小規模太陽光発電所向けクラウド型常時監視システムを開発 ― 仮想電力会社の制御ボックスのプラットフォームへ ―
[15/08/05]
提供元:DreamNews
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2015年8月5日
報道関係者各位
マウンテンフィールズ株式会社
慶應義塾大学
小規模太陽光発電所向けクラウド型常時監視システムを開発
― 仮想電力会社の制御ボックスのプラットフォームへ ―
マウンテンフィールズ株式会社(代表取締役社長:山田芳幸/以下、マウンテンフィールズ) と慶應義塾大学(塾長:清家 篤/以下、慶大)は、慶大理工学部山中直明教授の総務省委託プ ロジェクト*1の研究成果である分散エネルギー制御ゲートウェイ技術を適用した小規模太陽光発 電所向けクラウド型常時監視システムを開発しました。開発したシステムでは、小型のインター ネット接続型監視ボックスとクラウドシステムを連携させて遠隔監視システムを実現すること により、大幅な低コスト化を実現しました。本システムは、現在急速に普及する一方、故障や強 風による事故、盗難といった問題をかかえる小規模の太陽光発電システムの常時遠隔監視を実現 するとともに、山中教授が提唱する仮想電力会社*2向けの制御ボックスプラットフォームとして の利用が期待されます。
1.背景 FIT(固定価格買取制度)により太陽光発電システムは、空地や無耕作農地を利用し安価に建設さ れ、次世代の重要な再生可能エネルギー供給源として急速に普及しています。一方、多くの設備が、 人目につかない郊外に設置されているために、台風や強風による損害、故障、設備盗難といった様々 な障害が問題となっています。 このような不十分な管理は、エネルギーの安定供給上も、また設備の安全安心な有効利用上も問題 化しており、すでに経済産業省はこれらの設備への長期安定利用のため、保守管理の義務付けを検討 しています(日本経済新聞2015.7.14(火)朝刊5面)。特にメガソーラと異なり、50 kW以下の低圧連 係太陽光発電システムは、投資額や売電量も比較的少なく、空地利用や個人投資により低価格で建設 されており、人手による常時の監視・保守の実現や高価な遠隔監視システムの導入は困難でありまし た。
2.適用した研究成果 慶大山中教授の研究チームは、仮想電力会社実現に向けて、家庭に配備する発電量制御・売買電 力量制御ボックスの研究開発を進めてきました。その中で、総務省委託プロジェクトの研究成果の一 部として、各家庭の制御ボックスをインターネットとクラウドを利用して連携運用することで仮想的 に構築したローカル発電所を制御・管理可能とするシステムを開発しています。今回開発したシステ ムには、この技術を適用しています。
3.システム概要 マウンテンフィールズが開発した小規模産業用太陽光発電所監視システム「PモンZ(仮称)」は、 低コスト化のために機能を限定させた既存技術*3を小型ボックスに搭載し、一方で機能の拡張性を確 保するために小型ボックスとクラウドを連携*4させています。そのため、小規模産業用太陽光発電所 監視システムのボックスパッケージ型としては国内最低価格で市場へ販売していく予定(2015年9月 中旬を予定)です。 「PモンZ(仮称)」は3G通信回線を利用することで、一般の産業用低圧系・分譲型発電所に通信 回線工事を必要とせず手軽に設置でき、インターネットを介してパソコンやスマートデバイスで太陽 光発電設備の状態をユーザー自身確認することが可能です。リアルタイムの発電量や、1日の時間毎 (日報)、1か月毎(月報)、1年毎(年報)、累計の発電量も確認でき、パワーコンディショナに異常が生じ 2/3 た際は、アラートメールを指定したメールアドレスに送信することができ、素早くメンテナンスを実 施することができます。監視業務は、マウンテンフィールズ社に委託し、常時保守・管理体制を確立 することも可能です。 さらにオプションとして、トータルの発電量だけでなく、複数あるパワーコンディショナ毎に発電 量を監視することができ、個々のパワーコンテショナを仮想発電所として運用することも可能となり ます。このアーキテクチャにより、従来発見しにくかった部分故障にも対応でき、さらに、将来パワ ーコンディショナのメーカ・機種依存性を無くすことができます。
4.今後の展開 マウンテンフィールズと慶大は連携して、本監視システムを以下のように応用、発展させる予定で す。 [基本システム(今回販売予定)] 太陽光発電システムのクラウド連携による発電状態の監視と異常検出を実現。 [統合的保守監視システム] 複数のカメラインタフェース、人感センサを備え、事故・盗難等を含めた監視システムを提供す る。今回開発したボックスにはそれらの拡張インタフェースを備える。 [仮想電力会社(EVNO) 用コントロールボックス] 複数の発電、蓄電、消費、電気自動車チャージを連携し、最少のコストで電力を利用するEVNO (Energy Virtual Network Operator)の制御ボックスとなり、発電量制御や電気自動車への直接売 電等のプラットフォームとして利用可能とする。
(*1) 総務省、戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)、先進的アプリケーション開発型とし て研究開発された技術を一部応用しています。
(*2) 仮想電力会社(EVNO: Energy Virtual Network Operator):慶大が、2010年に提唱したイン フラ設備をもたない電力会社モデル。スマートグリット内の複数の発電源、電力消費源等をグル ープ化して仮想化したものを管理・制御します。
(*3) 本監視装置はエヌエスティ・グローバリスト株式会社製のLinuxプログラム実装/3G通信モジ ュール内蔵ルータ「SpreadRouter-F」を3G通信計測装置として採用しています。
(*4) クラウドと本監視装置をクラウドシステム(Microsoft Azure)を利用し、新規機能への対 応、監視インタフェース、故障発見等、変更や機能追加が頻繁に行われるものはSaaS (Software as a service)化しています。
【商標について】 「SpreadRouter-F」はエヌエスティ・グローバリスト株式会社の登録商標です。 「Microsoft Azure」は、米国Microsoft社の登録商標です。 EVNO における仮想マイクログリッド 3/3 *ご取材の際は、事前に下記までご一報くださいますようお願い申し上げます。 *本資料は文部科学記者会、科学記者会、各社科学部等に送信させていただいております。
・製品についてのお問合せ先
マウンテンフィールズ株式会社 管理部 山田孝司
Tel:03-6435-9533 e-mail:tyamada@mt-fields.com
・研究内容についてのお問合せ先 慶應義塾大学理工学部情報工学科 教授 山中直明
Tel:045-566-1744 Fax:045-566-1747 e-mail:yamanaka@ics.keio.ac.jp
・本リリースの配信元 慶應義塾広報室 (竹内)
Tel:03-5427-1541 Fax:03-5441-7640 e-mail:m-koho@adst.keio.ac.jp
報道関係者各位
マウンテンフィールズ株式会社
慶應義塾大学
小規模太陽光発電所向けクラウド型常時監視システムを開発
― 仮想電力会社の制御ボックスのプラットフォームへ ―
マウンテンフィールズ株式会社(代表取締役社長:山田芳幸/以下、マウンテンフィールズ) と慶應義塾大学(塾長:清家 篤/以下、慶大)は、慶大理工学部山中直明教授の総務省委託プ ロジェクト*1の研究成果である分散エネルギー制御ゲートウェイ技術を適用した小規模太陽光発 電所向けクラウド型常時監視システムを開発しました。開発したシステムでは、小型のインター ネット接続型監視ボックスとクラウドシステムを連携させて遠隔監視システムを実現すること により、大幅な低コスト化を実現しました。本システムは、現在急速に普及する一方、故障や強 風による事故、盗難といった問題をかかえる小規模の太陽光発電システムの常時遠隔監視を実現 するとともに、山中教授が提唱する仮想電力会社*2向けの制御ボックスプラットフォームとして の利用が期待されます。
1.背景 FIT(固定価格買取制度)により太陽光発電システムは、空地や無耕作農地を利用し安価に建設さ れ、次世代の重要な再生可能エネルギー供給源として急速に普及しています。一方、多くの設備が、 人目につかない郊外に設置されているために、台風や強風による損害、故障、設備盗難といった様々 な障害が問題となっています。 このような不十分な管理は、エネルギーの安定供給上も、また設備の安全安心な有効利用上も問題 化しており、すでに経済産業省はこれらの設備への長期安定利用のため、保守管理の義務付けを検討 しています(日本経済新聞2015.7.14(火)朝刊5面)。特にメガソーラと異なり、50 kW以下の低圧連 係太陽光発電システムは、投資額や売電量も比較的少なく、空地利用や個人投資により低価格で建設 されており、人手による常時の監視・保守の実現や高価な遠隔監視システムの導入は困難でありまし た。
2.適用した研究成果 慶大山中教授の研究チームは、仮想電力会社実現に向けて、家庭に配備する発電量制御・売買電 力量制御ボックスの研究開発を進めてきました。その中で、総務省委託プロジェクトの研究成果の一 部として、各家庭の制御ボックスをインターネットとクラウドを利用して連携運用することで仮想的 に構築したローカル発電所を制御・管理可能とするシステムを開発しています。今回開発したシステ ムには、この技術を適用しています。
3.システム概要 マウンテンフィールズが開発した小規模産業用太陽光発電所監視システム「PモンZ(仮称)」は、 低コスト化のために機能を限定させた既存技術*3を小型ボックスに搭載し、一方で機能の拡張性を確 保するために小型ボックスとクラウドを連携*4させています。そのため、小規模産業用太陽光発電所 監視システムのボックスパッケージ型としては国内最低価格で市場へ販売していく予定(2015年9月 中旬を予定)です。 「PモンZ(仮称)」は3G通信回線を利用することで、一般の産業用低圧系・分譲型発電所に通信 回線工事を必要とせず手軽に設置でき、インターネットを介してパソコンやスマートデバイスで太陽 光発電設備の状態をユーザー自身確認することが可能です。リアルタイムの発電量や、1日の時間毎 (日報)、1か月毎(月報)、1年毎(年報)、累計の発電量も確認でき、パワーコンディショナに異常が生じ 2/3 た際は、アラートメールを指定したメールアドレスに送信することができ、素早くメンテナンスを実 施することができます。監視業務は、マウンテンフィールズ社に委託し、常時保守・管理体制を確立 することも可能です。 さらにオプションとして、トータルの発電量だけでなく、複数あるパワーコンディショナ毎に発電 量を監視することができ、個々のパワーコンテショナを仮想発電所として運用することも可能となり ます。このアーキテクチャにより、従来発見しにくかった部分故障にも対応でき、さらに、将来パワ ーコンディショナのメーカ・機種依存性を無くすことができます。
4.今後の展開 マウンテンフィールズと慶大は連携して、本監視システムを以下のように応用、発展させる予定で す。 [基本システム(今回販売予定)] 太陽光発電システムのクラウド連携による発電状態の監視と異常検出を実現。 [統合的保守監視システム] 複数のカメラインタフェース、人感センサを備え、事故・盗難等を含めた監視システムを提供す る。今回開発したボックスにはそれらの拡張インタフェースを備える。 [仮想電力会社(EVNO) 用コントロールボックス] 複数の発電、蓄電、消費、電気自動車チャージを連携し、最少のコストで電力を利用するEVNO (Energy Virtual Network Operator)の制御ボックスとなり、発電量制御や電気自動車への直接売 電等のプラットフォームとして利用可能とする。
(*1) 総務省、戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)、先進的アプリケーション開発型とし て研究開発された技術を一部応用しています。
(*2) 仮想電力会社(EVNO: Energy Virtual Network Operator):慶大が、2010年に提唱したイン フラ設備をもたない電力会社モデル。スマートグリット内の複数の発電源、電力消費源等をグル ープ化して仮想化したものを管理・制御します。
(*3) 本監視装置はエヌエスティ・グローバリスト株式会社製のLinuxプログラム実装/3G通信モジ ュール内蔵ルータ「SpreadRouter-F」を3G通信計測装置として採用しています。
(*4) クラウドと本監視装置をクラウドシステム(Microsoft Azure)を利用し、新規機能への対 応、監視インタフェース、故障発見等、変更や機能追加が頻繁に行われるものはSaaS (Software as a service)化しています。
【商標について】 「SpreadRouter-F」はエヌエスティ・グローバリスト株式会社の登録商標です。 「Microsoft Azure」は、米国Microsoft社の登録商標です。 EVNO における仮想マイクログリッド 3/3 *ご取材の際は、事前に下記までご一報くださいますようお願い申し上げます。 *本資料は文部科学記者会、科学記者会、各社科学部等に送信させていただいております。
・製品についてのお問合せ先
マウンテンフィールズ株式会社 管理部 山田孝司
Tel:03-6435-9533 e-mail:tyamada@mt-fields.com
・研究内容についてのお問合せ先 慶應義塾大学理工学部情報工学科 教授 山中直明
Tel:045-566-1744 Fax:045-566-1747 e-mail:yamanaka@ics.keio.ac.jp
・本リリースの配信元 慶應義塾広報室 (竹内)
Tel:03-5427-1541 Fax:03-5441-7640 e-mail:m-koho@adst.keio.ac.jp