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金融機関のデータ管理態勢に関する 米国の実効的なアセスメントモデルの国内金融機関への導入を推進 〜バーゼル銀行監督委員会の諸原則(BCBS239)の実施に対応〜

株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役会長兼社長:嶋本 正、以下「NRI」)は、米国で金融機関向けの実効的なデータ管理態勢フレームワークとして使われている「Data Management Capability Assessment Model」*1(以下「DCAM」)を我が国の金融機関に導入しやすくすることを目的に、DCAMの日本語版を国内で初めて作成しました。

ニュースリリース本文のURL
http://www.nri.com/jp/news/2015/150525.aspx

DCAMは、大手金融機関で適用が求められているデータ管理態勢に関するバーゼル規制(BCBS239)の実施に対応しており、今後はDCAMを作成した米国のEDMカウンシル*2との連携を強化しながら、金融機関のデータ管理態勢高度化に向けたコンサルティングサービスを実施していきます。

DCAMの特長は以下の2つです。

■金融機関におけるデータ管理態勢の高度化要求に対応する内容
バーゼル銀行監督委員会(Basel Committee on Banking Supervision:BCBS)は、2013年1月9日に「実効的なリスクデータ集計とリスク報告に関する諸原則*3」(以下「BCBS239」)を公開しました。これは、銀行のリスク管理実務と意思決定プロセスを向上させるため、銀行のデータの集計能力と内部のリスク報告実務を強化することを企図したものです。

G-SIBs(Global Systemically Important Banks)に認定されたグローバルな金融システム上重要な銀行では、2016年までにBCBS239を完全な形で実施することが求められています。また、D-SIBs(Domestic Systemically Important Banks)に認定された国内の金融システム上重要な銀行においても、その認定から3年以内にBCBS239を適用することが奨励されています。国内では、メガバンク3行が既にG-SIBに認定されているほか、他の大手銀行が今年中にD-SIBに認定される見通しであり、今後、BCBS239を実施するための強固なガバナンスや枠組みの確立が必要となります。

DCAMは、実務的な観点から金融機関のデータ管理の高度化に向けたガバナンス体制やプロセス管理のありかた、データ管理のための組織体制などを規定しており、BCBS239を実施する際に、目指すべき組織全体でのデータ管理態勢の構築に用いることができます。

■欧米の金融機関の経験を基に構築された実効性の高いアセスメントモデル
米国では2006年ごろから、組織内のデータ管理態勢の高度化に向けた問題意識が高まり、CDO*4(チーフ・データ・オフィサー)を設置する金融機関が現れました。EDMカウンシルは、欧米金融機関のCDO経験者や、データ管理関連のサービス提供企業の出身者などで構成されており、実務経験を通じて蓄積されたノウハウを基に、金融機関のデータ管理担当者へのアドバイス提供や、政府規制当局への働きかけを行っています。DCAMは、こうした経験者の知見(ベストプラクティス)を基に、実務的な観点から構築されたデータ管理態勢のアセスメントモデルであるため、BCBS239適用時の課題や問題点を具体的に抽出することができます。

NRIは、かねてからデータ管理に関する情報収集や知見の蓄積などに取り組み、2014年に金融機関以外の日本企業では初めて、EDMカウンシルにメンバー登録しました。本年の夏には、日本で唯一となるEDMカウンシルの認定パートナー*5(Authorized Partner)に認定される予定です。今後は、認定パートナーとしてEDMカウンシルと連携しながら、金融機関に対する情報発信とデータ管理の高度化に向けた支援を進めていきます。

*1 Data Management Capability Assessment Model(DCAM):
EDMカウンシルが提唱している、データ管理態勢の包括的なアセスメントモデル(評価基準)です。このモデルを用いてアセスメントを実施することにより、金融機関におけるBCBS239への対応状況を評価すると共に、対応が必要な課題を抽出することができます。
*2 EDMカウンシル:
金融機関のCDO経験者、データ関連のソリューションベンダーなどで構成された非営利団体で、2005年に金融機関におけるデータ管理実務の発展・高度化を目的としてニューヨークで設立されました。J.P.モルガンやHSBCを含む、欧米のG-SIB行をはじめとする約150社がメンバーとなっています。
*3実効的なリスクデータ集計とリスク報告に関する諸原則(BCBS239):
金融危機時に多くの銀行では、リスクに関するデータが「正確に」、「統合的に」、「完全に」、「適時に」集計されていなかったことが発覚しました。この経験を基に、銀行のリスクデータ集計能力やリスク報告実務を強化することを企図したものが、BCBS239です。ここでは、例えば、計算された残高データから、詳細の明細データへ、さらに明細データの元となっている取引データへと、一貫したトレーサビリティ(追跡可能性)を保持することが、データ集計能力として要請されています。
*4 CDO(チーフ・データ・オフィサー):
 金融機関のデータ・ガバナンスやデータ管理について、最終的な責任を持つ経営幹部を指します。全社的な観点から、データ管理戦略の策定、データ品質やデータ処理プロセスに関する方針策定などを組織横断で推進する役割を担います。米国を中心に、大手金融機関の間で導入が進んでいます。
*5 EDMカウンシルの認定パートナー(Authorized Partner):
EDMカウンシルが提供するレクチャーなどの受講を経て、DCAMの考え方や、適用に当たって必要となる実務を正しく理解し、金融機関に対してアドバイスを提供するに資するとEDMカウンシルから認定された企業や団体を指します。今年の夏に、世界で5-6社が認定される見通しです。

【ニュースリリースに関するお問い合わせ】
株式会社野村総合研究所 コーポレートコミュニケーション部 十河、瀬戸 
TEL:03-6270-8100 E-mail:kouhou@nri.co.jp
【ソリューションに関するお問い合わせ】
株式会社野村総合研究所 ホールセールソリューション企画部 高村、片岡
E-mail:nri-edm@nri.co.jp
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