく伸ばした子供」では、友達が最も良い影響を与えたという人の割合が全体よりも高くなっている (図表7)。
・「学力を大きく伸ばした子供」で最も良い影響者に家族が挙がっていないのは、子供が自ら順調に学力を伸ばしていたため、家族があまり関与しなかった可能性もある (図表7)。「学力を大きく伸ばした子供」では、悪い影響を与えた関係者がいないと回答した人が5割を超えていて最も高い割合を示した (図表8)。
4. 受験を通した子供の成長
・ 「学力を大きく伸ばした子供」では、子供の成長を感じている保護者の割合が全体よりも高く、「難関校に合格した子供」では割合が全体よりも低くなっている (図表9)。子供の成長を感じた理由としては、自ら目標を設定して達成する経験となったことや、自立心や自主性が強まったことなどが挙げられている (図表9)。
5. 社会で活躍する人材へと成長していくために
企業に対してリーダー育成を支援する立場から見て、自ら目標を設定して達成する経験と、その経験を通じて得た自立心、精神的な強さ、視野の広がりは社会に出てからも大いに役立つものであると感じた。
その一方で、最も違和感があったのは、計画を立てていない子供があまりにも多いことであった。毎日決まった時間に机に向かうといったことは、計画ではなく習慣レベルのものである。計画とは、目指すゴールに期限があり、限られた時間を割り当てるものである。課題を明確にすることも必要となる。
社会に出ると様々な制約の中で目標を達成していくことが求められる。時間が限られる中で、仕事と家庭を両立しながら、自らの人生の目標を達成していくことになる。「やりたいこと」「やるべきこと」を整理し、取捨選択して、着実に進める人材が社会で活躍できる。少子高齢化が進む中で、“課題設定”と“プランニング(計画立案)”の重要性は、より顕著になっていくだろう。
そのような観点からも、今回の集計結果で「学力を大きく伸ばした子供」において特徴として表れた “課題の明確さ” と “短周期の計画づくり” は、重要なポイントである。「難関校に合格した子供」は、志望校を早く決めて十分な期間が取れたために計画への意識や重要性が低くなったのかもしれないが、大学受験では是非意識をしてもらいたい。
また、学校や塾などの教育サービスも、“課題設定” と “プランニング(計画立案)” を強く意識して、生徒の指導に当たるべきではないだろうか?
◆株式会社ACWパートナーズのご紹介
ACWとは、Advanced Company Way の略。企業の永続的な成長をパートナーとして支援する経営コンサルティング会社。
社員が自律的に動き、組織として成功体験を積みながら、自社独自のウェイを強めていくための各種サービスを提供する。
製造業からサービス業まで幅広い業界における企業の変革活動への支援ノウハウを持つ。
また、店舗など拠点をチェーン展開する企業への各種サービスも充実している。
【会社概要】
1. 代表者:大國 仁
2. 設 立:2010年3月2日
3. 資本金:500万円
<この件に関するお問い合わせ先>
株式会社ACWパートナーズの大國 仁(おおくにじん)までお願いいたします。
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエアビルイーストタワー4階
TEL : 03-5219-1443 FAX : 03-5219-1201 E-Mail : info@acwp.jp
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